感動・ヒューマンドラマ

『流浪の月』ネタバレ解説と感想!あらすじから結末までまるわかり!

凪良ゆう『流浪の月』を読みました!

2020年本屋大賞を受賞した本作。

結論からいうと、おすすめです。

  • どんな話なの?
  • なにがよかったの?

未読の方にスパッと一言でお伝えしたいところですが、この物語の魅力はとても簡潔にまとめられるものではありません。

なので今回は、それなりの文字数を使って

  • 物語のあらすじ
  • 結末のネタバレ
  • よかったところ

などをお伝えしていきたいと思います!

「もう読んだから感想だけ読みたい!」という方は目次からジャンプできます。

未読の方はこのままあらすじにGO!

あらすじ

あなたと共にいることを、世界中の誰もが反対し、批判するはずだ。

わたしを心配するからこそ、誰もがわたしの話に耳を傾けないだろう。

それでも文、わたしはあなたのそばにいたい――。

再会すべきではなかったかもしれない男女がもう一度出会ったとき、運命は周囲の人を巻き込みながら疾走を始める。

新しい人間関係への旅立ちを描き、実力派作家が遺憾なく本領を発揮した、息をのむ傑作小説。

(単行本カバーのあらすじより)

正直、最初にこのあらすじを読んだときは「なんのこっちゃ」と思いました。

もちろんちゃんと内容を要約している文章なんですけど、ちょっとわかりにくいですよね。

ネタバレではわかりやく内容をお伝えしますので、もう少しおつきあいください。

ネタバレ

まずは小説の目次をご覧ください。

※カッコ内は章が始まるページ

  • 一章 少女のはなし(5)
  • 二章 彼女のはなしⅠ(11)
  • 三章 彼女のはなしⅡ(71)
  • 四章 彼のはなしⅠ(279)
  • 五章 彼女のはなしⅢ(295)
  • 終章 彼のはなしⅡ(303)

まず注目してほしいのはページ配分の偏りです。

物語のメインは三章で、四章から終章はそれぞれ10ページ前後しかありません。

これはつまり、ラストに大事な『何か』が連続して待ち受けているということです。

この時点でちょっとワクワクしてきませんか?

続いて、目次のタイトル。

  • 彼女

のふたりが物語の主役であることがわかります。

ぱんだ
ぱんだ
恋愛小説なのかな?

いいえ、違います。

人によって解釈が異なるかもしれませんが、わたしは違う、と思います。

ぱんだ
ぱんだ
???

歯切れの悪い答え方になってしまいました。

でも、最後まで読んでいただければ、こう答えざるを得なかった理由もわかってもらえると思います。

誘拐事件の真実

一章はラストにつながるプロローグなので、まずは二章の内容から。

端的に《事実》だけを述べると、

『小学四年生の女児が男子大学生に誘拐監禁される』

という事件が起こります。

その期間、実に二か月。

事件はニュースでも大々的に報道され、世間の人々は胸を痛めるとともに、卑劣な犯人に強く憤慨しました。

最終的に犯人は逮捕されたものの、未成年だったため実名報道はされませんでした。

 

以上の《事実》に対して、ここからは《真実》の物語です。

 

大前提として、男子大学生の家に行ったのも、そこに居続けたのも、ぜんぶ女の子の意志によるものでした。

いつでも外に出られる自由が与えられていたうえで、女の子は男子大学生の家にいることを選んでいたのです。

ふたりの名前は

  • 家内更紗(かないさらさ)
  • 佐伯文(さえきふみ)

9歳の女の子と、19歳の男子大学生です。

もう少し詳しく事情を説明しましょう。

更紗ちゃんは大好きだった両親を失い、伯母さんの家に預けられていました。

そこには孝弘という中学二年生のいとこがいて、更紗ちゃんに夜な夜な《いたずら》をしていました。

ぱんだ
ぱんだ
!!

伯母さんたちは気づいていないし、そんな恥ずかしいことを自分から言い出すこともできない。

更紗ちゃんは精神的にギリギリまで追い詰められていました。

「家に帰りたくない」

そんな更紗ちゃんの心の声が聞こえたかのように、声をかけた人物がいました。

それが、佐伯文です。

文「うちにくる?」

更紗「いく」

更紗ちゃんは文のことを知っていました。

いつも公園で女児たちを眺めていて、子どもたちからは「ロリコン」とあだ名されている若い男。

スラっと背が高くて手足が細いシルエットは、どことなく亡くなった更紗ちゃんの父親に似ています。

逮捕されるまでの二か月間、文は更紗ちゃんが嫌がるような(≒孝弘のような)《いたずら》を一切しませんでした。

それどころか……

ふたりの関係

更紗ちゃんは文のことがすぐに大好きになりました。

もちろん異性として、という意味ではありません。

更紗ちゃんにとっての文は、両親の価値観を認めてくれるはじめての大人だったんです。

ぱんだ
ぱんだ
というと?

