小説「リバース」を読みました。
タイトルの意味がわかる衝撃の結末は湊かなえさんらしくイヤミスで、めちゃくちゃおもしろかったです!
今回はそんな小説「リバース」ネタバレをお届けします!
Contents
あらすじネタバレ
第一章
主人公・深瀬和久はニシダ事務機株式会社に勤める入社3年目の営業マン。
とりたてて何かに熱意を燃やすわけでもない、平凡なつまらない毎日。
そんな深瀬の日常において、2つだけ癒しとなるものがあった。
1つ目は、学生時代からの趣味であるコーヒー。行きつけの専門店「クローバー・コーヒー」は深瀬の憩いの場だ。
そして2つ目は、その店で出会った彼女・越智美穂子。2人が恋人になったのは3カ月前のことだ。
そして今、深瀬は「クローバー・コーヒー」でパン屋の仕事を終えて帰ってくる美穂子を待っている。
…しかし、今日はやけに遅い。連絡もないなんて美穂子らしくない。
不安になった深瀬が電話をかけると、美穂子はすでに深瀬のアパートの前にいるという。
急いで帰った深瀬だったが、やはり美穂子の様子がおかしい気がする…。
部屋に入った美穂子は、どこか深瀬を疑うような目で、あれこれと問い詰めてきた。
深瀬(もしかして、『あの事件』について言っているのか?)
深瀬の背に冷や汗が流れる。
そして、美穂子は店に届いたという一通の封筒を深瀬に手渡した。
中には1枚の紙。印刷された文章は1行だけ。
『深瀬和久は人殺しだ』
いつか、こんな日が来ると予感していた――。
深瀬は覚悟を決め、隠していた秘密の全てを美穂子に打ち明けることにした。
第二章
3年前の夏。深瀬が大学4年生だった頃。
ゼミの仲間5人で斑丘高原スキー場へ旅行に行くことになった。
メンバーは、ゼミの中でも派手なグループだと言える谷原・村井・浅見、そして地味な深瀬と、深瀬の親友である広沢。
行き先は、村井の伯父が所有しているという別荘だった。
旅行当日の朝。集合したのは4人だけ。
村井は前日に事故を起こしたとかで、後から合流するとのことだった。
4人は村井が手配した車で、一足先に別荘へと向かう。
道中は本当に楽しかった。
これまで友達の少なかった深瀬にとって、同年代と旅行するというだけで楽しく感じる。
広沢がいてくれるおかげで、あまり交流のなかった谷原や浅見といることに居心地の悪さも感じない。
唯一、昼飯に広沢が蕎麦屋ではなく大好物のカレーを食べに別の店に入ったときだけは少しだけ気まずかったが…。
まあ、大した問題ではない。
そうして、4人は無事に別荘へと到着した。
テレビからは台風情報が流れている。
4人が別荘に到着したのとほぼ同時に、一気に天候が悪くなった。
4人はバーベキューを中止し、室内で飲み会を始めることに。
ところが、実のところ深瀬と広沢は酒が飲めない。
そのことを打ち明けると、とたんに谷原の機嫌が悪くなった。
しかし、深瀬は体質的にアレルギーに近い反応が出るため本当に飲めない。
代わりに、空気を読んだ広沢がビールを飲み始めた。
広沢「俺はすぐに眠くなっちゃうってだけだから」
そうして、いざ村井の用意した高級牛肉を食べ始めると、あまりのおいしさに険悪な空気はきれいさっぱりなくなってしまった。
これなら、広沢が飲まなくても大丈夫だったに違いない。美味しい肉の力はすごい。
村井から電話が入る。
近くの駅に来ているから迎えに来てくれ、とのことだった。
しかし、免許を持っている浅見と広沢はすでに飲んでしまっている。
「タクシーを呼んだらどうだ?」
谷原が提案すると、村井は烈火のごとく怒り始めた。
車も、別荘も、肉も、すべて村井の手配なのだ。そう言われると弱い。
「俺は無理だからな」
真剣に教職を目指している浅見は、とてもじゃないが飲酒運転などできないという。
「広沢、行ってくれないか?」
浅見の言葉に、深瀬はつい「それって!」と声を上げてしまった。
広沢は免許を取得してから日が浅い。それに飲酒しているという条件は浅見と同じだ。
浅見は、まだ就職が決まっていない広沢ならいいだろう、と見下している…!
