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「掟上今日子の備忘録」1巻のネタバレ!犯人やトリックは?

「掟上今日子の備忘録」が実写ドラマ化!

新垣結衣さん主演で10月から連続ドラマになることが発表されましたね。

さっそく西尾維新による原作小説「掟上今日子の備忘録」を読んでみましたが、これは面白い!

一風変わった設定や事件は、きっとドラマを盛り上げてくれるだろうと確信しました!

というわけで今回はそんなドラマ「掟上今日子の備忘録」の内容や犯人をネタバレ!

最終回の結末とはいったい!?

ドラマ「掟上今日子の備忘録」のネタバレ!

「掟上今日子の備忘録」はシリーズ小説の第1作目であり、この夏には第3作目が発売される予定です。

しかし、これも少しネタバレになると思うのですが、1作目と2作目では「語り部」が違います。

「掟上今日子の備忘録」での語り部は「冤罪体質」の隠館厄介ですが、2作目「推薦文」での語り部は親切守という人物。

どうやら今後も、巻ごとに「語り部=掟上今日子の相棒・ワトソン役」は変わっていくようです。

ドラマ「掟上今日子の備忘録」では厄介が登場するようなので2作目・3作目のエピソードは登場せず、「掟上今日子の備忘録」の内容のみで完結するものと思われます。

では続いて、全5章で構成される「掟上今日子の備忘録」各事件についてのネタバレです!

 

消えたSDカード

「行く先々で事件に巻き込まれ、しかも必ず犯人に間違われてしまう」という特異体質の隠館厄介。

笑井「動くな!この中に泥棒がいる!」

新しく就職した更科研究所の笑井研究室でも、やっぱり容疑者にされてしまいます。

そこで、厄介が呼び寄せたのは探偵・掟上今日子。

「記憶が一日で消えてしまう」という忘却探偵である掟上今日子は、事件を最速で解決できる探偵でもあるのです。

今回の事件は「大事な研究データのバックアップを入れたSDカードがなくなった」という遺失物調査。

ただの紛失なのか、それとも身内に犯人がいるのか。

 

★解決編(ネタバレ)

どのように捜査しても、紛失したSDカードは研究室内にはありませんでした。

さらに捜査を進める掟上今日子は、犯人に薬を盛られて「眠って」しまいます。

忘却探偵は「眠る」ことで記憶がリセットされるので大ピンチ!

しかし、目を覚ました掟上今日子は自分の服をめくって「私は探偵」「現在仕事中」というマジックのメモで状況を把握すると厄介に言いました。

「探偵に手を出すのは反則です。私が一秒でこの事件を解決して見せましょう」

掟上今日子のとった行動は単純なものでした。

「SDカードのある場所がわかった!ここだ!」と言い全員を注目させ、1人だけ視線を別の場所に向けた人物こそが犯人という寸法です。

犯人は女性研究員の岐阜部。

彼女は盗んだSDカードに別のデータを加えた後に、元データを削除し「別のSDカード」として研究データを持ち出そうとしていたのです。

消したデータは復元ソフトで取り戻せる、しかし外見的には別のSDカードにしか見えないので疑われない、というトリックでした。

 

百万取引

「お前の百万円は預かった返してほしければ一億円用意しろ」

こんな勘定のあわない取引に応じる人は、普通に考えていません。

しかし国民的マンガ家、里井有次はこの奇妙な取引に応じると言います。

有次の担当編集者であり、厄介の友人でもある紺藤は厄介を介して、探偵・掟上今日子に事件の解決を依頼しました。

 

★解決編(ネタバレ)

一億円の価値のある百万円とは何でしょう。

思い出の百万円…という推測にはちょっと無理があります。

注目すべきは一万円札にそれぞれふられている「通し番号」

実は里井有次はその通し番号を、各種パスワードに設定していたのです。

銀行のパスワードはもちろん、仕事上必要なパスワードがなければ仕事も進められないし、クラウド上のアイデア帳が万が一にも流出したら大損害になります。

国民的マンガ家である里井有次のパスワード集でもある百万円…それは確かに一億円の価値があるものでした。

一方、犯人探しは簡単に終わります。

結局、犯人は里井のアシスタントとして働いている人物でした。


 

