ろびこ「となりの怪物くん」が実写映画化!
菅田将暉さん&土屋太鳳さんという豪華キャストが話題になりました。
原作漫画「となりの怪物くん」は500万部突破の人気作。
全13巻と長く続いた作品だけに主人公たちの恋愛はもちろん、それぞれの登場人物についても深掘りされています。
なんというか「こんな青春を送りたかった!」って感じになる素敵な漫画です。
というわけで今回は、映画化もされた漫画「となりの怪物くん」のあらすじ・ネタバレ・感想などをお届けしします!
気になる漫画最終回の展開とは!?
Contents
あらすじ
入学早々流血事件を起こして、それ以来不登校…吉田春は幻の新入生として話題の男。
一方、その隣の席の水谷雫は勉強一筋・他人に興味なしのガリ勉女。
なんの因果か春にプリントを届けることになった雫だったが…
「こ、これってあれだよな、風邪とかで休んだ奴に友達がプリント届けてくれるってやつ…!」
いきなり友達認定されてしまった。
どうやら春は短気で暴力的な反面、学校や友達に強い憧れを抱いているようだった。
そんな春だから「友達だろ?」と言われれば、ニコニコして不良に金を渡してしまう。
いつもの雫なら「どうでもいい」とスルーするところだ。
でも、その時、なぜか雫にはそうできなかった。
春をカモにしている不良たちに向かって震える声で言う。
「よ、吉田くん、は、あなたたちのことを友達だと思ってるから、だから、も、もし、あなたたちもそう思ってるんだったら…」
「彼と、もっと誠実に付き合ってあげてください」
当然不良たちに絡まれそうになる雫を、春が守った。
その帰り道、春は無言で涙を流しながら雫を送る。
「な、なにも泣くことないでしょお~~!?」
「違う。なんか、嬉しくて」
春の純粋な涙に心動かされた雫。春を抱きしめて言う。
「…大丈夫だよ。今にハルのまわりは、たくさん、人であふれるから」
「なんか、ドキドキする…」
「は?」
「俺、シズクがスキかも…!」
「そ、それってたぶん刷り込みというか、他に友達がいないから勘違いしてるんだと思う」
「じゃあ、俺に友達できてからだったらいいのかよ。わかった」
「でもたぶん、俺はきっと、おまえのこと好きだよ」
次の日から、春は学校に来るようになった。
何をしでかすかわからない野生児のような、狂犬のような、怪物のような男の子。
なにはともあれ、ようやく雫の隣の席が埋まった。
登場人物
水谷雫
母のような自立した稼げる女になるため、目下の関心ごとは勉強のみ。
離れて暮らす母に認められたいという思いもある。
吉田春
実は雫よりも頭がいい(大学レベル)。
ケンカも強く、普通にしてればイケメン。ただし、意味のわからない行動ばかりするので周りからは距離を置かれている。
現在は従兄弟・満善(みっちゃん)の家に居候している。
過去と実家には秘密が…?
夏目あさ子
モテすぎて女子から嫌われ、そのせいで男も嫌いになり、結果的に孤独になってしまった美少女。
こじらせてネット活動にいそしんでいるものの、本心では普通に友達が欲しい。春の同類。でもバカ。
佐々原(ササヤン)
誰とでも仲良くなれる野球部男子。
なりゆきで雫・春・あさ子たちと行動することも多い。空気の読めるいい奴。
ヤマケン
春の幼馴染。金持ちでプライドが高いイケメン。
学力も高く、雫と同じ予備校に通う。
吉田優山
春の兄。実家に住んでいる。春とは犬猿の仲。
シズク → ハル
どこでもいつでも「シズク!」とつきまとってくる春。
最初は「勉強の邪魔!」と一蹴していた雫だったが、春と過ごしていくうちに気持ちに変化が訪れる。
春と一緒にいることが心地いい。価値観が、世界が変わる。
「私、ハルに会えてよかった。今まで勉強しか興味なかったけど、こうなったら、とことん楽しもう」
「私、ハルが好きだ」
これで2人は両想い…と思いきや、なぜかハルは雫の告白をスルー。
(あれーーー!?)
