本格ミステリ

『楽園とは探偵の不在なり』ネタバレ解説と感想!謎解きが楽しい佳作

斜線堂有紀『楽園とは探偵の不在なり』を読みました!

今年の各ミステリ賞に入選している本作。

  • ミステリが読みたい! 第2位
  • 週刊文春ミステリーベスト10 第3位
  • 本格ミステリ・ベスト10 第4位
  • このミステリーがすごい 第6位

あらすじが気になりすぎて、他の上位をすっとばして読み始めました。

※このミス1位はこちら↓

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『2人以上殺せない』という制約の下で起こる不可能なはずの連続殺人。

いったい犯人はどうやってルールをかいくぐったのか?

今回はそんな小説『楽園とは探偵の不在なり』のネタバレ解説(と感想)をお届けします!

「感想だけ読みたい!」という場合は目次からジャンプできます

あらすじ

二人以上殺した者は《天使》によって即座に地獄に引き摺り込まれるようになった世界。

細々と探偵業を営む青岸焦(あおぎしこがれ)は「天国が存在するか知りたくないか」という大富豪・常木王凱(つねきおうがい)に誘われ、天使が集まる常世島(とこよじま)を訪れる。

そこで青岸を待っていたのは、起きるはずのない連続殺人事件だった。

かつて無慈悲な喪失を経験した青岸は、過去にとらわれつつ調査を始めるが、そんな彼を嘲笑うかのように事件は続く。

犯人はなぜ、そしてどのように地獄に堕ちずに殺人を続けているのか。

最注目の新鋭による、孤島×館の本格ミステリ。

(単行本カバーのあらすじより)

天使とは

作中の世界ではどこにでも《天使》が飛んでいます。

天使といっても一般的なイメージとはちょっと違って、外見はこんな感じ↓

  • 灰色
  • コウモリみたいな翼
  • 顔はのっぺらぼう

天使には意識(自我)がなく、コミュニケーションをとることはできません。

言ってしまえば公園の鳩みたいなもので「ああ、今日もいるなー」って感じの存在です。

そんな天使が積極的に行動するのは、罪人を地獄に堕とす時だけ。

二人以上殺した人間の足元には地獄の炎が湧きだし、天使によって炎の中に(生身を焼かれながら)引きずり込まれます。

ルール確認

今作のような特殊設定ミステリでは、ルールの把握が重要です。

たとえば毒薬があったとして、

  1. 毒薬をつくった人
  2. 毒薬を売った人
  3. 毒薬を盛った人

このなかで「人を殺した」とカウントされるのは直接的な死因つくった3番だけ。

殺意の有無は関係なく、もし毒薬を治療薬だと思い込んで飲ませたとしてもアウトです。

他の例として、たとえば爆弾の起爆スイッチを何も知らない第三者に押させた場合、天使が地獄に堕とすのはこの第三者になります。

常世島の11人

登場人物はぜんぶで11人。

なんとなく役割を表すような名前になっています。親切。

名前備考
青岸焦探偵
常木王凱常世島の主人
政崎来久代議士
天澤斉天国研究家
報島司記者
争場雪杉実業家
宇和島彼方常木の主治医
伏見弐子招かれざる記者
倉早千寿紗館のメイド
大槻徹館の料理人
小間井稔館の執事