しかし、
「俺、行くわ」
広沢は、何でもないことのように引き受けた。
広沢はこういう男だ。朴訥としていて人の頼みを断らない。
深瀬(せめて自分にできることは…)
深瀬は眠気覚ましのコーヒーを淹れ、サーモカップに注いで広沢に渡した。
深瀬の淹れたコーヒーは評判が良いのだ。
「運転手の役得だな。ありがたくいただくよ」
そういってカップを受け取ると、広沢は村井を迎えに行った。
広沢が出て行って1時間。
まだ村井のところには来ていないという。
不安になった谷原と浅見は自転車で広沢を探しに行く。
自転車の台数がないため、深瀬は留守番。
そして、深瀬は電話でそのことを知った。
崖に沿ったカーブのところで、自動車がガードレールを突き破って谷底に落下し、燃えている。
広沢だった。
4人は警察と広沢の両親に事情を話し、それぞれに深い反省と後悔の色をにじませた。
ただし、飲酒のことだけは伏せて。
4人は共通の罪を背負った。
広沢は、もうこの世にはいない。
第三章
深瀬はどこかで期待していた。
「カズくんは悪くない」と美穂子が言ってくれることを。
しかし…
「全部解ったうえで送り出した、ってことだよね。それは…無罪って言わないと思う」
美穂子は深瀬のことを軽蔑した目で見つめ、去っていった。
あれから「クローバー・コーヒー」にも顔を出していない。
深瀬の日常から、一気に両方の癒しが消えてしまった。
それにしても、いったい誰があの手紙を送ったのだろうか?
高校教師になった浅見とは、仕事の関係で付き合いがある。
深瀬が浅見のいる楢崎高校へ配達に行くと、注文主の新任教師・木田瑞希から興味深い話を聞いた。
『浅見康介は人殺しだ』
浅見の車に、そう書かれた紙が貼り付けてあったという。
浅見は巧みに飲酒事件を起こした生徒のせいにして誤魔化したようだが、間違いない。
これは「あの事件」のことを言っているのだ。
その日、深瀬は浅見に会うことなく学校を去った。
今度は村井から連絡が来た。
会って話したいことがあるという。
深瀬は誘いに応じ、最寄駅から離れた駅にある居酒屋へと向かった。
すると…
「アレが届いたんだろ?」
やはり村井にも手紙が届いていた。父親の選挙事務所に貼ってあったらしい。
いったい誰が犯人なのか?
常識的に考えれば、真相を知っているのは4人しかいないのだから、犯人もまた4人の中の誰か…?
(いいや、それもありえない)
深瀬が考えている間に、村井は持論を展開している。
村井「もし、あれがただの事故じゃなかったとしたら?…現場に先着したのは、谷原と浅見の2人だ。もしかして2人は飲酒事故を隠すために車を谷底に落として燃やしたのではないか?事実、広沢が飲酒していたことはバレていない」
村井は谷原と浅見を疑っているようだ。
後日、村井からまた連絡があった。
「谷原が線路に突き落とされた」
深瀬は戦慄した。手紙を送りつけられて…それで終わりではなかったのだ。
幸い谷原は無事だったようだが、今度は誰の命が狙われるかわからない。
とにかく、深瀬は村井・浅見と会って話をすることに。
- これからどうするべきか?
- 誰の仕業なのか?
- そもそも、どうして「今」なのか?
常識的に考えれば、犯人は広沢と親密な関係にあった人物だろう。
そういえば、広沢に彼女はいたのだろうか?
村井や浅見、それに谷原は、それぞれ広沢と親交があったようで当時のことを思い出しながら語りだす。
このときになってようやく深瀬は思い知った。
(親友だと思っていた広沢のことを、自分は何も知らない)
広沢のことをもっと知りたい。そう思った深瀬は、犯人探しに乗り出すことにした。
第四章
広沢由樹とは、いったいどんな人間だったのか?
深瀬は大学以前の広沢を知るため、広沢の地元・愛媛を訪ねた。
広沢の実家に挨拶して、両親に同級生の連絡先を教えてもらう。
そこから、深瀬は次々に広沢を知る友人たちに会っていった。
- 広沢由樹は運動神経が良い。大柄な体格も手伝い、野球では無類の強さを発揮していた。
- 広沢由樹は度量が大きく、優しい。イジメに加担せず、かといって争うこともせず、いじめられていた子を助けていた。
- 広沢由樹は派手なグループの人間とも違和感なく付き合っていた。
深瀬の知る広沢など、ほんの一部分でしかなかった。
広沢は誰からも好かれる出来た人間だったようだ。決して、自分と同類などではなく…。
愛媛から去る前に、深瀬は広沢の両親から気になることを聞いた。
自分たち大学のゼミ仲間の連絡先を両親から聞き出していた人間がいる。
広沢の高校の同級生である古川という男。
古川は広沢の親友を自称していたが、広沢といることで地味で目立たない自分を隠そうとしていた…という印象らしい。
深瀬(まるで、俺のようだ…)
この古川という男が一連の事件の犯人なのだろうか?