更紗ちゃんの両親は浮世離れした自由人で、

  • 昼間からお酒を飲む
  • よく夫婦でキスをする
  • 好きなものを好きな時に食べる

といった具合に、世間が思う『常識的な親』とはかけ離れた生活を送っていました。

一言でいえば変わり者だったんですね。

更紗ちゃんはそんな両親のことが大好きでした。

ところが、伯母さんの家に預けられてからは我慢の連続。

更紗ちゃんは常識的にふるまうことで変わり者と思われないようにしなければなりませんでした。

ただの一人も理解者がいない環境で、大きなストレスをため込んで……。

孝弘の《いたずら》を抜きにしても、更紗ちゃんの精神は追い詰められていました。

それが、文の家で暮らすようになってからはどうでしょう。

文は更紗ちゃんがどんなに自由にふるまっても、文句ひとつ言いません。

更紗「夕飯にアイスクリームを食べてもいい?」

文「バニラとチョコレート、どっちがいい?」

思ったことを言ってもいい。

やりたいようにやっていい。

重い鎖から解き放たれたかのように、更紗ちゃんは両親と暮らしていた頃の(つまり本来の)明るさを取り戻していきました。

わたしは一歩も外に出ず、梅雨から夏を過ごした。不自由は感じない。

それどころか熱望していた安全を手に入れ、寝不足は完全に解消された。

一方、文もまた更紗ちゃんとの暮らしを好ましく思っていました。

裕福な家庭に生まれ、教育熱心な母親に育てられた文は、いわゆる『遊び』をまったく知りませんでした。

19年間の人生でラーメンを食べたことがないという(驚くべき)発言からも、母親の厳しいしつけが垣間見えます。

だから、『楽しむこと』に関しては、文よりも更紗ちゃんのほうが上手でした。

  • ハムエッグにケチャップをかけると美味しい
  • 寝転がってピザを食べながら映画を観るのが最高

文は更紗ちゃんからたくさんの素敵な『ぐうたら』を教わります。

「文は楽しいことなんにも知らないね」

「更紗は知っていて当然のことを知らないな」

ふたりの暮らしは穏やかで、ゆったりとした安心感と、ささやかな幸せに満ちていました。

それなのに……

幸せのおわり

繰り返しになりますが、文が逮捕されることで二人の生活は幕を閉じます。

更紗ちゃんがどんなに「文は悪くない」と叫んでも、無駄でした。

『恥ずかしい目にあったと知られたくないのだろう』

『本当はいたずらされたのだろう』

『可哀想に。ストックホルム症候群(※)かもしれない』

大人たちは勝手に解釈し、それが《事実》となりました。

ストックホルム症候群……誘拐・監禁の被害者が自己防衛として犯人のことを好きになるやつですね

更紗ちゃんが本当に言えなかったのは「いとこの孝弘にいたずらされている」という《真実》です。

けれど、それこそ他人に知られたくなくて、警察の人に話すことができませんでした。

更紗ちゃんは「自分のせいで文の罪が重くなってしまった」と深く後悔します。

伯母さんの家に戻ると、孝弘はまた更紗ちゃんの寝室に忍び込んできました。

孝弘「おまえ、誘拐されている間、いろいろされたんだろう?」

更紗ちゃんは孝弘の頭を酒瓶で思いきり殴りつけ、伯母さんと伯父さんにすべてを打ち明けました。

そして……

※以下、小説より一部抜粋

…………

こうして帰ってきたその日に、わたしは完全なる厄介者になった。

わたしは児童養護施設に行くことになった。

なぜか突然、わたしが孝弘の頭に酒瓶を振り下ろしたことにされていた。

たくさんの大人に理由を問われ、わたしはやはり理由を言えず、吐いたり震えが止まらなくなった。

背中をさすってくれる看護師さんの後ろで、ほっとしている伯母さんと目が合う。

孝弘の名前が出なかったことに、伯母さんは安堵していた。

わたしは伯母さんや孝弘と同じくらい、自分の弱さを憎んだ。

あったことをただそのとおりに言うこともできない。

無言で涙を流すわたしに、事件のせいで不安定になってるんだねとお医者さんは言った。

…………

ぱんだ
ぱんだ
ひどい……

はい。更紗ちゃんは両親を失い、文を失い、児童養護施設に預けられることになりました。

ここで第二章が終わります。

再会

~15年後~

更紗は24歳。

彼氏と同棲しながら、ファミレスでバイトしています。

彼氏の中瀬亮(亮くん)は29歳の営業職。

更紗があの『家内更紗ちゃん誘拐事件』の被害者だということは名前を検索すればすぐにわかることで、彼氏ももちろんその《事実》を知っています。

※以下、小説より一部抜粋

…………

「あれはわたしが、自分からついていったの。犯人だって言われていた大学生の人、すごく優しかった。わたしはなにもおかしなことはされていない。わたしにひどいことをしたのは、本当は――」

