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「君は月夜に光り輝く」のネタバレ感想と考察!結末は泣ける?泣けない?

   

こんにちは、若竹です。

今回、私が読んだ小説は佐野徹夜「君は月夜に光り輝く」

不治の病に侵されている女の子がヒロインの、切ないラブストーリーです。

ラストに待ち受けているのは、もちろんヒロインの喪失……。

それまでに積み重ねてきた思い出が幸せだったぶんだけ、『その時』には胸を締めつけられるような切なさに襲われます。

号泣不可避の感動作、というと大げさかもしれませんが、泣ける物語であることは確かです。

というわけで、今回はそんな「君は月夜に光り輝く」を読んだ感想や物語の考察などをまとめていきたいと思います!

 

※「どんな話か知らない」という方は、まずこちらから!

関連記事:「君は月夜に光り輝く」のあらすじとネタバレ!号泣必至の結末とは?

 

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「君は月夜に光り輝く」のネタバレ感想と考察!

正直に言うと、最初は「これ本当に面白いのかな?」と心配していました。

というのは「発光病ってのはどうなんだろう?」と不安に思っていたからです。

『原因不明の不治の病で、罹患者は大人になる前に亡くなる』

これはわかります。

そういう前提の物語ですし、架空の病気であるという点も特に気になりません。

ただ『月の光を浴びると肌が光る』というのは……なんというか、ちょっとシュールなんじゃないかと思っていました。

『肌が光る病気』とは確かに新しい設定ですが、果たしてそれが感動につながるのかどうか……疑う気持ちがありました。

でも、そんな疑念を抱いていたのは1章の途中まで。

気がつけば物語に夢中になっていて、「早く先が読みたい!」と次々ページを繰っていました。

 

読後の感想はシンプルに「面白かった」の一言。

・病気のことなんか関係なしに恋に落ちる少年と少女(1章)

・未来がないから、と卓也の告白を断るまみず(2章)

・ようやく気持ちが通じた矢先に、病気によって引き裂かれる恋人たち(3章)

「奇をてらっているのかな?」という事前予想に反して、内容はかなり王道の物語という印象でした。

心配していた発光病の設定も、実際には「物語のアクセントとして」くらいの扱いであり、気にならなかったですね。

たぶん物語から発光病の設定をなくしても、問題なく感動作として成立すると思います。

……そういう意味では、もしかしたら「君は月夜に光り輝く」はタイトルでちょっと損をしているのかも?

 

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卓也の気持ちは『恋』だったのか?

読後にふと浮かんできた疑問があります。

『卓也のまみずに対する気持ちは、本当は何だったのか?』

物語は主人公である卓也の視点(主観)で進むので、卓也がまみずのことを心から大切に思っていたことについては疑いようもありません。

しかし、クライマックスのシーンで卓也はまみずにこう指摘されています。

「私、ずっとわかってたよ。卓也くんが、もうすぐ死ぬ私に憧れてたこと」

まみずと楽しい日々を過ごす一方で、卓也はちょくちょく亡き姉・鳴子のことを考えていました。

事故でこの世を去った恋人の後を追って、自ら道路に身を投げた姉。

当時、中学一年生だった卓也にとって、それはトラウマ級の出来事だったに違いありません。

なぜ姉は命を捨てたのか?

そのとき姉はどんな心境だったのか?

姉の死の真相について誰にも打ち明けられず、1人でずっと抱え込み続ける苦しみの中、卓也は死にとりつかれてしまいました。

「死ぬことに興味があるんだろ? それは僕も同じなんだ。だからずっと、君に惹かれていたのかもしれない」

卓也自身もこのように言っています。

少なくとも卓也がまみずに興味を持った理由は『異性への興味』とは異なるものだったといえるでしょう。

……では、それは果たして『恋』と呼ぶべきものだったのでしょうか?

 

読む人それぞれに解釈があるでしょうし、正解というものはありません。

ただ、私の感想としては『恋』ではなかったと思います。

出会った頃、卓也にとってまみずは「姉の最後の心境を教えてくれるかもしれない人」でした。

まみずが大切な人になるにつれて、卓也は頭の片隅でまみずの命の終わりと自分の命の終わりを結び付けて考えるようになっていきました。

いわば、卓也にとってまみずは『救い』だったのだと思います。

姉の件で「生きてることを後ろめたく」思っていた卓也にとって、まみずのために生きること、まみずのために死ぬことだけが『価値あること』だったのだと思います。

それをエゴと呼ぶべきか、究極の愛と呼ぶべきかはわかりません。

しかし、卓也のまみずへの気持ちは『恋』という単語から連想される甘酸っぱいものではなく、もっと切羽詰まった真剣なものだったように思われます。

 

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病んでいた卓也をまみずが救った

リコが「心が壊れている」と言っていたように、終盤の卓也は完全に病んでいる状態でした。

一方で、前半の卓也はそこまでひどい状態ではありませんでした。

物語中、卓也の状態は次のように変化していったのだと思います。

・まみずと出会う前は無感動に生きていた(病み度:低い)

・まみずと出会ったおかげで「生きる」ことを取り戻せた(病み度:ゼロ)