古川は広沢を追って都内の大学に進学していたらしい。
第五章
広沢の同級生から借りた卒業アルバムを開いた深瀬は愕然とした。
(なぜ、この人が写っているんだ!)
こんな偶然など、あるのだろうか?この人物こそが犯人なのかもしれない…。
しかし、だとしてもまずは古川だ。
自分と似たものを感じる…古川だけは飛ばしてはいけない。
電話をかける。深瀬は古川と会うことになった。
そうして会った古川は、やはり深瀬とよく似ていた。
外見ではない。どこか根暗で、小心者で、臆病で…。屈折の仕方がそっくりなのだ。
成績がいい反面、クラスの連中と馴染めなかったこと。
そんな連中を心中で見下しながら、どこかでは仲間になりたいと思っていたこと。
そんな自分にとって、広沢は理想的な人物だったこと。
古川が話すことは、そのまま深瀬の人生にも当てはまる。
広沢と一緒にいることで、自分は劣等感から解放され、一段高いレベルの人間になったような気がしていたのだ。
しかし、それは逆に言えば、広沢の足を引っ張っていたのだともいえる。
古川は大学時代もずっと広沢と行動していたが、常にそのような不安をも抱えていた。
そして、古川はついに広沢を解放しようと決心した。
「おまえみたいな偽善者とつきあうのは、もうまっぴらだ」
古川は嫌われるためにわざと最悪な言葉を言い放ち、広沢の前から去った。
古川「…だって、彼女がいるのにデートにいつも自分を誘ってくれるなんて変だろう?」
しかし、古川が断腸の思いで身を引いたのに、また同じように広沢に寄生する人間が現れてしまった。
深瀬だ。
深瀬「…それで、あの手紙を送ったの?」
古川「手紙?」
古川が深瀬たちの連絡先を聞いたのは、深瀬と同じく広沢の最後の一年が知りたかったから、ということらしい。
古川は犯人ではない。
ならば、やはり「あの人物」が広沢の彼女であり、一連の事件の犯人なのか?
深瀬は卒業アルバムで見つけた名前を口にする。
深瀬「広沢の彼女…木田瑞希さんかな」
浅見と同じ学校に勤める教師。
古川「は?」
しかし、違った。
古川「5組のカワベだよ」
木田瑞希は広沢の彼女ではなかった。
そのあと学校で会う機械があったが、やはり木田と広沢との接点はなく、一連の事件の犯人だとは思えない。
5組のカワベ…卒業アルバムでその人物の顔を見た途端、深瀬はすべてを悟った。
彼女が、犯人だったのだ。
谷原に確認してみる。彼女は谷原が所属する草野球チームのマネージャーでもあったそうだ。
谷原が線路に突き落とされたときも、一緒だったらしい。
やはり、彼女が犯人だったのだ。
久々に「クローバー・コーヒー」に寄り、頼み込んで貸し切りにしてもらう。
『俺はただ、広沢由樹がどんな人間だったか知りたいだけです』
彼女にメールする。きっと来てくれるはずだ。
そうして、彼女はやってきた。
越智美穂子が、ゆっくりと店のドアを開けて入ってきた。
真相(1)
美穂子は広沢の高校時代の同級生だった。
とはいえ、特別に親しかったわけではない。
ただ、広沢の方は美穂子に好意を抱いていた。
大学進学後、広沢はたまたまパン屋で働いていた美穂子と再会したことをきっかけに、告白。
もともと美穂子の方にも好意があり、2人は恋人になった。
2人は幸せな日々を過ごし…
そして、あの事件が起こる。
美穂子は、ショックのあまりしばらくは法事にも出席できなかったという。
やっとのことで3回忌に顔を出した美穂子は、その後の同窓会に出席した折、広沢の最後の一年について詳しく知りたくなった。
そこで美穂子は友人の木田瑞希を伝って、浅見にコンタクトを取った。
そこから他の3人の情報を得て、谷原にはマネージャーとして、深瀬にはコーヒー店の常連として、接触していった。もちろん村井にも。
目的は、広沢の最後の一年を知ること。
この時点では復讐など、美穂子の頭の中になかった。
4人のゼミ生の中で、美穂子が特に注目していたのは深瀬だった。
理由は…
「カズくんは由樹にとって特別な友達だったから」
広沢は古川のことも、深瀬のことも、本当に大切な友人だと思っていたという。
(広沢も俺のことを大切に思ってくれていた…!)