「更紗」

遮るように名前を呼ばれた。

亮くんが強い力でわたしを抱き寄せる。

「わかってる。すごく怖かったんだよな」

なだめるように背中をさすられた。

「俺はわかってるよ。更紗はなにもされてない。犯人は優しいやつだった」

亮くんは、うん、うんと何度もうなずく。

昔から、わたしの言葉は伝わらない。

…………

一生消えることのない『かわいそうな被害者』というレッテル。

更紗がなにを言っても、どんな表情を見せても、世間にあふれる『優しい人』は亮くんのように(自分勝手な解釈によって)同情するばかり。

更紗はときおりそんな彼氏に反発を覚えるものの、おおむね平穏な日々を送っていました。

ぱんだ
ぱんだ
ふくざつ……

そんなある日、更紗は思わぬカタチで文と再会します。

バイト仲間に(ちょっと強引に)連れていかれた夜営業の喫茶店『calico』

そこで真剣にコーヒーを淹れている店主が文でした。

文は34歳になるはずなのに、その容姿はまるで20代半ばのよう。

――ねえ、文、わたしのこと覚えてる?

更紗は喉まで出かかった言葉を呑み込みます。

だって、文の人生を破壊したのは、他ならぬ自分だから。

それから更紗は足しげく『calico』に通い始めます。

声をかけることなく、声をかけられることもない。

まるでストーカーのように尾行までしてわかったのは、文には恋人がいるという事実でした。

大人の、女の人でした。

更紗が文に抱いている特別な気持ちは恋でも愛でもありません。

「文が幸せになっていてよかった」と更紗は心から思い、それからは『calico』からも足が遠のきました。

愛のまがいもの

元通りの生活に戻ったはずの更紗に待ち受けていたのは、彼氏からの誤解でした。

亮くんは更紗が隠れて『calico』に通っていることを知っていて、浮気を疑っていたのです。

疑心暗鬼に陥ってしまった亮くんは、ついに本性をあらわします。

 

DVです。

 

人が変わってしまったかのような容赦のない暴力。

実はこれが一度目ではなく、前にも亮くん(※)は更紗に手をあげていました。

※以下、亮と呼び捨てます。クソ野郎なので。

前回は情けなく泣いて「もう二度としないから」と謝ってきたので、許しました。

しかし、二度目となると話が変わってきます。

亮は暴力の手を止めると、あろうことか更紗の服に手をかけました。

※以下、小説より一部抜粋

…………

半袖のシャツの裾から亮くんの手が入ってきて、キャミソールもめくりあげて直接肌に触れてくる。全身に鳥肌が立つ。

やめて、とようやくかすれた声が出た。

「なんで?」

その問いに気が遠くなった。

なんで? なんで?

これはわたしの身体だ。これはわたしだけのものだ。

さわらないでと拒絶する権利がわたしにはある。

「嫌なの」

「なんで嫌なの?」

絶望した。行為を拒むために、嫌だ、以上にどんな理由が必要なのだろう。

さらなる説明をして、それを聞き入れてくれるよう懇願しなければいけないのだろうか。

…………

ぱんだ
ぱんだ
うわぁ……

読んでいるだけで鳥肌が立つシーンでした。

無理やりされそうになった更紗は、いつかのように花瓶で亮の頭を殴りつけて家を飛び出します。

  • 痣だらけの肌
  • 乾いた血がこびりついた顔
  • 乱れた服

あまりの酷さに道行く人がぎょっとしてふりかえりますが、更紗には気にしている余裕なんてありません。

無我夢中で走って走って……気がつくと『calico』の前でした。

文に助けを求めるわけにはいかない。

でも、行く場所なんてどこにもない。

更紗はただ突っ立って店を見上げることしかできません。

だから、声をかけたのは、あの日と同じで文のほうでした。

 

「店にくる?」

「いく」

 

文は店内に更紗を招き入れると、扉にクローズの札をかけて、応急処置を始めました。

「忘れたふり、しないの」

更紗の問いに、文は少し間を開けてから答えました。

「俺には関わらないほうがいいと思ってた。なのに、すごい有様でやってくるから」

文は最初から、更紗が更紗であることに気づいていました。

新しい生活

『calico』に逃げ込んだ夜は、疲れ果てていたこともあり、あまり文と話すことができませんでした。

文「少し眠りな」

ああ、ひどく疲れた。身体のあちこちが痛い。頭も痛い。指先まで重い。

どこもかしこもだるくて死にそうだ。

手負いの獣がやっと巣穴に帰り着いたように、わたしは文に見守られながら眠りに落ちた。

起きて会話していた時間は、一時間もなかったでしょう。

けれど、それだけで充分でした。

文が覚えていてくれた。

文は自分を恨んでいなかった。

文はあの頃からなにも変わっていなくて、ありのままの自分を受け止めてくれる。

たったそれだけのことで、更紗は生きる気力を取り戻します。

まずは引っ越し。

更紗は夜逃げ同然に亮の部屋から自分の荷物を運び出し、新居に移り住みました。

聞いて驚いてください。

その新居というのは、なんと文の部屋の隣!(無許可)

ぱんだ
ぱんだ
えぇ!?