須永昼兵衛の遺作

紺藤の計らいで、厄介は掟上今日子をデートに誘います。

最初は「初対面」である厄介の誘いに興味を示さなかった掟上今日子ですが、大ファンのベテラン作家・須永昼兵衛が催すイベントに行けると聞いて前言撤回。

「行きます行きます!絶対に行きます!万難を排して向かいます!」

2人が向かうのは別荘のどこかに隠された須永昼兵衛が最新刊の原稿を見つけるというゲーム。

しかし、当日になって自体は急変。

須永昼兵衛が心不全で亡くなってしまったのです。

厄介は珍しくウキウキしている掟上今日子のために、「須永昼兵衛は生きている」とウソをついて原稿を探すことにしました。

 

★問題提示

須永昼兵衛が残したヒントは4つ。

①「作品の原稿枚数は、おそよ120分あれば読めるくらい」

②「デリケートな場所に隠してあるので、細心の注意を払って探すこと」

③「あるものではなく、ないものを探せ」

④「   」

4つ目のヒントは修正テープで消されていて、透かすと「鉛筆が必要になるかもしれない」と書かれてあったようです。

別荘の内訳はダイニング・書斎・オーディオビデオルーム・ベッドルーム。あとは風呂トイレなどの水回り。

さて、怪しいのはどの部屋?

 

★解決編(ネタバレ)

最初は時間をかけて謎解きを楽しんでいた掟上今日子でしたが、厄介が須永昼兵衛のことを「過去形」で語っていることから状況を察して本気モードに入ると、遺品の原稿はあっさりと見つかりました。

怪しい部屋の答えは「オーディオビデオルーム」

遺品の原稿は120分のカセットテープに記録されていました。といっても録音ではありません。

もともとカセットテープはCD-ROMやSDカードのような記録媒体でもありました。

その容量はちょうど長編小説が1本入るくらい。

ヒントの「120分あれば読める」というのは120分テープという意味と、専用の機器でデータを読み込むのに120分かかるという意味。

「ないものを探せ」とは、別荘にはないその専用機器のこと。

言うまでもなく磁気テープであるカセットテープはデリケートな場所ですし、「修正テープ」「鉛筆」というワードはカセットテープを連想させるものですね。

 

須永昼兵衛の謎(最終回)

※第4章・第5章を合わせた「掟上今日子の備忘録」最後のエピソードです。

 

今回の依頼主も紺藤。

須永昼兵衛がその夜、睡眠導入剤を飲みすぎていたことから「もしや自ら命を絶ったのでは?」という疑いが出てきたので、その真偽を掟上今日子に確かめてほしいという内容でした。

手がかりは遺稿となった最後の作品。そしてこれまでの作品すべて。

掟上今日子は合計100冊に及ぶ須永昼兵衛の小説すべてを読むことで、事の真相を見極めることに決めます。

厄介「で、でも今日子さん。とても一日で読める量ではありません」

今日子「徹底的に…徹夜です」

眠らなければ記憶はリセットされない…厄介は置手紙探偵事務所の臨時職員として掟上今日子を起こし続ける役割を言い渡されます。

 

★問題提示

読み進めていくと須永昼兵衛はミステリー作家でありながら作中で一度も「自分で命を絶つ」という類の表現を使っていないことがわかります。

もちろん偶然ではない…何かの意図があると考えるのが自然です。

さらに、須永昼兵衛の作品は平均5巻ほどのシリーズものとしてまとめられており、現在はちょうど全てのシリーズが完結している時期でした。

なお、最後の作品(仮題「とうもろこしの軸」)はノンシリーズ作品であり、須永昼兵衛はこれまで何作品かそういうノンシリーズ作品を書いています。

 

★急展開

厄介が知る限り、掟上今日子が起きつづけていた最長記録は三徹。

すでにその記録は更新中であり、掟上今日子の読書スピードは目に見えて落ちていました。

目覚ましのためにシャワーを浴びに行った掟上今日子を待つ厄介は、自身の寝不足がたたりつい眠ってしまいます。

厄介が目覚めるとなんと3時間が経過している…しかし、掟上今日子は読書に戻ってはいない…まさか!

掟上今日子は浴室で冷水のシャワーを身に受けながら、倒れこんで寝ていました。

もちろん記憶はリセットされている…いや、それよりも冷水を浴び続け青白くなった掟上今日子の体が心配だ!

