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漫画『恋はつづくよどこまでも』ネタバレ!最終回まで丸わかり!

漫画『恋はつづくよどこまでも』を読みました!

内容は思った通りのド真ん中ストレート少女漫画!(プチコミ)

  • 最初の印象は最悪
  • あ、でも、本当は優しいんだ……
  • 実は過去にこんなことが……
  • そして現在でも困難に直面して……
  • 終盤では1話が嘘だったようなラブラブっぷり!

これだけで「あ、そーゆー系ね」とわかってもらえるんじゃないかと思います。

というわけで、今回はそんな『恋つづ』最終回までのあらすじネタバレ!

「ここは外せない!」という名シーンを中心にまとめましたので、どうぞゆっくり見ていってください。

『恋つづ』ネタバレ

女子高生の頃に出会った『運命の王子様』を追いかけて看護師になった七瀬。

5年ぶりに再会した医師・天堂浬(てんどうかいり)は、しかし七瀬のことを覚えていなかった。

しかも……

「俺を追ってナースになった? そんなくだらない動機で病院に来やがって。迷惑」

浬はめちゃくちゃキツイ性格で、ナースからの評判は最悪!

5年前に急病のおばあさんを助け、何もできなかった七瀬に「君のおかげだよ」と笑いかけてくれた浬と同一人物だとはとても思えなかった。

まるで5年前の再現のようだった。

七瀬の前で急病人が倒れて、そこに浬が通りがかった。

あのときと違うのは、今度は七瀬もすぐに適切な処置ができたということ。

無事に急病人を救急車に渡すと、浬は七瀬の頭に手を置いてほほ笑んだ。

「大声で叫んで人呼んでたあの時とは大違いじゃないか。本当にナースになったんだな。えらいえらい」

「お……覚えてるんじゃないですか!」

「たった今、思い出したんだよ」

なんと浬と七瀬は同じマンションの住人だった。

というかお隣さん同士だった!

「やっぱり運命!?」と舞い上がる七瀬だったが……

「安心しろ。となり部屋同士のよしみがあろうと俺は一切手加減しない。心置きなく辞めてくれ。じゃ、おやすみ」

優しかったのはほんの一瞬だけ。

浬はやっぱり嫌味なやつだった。

登場人物
  • 佐倉七瀬……浬に告白して玉砕したことから『勇者』の愛称で呼ばれることに
  • 天堂浬……呼吸器科の医師。七瀬より7歳年上。あだ名は『魔王』
  • 天堂流子……浬の姉。七瀬たちが住むマンションの管理人


ファーストキス

浬は患者に対しては二重人格かと思うほど誠実で優しい。

実際、患者からの信頼・評判ともに浬は病院でもトップクラスだ。

近くで浬を見ているうちに、七瀬にはだんだんとわかってきた。

浬は誰よりも患者のことを考えている医師なのだ。

病気を治療することしか頭にない。

だから周囲の人間関係に気を遣ったりしないし、ナースからよく思われようなんて考えもしない。

七瀬(この人って……なんか……無視できない)

研修期間が終わった。

七瀬は浬に告げる。

「私、呼吸器科に希望出そうと思ってます」

「俺のこと嫌いになったとか言ってなかったか?」

「そうですけど!……でも私、医者としての先生は……好き……みたいなんです……よ」

顔が熱くなるのを感じながら口にする。

すると……

「まあ……じゃ、いいんじゃないか。来れば?」

ぶっきらぼうな言い方をしながら、一瞬だけ、浬の顔には柔らかな笑みが浮かんでいた。

入院患者の死。

昨日まで話していた患者さんが、もういない。

初めての経験に七瀬は仕事も手につかないほどの大きなショックを受ける。

「わた……わたし、どうすれば……!」

取り乱す七瀬の口を、浬はキスでふさいだ。

あまりの衝撃に、七瀬はピタリと硬直する。

「勘違いすんな。これは治療だ」

顔と顔の距離が近い。

七瀬の視界が浬の顔でいっぱいになるほどに。

「亡くなった患者なんかに爪あと残されて、せっかく手に入れた手足(ナース)ぶっ壊されてたまるか。元に戻させてもらう」

単純なことに、七瀬の心はキスで上書きされて、先ほどまでの混乱はどこかにいってしまっていた。

七瀬(何が治療!? キスじゃん! ただのキスじゃん!!)