深瀬はカウンターに突っ伏して泣き出してしまう。
美穂子はそんな深瀬の背を優しく撫でていた。
美穂子と深瀬が好きあっていた気持ちに、嘘はなかったのだ。
真相(2)
だが、美穂子は3年前の真実を知ってしまう。
それも、今の恋人である深瀬の口から。
最初に送られてきた手紙…『深瀬和久は人殺しだ』
実のところ、あの手紙は美穂子のファンが送ったただの嫌がらせだったのだ。
それなのに、深瀬はすべてを話してしまった。
怒りに燃えた美穂子は他の3人にも同様の手紙を送りつけた。
「何もなかったように振る舞っているのが許せなかった。だから、思い出させてやろうと思った」
しかし、何も線路に突き落とすことはないはずだ。
「だって、谷原くんは!」
谷原はもともと美穂子のことを狙っていた。
その日、谷原は飲み会の帰りに飲酒運転して美穂子を送ろうとしただけでなく、電車のホームでそのことをちくりと注意した美穂子にこんなことを言ったのだ。
「その時は俺、免許持ってなかったから、山道の運転って相当大変なんだって思ってたけど、今なら、これくらい飲んでても全然いけると思うんだよね。要は反射神経。でも、あいつ野球は上手かったんだよな。まあ、運が悪かったってことかな」
さらに、谷原は「心配かけてごめん…」と美穂子に抱きつこうとしたという。
気づけば、突き飛ばしていた。
谷原は相当に酔っていたため、そのことを覚えていないのだ。
美穂子「わたしはどうしたらいいと思う?」
それは、深瀬自身も自問しなければならない問いだ。
答えはわからない。しかし、広沢ならどうするだろうか?
これから、もっと広沢の関係者を訪ねてもっと広沢について知っていこう。
深瀬「そうやって出会えた広沢が、答えを教えてくれるような気がするんだ」
広沢由樹について知ったことを書き留めておくノートをいっぱいにしよう。
「わたしも一緒に書かせてもらっていい?」
ノートの上に美穂子が手をのせた。
「もちろん」
深瀬はその手に自分の手を重ね、きつく握りしめた。
終章
話は終わった。心配そうにしていた「クローバー・コーヒー」のマスターと奥さんにコーヒーを注文する。
すると、さっそく美穂子がノートに一行の文章を書いた。
『広沢由樹はそばが食べられない』
深瀬「えっ、そうなの?」
美穂子「知らなかったの?蕎麦アレルギー」
そういえば、あの旅行の時も1人だけ蕎麦屋には行かなかったっけ。てっきりカレーが食べたいだけなのだと思っていたが…。
奥さんがおすすめだと言って、蜂蜜の瓶をいくつか取り出す。
蜂蜜をコーヒーに入れると美味しい。
それを発見したのは広沢であり、深瀬が奥さんに伝えたところ、マスターもすっかり気に入ったのだという。
ずらりと並ぶ瓶。マスターのおすすめだという濃い色の蜂蜜をなめてみる…どこかで食べた味だ。
奥さん「深瀬くん、これは何の蜂蜜かわかる?」
リンゴだろうか?…わからない。
奥さん「ハズレ。正解は・・・、蕎麦の蜂蜜です」
蕎麦。
――俺、行くわ。
その夜、深瀬は運転する広沢のためにコーヒーを淹れた。
広沢は蜂蜜入りコーヒーが好きだ。
深瀬は、途中の道の駅で買った原材料不明の蜂蜜をコーヒーに入れておいた。
あれは…蕎麦の蜂蜜だったのか。
深瀬の耳に広沢の最後の言葉がこだまする。
――じゃあ、行ってくる。
広沢を殺したのは、…俺だったのか。
<リバース・完>
解説
これだけ読めば、物語のカラクリは丸わかり!
小説「リバース」のトリックを1つひとつ解説していきます。
誰が深瀬たちを告発しているのか?
