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映画「ナラタージュ」の感想!感動作品だけど賛否両論?

映画「ナラタージュ」を観てきました!

初日舞台挨拶が生中継されている回だったので、会場は(ほとんど女性で)超満員!

注目度の高い作品なんだなあ、と改めて感じました。

※なんたって松本潤、有村架純、坂口健太郎という豪華キャストに加えて、行定勲監督作品ですしね。

今回は映画を観た直後の率直な感想などをお伝えしていきたいと思います!

感想

そもそも「ナラタージュ」って何?

ナラタージュとは「回想」を意味する言葉です。

映画も結末から数年後に当たる「今」からスタートし、過去を回想する形で物語が進んでいきます。

映画での「今」は『やっと次の恋が始められる予感』という場面でしたが、原作小説では『もうすぐ夫となる男性と歩いている』という場面が冒頭に描かれていました。

ちなみにキャスト発表のときから注目していた宮沢慶太役(「今」の泉の恋人)を演じていたのは瀬戸康史さん。

出番は少なかったですが、いい味出していましたね。

 

映画「ナラタージュ」の感想!

まずは率直な感想を表明しておきましょう。

正直、私個人の感想としては「う~ん…」という感じでした。

ただ、だからといって「この作品は面白くない」と言いたいのではありません。

  • なぜ私にはあまり刺さらなかったのか?
  • どんな人におススメしたい作品か?

もう少し詳しく書いていきたいと思います。

 


 

なぜ、イマイチだと思ってしまったのか?

私が「う~ん…」という感想を抱いた一番の理由は「原作小説にものすごく感動した経験があったから」だと思っています。

原作が良かっただけに期待値も高かったのでしょう。

自分でハードルを上げ過ぎていたため「なんだこんなものか」という感じになってしまったのだと思います。

また、他の不満点としては「ハイライトのような急ペース展開にガッカリした」という点も挙げられます。

映画化となるとどうしても作品全体を約2時間の尺に収めなければならないので、設定の改変や物語の一部カットなどが行われますよね。

それは仕方がないと思っているのですが、この作品に関しては「短い時間にすべてを詰め込もうとする努力」が裏目に出てしまっているように感じました。

というのも小説「ナラタージュ」は『主な出来事』もさることながら『そこに至るまでの細かい出来事や心情変化』がめちゃくちゃ大事なんですね。

葉山先生は最後に一度だけ泉を抱いた

という『結果』が重要なのではなく

なぜそこに至ったのか?

という『過程(≒細かい会話や出来事の積み重ね)』こそが大事なんです。

でも、映画の尺にすべてを収めようとすれば、削られるのはそういった『過程』の部分。

確かにそこを削っても物語としては成立するのですが、展開や心情変化が急になりすぎて、ちょっと感情移入しづらくなってしまっているように感じました。

映像であることの魅力ももちろんあるのですが、個人的には繊細な心の動きをしっかりと描写している原作小説の方が好みです。

なので映画を観て良いと思った人にも、イマイチと思った人にも、あわせて原作小説のチェックをおススメしたいですね。

 


 

どんな人におススメの映画?

はっきりいって映画「ナラタージュ」は万人向けの映画ではないと思います。

万人受けはしない、と言い換えてもいいです。

例えば、性別であれば明らかに女性の方が感情移入しやすく、映画を楽しむことができるでしょう。

さらに「女性なら誰でも楽しめるのか?」と言われれば、その答えは「No」

個々人によって異なる恋愛観、倫理観、そして特に人生経験…これらの要素と「ナラタージュ」との『相性』が良いかどうか。

それによって映画を楽しめるかどうかが180度変わってくることでしょう。

ざっくばらんにいえば、葉山先生と泉の関係は不倫です。

でも、そういうこっちゃないんですよ!

「ナラタージュ」の登場人物たちは生の人間のように「理屈に合わない行動」をとります。

「なんじゃそりゃ」と言いたくなるようなことを言ったりします。

それが愛なのか欲なのか意地なのかはわかりませんが、感情に突き動かされて盲目的に行動します。

そんな泉や葉山先生を見て「わかる!」と共感できる人(例えば同様の経験がある人)が見れば、映画「ナラタージュ」は心に突き刺さるド名作だと思うでしょう。

逆に「いや、その気持ちはちょっとわからない」という人にとっては、正直「ナラタージュ」はあんまり面白くないかもしれません。

良くも悪くも映画「ナラタージュ」は大衆向けエンタメ作品ではありません。

『誰が見てもわかりやすく面白い映画』ではないということです。

どちらかといえば映画賞とかを獲るタイプの作品ですね。

そういう意味でも映画「ナラタージュ」は賛否両論。

見る側の素質によって「最高!」にも「イマイチ」にもなる作品だと言えるでしょう。

※もちろん作品に共感できなかった人が劣っているとか、そういうことを言っているわけではありません。

 


 

「恋愛映画」ではない

「ナラタージュ」をジャンルに当てはめるなら「恋愛映画」「ラブストーリー」ということになるのでしょうか。

でも、私は「ナラタージュ」のことを「恋愛映画」だとは思いません。

「教師と生徒との恋」という題材でいえば近々少女漫画原作の映画「先生!(広瀬すず × 生田斗真)」が公開されますが、あれこそはキラキラした「恋愛映画(胸キュン映画)」だと言えるでしょう。