※女子高時代から一途に浬を追いかけていた七瀬にとって、これがファーストキスでした。


最後の告白

七瀬がストーカーに殴られてケガをした!

ストーカーから七瀬を守ろうとした浬を逆にかばうように飛び込んだのだ。

男の力で殴り飛ばされた七瀬は地面に思いきり頭をぶつけた。

地面に広がる血は傷の深さを物語っている。

救急車のなかで、七瀬は弱々しく言った。

「なんか……もうダメそうだから……この際、全部……言ってもいいですか……」

身を乗り出して心配そうに七瀬見つめる浬の顔を見上げながら、後悔のないように。

「私、やっぱり先生に恋してました」

一度は諦めようとした。

同じ医療に携わる人間としての尊敬の気持ちだと誤魔化そうともした。

でも、違った。

「一度だけキスできたの、嬉しかったです。これでもう、思い残すことは……」

最後だから、包み隠さず、本当の気持ちを。

「……嘘。恋人になりたかった。もっとキスしてみたかったし、抱きついたりとか甘えたりとか、したかった……です」

浬は今にも意識を失いそうな七瀬の手を握る。

「医者の前で、なんで死ぬつもりでいるんだ? 気を強く持て。もう病院に着く。ここを乗り切ったら、恋人にでもなんでもなってやる。だから……」

その言葉を聞いて、七瀬の目にうっすらと涙が浮かんだ。

「先生……楽しかったです。私のこと……忘れないで……」

消え入るような声で言うと、そのまま七瀬は目を閉じた。

「おい……佐倉……?」

………。

……。

…。

目を覚ますと、怒り顔の浬が仁王立ちしていた。

頭の傷は深刻なものではなく、七瀬は救急車の中で(日頃の寝不足がたたって)寝入っただけだったのだ。

「救急車でスヤスヤ眠るやつがいるかよ! 勘違いしただろバカ!」

「す、すみません……」

うつむいて落ち込む七瀬の頬に手を伸ばし、浬は顔をあげさせる。

七瀬が視線をあげると、浬は今まで見たことのない真剣な表情をしていた。

「……無事とは言えないけど、助かってよかった」

「先生……」

「……ったく、守るつもりが逆に庇われて、怪我させて、あまつさえ医者としても冷静さを欠いて……こんな情けない思いをしたのは初めてだよ。……とんでもない約束までしちまったし

「え? 約束って……」

記憶がなくてよく覚えていない、と言おうとしたその時だった。

浬の顔がどんどん近づいてきて、そのまま唇と唇が重なる。

「なっ、何を!?」

「『もっとキスしてみたかった』『恋人になりたかった』救急車のなかで洗いざらいぶちまけられたおまえの願いだ」

一瞬で七瀬の顔が真っ赤になる。

「うっ、嘘! 忘れてください、忘れて―!」

恥ずかしさに耐えられず布団にくるまる七瀬に構わず、浬は言葉をつづけた。

「で、俺は約束したんだ。生還したら、恋人でもなんでもなってやるって。約束は守る。おまえの願いをかなえてやる

「え……?」

その言葉が意味するところを理解するまで、数秒間必要だった。

「いいんですか、私……先生を好きでいて、いいんですか……?」

「ああ」

優しく微笑む浬の胸に、七瀬は思わず飛び込んでいた。

「よかった……! 生きててよかったよー! うわあああん」

七瀬(かなうなら6年前の私に伝えてあげたい。そのまま進んでいいって。必ずいいことがあるからって)

こうして七瀬と浬は恋人同士になりました!

ここからちゃんとラブラブしたシーンも描かれるのですが、今回は省略して次の《事件》へ!


