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小説「虐殺器官」あらすじとネタバレ!映画でも衝撃のラストに注目!

伊藤計劃のデビュー作にして、劇場アニメ化のラストを飾る「虐殺器官」

映画は幾度の延期を経て、ついに2017年2月3日に公開が決まりました。

…でも、正直待たされすぎて、もう待ってられない!

というわけで、映画の原作である小説を一足先に読んでみました。

1ページ目を読み始めた瞬間の感想は「グロい!」

R15指定間違いなし!

ただ、そのまま読み進めていくと表現のグロテスクさは気にならなくなり、最後には奥深いテーマと衝撃のラストに脱帽!という感じ。

劇場アニメ版の公開がさらに楽しみになりました。

というわけで、今回はそんな小説「虐殺器官」のあらすじや秘密をネタバレ!

伊藤計劃のエッセンスが詰まった、衝撃のラストとは!?

 

※映画見てきました!

関連記事:映画「虐殺器官」のネタバレ解説と感想!

小説「虐殺器官」のあらすじ・ネタバレ!

まずは、世界設定と物語の導入部分からチェックしていきましょう!

 

★「虐殺器官」あらすじ

ニューヨークのツインタワーが崩壊した9.11以降、世界は一変した。

先進諸国は科学技術を発展させ、テロ対策のため徹底的な管理社会を実現。

指紋や網膜による認証なしでは移動もピザの注文もできない社会をつくりあげた。

一方、後進諸国では驚異的なスピードで内戦や紛争が続発。

米軍の特殊暗殺部隊に所属するクラヴィス・シェパード大尉は、命令に従い世界各国で大量虐殺を指揮している人物を始末していく。

任務をこなしていく中で、世界の真実へと近づいていくクラヴィス。

世界混乱の陰に常に存在している男「ジョン・ポール」とは?

世界に紛争や内戦を拡散すべくジョンが用いている「虐殺の器官」とはいったい…?

 


 

ネタバレ①:チェコへ

※以下、ネタバレ注意!

 

今やCIAをも凌駕する精鋭部隊である情報軍でさえ補足できない男「ジョン・ポール」

クラヴィスはジョン・ポールが行く先々で内戦や大量虐殺が起こることに気づく。

(たった1人の男が紛争をつくりだしている?)

クラヴィスはチームの仲間とともにチェコへと向かう。

 

ジョン・ポールは監視から逃れていて行方不明だったため、かつてジョンの恋人であったルツィアに近づくクラヴィス。

ルツィアは知的で聡明な女性であり、クラヴィスは彼女に心惹かれていく。

 

クラヴィスは突然の襲撃により囚われの身になってしまう。

襲撃者の正体はジョン・ポールと、反管理社会集団<計数されざる者たち>

ジョン・ポールは<計数されざる者たち>の手引きがあったからこそ、数々のID認証をかいくぐり自由に世界を移動できていたのだ。

ジョンは囚われのクラヴィスに語りかける。

「虐殺には、文法があるということだ」

 


 

ネタバレ②:虐殺器官とは?

ジョンはもともと言語学者であり、研究の中で『大量虐殺の前には決まったパターンの【文法】が演説やメディアなどで使用されている』ということを見つけ出した。

では、逆に

『争いのない地域に【虐殺のことば】を広めたら?』

意図的に内戦や紛争をつくりだすことができる。

ある時は国の文化担当閣僚の補佐役となり、またある時は神父となり、ジョン・ポールは後進国を阿鼻叫喚の地獄につくりかえてきた。

世界中で急増した内戦や大量虐殺は、たった1人の男の【ことば】によって引き起こされたものだったのだ。

 

ネタバレ③:救出

世界の真実を語った後、ジョンはルツィアを連れて去っていった。

残されたクラヴィスは<計数されざる者たち>によって始末されようとしている。

その時、クラヴィスの中指に一匹の蛾がとまった

追跡用のフェロモンがしたたる中指に。

「追跡犬――この」

次の瞬間、フェロモンをたどってきた仲間のウィリアムズが爆撃で壁をぶち抜いて突入してくる。

ウィリアムズは手際よく<計数されざる者たち>を制圧し、クラヴィスを救出した。

 


 

ネタバレ④:インドへ

クラヴィスたちはジョン・ポールを追ってインドへと向かう。

クラヴィスはジョン・ポールの始末はもちろんのこと、ルツィアと再会したいと強く思っていた。

 

ジョン・ポールの潜伏先は、現地で内紛を起こしているヒンドゥー・インディア共和国暫定政府の基地。

多数の少年兵が襲ってきたが、最新鋭の装備と訓練で武装したクラヴィスたちの敵ではない。

任務は成功。

暫定政府の要人とジョン・ポールを連れて、ピックアップの無人ヘリが飛び立つ。

その後、クラヴィス達はターゲット移送のため、無骨な年代物の列車へと乗り込む。

 

列車が武装ヘリに襲撃された。

列車は脱輪の末に横転。クラヴィスは車両ごと遠くに吹き飛ばされる。

意識を取り戻したクラヴィスが目撃したのは『先進国同士の戦い』

痛みと恐怖を抑制され、手足が千切れながらも戦う敵味方の姿だった。

 

結果、クラヴィス達のチームはほぼ壊滅状態。襲撃者も壊走。

ジョン・ポールはまたしても姿を消してしまう。

 


 