悶々と過ごす雫だったが、天然で口説いてくる春に我慢できなくなって、改めて告白する。
「こ、降参!降参です!ハルが好きだ。迷惑かもしれないけど、私はもうハルを好きになってしまった。どうしたらいい?」
「…迷惑なんかじゃねえよ。俺だってシズクのことが好きだ。…でもこれはたぶんシズクの言ってる気持ちとは違う。つきあってもそれがわかったら、シズクは離れていくんじゃねぇかって思った。…それが怖かった」
「そっか、そういうことなら、この話は白紙に戻そう。ハルに私を好きになってもらってから、また言う」
(そうだ、これでいい。答えなんて簡単だ。だってハルは、私といたいって言ってくれてる。とりあえずそれで、十分じゃないか)
ハル → シズク
雫のアドバイスを受けて、笑顔を心がけるようにしたハル。
その効果は抜群で、ハルは急にモテ始めた。
さらに、ハルにピンチを救ってもらったという隣のクラスの委員長・大島もハルに本気で恋していて…。
嫉妬心から機嫌が悪くなる雫。とうとうハルと喧嘩してしまう。
「おいシズク、なんで俺のこと避けてんのかはっきり言えよ。気持ち悪ぃ」
「最近ハルといると私は胸が苦しい。勉強にも何故か集中できない。だから、今は顔をあわせたくない」
「…保健室行くか?」
そして雫は、心をかき乱してくるハルに対して、ついに見切りをつけた。
(今まで何を血迷っていたのか。私にとって大切なのは勉強、ひいては確固たる未来だ。それを邪魔するようなものは、必要ない)
春への恋心を切り捨てた雫。
一方、春の方は今さらになって雫をちゃんと好きになり始めていた。
雫の本心
「私はハルを好きにならないよ」
「いいよ。そんなもん、俺が変えてやる」
雫にキスしようとして、寸前で思いとどまる春。
雫の顔を見ると、これ以上ないくらい真っ赤に茹で上がっていた。
シズク ⇔ ハル
「ヤマケン、シズクにホレてんのか?」
「…だったら文句あるか?」
誰にとっても予想外の展開!
プライドの塊のようなヤマケンが、(スーパーで服を買うような)シズクに本気で惚れた!
それを知った春は焦ったり、拗ねたり、嫉妬したりと大変。
「冬期講習ってやつ、ヤマケンも行くんだろ。冬休み中、ずっと一緒いんのか」
「嫉妬してるの?」
「うん」
「…冬期講習のまえに話さなくちゃと思ってた」
「ハルが好きだ」
「だから何も心配することはない。もう私は、迷わない。頑張ろう、ハル」
見つめ合う二人。
「じ、じゃあ冬期講習はやめるんだな!?」
「………は?」
両想いになったものの、雫が好きになった相手は常識が通じない『怪物くん』
2人は両想いというだけで、この時点ではまだ正式に付き合い始めてはいない。
恋
ヤマケンが真正面から雫に告白した。
「今はどうってことなくても、これからあんたに好きになってもらう自信はあるよ。オレと付き合わねーか、水谷さん」
「…ごめんなさい、ヤマケンくん。私、ハルが好き」
ヤマケンはため息を一つつくと、雫の頬にキスをして去っていった。
「じゃーな、水谷さん。…後悔すんなよ」
その帰り道、ハルが待ち伏せていた。
「シズク、俺と付き合え。…言っとくが、ヤマケンに対抗して言ってるんじゃねーからな。…ヤマケンのこと、好きになんのか」
「…私、ヤマケンくんには、ハルが好きって言った」
春は階段から立ち上がり、雫の方に歩きながら口を開く。
「…初めて俺を受け入れて、認めてくれたのがシズクだった。シズクと出会って初めて、他人と関わるってことの意味を知った。正直言うと、今までずっと好きってもんがどういうものか、よくわからなかったんだが…」
「シズクといて、初めて俺は温かさを感じられるんだ」
春は雫を抱き上げて、真剣な顔で言った。
「シズクが好きだ。俺と、付き合ってください」
「…喜んで」
愛おしそうに春を見つめる雫。春は花が咲いたような笑顔だ。
(カチッとはまる音がした。今までどうして、バラバラだったんだろう…)
出会ってから約1年。
こうして2人はやっと恋人同士になった。
ネタバレ
やっと恋人同士になった春と雫。
でも、物語的にはまだ【春の過去・正体】という重要な部分が残されています。
最終回はどうなる!?