浬の過去

浬はかつて恋人を亡くしている。

まだ、浬が新米医師だったときのこと。

何の前触れもなく難病に侵されてしまった彼女のため、浬は全力で治療法を模索した。

しかし、相手は世界的にも治療例のない難病。

新米医師の浬にどうこうできるものではない。

日に日に弱っていく恋人を直視するのが苦しくて、いつしか浬は恋人の病室から足が遠のいていった。

「彼女の治療法を探すためだ」と心の中で言い訳をしつつ、本当は現実から逃げているだけだと自覚していた。

そうして何の手立ても見つからないまま、浬の恋人だった若林みのりはこの世を去る。

『どうして最期の時間をもっと彼女と一緒に過ごさなかったのか』

浬の心には果てしない後悔だけが残った。

浬は脳外科から呼吸器科へと転科し、みのりを蝕んだ難病の治療法を必ず見つけてみせると誓った。

……若林みのりは患者に寄り添う医療を目指したナースだった。

だから、それが理由だ。

浬が病院に『留学』を申し出ていたのは、海外で例の難病を研究したかったから。

申請したのは七瀬と付き合う前だったし、浬は「(七瀬のために)留学はしない」と言ってくれている。

しかし、それでは浬の足を引っ張っているだけではないのか。

現に最近の浬は「心ここにあらず」といった様子で、どこか上の空だ。

口ではああいったものの、本心では留学したいと思っているのだろう。

迷った末に、七瀬は決意を固めた。

留学、行ってきてください。私ならもう一人でも大丈夫です。先生に一年以上も鍛えてもらいましたから!」

つとめて明るい顔でいう七瀬とは反対に、浬の表情は暗い。

「……おまえと付き合う前なら、たぶん迷わずに留学するって答えていた。だけど……おまえの呆然とした顔を見たとき、本気で置いていけないと思ったんだよ。それだけは本当だ」

「それだけで……充分です!」

どこか寂しそうな笑顔で七瀬はいう。

「あの、最後にお願いいいですか」

「うん?」

「最後に、二人でどこかに行きましょう。思い出にしますから」

「……わかった」

浬にキスされた瞬間、閉じた七瀬の目から一筋の涙が伝った。

「今までありがとうございました」

七瀬(その夜は一晩中泣きあかした。翌日、先生は留学の医師を病院に伝えた


好きだよ

留学前日。

約束していた最後のデートは、目の前で急病人が出て中止になった。

「結局病院に来ちゃいましたねえ」

「だな」

外は土砂降りの雨に変わっている。

どのみちデートは中止せざるをえなかったのかもしれない。

「さっき、救護に入ったとき、不謹慎だけどよかったと思いました。先生のとなりに立てることが」

最初に出会ったとき、七瀬はおろおろするだけで何もできなかった。

でも、今は違う。

「動機は不純だったけど、やっぱり自分から先生に会いにきてよかった。先生と一緒に仕事できてよかった。ナースになってよかった」

天気とは真逆の、晴れ晴れとした笑顔。

浬はつい先ほどの光景を思い出す。

あのとき、七瀬はデートが中止になることを残念がるそぶりも見せず、いちはやく急病人に駆け寄っていった。

「……もう、おまえは俺なしでも平気なんだな」

「やだなー、今頃気づいたんですか?」

それからすぐに、七瀬は先にマンションへと帰って行った。

外はまだ、土砂降りの雨が降っている。

浬(やれやれ、結局長居した。明日早いのに……ん?)

ふと窓の外に目をやると、木陰に人影が見える。

浬(なんだ? 不審者か?)

ずぶぬれで立ち尽くしているうしろ姿。

その背中に、見覚えがあった。

浬(……佐倉!?)

急いで病院の外に出て、声をかけようとしたその時だった。

「……かないで……」

雨の音にかき消されそうなほど小さな声が、浬の耳に届いた。

「行かないで……」

心臓が、止まりそうだった。

あのとき、笑顔の裏で、みのりも同じように小さく小さくつぶやいていたのではなかったか。

行かないで、と。

「佐倉……!!」

無我夢中で抱きしめていた。

冷たい。いったいどれだけの時間こうしていたのだろう。

浬の胸の中で、もう七瀬は取り繕ったりはしなかった。

「やっぱり言えない。お元気でって言わなきゃいけないのに、どうしても言えないんです」

涙まじりの声。

雨ではない雫が浬の胸を濡らしている。

「離れたくない。先生と離れたくない……!」

離れたくない、と何度も繰り返す七瀬の口を、浬はキスでふさいだ。

「また、後悔するところだった。俺は、おまえを……」

その夜、浬と七瀬は初めて身も心もひとつになった。

どれだけ愛しているか。

どれだけ愛されているか。

直接触れた肌を通して、お互いの気持ちが通じ合う。

七瀬(なんだ、知らなかった。先生だって、私のことこんなに好きだったんじゃない)