深瀬たちに届いた「お前は人殺しだ」という手紙。
これによって深瀬は恋人から軽蔑され、他のメンバーは職を失いそうになったりします。
深瀬たちには、大学生時代に広沢という仲間を飲酒運転させて結果的に命を失わせてしまった、という後ろめたい過去があるので、最初は広沢の遺族か広沢に近しかった人間の仕業かと思われました。
<ネタバレ>
最初に手紙を受け取ったのは、パン屋で働く深瀬の彼女・美穂子。
実はこれは看板娘である美穂子のファンが嫉妬から出まかせを書いた「ただの嫌がらせ」でした。
しかし、そうとは知らず勝手に「広沢のことだ」と勘違いした深瀬は、美穂子に過去の罪を告白。
実は広沢の元彼女だった美穂子は深瀬の話にショックを受け、残りのメンバーにも手紙を送ったのでした。
<まとめ>
- 最初に手紙を送ったのは美穂子のファン(彼氏である深瀬への嫌がらせ)
- 残りの手紙を送ったのは広沢の元彼女である美穂子
美穂子は何を考え、どう行動していたのか?
高校時代の同級生だった広沢と美穂子は、卒業後に再会して恋人に。
しかし、大学在学中に広沢は事故で他界。
数年後、ようやくショックから立ち直った美穂子は「大学生時代の広沢」について詳しく知りたくなり、それとなく深瀬たち当時の仲間に近づきます。
深瀬とコーヒーショップで会ったのは偶然ではなく、美穂子の狙い通り。
そして美穂子は本心から深瀬のことを好きになり、つき合うようになりました。
ところが、手紙がきっかけで深瀬たちの罪を知った美穂子は傷つき、残りのメンバーにも手紙を送りつけます。
そして「彼らは広沢の件をどう思っているのか?」を探りました。
谷原を線路に突き落としたのは、あまりにも広沢に対して反省がなく、さらに強引に美穂子に迫ってきたため。
美穂子自身には明確に「復讐してやる」という気持ちはなく、むしろ自分でも「どうしていいかわからない」という感情でした。
物語の結末。
自分と同じく広沢のことを深く悼み反省している深瀬のことを美穂子は許し、2人はよりを戻しました。
広沢の命を奪った犯人は誰?
広沢が事故を起こした原因は3つ。
- 運転免許を取得したばかりだったため
- 飲酒運転していたため
- 悪天候だったため
この悪条件を知りつつ広沢を送り出した深瀬たちが、間接的に広沢の命を奪った犯人…かと思われましたが、結末で一気に話が変わってきます。
<ネタバレ>
実は広沢が事故を起こした直接の原因をつくったのは、広沢の一番の親友だった深瀬自身。
深瀬は広沢が蕎麦アレルギーを持っていることを知らずに、蕎麦の蜂蜜を入れたコーヒーを広沢に持たせました。
いくら悪条件が重なったからとはいえ、運動神経の良かった広沢がガードレールを突き破るほどの事故を起こすとは考えにくいんです。
広沢が亡くなったのは、深瀬が持たせた蕎麦蜂蜜入りのコーヒーを飲んでしまったからなんですね。
ちなみに、この「どんでん返し」な結末に向けて、作中ではいくつもの伏線が張られていました。
・昼食の時、広沢はなぜか1人だけ蕎麦屋に行かず、カレー屋に行った(周りは広沢がカレー好きだったからと思った)
・深瀬の特技は「コーヒーを淹れること」。広沢は深瀬が淹れるコーヒーが好きだった。なお、コーヒーに蜂蜜を入れる飲み方を深瀬に教えたのは広沢。
・深瀬が直売所で買った蜂蜜には「原材料(何の蜂蜜か)」が明記されていなかった。
などなど…。
感想
結末の一行。
これを読んだ瞬間、全身がゾクゾクとしました。
「湊かなえ、恐るべし!」
まさに『リバース』ですね
この物語の中にはいくつかの「反転」が散りばめられているわけですが、最後にこんな超ド級の「どんでん返し」を用意しているとは…。
『実は美穂子は広沢の彼女だった』という時点ですでに裏切られていたというのに、さらに裏切ってくるのか!と。
ここまで「あっ!やられた!」と思わされる小説は久しぶりでした。
まとめ
今回は小説「リバース」のあらすじ・ネタバレをお届けしました。
単行本の表紙に描かれているのは「コーヒー豆」
そしてカバーを外すと、真っ黒い装丁が…。
結末までのネタバレを知っていると、ゾッとしますよね。
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