春の過去、春の正体
実は春の父・吉田泰造は女好きで有名な大物議員。
春と優山はその先妻の子だ。
精神的に幼かった実の母が早々に2人を捨てたため、兄弟は父の顔を見ることもなく別宅へと預けられた。
兄弟はそこで実に仲良く育ったが、成長するにつれて春がいわゆる【神童】であることが発覚。
兄弟は本宅へと呼び戻された。
ところが、そこで待っていたのは父の後を継ぐための強制的な勉強ばかり。
しかも、多忙な父とは言葉を交わすチャンスもない。
春はすぐに反抗的な態度を取るようになり、奇行に走ることで周囲の期待を裏切ろうとした。
一方、優山は次第に能力があり、周囲から期待されている春の存在を邪魔に感じ始める。
結果、春は勘当され満善の母が引き取ることになった。
満善の母は有能な研究者。
春は理路整然と話し、自分とちゃんと向き合ってくれる満善の母を、実の母以上に慕うようになっていった。
ところが、近年になってその満善の母が他界。
満善と春は諸々の費用を工面してくれるように一生懸命に吉田家に頼んだが、泰造は少しも取り合わなかった。
これがきっかけで、春は父と兄を心の底から嫌悪することになる。
自分を救ってくれた人を失って、実の家族に裏切られて…傷ついていた春の心に再び温かな灯をともしたのが雫だった。
だから春にとって雫は本当に大切な人、だったのだが…。
衝突
泰造がまたスキャンダルを起こした。
騒動を鎮火するために催される優山の誕生日パーティーに招待された春と雫。
もちろん春は「絶対に行かない」と全力で拒否したが、雫の言葉もあり「これで最後だ」という条件で出席することになった。
そのパーティーの席で、雫は初めて本当の春を知る。
『裕福な政治家の子供』
『研究者から呼び声がかかるほどの頭脳』
春は周囲から期待されていて、全てを持っているのに、それを捨てている。だから孤独になった。
一方、雫は何も持っていないからこそ勉強にすべてを捧げて孤独になった人間だ。
どこかで「春は自分の同類」だと思っていた雫は、裏切られたような複雑な思いになり、つい春にあたってしまう。
「私は、ハルとは違う。ハルに私の気持ちは、わからない」
いつもならどんなことを言われても決して雫には怒らない春だったが、その日は機嫌が悪く、その言葉を見過ごすことができない。
「じゃあおまえに、俺の気持ちはわかるのか」
「…おまえも、優山も、このパーティーも、みんな、クソくらえだ」
雫の前から立ち去る春。
(どこかで、シズクと俺は同じなんじゃないかって、こいつなら、俺を理解してくれるんじゃないかって…そんなわけねーだろ)
(なんだか疲れたな。どうせこうなるなら、いっそ独りのままでいいんじゃねーか)
(もう十分、頑張ったろ)
その日から、春は学校に来なくなった。
仲直り
春が消えてから2週間。
連絡もつかない。家にも帰っていない。
みんなで一生懸命探したけれど見つからない。
(もしかしたら、もう会えないんじゃ…)
そんな不安が雫の胸をよぎったとき…
「あっ」
いつものたこ焼き屋に、春がいた。
聞けば、お呼びがかかっていた研究室の手伝いを泊まり込みでしていたのだという。
「きっと、ハルはいなくなってると思ってた。私が、ひどいことを言ったから。ハルを傷つけたかったわけじゃないのに…っ、きらいにならないで…」
ぎゅっと目を瞑ってぽろぽろと涙をこぼす雫を見て、春は思う。
(どうして俺は、彼女が、ただ強い人間だと、本気でそう思えていたんだろう)
「ごめんな、シズク」
言いながら雫を抱きしめる。
「…なんでハルが謝るの。ひどいことを言ったのは、私なのに」
「そんなことで、俺は傷ついたりしない。そんなことで、俺は離れていったりしない」
泣き顔の雫に優しく微笑む春。
「ハル…」
どちらからともなく唇を重ねる。
すれちがってばかりいた2人の想いが、重なる。
これで、仲直り。
春が帰ってきた。
未来へ
また年が明けた。冬休みが終われば雫たちは三年生になる。
