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WOWOWドラマ「しんがり」のあらすじ解説!山一證券廃業の真相とは

元読売新聞記者・清武英利さんの小説「しんがり 山一證券 最後の12人」がWOWOWドラマ化!

「しんがり~山一證券 最後の聖戦」と改題され、江口洋介さん主演で9月20日から放送されます。

題材は、1997年に発表され大きな話題となった「山一證券の自主廃業」

老舗証券会社の崩壊の中で最後まで会社に残って筋を通した「しんがり」たちを描くノンフィクション作品です。

※しんがり(殿):敗戦時に後退する軍の中で最も危険な最後尾の一群

今回はそんなドラマ「しんがり」のあらすじを原作小説の内容から解説していきたいと思います。

ドラマ「しんがり」のあらすじ解説!

まずは、WOWOWドラマ「しんがり」のあらすじ冒頭部分から。

 

主人公・梶井は社内から「場末」と呼ばれている部署・業務監理本部(通称ギョウカン)の本部長に就任する。

その移動初日に当局からの調査が入ったため、社内監査部署であるギョウカンは社内調査に乗り出すことに。

当時、金融業界は「総会屋問題」で揺れていた。

ギョウカンが調査を進めていくうちに、山一證券内部にも不審な動きがあることが判明していく…。

 

あらすじ解説①:山一證券の自主廃業

1997年11月に発表され、社長の号泣会見とともに世間に大きな衝撃を与えた「山一證券の自主廃業」

当時は「老舗の大手企業が潰れるわけがない」と誰もが考えていた時代でした。

さて、証券会社が廃業するとなると1番の問題は「カネ・株」の清算業務。

山一證券には約24億円分の株・資産が集中していたため、顧客から「資産を返せ!」との声が連日寄せられる事態になるわけですよね。

しかし、その業務を行うべき山一證券社員の立場になってみると最重要なのは「再就職の手配」です。

沈みゆく船に残って仕事をするよりも生活のために自分の身を守ることが先決と考える社員は、われ先にと山一證券から逃げ出していきました。

ドラマ「しんがり」で描かれるのは、そうした状況の中で何のメリットもなく最後まで山一證券に残った社員たちの姿です。


 

あらすじ解説②:場末のギョウカン

主人公たちが所属する業務監理本部(通称ギョウカン)は、ざっくりといえば「左遷先の部署」

数字第一主義の山一證券にあって、利益を生み出さないギョウカンは呼び名通り「場末」の部署扱いされていました。

所属するのは、結果(利益)を出せなかった社員や、山一證券の体制に疑問を抱いた社員、不正を見過ごせなかった社員など。

しかし、そんな社内で不遇の扱いを受けていたギョウカンの面々こそが「誰かがやらなければいけない」と最後まで山一證券に残ったというのは考えさせられる話です。

山一證券の廃業に当たっては「営業停止の処理」「精算業務」と並んで「債務隠しの真相を暴く社内調査」が必要でした。

主人公たちギョウカンの人々が行ったのが、その社内調査。

社内調査は「どうしても時間がかかる=再就職の機会を逃してしまう」という社員にとっては避けたい仕事でした。

しかし、実際に再就職の機会を逃してまで、彼らは最後まで自分たちの仕事を貫いていきます。

 

あらすじ解説③:山一證券崩壊の真相

ノンフィクション作品に「ネタバレに配慮して…」というのもちょっと変ですが、物語の肝になる部分なので控えめに。

結論から言えば、山一證券崩壊の原因は一部の上層部の私欲や、自分勝手な判断でした。

下の人間がいかに筋を通して働こうとしても、権力のある上の人間が自分の都合で会社をつぶしてしまってはどうしようもありません。

なお、ドラマ「しんがり~山一證券 最後の聖戦」では山一證券破綻の元凶を作った会長役を岸部一徳さんが演じます。

実にイメージにピッタリな配役ですね。

 

まとめ

ノンフィクション小説「しんがり~山一證券 最後の聖戦」がWOWOWドラマ化!

題だけではなく人名などの設定変更は多少されているようですが、それでも原作通りいろいろと考えさせられるドラマになりそうです。

これもちょっとネタバレっぽいですが、結局最後まで沈みゆく山一證券に残ったギョウカンのメンバーの中には、再就職が厳しく不利な状況に追い込まれてしまった人もいます。

しかし、それでも彼らは人生を前向きに捉え、自分の行動に後悔していませんでした。

当時に比べてさらに企業や働くということが不安定な現代、「しんがり」という作品は改めて受け手に「仕事」の意義を教えてくれるかのようです。

今回はあらすじと解説を簡単にお伝えしましたが、9月20日からのWOWOWドラマはもちろん、原作小説の方もおススメですよ!



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