翌朝、七瀬は浬の部屋のベッドで目が覚めた。

あたりを見回しても浬の姿はない。

当然だろう。

もうとっくに旅立っている時間なのだから。

いつもどおりに、と言い聞かせて病院に行くと、信じられない光景が目に飛び込んできた。

「はあああ!? 先生がなんでここに!?」

「……夜中に電話があってな。留学先で俺を担当する予定だった教授が急死したらしい」

平たく言うと、留学の話は一時的に保留になったということだった。

「まあ、そんなわけでまた同僚だ。またしばらくはよろしく……」

「同僚って……昨夜のこと、夢とか幻じゃないですよね!?」

浬はふっと笑みをこぼし、優しく穏やかな口調で言った。

「好きだよ」

ここから七瀬と浬のイチャイチャ度はどんどん加速していきます。

プチコミだから夜の描写もばっちりです!(笑)

むしろドラマではこのへんどうするんですかね……?

ちなみに、わたしイチオシのセリフはこちら。

浬「知りたくなるだろ。どこがよくなくてどこがいいのか。どこをどうしたらもっとよくなるか。これから何度も抱く体だ」(原文ママ)

佐藤健くん言ってくれないかな……。無理か……。


過去との決着

産休に入る医師のヘルプとして、呼吸器科に外部の医師がやってきた。

名前は若林みおり。

浬の恋人だった若林みのりの双子の妹。

当然、浬のことは知っている。

「天堂先生は、その後いかがですか? 研究のほうは」

「研究……?」

「いやだ、忘れちゃったんですか。もちろん、姉の命を奪ったあの病気のですよ」

みおりはかつての浬と同じように、亡き姉を蝕んだ病気を根絶するため呼吸器に専門を変えたのだという。

「今回ここに来たのは、姉が愛した先生に一度会いたかったから。何も姉の思い出話をしたいなんて考えてたわけではなかったけれど、でも、まさかほとんど忘れ去られているなんて思わなかった……