そんなある日の夜、春が雫の家を訪ねてきた。
「ハル、何かあった?」
「…あのな、桐谷教授に自分の所に来ないかって誘われてる。…少しだけ迷ってる」
三年生…そろそろ進路を決める時期だ。
父や兄とのこと、雫や友達とのこと、いろいろあって春は進路に悩んでいるようだ。
「迷うなら行ったほうがいい。決めるのはハルだ。…私たちはもう付き合い方を知っている。対等に誠実に、相手と自分に向き合うことだ」
「だからハル、思うように生きて」
微笑む雫。春は憑き物が落ちたような、何かに気づいたような顔をしている。
「…うん。行ってくる」
そして、2か月後。
「え?」
春は海外研究の手伝いをするため、飛行機に乗って日本を出ていってしまった。
帰ってくるのは1年後。
(まあ、驚きこそしたものの…それでこそハルなのだ)
手紙
三年生の一年間。
春はいなくても、あさ子やササヤンやヤマケン、みんなと充実した日々を過ごす雫。
ずっと目標にしていた受験に合格したころ、春からエアメールが届いた。
拝啓 水谷雫様
お元気ですか。そちらの様子はどうでしょうか。
夏目は迷惑をかけていませんか。
ヤマケンのアホがシズクにちょっかいかけていないか心配です。
思えばどうして来る前にあなたに手を出してしまわなかったのか、それだけが心残りです。
まあ、でもそれも仕方のないことでした。
それほど、あなたは俺にとって特別な人だったから。
最近、少し考えたことがあります。
研究者たちの間に「物質は観測者がいて初めて存在する」という言葉がありますが、もしかしたら人と人の間にもこれと同じことが言えるのかもしれません。
俺はシズクに出会って初めて、自分という人間を見つめることができたんです。
シズクはいまどうしていますか。
きっとシズクのことだから、目標に向かって充実した日々を過ごしてることと思います。
また手紙を書きます。
あらあらかしこ 春
──追伸
そういえば初めて会った時、俺は「シズクを好きなのはずっと変わらない」と言いましたが、一つだけ変わったことがあります。
シズクが、大好きです。
最終回
雫たちの卒業式。
雫は一通り友人と挨拶を交わして、春の私物を家へと運んでいった。
すると、そこには春の姿が。
「相変わらず、唐突で突拍子もない。突然帰ってこられても、嬉しくって反応に困る」
真顔でそんなことを言う雫。2人はどちらからともなく笑いあう。
「まあ、とりあえず」
そう前置きして、雫は春の胸の中に飛び込んだ。
「おかえり、ハル!」
「たたいま、シズク!」
…。
3年半後
リクルート姿の美人が桐谷教授の研究室の扉をバン!と開く。
「春!」
「…よお、雫。久しぶり」
「やっぱりここにいた。ずっと寝泊まりしてたの」
「だって帰んの面倒くせーんだもん」
「あんた今日の約束忘れてたでしょう」
「い、いや、そんなことは…」
今日は久しぶりに高校の仲間たちと集まる日だ。
「それよりそっちは試験どうだった?結果出たんだろ」
「当然!」
現在、春は桐谷教授の研究室にいる。
一方、雫は司法試験に合格。
「私、来月から1年間、司法修習だから」
「唐突だな、おい。じゃーそのシホウシュウシュウってやつ、帰ってきたらケッコンすっか!」
「…えっ」
<となりの怪物くん・完>
おまけ・後日談
左手薬指に輝く指輪を見て微笑む雫。
「…悪くない」
「気に入ったか。本当は凛々しいお前には鉄甲がよく似合うと思ったんだが、まわりに全力に止められてな」
「春…!嬉しい!春の趣味で選ばないでくれたの!」
「おうっ、2人で幸せになろーぜ!」
春に抱きつき、ゴロゴロと転げまわる雫。
「大好き、春!!」
どこからどう見てもバカップル。
ちなみに、指輪は男除けのために欲しかったのだとか。
成長して美人になった雫は、今や周りからモテモテ。
男連中から告白されまくって困っているのだそう。
なんだか複雑な心境になる春だった。
<最終話おまけの後日談・完>