もともと更紗は両親の影響で自由人なところがありました。

それを取り戻した結果の暴走だと言えるでしょう。

お隣に住んでいることは文にあっさり見抜かれて、ふたりの距離の近い新しい生活が始まります。

静かなあきらめ

気兼ねなく話せるようになった文に、更紗はいちばん気になっていたことを尋ねます。

つまり、彼女(※)のことです。

※名前は谷あゆみ

大人の女性の恋人がいる。

その《事実》から、更紗は勝手に思い込んでいました。

文の《病気》は治ったのだと。

文は人並みの幸せを手に入れたのだと。

しかし……

※以下、小説より一部抜粋

…………

「俺は自分の事件のことは話してない。出会ったときから偽名を名乗ってるし、彼女は俺が『佐伯文』だと知らない。言おうとしたことはある。でも、やっぱり、言えそうにない」

(中略)

「俺は、昔と、何も変わらない」

文がつぶやいた。

「俺は、彼女と、つながれない」

ぞっとするほど抑揚のない声。まさか、という不吉な予感がにじんでいく。

「……文は、まだ、大人の女の人を愛せないの?」

文はなにも答えない。一秒ごとに沈黙が肯定の色を強めていく。

「谷さんとは、別れたほうがいいと思ってる」

文が言い、わたしは膝の上で手をにぎりしめた。

文は幸せなのだと思っていた。そのことに、わたしはこの上ない安堵を感じていた。

今は絶望だけだ。この救われなさをどうしたらいいのだろう。

(中略)

「泣かなくていいよ」

そう言われ、わたしはできるかぎり小さい音ですむよう洟をすすった。

さっきからずっと、ぼたぼたと大量の涙がこぼれている。

今すぐ九歳に戻りたい。文の望む姿になって、文がしたいことを全部一緒にしたい。

くちづけたいなら、すればいい。

抱きたいなら、抱けばいい。

わたしはそれらが好きではないけれど、文がしたいなら喜んですべてを捧げる。

恋でも愛でも快楽でもなく、それでもわたしはそれを行えるはずだ。

(中略)

けれどわたしはもう、文の求める幼い女の子ではなくなった。

大人になってしまったわたしは、これっぽっちも文の力にはなれない。

涙だけではなく、鼻水まで垂れだした。

「ありがとう、更紗」

甘く冷たい声にはなんの苦渋もなく、文がすでにいろいろなことをあきらめていることが伝わってくる。

…………

文はちっとも幸せなんかじゃありませんでした。

ただ、あきらめているだけ。

刑期を終えたあと、文は実家の離れに軟禁され、家族から監視される生活を送っていたといいます。

更紗がそうであったように、いえ、それ以上に、文の十五年間は決して明るいものではありませんでした。

急転直下

あらためて確認しておくと、世間が認識している《事実》は次のとおりです。

  • 文は加害者で、更紗は被害者
  • かわいそうな更紗は文のことが好きだと洗脳されていた

では、そんな更紗が現在、文の隣の部屋に住んでいると世間が知ったら?

世の中の優しい人々はきっとこう思うでしょう。

「かわいそうな被害者。まだ洗脳が解けていないに違いない」

それからの展開も想像に難くありません。

  • 更紗と文は引き離され、
  • 『calico』は閉店することになり、
  • ふたりは引っ越しを余儀なくされる

最悪のシナリオですね。

ただ、もうお気づきかもしれませんが、これは「もしも」の話ではありません。

ぱんだ
ぱんだ
えっ

醜悪な週刊誌の記事によって文と更紗の現在は暴かれてしまいます。

上記の最悪のシナリオが、現実になってしまったんです。

ぱんだ
ぱんだ
そんな……でも、どうして?

実は少し前からネット上ではちらほらと

『calicoの店主は佐伯文ではないか?』

といった情報が出始めていました。

中には写真つきのものもあり、わざと文が女児と一緒に写るように調整されているものもありました。

その情報が週刊誌の目に留まったんですね。

さらに世間の人々の義憤に拍車をかけたのは、記事の内容です。

記事には文と更紗をよく知る人物のインタビューまで載っていて、まるで文が再犯の可能性が高い危険人物であるかのように語っていました。

ぱんだ
ぱんだ
許せない!