ネタバレ⑤:最後の地へ

ジョン・ポールの次なる潜伏先はヴィクトリア湖一帯が独立した国家<ヴィクトリア湖沿岸産業者連盟>

ヴィクトリア湖では遺伝子操作されたイルカやクジラが養殖され、その筋肉が「人工筋肉」として軍の戦闘機などに用いられている。

このままジョン・ポールを放置すれば、ヴィクトリア湖一帯には【呪いのことば】が浸透し、内紛が起こってしまうだろう。

アクシデントに見舞われた結果、クラヴィスは単独でジョンの潜むゲストハウスへと潜入することになってしまった。

 

光学迷彩により難なく目標の部屋にたどり着いたクラヴィスの頭に、背後からジョンが銃口を突きつける。

そして、今度はルツィアが背後からジョンに銃口を突きつける。

ルツィア「奥さんと子供がサラエボで原発の犠牲になったあの日、あなたは私と寝ていた。自分自身が許せなかった。だから、あなたは裏切りや暴力が…人間の残虐性が逃れがたい人間の本性だと思おうとしたのね。」

ルツィア「あなたは罪から逃れるために、人間の本性のどす黒さを証明し続けているんだわ。恐ろしい数の人たちの命で」

ジョン「ルツィア、それは違う」

地上で最も罪深き業を背負ったジョンの目には、あろうことか正気の光が宿っていた。

ジョン「愛する人々を守るためだ」

 


 

ネタバレ⑥:なぜジョンは【虐殺のことば】を広めたのか?

先進国が整備した徹底的な認証システム。

そのセキュリティのおかげでテロは激減し、今やアメリカ国内でのテロ事件の数はゼロになった。

…と、多くの人が信じ込んでいる。

しかし、実際には違う。

抑圧された人間が突発的な犯罪を起こした場合、現状のセキュリティシステムは何の役にも立たない。

多くの人が気づきながらも無視している真実…多額の費用をかけて整備された管理社会には、テロを抑制する力なんてない。

 

ジョン・ポールは考えた。

『では、愛するアメリカ国民をテロの脅威から守るにはどうすればいいのだろうか?』

その答えこそが【虐殺のことば】だった。

テロを起こすような予兆のある後進国に内紛を起こす。

すると、彼らは自国のことで頭がいっぱいになり、先進国へテロを仕掛けようとは思わなくなる。

実際、ジョンが【ことば】を広めだしてからテロ被害は激減し、ついにはゼロになった。

アメリカの変わらぬ平和のために、アメリカ以外の世界を地獄に落とす。

それが、ジョン・ポールの選んだ道だった。

 


 

ネタバレ⑦:結末

ルツィアは「ジョンは公の場で裁かれ、その真実を世間に公開するべきだ」と説得し、クラヴィスはジョンを【逮捕】することに決める。

しかし、次の瞬間。

ルツィアの頭は吹き飛んでいた。

後から駆け付けたウィリアムズが撃ったのだ。

クラヴィス「なぜ彼女を撃った!?」

クラヴィスには知らされていなかったが、任務はジョンとルツィアの始末だった。

ウィリアムズと敵対するクラヴィス。

徐々に警備兵も近づいてくる。

ウィリアムズは語る。

「妻と子のためだ。この世界がどんなにくそったれかなんて、彼女は知らなくていい。この世界が地獄の上に浮かんでいるだなんて、赤ん坊は知らないで大人になればいい。俺は俺の世界を守る」

だから、ジョンの語る『真実』を公にするわけにはいかない。

クラヴィスは迫る警備兵の気配を察知し、ジョンを連れてゲストハウスの窓から飛び降りる。

飛び降りざまに投入したグレネードが爆発した。

 

クラヴィスはジョンを連れてジョングルの中を逃亡する。

ジョンはルツィアの言葉通り「世界に真実を告げる」とクラヴィスに話す。

一行が草原に差し掛かった時、乾いた破裂音があたりに響き渡った。

ジョン・ポールの額に小さな穴が開いて、地面に倒れている。

「作戦終了です。シェパード大尉。お疲れ様」

 


 

ネタバレ⑧:エピローグ

国に戻り、クラヴィスは軍を辞めた。

ジョン・ポールの事件に関わる公聴会の場で、クラヴィスはありのままの真実を語り、アメリカはかつてない大スキャンダルに揺れた。

これを受けて、アメリカ全土で暴動が発生。

州軍が一般市民に発砲するような、大混乱が訪れた。

 

実は、クラヴィスは生前のジョンから【虐殺の文法】について記されたメモを受け取っていた。

そして今、その【ことば】はクラヴィスの手によってアメリカ中に広まりつつある。

すでに多くのアメリカ人が犠牲になった。

近く内戦も起きるだろう。

これで、しばらくはアメリカにテロは起こらないはずだ。

その価値もないのだから。

『世界にとって危険なアメリカという国を滅ぼす。アメリカ以外の国の平和のために』

それが、クラヴィスが背負うと決めた罪だった。

 

外、どこか遠くで、ミニミがフルオートで発砲される音がする。

うるさいな、と思いながらぼくはソファでピザを食べる。

けれど、ここ以外の場所は静かだろうな、と思うと、すこし気持ちがやわらいだ。

<虐殺器官・完>

 


 

まとめ

以上、小説「虐殺器官」ラストまでのあらすじ・ネタバレでした!

今回は物語の軸の部分だけを抽出したネタバレでしたが、「虐殺器官」の魅力は物語の構成というよりも、登場人物同士が交わす信念や思想といった精神的な部分にあると思われます。

自由とは?良心とは?罪とは?…「虐殺器官」の持つ本質的な旨みを味わうためには、これはもう実際に小説を読んでみるしかありません。

そんなわけで、より作品を楽しみたい方には小説の読破を強くお勧めします。

そして当然、映画「虐殺器官」も要チェック!



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