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「だれかの木琴」のあらすじ・結末をネタバレ!感想は「怖い」!

井上荒野「だれかの木琴」が実写映画化されますね。

常盤貴子さんと池松壮亮さんが共演ということで話題になりそうな映画ですが…。

先に言っておきます。

原作小説を読んだ感想は、ただただ「怖い」の一言!

軽い気持ちで見に行くとトラウマになってしまうレベルかもしれません。

サスペンス・ホラー・日常に潜む狂気。

ありがちな言葉ではとらえきれない、心の中に潜むザラザラとした感情を揺さぶられるような…。

特に、物語の結末を知ったときはゾワリと鳥肌がたってしまいました。

 

というわけで、今回はそんな「だれかの木琴」のあらすじ・結末のネタバレ!

できるだけ怖い成分を抑えてネタバレするので、映画を見るかどうかの参考にもどうぞ。

「だれかの木琴」のネタバレ

主人公・小夜子は41歳の平凡な主婦。

娘の子育ても一段落し、夫の光太郎(46)との関係もうまくいっている。

平凡で、幸せな家庭。

郊外の一軒家に引っ越したのをきっかけに、小夜子はふと新しい美容院に立ち寄る。

カットを担当したのは海斗という若い男だ。

その日の夜、小夜子の携帯には海斗からの営業メールが届いた。

「またお店でお会いできるのを楽しみにしています」

誰にでも送っている、何の変哲もない普通の営業メールの文面。

スルーしても問題ないだろうが、なんとなく小夜子は返信メールを送る。

これが、全ての始まりだった。

 

小夜子は海斗を気に入り、何度も美容院へと足を運ぶようになっていく。

日常的に海斗にメールを送るようになる。

海斗にしてみれば「自分をすごく気に入ってくれたんだな」という感覚だった。

しかし、小夜子の行動は少しずつエスカレートしていく。

少しずつ、少しずつ小夜子の行動は常軌を逸し始める。

 

例えば、海斗が家に帰るとドアノブに覚えのない袋が下がっていた。

中にはイチゴと手紙が。

「たくさん買いすぎて食べきれないのでお届けしました。召し上がってください。小夜子」

 


 

例えば、新しく買った夫婦のベットの写真が小夜子から送られてくる。

「誘ってんだよ、それ」

海斗の彼女である唯はさしたる危機感もなく忠告する。

 

小夜子はいわゆるストーカーと化した。

海斗の彼女の唯のことまで調べて、唯の勤める店で気もしない高価なドレスも買った。

小夜子が海斗に執着すれば執着するほど、小夜子は妖しく美しくなっていく。

そんな小夜子の狂気に、家族も気づき始める。

娘・カンナは懸命に母親を説得する。

夫の光太郎は小夜子を抱く。

 

しかし、小夜子の心は満たされない。

夫の光太郎は良き夫であったが、かつてのような愛を自分には向けてはいない。

夫としての役割として小夜子を抱いたにすぎない。

いよいよ小夜子の様子がおかしいとみても、光太郎は現実を直視せず逃げ腰だ。

かつて愛し合っていた小夜子と光太郎はもうどこにもいない。

 

実のところ、小夜子は美容師に恋をしたわけではない。

それはただの執着で、きっと誰でもよかった。

幸福な家庭、幸福な生活、そんな中で感じていた正体不明の違和感。

「自分は何をしているのだろう?」

「こんなはずではなかった」

そんな小さな違和感が、ふとした拍子に小夜子を狂わせたのだ。

(どうしてわかってくれないのだろう。私はあなたが大好きなだけなのに)

 

小夜子の行動はついに限度を超えた。

直接、海斗の家に出向き呼び鈴を鳴らしたのだ。

海斗と唯の我慢も限界を超えた。

ついに、小夜子の海斗への執着は終わる。

 

そして、ラストシーン。

ただの美容師が小夜子の心の隙間に触れてしまったように、今度は光太郎の部下が小夜子の視界に入る。

新たなる執着の予感。

小夜子の狂気はもう止められないのかもしれない。

<だれかの木琴・完>

 


 

感想と補足

「だれかの木琴」を一言で説明しようとすれば「主婦が若い美容師のストーカーになる」話となるでしょう。

しかし、本質は実は「小夜子と光太郎という夫婦の話」なのだと思います。

紹介分にもある一文「どうしてわかってくれないのだろう。私はあなたが大好きなだけなのに」の「あなた」とは、実は海斗ではなく光太郎なのです。

小夜子は決して海斗を愛してはいませんでした。

ただ、日常を構成している小さな歯車が狂ったとき、そこにたまたま海斗がいただけなんです。

だから、結末ではまた別な男に矛先が向けられた…狂気の無限ループですね。

では、「小夜子が光太郎に何を求めていたのか?」という点に関してはとても言語化できない感情なので説明を諦めますが、とにかく人間が普遍的に持っている狂っている部分が見え隠れして気持ち悪い。

 

「だれかの木琴」の感想を検索すると、必ずと言っていいほど「怖い」というフレーズが登場します。

私も同じ感想を抱きました。

それはもちろん「小夜子が道を踏み外し、家族や海斗たちが巻き込まれていくさまが怖い」という意味合いですが、同時に「ふとした拍子に自分も小夜子のようになってしまうかも」「小夜子の気持ちもわかる」と思ってしまう自分にもゾッとしているのではないでしょうか。

なんとなく「深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ」というフレーズが思い起こされます。

「だれかの木琴」は決して1人のサイコパスの話ではなく「誰もが抱える負の部分・狂気」がテーマなのだと思いました。

苦手な人はとことん苦手なタイプの作品だと思うので、実写映画版も覚悟して見に行った方がいいでしょう。

 

まとめ

小説「だれかの木琴」が実写映画化!

ドロドロの昼ドラ系ストーリーかと思いきや、内容はかなり怖いサスペンスホラー寄りです。

激しい展開はないけれど、平凡な主婦がじわりじわりと道を踏み外していく話、といえばなんとなく怖さが伝わるでしょうか。

特に結末の展開は本当に救いがなくて、底なし沼に落ちていくようなラストです。

ちょっと心の準備をして見に行った方がいいかもしれません。

そんな実写映画「だれかの木琴」は2016年9月10日公開です。



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POSTED COMMENT

  1. Yasu@ND より:

    怖いというよりも、微笑ましいと思いますけれど。
    中年女性が、満たされない心と性欲を持て余している。というだけのストーリーですね。
    現実には、問題視される場合が少なくないでしょうが、質的にはケース・バイ・ケースであり、曾根崎心中のような事件に発展しないことを願うばかりです。
    批判する連中は、ただ嫉妬交じりに騒いでいるだけであったりもしますし、基本的に外野が口出しする話ではないでしょう。
    常盤貴子さんが主演されたことに関しては、個人的に複雑な想いを感じます。

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