はい。本当に最低なことをしてくれました。

おそらくあなたが想像している人物であっています。

犯人は粘着逆恨みDV野郎こと、中瀬亮です。

亮は最初の浮気を疑っている段階ですでにネットに文の投稿をしていました。

悪意のある写真をネットに投稿したのも、週刊誌に勝手なコメントを寄せたのも、ぜんぶこの男。

亮のせいで、文と更紗は……

ちなみに亮は出ていった更紗に往来で暴力を振るい、警察沙汰寸前の騒ぎも起こしています。

罪の烙印

タイミングが悪かった、としかいいようがありません。

更紗はちょうどバイト仲間でシングルマザーの安西佳菜子に頼まれて、子どもを預かっていました。

子どもの名前は安西梨花ちゃん(8歳)

お母さんの佳菜子は大雑把な性格で、彼氏と一緒に沖縄旅行に行く間、ずっと梨花ちゃんを更紗に預けていました。

梨花ちゃんは更紗と文によくなついていたので、それ自体はよかったのですが……。

経緯は省略しますが、いろんな不運が重なって文は警察から取り調べを受けることになってしまいます。

なにもしていないのに「梨花ちゃんになにかしたんじゃないか?」と疑われてしまったんですね。

週刊誌の記事はもちろん警察も把握していて、更紗も「自分の身代わりに梨花ちゃんを文に差し出しているのでは?」などという疑いをかけられてしまいました。

ぱんだ
ぱんだ
ひどい……

最終的には佳菜子が沖縄から呼び戻され、梨花ちゃんが文や更紗から引き離されることで騒動は収まりました。

しかし、だからといって二人がすんなり元通りの生活に戻っていったかというと、そうではありません。

警察に連行されるという体験は、文の精神に大きなダメージを与えていました。

加えて、週刊誌の記事は文の彼女の目にも留まっていて、文はわざと(彼女のために)「その記事のとおりだから君を抱かなかったんだ」と悪役を演じなければなりませんでした。

限界、でした。

文の具合が悪いのは一目見ただけで明らかで、真っ青な顔で震えながら、視線は虚空をじっと見つめていました。

更紗は「文が消えてしまう」と直感して……

※以下、小説より一部抜粋

…………

「わたしも一緒にいく」

通せんぼをするように立ちはだかると、ようやく文がわたしを見た。

「文とずっと一緒にいたいから、文がいくところに、わたしもついていく」

「どうしてそんなことが言える。俺のことをなにも知らないのに」

ああ、まただ。

「わたしは、文のなにを知らないの?」

一歩近づくと、文は一歩下がった。

わたしはまた一歩進む。文は一歩下がる。

そのうちに文はエントランスの壁にいきついた。文は青ざめている。

「教えて。大丈夫だから」

文はぎくしゃくと首を横に振る。

「大丈夫だから。お願い」

両手で文の手をにぎりしめた。夏だというのにひんやりと冷たい。

(中略)

