岡崎京子「チワワちゃん」が映画化!
主演の門脇麦さんを始め、注目の若手キャストがそろって出演するということで注目されていますね。
「チワワちゃん」は1994年に掲載された34ページの短編漫画。
昔から「チワワちゃん」の大ファンだったという二宮健監督が、どのような現代版映画「チワワちゃん」を見せてくれるのか楽しみです。
というわけで今回は、映画公開に先駆けて岡崎京子「チワワちゃん」の内容についてご紹介していきたいと思います!
「チワワちゃん」のあらすじとネタバレ!
★あらすじ
先月あったバラバラ殺人事件の被害者の身元が判明したと今日の新聞に載っていた。
『千脇良子 20歳 看護学校生』
それが、あたしの知っている「チワワちゃん」のことだとは最初思わなかった。
大体あたしは「チワワちゃん」の本名すら、知らなかったのだ―――
………という文章から始まる「チワワちゃん」ですが、ジャンルはミステリーではなく青春モノ。
チワワちゃんこと千脇良子が亡くなったことをきっかけに、彼女とつるんでいた人々がそれぞれチワワちゃんについて回想していくという内容です。
ヨシダの彼女として現れたチワワちゃんは、いったいどんな人物だったのか?
何を考えて、どんな人生を送っていたのか?
チワワちゃんの足跡をたどりながら、彼女を偲ぶ。
言ってしまえばそれだけの内容なのですが、それが妙に心に刺さってくるんですよね。
チワワちゃんの人生
「料理がうまくて家庭的な女性だった」と言われる一方で、「だらしなくてクスリにも手を出していた」とも言われるチワワちゃんは、いったいどんな人物だったのでしょうか?
仲間たちの証言から見えてくる「チワワちゃん」の人物像と人生について、簡単にまとめてみました。
1.バイトしながらメイクの学校に通っていて、ちゃんとしたモデル事務所に所属してグラビアの仕事もしていた。
2.彼氏のヨシダとはラブラブで同居していたが、やがて破局。新しい彼氏の酒田とも長続きしなかった。
3.住むところがなくなって仲間連中の家を泊まり歩くようになった。
4.やがて学校もバイトもやめ、モデルの仕事もすっぽかしまくってクビになった。
5.「小泉明日子」の名前でAVに出演。
6.やがてクスリに手を出すようになり、金が足りずに仲間連中に多額の借金を頼んで回るようになった。
こういう経緯で仲間たちとのつながりも切れていき、最後は音信不通状態に。
事実関係だけを見ればチワワちゃんは「どうしようもない人間」のように思われますよね。
サヨコも「みんなにお金借りまくって断られて、みんなの悪口いってるって聞いたし…バカな女!とか安っぽい女とか思ってた」と回想しています。
しかし、それは『うわべ』だけの話。
『本質』はまた少し違います。
以下は、仲間たちの証言から断片的に見えてくるチワワちゃんの人生の裏側です。
1.チワワちゃんはヨシダのことが大好きだったけれど、ヨシダはチワワちゃんのことを殴ったりしていた。「チワワ、よく泣きながら電話してきたのよ。『あたしのどこが悪いのかなあ?』って繰り返してさあ」(シマの証言)
2.ヨシダと別れたことで温かい居場所を失ったチワワちゃんは自暴自棄になってAVに出演。事務所が借りたタコ部屋に住むことに耐えられず、一時はヨシダの友達のカツオの家に住まわしてもらっていた。「チワワが一人でいるとき…すげーさみしそうな悲しそうな顔してんだよ。それがやりきれなくてさあ。俺に気づくと愛想ふりまくんだけどさあ」(カツオの証言)
3.「チワワは…お金貯めてきちんと一人暮らししたいっていつも言ってた。カツオ君といたときもカツオ君に申し訳ない甘えてて悪いっていつも言ってた」(ユミの証言)
こんな感じで、どうやらチワワちゃんは特別ダメダメな人間ではなかったようなんですね。
何の因果か落ちぶれてしまったけれど、それは巡り合わせが悪かったり、ちょっと心が弱っていたせいであって、チワワちゃんという人間は『普通の可愛い女の子』だったといえるでしょう。
最後の証言が切なすぎる!