「いっぺんには覚えきれないよ!」と嘆くことはありません。

大丈夫。最終的には半分以下の人数になります。

ぱんだ
ぱんだ
えっ

ネタバレ

登場人物紹介では「実業家」の肩書きだった争場(そうば)ですが、その正体は武器商人。

世間では地獄に堕とされるのを承知で、大勢の人間を道連れにする巻き込み自殺が問題になっているのですが、そこで使われている爆弾は争場の商品です。

ぱんだ
ぱんだ
争場は悪者なのね

はい。でも、話はまだ続きます。

館の主である大富豪・常木は、争場の爆弾を使ってライバル会社の重役を葬り去っていました。

金で雇った人間を自爆させ、自分にとって都合の悪い人間を消していたのです。

表面上は他の巻き込み自殺と区別がつかないため、常木の罪は誰にも裁かれません。

  • 代議士の政崎
  • 天国研究家の天澤
  • 記者の報島

この三人もいわばグルであり、常木と癒着関係にあります。

悪者が5人、というわけです。

で、一足飛びにネタバレすると、この5人は全員殺されます。

ぱんだ
ぱんだ
えっ

この時点で犯行動機は《復讐》だろうと見当がつきますね。

ただし、まだ容疑者は絞り込めません。

生き残った登場人物(容疑者)には大なり小なり常木たちを恨む理由がありますし、一見関係ないような顔をしている人も何か隠しているのかもしれません。

第一、犯行動機があるという意味では探偵の青岸焦だって例外ではないのですから。

残された者たち

青岸探偵事務所にはかつて5人の笑い声が響いていました。

  • 青岸焦
  • 赤城昴
  • 真矢木乃香
  • 嶋野良太
  • 石神井充希

青岸以外のメンバーは押しかけ助手である赤城が集めてきた人材で、全員が全員「世の中をよくしたい」と本気で思っている善人でした。

かつての青岸はひねくれた一匹狼の探偵でしたが、仲間たちが加わってからは彼も「正義の味方」を意識するようになり、それにつれて探偵としての評判もうなぎのぼりで上がっていきました。

が、しかし。

かけがえのない仲間たちは青岸だけを残して一斉にこの世を去ってしまいます。

「どうせなら大勢を道連れにしたほうが得だ」と狂った思考をした人間の自爆に巻き込まれたのです。

使われたのは争場が開発した小型爆弾「フェンネル」

殺傷能力を極限まで高めた悪魔の爆弾は、無慈悲にも青岸の見ている前で大切な仲間たちを焼き尽くしました。

正義とは何か?

仲間たちはせめて天国に行けたのか?

青岸の時間は今も止まったまま。

常世島を訪れたのは、天使の信仰者である常木なら天国の有無について答えてくれるのではないかと期待してのことでした。

 

補足

伏見弐子には尊敬する先輩記者がいました。

名前は檜森百生(ひもりももお)

厳重に隠されていた常木の罪に気づき、暴こうとした正義のジャーナリストです。

しかし、檜森もまた常木が差し向けた《自爆》によって命を落としました。

よって伏見弐子にも仇討ちという犯行動機があることになります。

檜森とつきあいがあり、さらに赤城たちとも懇意にしていた医師の宇和島も同様です。

連続殺人の概要

探偵の謎解きまでに、常世島では6人の人間が亡くなります。

一人ずつ状況をチェックしていきましょう。

 

常木王凱

現場は自室。心臓をナイフで一突きされていました。

死亡推定時刻は深夜であり、誰にもアリバイがありません。

言いかえれば、犯行は誰にでも可能でした。

※便宜上、常木が死亡した日を「1日目」としてカウントします

政崎来久

政崎の遺体が発見されたのは2日目の朝のことです。

現場はやはり自室。

床に転がされた遺体の喉元には、展示室に飾ってあった大ぶりな槍(わざわざ)突き立てられていました。

報島司

同じく2日目の朝。

館からは報島の姿が消えていました。

地獄に堕ちた、と考えるのが状況的には自然です。

報島が常木と政崎を殺したのであれば、つじつまが合います。

天澤斉

3日目。

島の端にある井戸の底に、天澤の遺体がありました。

井戸は枯れていて、深さは15メートルほど。

遺体を引き上げることはできませんでした。

争場雪杉

同じく3日目。

青岸たちは争場が地獄に堕ちる瞬間を目撃します。

つまり、争場は二人殺したのです。

小間井稔

争場が地獄に堕ちたのは、執事の小間井を殺したからでした。

動機は不明。

 

生き残った5人は↓

  1. 青岸(探偵)
  2. 宇和島(医師)
  3. 伏見(記者)
  4. 倉早(メイド)
  5. 大槻(料理人)