「いつまでたっても、俺だけ、大人になれない」

わたしはそれを小児性愛という傾向の言い換えだと受け取った。

けれど文の言葉は、少しずつそこから逸れていく。

…………

ここで第三章はおわり。

次の第四章では、文の視点で隠されていた《秘密》が語られます。

いよいよ、クライマックスです。

文のはなし

もうお察しかもしれませんが、文はロリコンではありません。

ぱんだ
ぱんだ
えっ

文にはそれ以外の秘密がありました。

もったいぶらずに言うと、病気です。

といっても、命にかかわるようなものではありません。

とりあえずは身体の成長(発達)が止まる病気だと理解してもらえればOKです。

「文は実年齢のわりに容姿が若々しい」という描写がありましたが、あれも病気の影響だったんですね。

ぱんだ
ぱんだ
なるほど……

身体の発達が止まるということは、性が成熟しないということです。

まわりの同級生たちが次々に子どもから男性・女性に成長していく中で、文だけは(身体的な)性を獲得することができませんでした。

自らが欠陥品であるという恐怖。

成長から取り残される恐ろしさは、やがて劣等感へと変わっていきました。

同年代の男子なら目を奪われるであろう『大人の女性の魅力』から、文は目を逸らし続けました。

それは『異性とつながることができない』という文の欠陥を思い起こさせるものに他ならなかったからです。

更紗だけではなく、ぼくは女性に対して恋愛感情や性的欲求を持ったことがない。そこより手前にいつも、自らの身体への嫌悪と羞恥と恐れがあった。

大学生になった文が公園で子どもたちを眺めていたのは、まだ性を獲得する以前の子どもたちに一種の安心感を覚えていたからでした。

だから、あの日、文が更紗に声をかけたのも、もちろん下心からではありません。

秘密をひとりで抱え、孤独に生きてきた文には、更紗が同類(※)であるとすぐにわかりました。

だから、声をかけたんです。

※誰ひとり心を許せる人がいなくて、孤独に追い詰められている、という意味で

もちろん、文はそれが犯罪行為に当たることだとわかっていました。

  • もう終わらせたい
  • もう楽になりたい
  • 逮捕されればすべては明らかになる

そのような思いから、文は逮捕されるために更紗を家に招いたのでした。

あと、文には「いっそロリコンになってしまえたらいいのに」という思惑もあったのですが、それについては失敗に終わりました。

教育熱心な母親から厳しいしつけを受けて育った文にとって、更紗の自由奔放さは新鮮でした。

少しだけ大げさにいうと、更紗の自由さに文は救われていたんです。

※以下、小説より一部抜粋

…………

夕飯を中断してアイスクリームを食べることも、

休日に寝坊をすることも、

敷きっぱなしの布団に寝転がってデリバリーのピザを食べることも、

母親が見たら鳥肌を立てそうなそれらすべてが、ぼくには輝く自由だった。

ささやかすぎて、他の人が見れば笑ってしまうだろうが。

更紗ら提案することに、ぼくは抗えなかった。

掲げた理想の旗で自らをがんじがらめに包んでしまう母親のようにではなく、更紗の提案は、ぼくの肩にのしかかっていた理想という荷物をひとつずつ投げ捨てるような乱暴さに満ちていた。