「忘れている……わけじゃ……」

そうですか、と短く言ってみおりは席を立った。

残された浬は、しばらく動くことができなかった。

その日から浬の様子は目に見えて変わった。

どこか苦しそうな、思い詰めている表情。

もちろんかつての恋人のことを、あの難病の治療法を見つけてみせるという誓いを忘れたわけじゃない。

しかし、現に今、浬の時間は仕事と七瀬で埋め尽くされ、研究には手をつけられていない。

念願だったはずの留学の件もずっと保留にしたままでいる。

それは、事実だ。

だから……

「しばらく距離を置かせてくれ」

「え……」

「もちろん別れたいわけじゃないし、おまえに理由があるわけでもない。俺の問題だ」

一方的に宣言して、浬は七瀬を遠ざけるようになった。

先に『答え』を出したのは、七瀬のほうだった。

「留学! 研究ちゃんと始めてください。私のために!」

今度は「行かないで」とは言わない。

本心からそうしてほしいと思っている。

「もちろん離れるのは辛いです。先生のため、なんてキレイごと言う気もないです。でも、このままだと『私が』スッキリしないの」

後ろめたい想いが、未練が、残ったままじゃ前に進めないから。

「先生はきっともう『元カノ』さんとの決着をつけないとダメなんですよ」

もし気持ちが離れてしまったら何年かかってでも取り戻して見せる、と笑う七瀬を、浬は強く強く抱きしめた。

七瀬(自分の足で留学先を決めてきた先生は、続けて病院にも話を通してきて、5か月後に日本を離れることが決まった。だからあと5か月、全力で好きになる


プロポーズ

浬の親は地方で病院を経営している。

つまり、浬は次期院長。

それなのに浬は前から病院を継ぎたくなさそうにしていた。

その理由を流子に訊ねてみると……

「実はね、結婚させられるの浬」

「え……?」

病院を継ぐことになれば、お家の事情で見ず知らずの相手と結婚させられてしまうのだという。

それがイヤで浬はずっと家の後継者問題を後回しにしてきたのだ。

しかし、流子が結婚を決めたことでそうもいっていられなくなった。

浬は両親に直談判するため実家に戻ることに。

「って、なんでおまえがここにいるんだよ!」

「筋違いなのはわかってます。部外者だもの。先生、でも今日はどうか連れて行ってください! お願いします!」

こうして七瀬も帰省に同行することになった。

「佐倉さんでしたか。おっしゃるとおり、浬が病院を継ぐあかつきにはそれなりの縁談をと考えてます。その相手は残念ですが、あなたではなく……」

あなたでは息子のの力になれない。

言外に含ませる父親に、それでも七瀬は食らいつく。

「私が身を引いたって浬さんは思い通りになりませんよ。だってそんな人じゃないから!」

そして、浬も。

「俺は彼女と結婚する。だから親父、その縁組というのは絶対に受けられないよ」

絶対に意思を変えない、という固い決意が伝わる声だった。

「ごらんのとおり、こんなところまで俺のためにって乗り込んでくるような子だ。こんな子はたぶん二度と俺には現れないから。もしそれが病院を継ぐことに不都合なら、俺はやっぱり辞退するよ」

それまで厳しい表情を崩さなかった父親の表情から、ふっと力が抜けた。

「……言い分はわかった。今すぐには答えを出せないが、考えよう。浬、体には気をつけてな」

そう言う父親はどこか浬にも似た、優しい表情を浮かべていた。


未来へ

「天堂先生、留学の準備は順調に?」

「ええ、おかげさまで。そこのことで、若林先生に伝えておきたいことがあります」

「なんでしょう?」

「こんなこと、佐倉が知ったら幻滅するかもしれませんが、俺が当初、あの病の研究をしようと思ったのは……逃げたかったんです。みのりさんへの罪の意識から」

「……」

「医師としての無力感はありましたが、医学のためなんて高尚な理由じゃない。恋人としておそらく何も……たぶん俺は彼女の支えになってあげられなかったから」

ゆっくりと、過去を振り返るように話す浬の言葉に、みおりは静かに耳を傾けている。

「もちろん今さら何をしたところで彼女に償いなんてもう届かない。わかってはいたけど……俺の本当の動機はそんな後ろ向きなものだったんです」

「……でも」

浬は視線を上げる。

未来を見上げるように。

「今はそのつもりはありません。あの病気の克服のための研究をしたいんだとはっきり言える」

もう、迷いはない。

 

「俺がそう思えるように変えてくれたのは佐倉七瀬です。彼女と未来を生きるために俺は留学に行くんです」

 

並んで歩いていたみおりの足が、ピタリと止まった。

「……すみません。やはり不快ですよね。彼女の身内のあなたには、こんな心変わり」

「いいえ、心変わりは仕方ないわ。生きてるんだもの」

振り返ると、みおりは穏やかな、それでいて少し寂しそうな表情をしていた。

「私が辛かったのは、あなたの中で姉の存在がなかったことにされてしまうんじゃないかってことでした。姉のこと、どんな形でも忘れないでいてくれて……ありがとうございます