「もう一度、同じ目に合わせるわけにはいかない」

厄介は掟上今日子から、今回の依頼を隠ぺいすることを決意します。

一糸まとわぬ掟上今日子を寝室へ運んだ厄介は、体のあちこちに書かれているメモ書きを中性洗剤で落とし、服を着させてベッドの中へ。

そして「須永昼兵衛」や「隠館厄介」に関する証拠を置手紙探偵事務所から全て消し、依頼人である紺藤にも手をまわします。

これで掟上今日子は今回の依頼のことは忘れてしまったはずだ…厄介が紺藤にそう告げたその時。

「初めまして、掟上今日子です。では、証明を開始します」

記憶を失ったはずの掟上今日子が現れ、須永昼兵衛が意図的に命を絶っていないことを証明すると宣言しました。

 

★最終回・結末その1

掟上今日子はやはり、一度記憶を失っていました。

しかし、「須永昼兵衛の作品リスト」が現場に残っていたことから状況を把握し、さらにシンプルな頭で作品リストを見ることができたために真相に至ったのだと言います。

注目すべきは須永昼兵衛の「ノンシリーズ作品」群。

一見何の関連もないそれらの作品群は、作品リストで照らし合わせてみると必ず「2月」に発売されていて、新作「とうもろこしの軸」も順当に行けば2月発売になる予定という共通点がありました。

そして、掟上今日子はそれらの作品群の中に「共通の登場人物」がいることを指摘。

それは誰もが気づかない「ささいな脇役」の女性であり、作品によって呼び方は違えど「桃田朝美」という人物であることがわかります。

その女性は、時に女子学生であり、時に30代の女性であり、そして最新作では元気なおばあちゃんになっていました。

そう、桃田朝美という人物は須永昼兵衛のノンシリーズ作品の中で、現実時間に則した年齢を重ね、人生を送っていたのです。

そして「桃田朝美」とは須永昼兵衛の学生時代の恋人であり、原因は不明ですが自ら命を絶っていました。

2月は桃田朝美さんの誕生月だったそうです。

そして、最新作「とうもろこしの軸」においても桃田朝美さんはまだまだ元気な様子だったことから、転じて須永昼兵衛はまだ「その先」を書く予定だったことがわかります。

つまり、須永昼兵衛は自ら命を絶ったわけではない。

 

★最終回・結末その2

厄介「作品リストが残っていたというのは嘘ですよね?」

今日子「ええ、嘘ですよ」

念入りに確認した厄介がそんな初歩的なミスをするはずがなかった。

厄介「つまり…どこかの時点で目を覚ましていた?」

今日子「具体的にはバスルームでお姫様抱っこされた時に、実はもう起きていました」

そこで掟上今日子は消される前の体のメモを確認し、撤去される前に作品リストを入手し、真相解明に至った次第だと言いいました。

今日子「不思議と…そんなに、怖くなかったんですよ。」

目を覚ました時、ハダカのまま巨漢に抱きかかえられていればパニックになるのが普通の反応です。

しかし記憶はなくなっても、「脳」が厄介のことを忘れても、身体は厄介の優しさを覚えていた。そう掟上今日子は説明しました。

――今まで今日子さんと築いてきた関係は、決して無駄ではなかった。

厄介は、それを嬉しく思うのでした。

<完>

 

まとめ

以上、ドラマ「掟上今日子の備忘録」の元になるであろう原作小説の各話ネタバレでした!

長くなってしまいましたが、それでもまだ原作の魅力は半分も伝えられていないと思うのでぜひ原作小説シリーズも読んでみてくださいね。

ネタバレにもあるように、「掟上今日子の備忘録」は凄惨な事件が起きて、名探偵がズバリと解決!…というような王道探偵モノではありません。

登場するのはちょっと変わった事件や、ちょっと変わった謎・トリックばかりです。

なので「掟上今日子の備忘録」は本格ミステリーではなく「キャラクターもののエンタメ作品」という印象ですね。

最終回では劇的な結末が待っていたわけではありませんが、決して進展するはずのない厄介と今日子さんの関係に変化が現れたという点では、面白い終わり方だったと思います。

実写化に当たっては、今日子さんのシャワーシーンにも注目!?(笑)

ドラマ「掟上今日子の備忘録」では、この他オリジナル要素がプラスされるのかも気になりますね。



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