番外編・結婚式
「となりの怪物くん」本編自体は12巻が最終巻なのですが、その後に「番外編」の13巻が発売されました。
13巻では主にサブキャラクターたちの物語が描かれているのですが、最後には雫たちの結婚式の様子も描かれています。
成長した各キャラクターの姿を見れたり、幸せそうな雫と春の姿を見れたり…まさに「いい最終回だった!」という感じ。
巻末のおまけ漫画では5次会になだれ込んで酔っ払いまくっている登場人物たちも見れて面白かったです。
感想と補足
私にとって「となりの怪物くん」は「もうホント面白いから、いいから読んで!」と誰彼となくおススメして回りたくなるような漫画です。
最初こそ「目を合わせれば殴る」な野生児っぷりを発揮する春を見て「これで本当にラブストーリーが成立するのだろうか…?」と心配になりましたが、この漫画の真骨頂はストーリーが進むにつれて訪れる『変化』
堅物でロボットのような雫が、恋をしたことで成長していく。
暗い過去を抱えて荒れていた春が、雫と出会ったことで幸せを取り戻していく。
全13巻、高校3年間を通してその変化が丁寧に描かれているので、ものすごく感情移入してしまいます。
その結果、春と雫が両想いになったり、恋人になったり、最終回で結婚することになったりしたときの感動たるや!
「あああ、本当に良かったねえ…!」と親戚のおばさんばりに、我がことのように喜んでいる自分がいました(笑)
また「となりの怪物くん」の魅力は主人公・ヒロインの恋愛にだけに留まりません。
基本的には変わり者で孤独だった春や雫やあさ子が、いろいろあって多くの友達を作り、行事やイベントごとなどを楽しく過ごしていく…その『青春感』もたまらないのです!
いい意味で「こんな青春を過ごしたかった!」と思わされるというか、自分もその中の一員になったような気分を味わえるというか。
読んでいると彼らの楽しさがこっちにまで伝わってくるような、賑やかで楽しい空気に満ちた作品でした。
アニメ版について
2012年のアニメ「となりの怪物くん」は全13話。
内容的には雫たちが2年生に上がる前に最終回を迎えました。
単行本で言うと6巻くらいまでの内容ですね。
ちなみに最終回はアニメオリジナル展開。
「これからも物語は(普通に)続いていく」的な終わり方だったので、「もしや2期もあるのでは?」と期待が寄せられましたが、現在、2期制作の予定はありません。
物語的には「そこからが面白いのに!」という感じなので、アニメで「となりの怪物くん」を見た方には原作漫画を読まれることを強くお勧めします。
恋愛がいっぱい!
少女漫画の定番と言えば、サブキャラクターの恋愛!
時には主人公たちの恋愛より、他のキャラクターの恋愛の方が気になったりしますよね!
この「となりの怪物くん」には、そんなサブキャラクターの恋愛もたくさん(しかも濃い目に)詰まっています!
注目はやはり、あさ子でしょうか。
あさ子はモテすぎるがゆえに女子にハブられ、そのせいで男嫌いになったひねくれ系美少女。
ところが大人の余裕にコロッときて、満善のことが好きになってしまいます。
その時の戸惑い、他人を好きになることの喜び。
基本的に直情バカ一直線なあさ子が「恋する乙女」になっていくのは、見ていてとてもキュンキュンしました。
しかし、年の差もあり、最終的にはあさ子はみっちゃんにフラれてしまいます。
で、そこで登場するのがササヤンなんですよ!
なんとササヤンもいつしかあさ子のことが好きになっていたんですね。
でも、あさ子にとってササヤンと春は「私のことを好きにならないから普通に話せる男子」というカテゴリーであり、ササヤンもそのことを重々承知しています。
でも!
そんな2人も最終的にはくっつくんですよ!
ササヤンが真っすぐにあさ子に気持ちをぶつけてから、あさ子の気持ちが徐々にササヤンに傾いていくその過程!
最高です!
イチオシ男子・ヤマケン!