好きです

そして、ついに浬が渡米する日。

  • 運命の出会い
  • 最悪の再会
  • はじめてのキス

たくさんの思い出が心のなかによみがえってくる。

七瀬は背の高い浬を見上げて、その目をまっすぐ見つめて言った。

「好きです。大好きです、先生。あの日から今まで。これからもずっと。ずっとです」

「ああ、俺も」

本当は七瀬と離れたくない、と物語っている浬の顔。

七瀬は勇気づけるように浬に抱き着くと、とびきりの笑顔で言った。

「行ってらっしゃい! 私、待ってますから!」

浬の口元が笑みの形に変わる。

触れるだけのキスをすると、浬はゲートの向こうへと歩き出した。

「じゃあな、行ってくる」

その背中を、七瀬は笑顔のままで見送った。


最終回

~3年後~

「おかえりなさい」

「ただいま」

留学を終え、浬が日本に帰ってきた。

「……うん、変わらないな、全然」

七瀬の顔をじっと見つめて浬が言う。

「ちょ、ちょっとは老けたんじゃないですか? やっぱり」

「それはお互いさまだろ」

「けっこう頑張ったんですよ、この3年。資格とかも新しく取ったりして……」

「そういうことじゃなくて、相変わらず俺のことが大好きでたまらないって目をしてる」

「……はい!」

「佐倉、おまえに言いたいことがある」

「私もです」

「俺と」

『結婚して』

「くれ」「ください」

ふたりの言葉が重なった。

まさか七瀬からそんなことを言われると思っていなかった浬は目を白黒させている。

「先生が帰ってきたら言おうって決めてたんです! 私からのプロポーズ」

「あ……ああ」

「返事は?」

これでは立場が逆だ。

ふう、とひとつ息を吐くと、浬は七瀬に口づけた。

「受けないわけないだろう。……もう独りにはしないよ」

七瀬(そう。もう独りじゃない。これからはずっと一緒に――)

~数日後~

「わあああ緊張するううう。こ、これで私はとうとう天堂七瀬……!」

病院を抜け出してきた白衣姿で、ふたりは区役所の椅子に座っている。

手には婚姻届。

「書きミス! してないですよね!?」

「昨夜何度も見直しただろう。もししてても書き直せばいいし」

結局、まだ浬の父親からのOKは出ていない。

「いいんですかね……」

「いいんだよ。気にするな。籍入れちまえばこっちのもんだ」

「はあ……」

「悪かったな。そのせいでこんな順番に。式とか先に挙げたかったんだと思うけど……いずれ納得させてちゃんとお披露目はするから、少しだけ待っててくれよ」

珍しく申し訳なさそうな浬を七瀬は笑い飛ばす。

「10年!」

「え?」

10年経っちゃいました! 私が先生に一目惚れしてから。ちょっと待つのくらいどーってことありません。今さらですから」

「まったくおまえは……」

《102番の番号札でお待ちの方――》

番号が呼ばれた。

浬は先に立ち上がると、七瀬に手を差し伸べる。

「さあ行こう。10年なんか目じゃないぞ。これからずっと何年間も一緒だ」

「はい!」

七瀬は満面の笑みで浬の手をとった。

<完>

ちなみに最終回のサブタイトルは

『お互いの愛を信じなさい。……はい信じます、永遠に』でした。

いつのまにか10年も経ってたんですね!

とびきりのハッピーエンドで大満足でした!

※余談ですが、最終巻の巻末には最終回後のエピソードが1話収録されています。浬と七瀬がブライダルフェアにいくストーリーなんですが、こちらもハッピー全開な感じでよかったです!

ぱんだ
ぱんだ
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まとめ

今回は円城寺マキ『恋はつづくよどこまでも』のあらすじネタバレをお届けしました!

では、最後にまとめです。

3行まとめ
  • わりと早い段階で恋人になったよ(3巻頭)
  • 亡くなった恋人とか留学(遠距離)とか乗り越えて……
  • ラストは結婚でハッピーエンド!

漫画読んでて思ったのは、

「きみたちめっちゃやることやるやん!」

ということでした(笑)

ドラマ化のことが頭にあったので「これが……佐藤健で!?」と思わず頭をよぎりました(笑)

※そんなわけがない。たぶん

浬はベッドの中でだけ七瀬のことを「佐倉」じゃなくて下の名前で呼ぶんですが、ドラマでも再現してくれないかな……ダメかな……。

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POSTED COMMENT

  1. キィ より:

    とってもステキなストーリーです
    私はドラマを見てから原作を読んでいます
    七瀬ちゃんが天堂七瀬になり赤ちゃんができてママになってそのママぶりのストーリーも読みたいです
    ストーリーを描いてください
    よろしくお願いしま〜す

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