この中に《真犯人》がいます。

疑われるべき3つの可能性

ここでちょっとルールの抜け穴を考えてみましょう。

いちばんわかりやすいのは「誰かに爆破スイッチを押させる」パターンですね。

  • 真犯人
  • A
  • B

という3人がいたとして「AがBを殺した」とカウントさせるような罠をつくっておけば、真犯人は手を汚さずに(天使カウントを増やさずに)ターゲットBを葬ることができます。

Aを2回罠にはめることで、地獄堕ちを利用してAを亡き者にすることもできますね。

ぱんだ
ぱんだ
ふむふむ

次に検討するべき可能性は自殺もしくは事故死でしょう。

なんらかの方法でターゲットをこれらに追い込めれば、真犯人の天使カウントはやはり増えません。

 

最後はちょっとメタ視点ですが、天使を使った可能性についても一考すべきでしょう。

せっかく天使という独特な存在がいるのですから、これをトリックに使わない手は(作者的に)ありません。

天使には「砂糖にむらがる」という習性があるのですが、これなんか特に怪しいですね。

作中では青岸がこんなヒントを出してくれています。

砂糖を撒けば天使を好きなところに誘導できる。

角砂糖を数個でも用意すれば、三十分は気を逸らせる。

これらを踏まえて、次は事件の具体的な伏線(ヒント)について見ていきいと思います。

伏線

まずは2日目の出来事について。

政崎が槍で刺され、報島が消えたわけですが、二人は前夜(1日目の夜)に会っていたようです。

場所は政崎の部屋。

部屋には報島が好きなワインの瓶が残っていました。

※館のメンバーでワインを好むのは報島だけ

そして報島のレコーダーに録音されていた内容から、常木を殺したのは二人の企みだったということが明らかになります。

一見、報島が常木と政崎を手にかけて地獄に堕ちた、という説が補強されたようですが……?

ぱんだ
ぱんだ
……ワイン?

次に3日目の事件について。

現場の状況を観察した青岸は、限りなく真相に近い《仮説》を組み立てます。

最重要ポイントは、モーターボートに繋がれていた縄。

ボートが出発すると縄が引っ張られ、井戸の底で気絶している天澤の首が吊り上げられるという罠です。

※天澤の首には縄の反対側がくくりつけられていたわけですね

館のメンバーの中で船舶免許を持っている人物といえば、争場です。

真犯人はこの方法で(争場が気づかないうちに)争場に一人目を殺させていたのでしょう。

モーターボートは巻き上げ不可能な錨で固定されていて、数十メートルしか動きません。

争場は隠されていたモーターボートの存在を知り、一人で島から脱出しようとしたものの失敗。

館に戻ってから、小間井を手にかけて地獄に堕ちた……という寸法です。

ただし、この推理にはひとつだけ欠点があります。

ぱんだ
ぱんだ
ん?

真犯人は事前に天澤を気絶させ、井戸の底に落としています。

しかし、井戸は15メートルの深さがあり、どう考えても落とした時点で天澤が絶命してしまうんです。

気絶した天澤をゆっくり井戸の底に下ろす方法なんてありません。

真犯人はどうやってこの問題をクリアしたのでしょうか?

あからさまに怪しい描写は2つ。

  • 天澤の遺体は焼かれていた
  • 井戸の底からは甘く焦げた匂いがした

 

さて、もう謎は解けましたか?

この先、犯行トリックから真犯人まで、めちゃくちゃネタバレします。ご注意ください。

謎解き

1日目

まず、常木を殺したのは政崎でした。

これは「犯行時刻に政崎の部屋の電気だけ消えていた」という大槻の証言により明らかになります。

政崎は常木からの資金援助を次々に打ち切られていて、動機はたっぷり。

また、常木の部屋に落としていた万年筆も政崎の犯行を裏づけていました。

 

2日目

事件が起こったのは1日目の夜。

報島が飲んだワインには毒が入っていました。

もちろん毒を入れたのは真犯人です。

しかし、地獄堕ちカウントが加えられたのは政崎でした。

ぱんだ
ぱんだ
どうして??