荷物でいっぱいのぼくの両手を、更紗は解放してくれた。

初めて手ぶらで歩く爽快さに、ぼくは抗えなかった。

文が精神的に追い詰められていたのは、母親の期待に応えなければいけないというプレッシャー(環境)のせいでもあったのでしょうね。

実は早期治療できていれば文の病気はまだ治せたのですが、文は母親の期待を裏切るのが怖くて言い出せませんでした。

刑期を終えた文は実家の監視下に置かれましたが、兄の結婚を機に追い出されます。

すべてを投げ捨て、人生さえあきらめていた文には生き続ける意味すらほとんどありませんでした。

それでもただ一つ、文のなかに残っていた最後の希望。

それは、更紗でした。

文が更紗の生活圏に店を開いていたのは偶然ではありません。

ネットの情報を頼りに更紗の大まかな現住所にあたりをつけ、そこに引っ越したんです。

前歴がある以上、就職は困難でした。

幸い文には生前贈与された資金と監視生活の暇つぶしとして身に着けたコーヒーの技術があったので、喫茶店を開くことにしました。

店の名前は『calico』にした。

日本語で更紗という。

あとの顛末は、これまでお伝えしてきたとおりです。

黙々とコーヒーを淹れ続けて四年目、待ち望み、怯え続けた瞬間がきた。

あの夜『calico』のドアが開き、ふたたびぼくの前に更紗が現れた。

更紗のはなし

一連の騒動のせいで文と更紗はマンションから退去を余儀なくされました。

『calico』も閉店するしかありません。

ふたりは一緒に知らない土地へ引っ越すことにしました。

このときの経緯や心境を、更紗は五章のラストで次のように語っています。

※以下、小説より一部抜粋

…………

最初、わたしと暮らすことを文は拒んだ。

自分にまとわりつく厳しい視線の中に、さらに深くわたしを引きずり込むことになる。

文は世間ではいまだに誘拐事件を起こした小児性愛者であり、わたしは呪縛から逃れられない哀れな被害者だ。

それは一生ついてまわる。

けれど、そんなことはもうどうでもよかった。

あの夜、文の告白を最後まで聞いて、わたしは震えながら文の薄い手を取り、十五年前のようにしっかりとつないだ。

わたしはようやく家に帰りついた子供のように、声を上げて泣いていた。

わたしは文に恋をしていない。

キスもしない。

抱き合うことも望まない。

けれど今まで身体をつないだ誰よりも、文と一緒にいたい。

ぬるい涙があとからあとから湧いて、文と初めて言葉を交わしたときに降っていた雨のように、わたしのすべてを濡らしてほぐしていった。

わたしと文の関係を表す適切な、世間が納得する名前はなにもない。

逆に一緒にいてはいけない理由は山ほどある。

わたしたちはおかしいのだろうか。

その判定は、どうか、わたしたち以外の人がしてほしい。

わたしたちは、もうそこにはいないので。

ここの文章はホントに名文だと思います。

作中でも特にグッとくる、個人的に大好きなシーンでした。

結末

~5年後~

プロローグの続きである終章は、ファミリーレストランで《三人》が話しているシーンから始まります。

更紗、文、そして13歳になった梨花。

あの騒動のあと、更紗と文は引っ越しては身バレして、の繰り返しでした。

そんな流浪の生活の中で、年に一回は梨花に会うというのが決まり事になっていました。

当事者である文と更紗をのぞけば、梨花はこの世でただ一人「本当のふたり」を知っている人物です。

――文くんは、そんな人じゃないのに。

――文くんと更紗ちゃんは、すごくすごく優しいのに。

梨花がそう言ってぼたぼたと涙をこぼしたのは、去年の冬休みのことでした。

最初の事件から二十年。

それだけの年月が流れても、人々は文と更紗のことを忘れてはくれません。

インターネットで検索すれば、事件の概要も、文が逮捕される瞬間の動画でさえ、簡単に見つけられます。

そのことに心を痛めてくれる梨花を見て、文は思いました。

事実と真実はちがう。

そのことを、ぼくという当事者以外でわかってくれる人がふたりもいる。

最初に更紗、次に梨花。

――もういいだろう?

――これ以上、なにを望むことがある?

腹の底から、ぼくはそう思えたのだ。

いま、文と更紗は長崎でカフェを開いています。

『calico』とはちがう、昼営業のふつうのカフェです。

地元では人気のカフェで、まだ、ふたりの《正体》はバレていません。

まるで逃亡生活ですね。何も悪いことなんてしていないのに理不尽だ、と梨花はいいます。

怒り顔の梨花に、しかし更紗は笑顔を返しました。

※以下、小説より一部抜粋

…………

「長崎にいられなくなったら、次どこにいこうかなって話してるのよ」

更紗が楽しそうに身を乗り出した。

「今度はもっと南にいこうかな。沖縄の離島とか。それとも北。北海道は食べ物がすごくおいしいでしょう」

更紗は旅行にでもいくような身軽さで話し、ねえ文? とぼくに同意を求めてくる。

ぼくの自由の象徴は、今も変わらずそうであり続けている。ぼくはうなずいた。

「更紗のいきたいところにいけばいい。どこでもついていくよ」

そう言うと、梨花はあきれた顔をした。

「ふたりともちょっとのんきすぎない? っていうかラブラブ?」

眉根を寄せ、拗ねたように唇を尖らせる。

思いも寄らない言葉に、ぼくと更紗はぽかんとした。

自分には生涯縁のないはずの言葉が恥ずかしくてたまらず、居たたまれない気持ちで、けれど不愉快ではなく、なんだか間抜けになった気分で反応に困った。

「文くん、照れてる?」

「そういうんじゃない」

「更紗ちゃんは?」

「わたしもそういうんじゃない」

「でもラブラブなんでしょ?」

「それはない」

ぼくと更紗はタイミングよくハモってしまい、梨花が噴き出した。

「変なの。ずっと一緒に暮らしてるのに」

ぼくと更紗は笑い、それからなんとなく三人で窓の向こうを見た。

…………

小説のラストページ。

長崎へと帰る新幹線のなかで、文と更紗が会話しています。

それでは、ラスト一行までどうぞ。

※以下、小説より一部抜粋

…………

「ねえ、文」

「うん?」

「今のところがほんとに駄目になったら、今度はどこにいきたい?」

長崎では今のところ騒ぎは起きていない。けれど、いつかまたそういうことが起きるかもしれない。

そうしたらどうしようかという話題を、更紗はなぜかいつも機嫌よく話す。

悲愴さの欠片もなく、やわらかで美しい音楽のように更紗が問いかけてくる。

東西南北、次々に出てくる都市や国の名前。

旅行でもするような気軽さで更紗は話す。

ぼくたちに安住の地など、果たしてあるのだろうか。

たとえそんなものがなくても、どこにでもいってやろうとぼくは考えている。

窓の外はもう夜で景色は見えない。すごいスピードで進んでいくので、月の位置すらあっという間に変わっていく。

更紗はぼくの肩にもたれてすでにうたた寝をしている。

口元だけで微笑み、ぼくも目を閉じた。

――ねえ文、今度はどこにいく?

――どこでもいいよ。

どこへ流れていこうと、ぼくはもう、ひとりではないのだから。

<完>

感想

ほんとうに素敵な小説でした。

よく「宝石のような小説」みたいな表現を見かけますが、この本を読んではじめてピンときました。

一万字もあらすじのネタバレを書いておいてなんですが、この小説のほんとうの魅力は読まないとわからないものだと思います。

ミステリのように謎やトリックが重要なタイプの物語ではないので、今回ネタバレを読んでくださった未読の方にも「いいから読んでほしい」と心からおすすめしたいです。

文と更紗への感情

この小説に抱く感想(感情)は人それぞれだと思います。

前歴者に厳しい社会や犯罪被害者にも向けられる『差別』に、心を痛めたり、あるいは憤慨したりする人もいるでしょう。

結末で、文と更紗は「事件のことを知られたら引っ越さなくてはならない」という状況に身を置いていました。

そんなふたりのことを「かわいそう」だと思う人もいるでしょう。

ただ、わたしはそれとはちょっと違う感想を抱きました。

率直に言うと、文と更紗のことがうらやましくてしかたありませんでした。

ぱんだ
ぱんだ
なんで?