・まみずのいない未来に絶望し、生きることに耐えられなくなった(病み度:MAX)

卓也が屋上から飛び降りるなんてぶっとんだ行動をとろうとしたのは、「愛ゆえ」というより病んでいたからですよね。

そして、卓也が飛び降りを中止したのは、まみずの言葉によって「病み」から目が覚めたため。

「私の、渡良瀬まみずの、本当の最後のお願いを、岡田卓也くんに言います。私のかわりに生きて、教えてください。この世界の隅々まで、たくさんのことを見て聞いて体験してください。そして、あなたの中に生き続ける私に、生きる意味を教え続けてください」

このときのまみずの台詞が、私は好きです。

それまで裏に『死への憧れ』がくっついていた卓也の愛とは違う、純粋な愛がこもった力強い言葉。

卓也が求めていた形とは違うにせよ、この言葉で卓也の命と心は救われました。

まみずがどれほど卓也のことを思っていたのかがダイレクトに伝わってくる名シーンだと思います。

 

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卓也の存在にまみずも救われていた

「君は月夜に光り輝く」における卓也とまみずの関係性が、私は好きです。

なんというか、2人の関係って相互補完的なんですよね。

まみずは卓也を精神的な闇から解き放ち、人生をまっすぐ歩いていくための「生きる気力」を与えました。

これだけだと「まみずが卓也を救った話」になってしまいますが、実はまみずも卓也から「かけがえのないもの」を受け取っています。

それは『恋をすること』

中学一年生のときから入院しているまみずにとって、それは初恋だったのかもしれません。

屋上のシーンで、まみずはこんな風に言っています。

「他のすべてを諦められても、あなたのことだけは諦められない。ずっと、諦めようとしてたのに。私は狂っているのかもしれません。自分よりあなたが大切だなんて」

自分より大切に思える人に出会えることって、本当に幸せなことだと思います。

何十年生きていても出会えないことだってありますから。

もしかしたら、それは『人生で一番の幸せ』なのかもしれません。

そんな幸福な出会いを、幸福な恋を、まみずは短い人生の中で体験できました。

「どうせ治らないなら生きている意味なんてない」とすら考えていたまみずが「もっと生きていたい」と言えるようになったのは、価値を見出すことができたからだと思います。

卓也と出会えた人生に、卓也に恋をしている自分に、価値を見出したのだと思います。

病室から出ることもできず、ただただ最後の時間までの時間を不安に過ごしていた少女にとって、それは願ってもない幸福だったに違いありません。

物語のラスト、まみずはやはりこの世を去ってしまいますが、私はハッピーエンドだったのだと思います。

少なくてもまみずにとっては、そうであったのだと思います。

孤独な不安に耐えながら迎えるはずだった最後の瞬間に、こんな言葉を口にできたのですから。

「私は、幸せが好きです。そして今、とっても幸せです。卓也くんはどうですか?どうか私のために、幸せになってください。あなたの幸せを、心から祈っています。渡良瀬まみずより、これが最後の通信です。さようなら。愛してます。愛してる。愛してる」

小説のラストページ。

卓也がICレコーダーで聞いた、まみずの最後のメッセージ。

このメッセージを吹き込んでいるときのまみずの気持ちを思うと、涙が止まりませんでした。

 

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「君は月夜に光り輝く」は泣ける?泣けない?

「君は月夜に光り輝く」は見る人によって賛否が分かれる作品だと思います。

感動できるかどうかは、特に世代によって変わってくる気がしますね。

私の感覚でいえば「10代にはオススメしたい作品だけど、大人にはちょっとオススメしにくいかな」という感じ。

分類としてはライトノベルに近い気がする、と言った方がわかりやすいでしょうか。

感性が敏感な10代であれば自然と涙を誘われると思うのですが、大人の目線では「あら」が目についてしまうかもしれません。

※たとえば、まみずが「いつ・どうして」卓也を好きになったのかがイマイチわからなかったり……。

なので「読んでみて!絶対泣けるから!」とはちょっと言えないですね。

 

とはいえ、もちろん「君は月夜に光り輝く」を面白く感じるかどうかは人それぞれだし、読んでみないことにはわかりません。

目安として、近年映画化で話題になった「君の膵臓をたべたい」を好きだった方なら、読んでみる価値はあると思います。

また「君は月夜に光り輝く」は映画化が決定しているので、そちらから入ってもよさそうです。

映画版は「君の膵臓をたべたい」の制作スタッフが手掛けるということで、なかなか期待できそうな感じですよ。

ちなみに主演キャストは永野芽郁さんと北村匠海さんです。



まとめ

今回は佐野徹夜「君は月夜に光り輝く」のネタバレ感想・考察をお届けしました!

目を引くタイトルは「発光病」という架空の病気にちなんだものですが、読んでみるとそのあたりは気にならないので、読まず嫌いはもったいない!

中身は病気の少女と訳アリの少年が恋をするという王道のボーイミーツガールなので、そういう系統が好きな方は必見です!

また、「君は月夜に光り輝く」は2019年3月15日に映画も公開されます。

「君の膵臓をたべたい」のチームによる映画化なので、こちらも話題になりそうな予感です。

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 - 小説, 映画

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