どんどん悪い方向へと流されていって、無残な最期を遂げたチワワちゃん。
多くの仲間たちは事件報道で久しぶりにチワワちゃんのことを思い出しましたが、実は一人だけ事件の数日前にたまたまチワワちゃんと再会していた人物がいました。
本屋で「毎日のおかず365日」を買っていたチワワちゃんは、ニコニコしながらこう言ったそうです。
「あたし最近新しいラブリーできちゃって~。ごはんつくんの楽しくて楽しくて♡ またみんなに逢いたいな…。あ、あたし今度ひっこすの。電話ついたら連絡する~。あそびにきてね~」
一時はどん底まで落ちていたとは思えないほど、晴れ晴れとしていて幸せそうな姿。
辛く苦しい時期を抜けてようやく幸せになれそう、というタイミングでチワワちゃんはこの世を去ってしまったんですね。
結局最後まで充分に幸せを享受できないまま人生を終えてしまったチワワちゃんのことを想うと、なんとも切なく、やりきれない気持ちになります。
結末は?
ラストシーンの舞台は、チワワちゃんの遺体が見つかった東京湾。
チワワちゃんとつるんでいた仲間たちが、それぞれチワワちゃんとの思い出を語ります。
「チワワのつくったゴハンは本当にサイコーでした。本当だよ」
「気が弱いのでチワワに10万円貸しました」
「チワとは本当は今年の1月にパリに行く予定でした」
誰も本名すら知らなかったけれど、みんなちゃんとチワワちゃんとつながっていた。
そんなことを感じさせる結末でした。
※ちなみに「チワワちゃんはなぜ殺されたのか?」とか「犯人は?」とか、そのあたりのことは一切不明。私はなんとなく「新しい彼氏というのが実は…?」とか想像したりしました。
映画と原作漫画の違いは?
まずは映画「チワワちゃん」のキャストを見てみましょう。
門脇麦…ミキ
成田凌…ヨシダ
寛一郎…カツオ
玉城ティナ…ユミ
吉田志織…チワワ
村上虹郎…ナガイ
栗山千明…ユーコ
浅野忠信…サカタ
このうちユーコとサカタは、原作漫画にはない映画オリジナルのキャラクターです。
※酒田は名前だけ登場してますが、キャラとしては登場せず
また、チワワちゃんの彼氏であるヨシダも、漫画では回想にしか登場しない人物だったので、映画では少し違う扱いになることが予想されますね。
もともと34ページの短編漫画を映画化するわけですから、映画には他にも漫画にはないオリジナル要素が足されると予想されます。
各キャストのコメントでも
原作にはそれぞれのキャラクターの詳細がほとんど書かれてないので、脚本を読むのが楽しかったです(寛一郎)
とか
僕が演じるナガイは原作にも登場しますが、映画では少し違います(村上虹郎)
とか言及されていたりします。
ちなみに原作漫画ではこの他にも《キキ・サヤカ・サヨコ・シマ・クマ・アキラ》などのキャラクターが登場します。
それぞれ重要な証言をしてくれる登場人物なのですが、今のところキャストの発表はなし。
もしかしたら映画ではカットされているのかもしれません。
というわけで映画「チワワちゃん」は岡崎京子さんの漫画をベースにしつつも、二宮健監督によるアレンジが大きく加わっているものと思われます。
単行本としての「チワワちゃん」には他にもいくつかの短編が収録されていますし、興味のある方は原作漫画の方もチェックしてみてはいかがでしょうか?
まとめ
岡崎京子「チワワちゃん」が映画化!
今回は原作漫画のあらすじ・ネタバレなどをお届けしました!
岡崎京子作品といえば「ヘルタースケルター」が有名ですが、去年も「リバーズ・エッジ」が映画化してるんですよね。
時代を超えて愛される岡崎作品が、再び注目を集めているように感じます。
「チワワちゃん」はキャストも本当に豪華ですし、最近の作品にはない魅力を持つ青春映画として話題になるかも!
たった34ページの短編漫画がどのように映画化されるのか楽しみです。
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