たしかに文と更紗が置かれている状況は、客観的に見れば不幸なのだと思います。

ただ、更紗が(余儀なくされる)引っ越しを旅行のように話していたように、当の本人たちには暗い影がありません。

その理由は、ラスト一行で文が教えてくれています。

どこへ流れていこうと、ぼくはもう、ひとりではないのだから。

こう思えることほど幸せなことが、いったい他にあるでしょうか。

ふたりは恋人でもなければ、性的なつながりもありません。

それなのに離れ離れになっていた十五年間ずっとお互いの存在を渇望していて、一緒に暮らして五年経っても梨花曰く「ラブラブ」です。

※本人たちは否定していましたけどね(笑)

ちょっと極端な言い方になりますが、文と更紗ほど強い絆で結ばれている人が、いったいどれほどいるというのでしょうか。

結末で描かれていた文と更紗は(お互いがいるからこそ)穏やかで、心から満足そうでした。

客観的な《事実》としては不幸なはずのふたりなのに、どうしようもなくハッピーエンドな結末であるように、わたしには思われました。

そういうわけで、わたしが文や更紗に抱く感情はやっぱり「いいなぁ。理想だなぁ」というものなのです。

作中で更紗は文への『切実な好き』のことを

「わたしがわたしでいるために、なくてはならないもの」

と表現していました。

それはある意味、恋や愛よりもさらに強い気持ちなのではないかと、わたしには思われました。

好きなシーン

『流浪の月』でいちばん好きなのは第二章です。

具体的には更紗ちゃんと文が一緒に暮らす31p~62pあたりの内容なのですが、自分でもちょっとびっくりするくらいにグッときました。

二章では九歳の更紗ちゃんが語り部(主人公)です。

セリフはもちろんのこと、地の文(※)まで九歳の自由奔放な女の子の言葉で書かれています。

※セリフ以外の文章

  • 更紗ちゃんが思ったこと
  • 更紗ちゃんが目にしたもの
  • 更紗ちゃんから見た文

これらがすべて子どもの更紗ちゃんの言葉(視線)で書かれているんです。

この文章を書いた人は天才だファンになろう、と思いました。

あまりに素敵すぎて「どこがどう良いのか」と伝えることすらままなりません。

そこには、たしかに更紗ちゃんと文がいました。

つらい背景のあるふたりが、それを忘れ、癒され、充たされる時間が流れていました。

ふたりの間に流れている空気は穏やかで、でも脆くて、だからこそまた美しくもあって……。

なにが言いたいのかというと、とにかくここ最近で読んだ文章のなかでも抜きんでて素晴らしかったということです。

こればかりは実際に読んで肌で感じないとわからない感覚だと思うので、未読の方はぜひ読んでみてください。

「もう読んだよ!」という方は、コメントで好きだったシーンを教えてくださると嬉しいです。

あとはやっぱり、三章で文が「店にくる?」と更紗に声をかけるシーンもよかったですよね。

出会ったシーンの再現(リフレイン)だ! と一気にテンションが上がりました!

タイトルの意味

作中に「流浪の月」というフレーズが登場しなかった(タイトル回収されなかった)ので、ちょっと考察してみました。

『流浪』の部分はわかりやすいですね。

身バレするたびに転々としなければならない文と更紗を表しているのでしょう。

では、『月』とは?

あなたがイメージする月はどんなカタチをしているでしょうか?

三日月か、満月か、なかなか新月を想像する人はいなさそうです。

月は満ちたり欠けたり、あるいは大きくなったり小さくなったりしますよね。

でもそれは観測者の目にそう映るだけであって、実際の月はいつも一定です。

作中では『事実と真実はちがう』というフレーズが登場しますが、『月』はまさにその象徴なのではないかとわたしは思いました。

事情を知られているかどうかで、文と更紗に向けられる視線は大きく変わります。

けれど、観測者の目にどう映ろうとも、文と更紗という実体はなにも変わらないのです。

ぱんだ
ぱんだ
いいねしてね!

まとめ

今回は凪良ゆう『流浪の月』のネタバレ(と感想)をお届けしました!

「この小説はどんな話なの?」と聞かれてひと言で答えられない理由、わかっていただけましたでしょうか。

今回、記事がとっても長くなってしまったので、もううだうだと書き連ねることはしません。

素晴らしい小説です。未読の方には強くおすすめします。

「もう読んだよ!」という方は、コメントでぜひ小説の感想を教えてください。

ぱんだ
ぱんだ
またね!



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