それに対して「ナラタージュ」は全然キラキラしていません。

もっとじっとりしていて、重くて、激しくて、心に鈍い痛みを残すような作品。

派手さはなく、全体的に静かで、映像でありながら文学的な雰囲気を感じる作品。

台詞に意気込んでいる感じはなく、どこかボソボソとした会話(ほめ言葉)が心地よい作品。

こんな独特な空気を持つ映画を無理やり十把一絡げに「恋愛映画」だというのは無理があるでしょう。

そもそも、2人の間に横たわっていた関係性を「愛」と呼ぶことすらはばかられます。

なぜなら、葉山にとって泉は恋愛対象ですらなかったのですから(明言されていることです)

かといって葉山にとって泉の存在が軽いものだったかと言われればもちろんそうではありません。

葉山にとって泉は「救い」

恋でも愛でもないけれど『その人がいなければ生きていけない』と言っていいほど大事に思っている、という気持ち。

広義でいえばこれも一種の「愛」なのかもしれませんが、一般的な「LOVE」とはまったくの別物ですよね。

その「愛のような何か」を感じられれば、映画「ナラタージュ」をより味わい深く楽しむことができそうです。

 


 

総評

期待値を上げ過ぎた結果の総評「う~ん…」でしたが、もちろん良作だったと思います。

ロケは富山で行われたそうですが、背景も本当にきれいで。

あとはやっぱり、美男美女が悩ましい表情をしているというだけで絵になるもんですね!

公開前から注目されていたベッドシーンも、なかなか生々しさのある仕上がりになっていましたし(笑)

松本潤さんや坂口健太郎さんが好き!という女子なら、まあ見ておいて損はないでしょう!

直木賞(エンタメ)というより芥川賞(純文学)という趣のある「ナラタージュ」ですが、女子なら共感できるシーンも多いはず。

カップルで見に行くというよりは、女子同士で、という方が映画を観終わった後のトークが盛り上がりそうです。

ちなみに、私が好きだったのは葉山先生(松本潤)が風邪を引いた泉(有村架純)にすりおろしたりんごを「あ~ん」で食べさせていた場面(笑)

これから映画を観に行かれるという方は是非注目してみてください!

まとめ

映画「ナラタージュ」がついに公開!

さっそく初日に観に行ってきました!

クライマックスに近づくにつれて、劇場からは鼻をすする音がちらほら…。

多くの女子にとって「感動作」になっていることは間違いないようです。

でも正直、この映画を楽しめるかどうかは、個々人の価値観次第かも。

映画化の都合でテンポがめちゃくちゃ速くなっているので、途中で置いていかれちゃうかもしれません。

なので、そういう時は是非あわせて原作小説の方もチェックしてください。

個人的な感想としては「やっぱり原作小説の方が好みだったなー」と思いました。

映画『ナラタージュ』の配信は?

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※配信情報は2020年6月時点のものです。最新の配信状況は各サイトにてご確認ください。

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POSTED COMMENT

  1. ジャック より:

    うーん、全くその通りですね。
    映画にしては少し長めでしたが、色々詰め込み過ぎた結果、全く意味のわからない作品になってます。
    最初の方は、期待を感じました。
    付き合い始めてからは、もううんざりでした。会場は女子ばかりでしたが、女子目線から見てあのDV彼?はどうなんでしょうかね。

    • ひらみ より:

      (原作は読んでいません)
      映画を見終わった時、とてもすっきりしました。感動はしていません。自分のもやもやしていた綺麗ではない感情を客観視出来たように思います。そのひとつ、小野くん(DV?の彼)の気持ちは「この数カ月はなんだったんだ」という一言でこの人は泉に依存しているのではなく泉に割いた自分の時間に執着しているのだなと思い、元彼に未練たらたらだったときの自分を思い出したました。私もそのときは元彼ではなく自分の時間、お金、色んなものを返して欲しかっただけだったと今は思えますが。
      DVの彼を見て思ったのはちぐはぐなことを言うのは、どれだけ自分は愛されてるのか確認したいだけ。自分を愛してくれる存在が欲しかっただけ。そんな虚しい自分を思い出して、もうあんな人間には戻りたくない、誰かを無償で愛したいなという気持ちでした。
      葉山先生の立場でも、泉の立場でも共感できる事ばかりでした。
      映画で過程の描写がないからこそ、感情移入出来たのかなと思います。
      本当に見る人の過ごした人生によって全く感じ方の異なる作品なんだろなと思います。

  2. 高橋 真美 より:

    全く泣くことはありませんでした。
    ただ、こころに突き刺さる映画でした。
    あなたのコメントも、いまいち。
    解釈が間違えていると、思いました。
    物事を表面にだけで捉えすぎです。
    もっと、深い、言葉では表現出来ない、あえてしないところが、もどかしく切ない。
    原作と比べてはいけないと思います。
    映画の評論ですから。
    そんな話をしたら、本だけ読んでろって話です。
    原作と違う表現で、映画になる。
    だから、おもしろいのだと思います。
    女性が泣く?
    それも違います。
    大人になると、思い通りにはならない事がいっぱいあります。
    でも、彼女は若いながらも、それを理解した。
    認めようと感じた。
    そこが、人間対人間のドラマだったと、私は思います。
    葉山先生が、最後に言った言葉も本心では無いと思います。
    本心を言えない辛さ。
    わざと、相手を傷つけてまで、最後にする事にした辛さ。
    とか…
    物事は白黒では無く、グレーな方が幸せな思い出となるのです。

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