などと言いつつ、私が「となりの怪物くん」で一番好きなキャラクターは実はヤマケンくん。
もうホント、ヤマケンくん最高なんですよ!
総合病院の跡取り息子であり、成績優秀でイケメン。
方向音痴なのと、無駄にプライドが高い(ツンデレ)なのが玉に瑕、というヤマケンくん。
- そんな彼がダサさ全開の雫に心奪われてしまう。
- 最初は自分の気持ちを認められなかったが、雫の言葉にノックアウトされて恋心を自覚。
- 無駄に素直になれないまま、着々と友達として溝を埋める日々。
- 人生で初めて告白&人生で初めてフラれる。それでも諦められない。
雫の気持ちが完全に春に向いていると知りつつ、11巻でもう一度告白するシーンは本当にかっこよかったです。
以下、そのときのやり取りを一部抜粋。
「あのさ、あんたにはきっとオレの方があってると思う。あんたにもう一度、オレと付き合ってくれって言いに来た」
「『友達になれない』のは、こうやってまだあんたに気があるからだよ」
「オレならあんたを不安にさせたりしない。悩ませたりしない。あんたを、もっと大事にする」
(そうだ、最初からこう言えば良かったんだ)
「好きだ」
「俺のこと、一度真剣に考えてみて」
で、後日。
その返事のやり取りは作中で1,2を争う名シーンだと思っています。
以下、抜粋。
「…ヤマケンくんは、私の何が好きなの」
「…素直なとこ。真っすぐでバカ正直なとこ。オレと違って、ちゃんと気持ちを口にするとこ」
「? そんなに口に出せないことばかり考えてるの、ヤマケンくん」
「…飾らないってのは、すごく難しいんだよ。とくに好きなやつの前では」
「…私、いつもあなたに助けられてたと思う。あなたといると、冷静で穏やかで、いつもの私でいられる。それがとても心地よかった」
「一方、ハルといると心底疲れるというか怒ったり驚いたり…自分に、こんなにもいろんな感情が、あったのかって…楽しいの」
悟ったように寂しげな顔をするヤマケン。
「だから、ごめんなさいヤマケンくん。私、ヤマケンくんとは付き合えない」
(わかってたよ。あんたはハルの前でだけ、そんな表情するんだって…)
「じゃあな、後悔すんなよ」
ヤマケンはいつもの自信満々の顔で言う。
「オレ程の男は、もう一生現れねーぞ」
「…うん。ありがとう、ヤマケンくん」
(バーカ、逆だよ。あんたみたいな女には、オレは多分もう一生会えないんだ)
「…おい、あんたオレと友達になりたいって言ってたよな。あ、ハルのアホと付き合えるのなんかあんたくらいだろーし、何かと大変だろーし、友達くらいなら、なってやってもいーけど?」
「…ようやくわかったけど、ヤマケンくん、あなたってとても素直じゃないのね」
「ほっとけ」
「…喜んで」
物語的な役割で言えば、ヤマケンくんの役割は完全に噛ませ犬。
でも、ヤマケンの存在がなければ、春と雫はゴールインできなかったかもしれません。
そして、そんなことはともかく、このヤマケンという男はめちゃくちゃカッコいいのです!
私なら絶対にヤマケンくんを選びます。
だって、顔は王子様、心は俺様な傍若無人系イケメンが、雫を見て(クソ、可愛いな)とか思って赤面してるんですよ!
最高かよ!
しかもこの人、雫と春の結婚式では新郎友人のスピーチをしているんですよ?
番外編含めて他の恋の予兆はなかったヤマケンくんですが、頼むから幸せになってほしい…!
というか、ろびこ先生にはヤマケンくん主人公でスピンオフ描いてほしい…!
そして映画でもヤマケンくんに活躍の場を与えてほしい…!
みなさんも、もしこれから「となりの怪物くん」を読まれるなら、是非ヤマケンくんに注目してみてください。
きっとヤマケンくんが好きになると思います!
まとめ
今回は漫画「となりの怪物くん」のあらすじ・ネタバレ・感想などをお届けしました。
最終回は意外とあっさりした感じだったのですが、番外編ではちゃんと結婚式まで描かれていたので大満足!
幸せな笑顔と雰囲気に満ちた、素敵な結末だったと思います。
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