毒入りワインを開栓し、報島のグラスに注いだのが政崎だったからです。

もちろん偶然ではありません。

真犯人はわざと左きき用のワインオープナーを用意して、左ききである政崎がワインを開けるよう誘導していたんです。

さらにいえば、毒が仕込まれていたのはワインのコルクでした。

古いワインの栓を抜くとき、いくつかのコルクの欠片はワインに落ちます。

無害だったワインを毒入りワインにしたのもまた、政崎ということになるんです。

ぱんだ
ぱんだ
なるほどなー

毒にもだえ苦しむ報島を見て、政崎はひどく混乱しました。

当然です。ワインに毒が入っているなんて知らなかったのですから。

パニックに陥った政崎に、真犯人は親切心たっぷりにささやきます。

「地獄に堕とされるより、普遍的な死を迎えたほうがマシだろう」と。

政崎は地獄堕ちを回避するため、自らナイフで喉を刺して絶命しました。

後から真犯人が刺した槍は、政崎が自分でつけた喉の傷口を上書きするための細工でした。

※医者の宇和島が見れば、政崎が自分で喉を刺したと見抜かれていたため

報島の遺体は海に捨てれば処理できます。なにせ孤島ですから。

3日目

真相はほとんど青岸の仮説のとおりです。

唯一ネックだったのは、井戸が深すぎて気絶した天澤を落とした時点で絶命させてしまう問題でしたね。

真犯人は井戸に《あるもの》を詰めて底上げすることで、この問題を解決しました。

 

そう、天使です。

 

角砂糖を投げ込むことで、真犯人は井戸に天使をぎゅうぎゅうに詰め込みました。

そうしてつくりあげた天使のクッションのうえに、気絶した天澤を落としたんです。

あとは前述の通り。

何も知らない争場がモーターボートを動かしたことで、天澤の首が吊られました。

※争場に地獄カウント+1

天使はそのうちふわふわと飛び立っていくので、井戸の底には天澤の遺体と投げ込まれた砂糖だけが残ります。

真犯人は天澤の遺体が引き上げられる万一の可能性を考慮し、首に残る縄の痕跡をごまかそうと井戸の底に火を放ちました。

青岸たちに届いた「甘く焦げた匂い」は、砂糖が焼けた匂いだったというわけです。

ぱんだ
ぱんだ
なっとく

その後、争場は館に戻り、小間井を殺害しました。

争場としては一人目のつもりだったのでしょうが、天澤のぶんがあるので実は二人目。

争場はわけもわからないうちに地獄へと引きずり込まれました。

争場が小間井を手にかけた理由は、次の項目で説明されます

真犯人

話を少しだけ戻します。

政崎と報島が酒を酌み交わした夜、ワインやらオープナーやらを用意したのは誰だったのでしょうか?

考えるまでもありません。

館には客人の世話をする使用人がいます。

亡くなった小間井を除外すれば、真犯人たりえる人間は一人しかいません。

 

メイドの倉早です。

 

一連の連続殺人事件の真犯人は倉早千寿紗でした。

この真相を踏まえて、話を3日目に戻しましょう。

実のところ、小間井の死亡は倉早にとって予想外のことでした。

自分を殺させることで争場を地獄に堕とす、というのが倉早の本来の計画でした。

そのために倉庫から猟銃を盗み、ドアを開けるだけで争場に殺人を犯させるトリックを用意してもいました。

しかし、です。

倉早が争場を罠にはめるよりも先に、小間井が争場を呼び出しました。

実のところ、先にナイフで襲いかかったのは小間井のほうです。

争場は小間井を返り討ちにして、地獄へと堕ちたのでした。

では、小間井はなぜ争場を襲ったのでしょうか?

 

それは、倉早千寿紗を守ろうとしての行動でした。

 

倉庫から猟銃が消えたことに気づいた小間井は、倉早の最後の計画を悟ります。

小間井は思いました。

まだ若い彼女をむざむざ殺させるわけにはいかない、と。

小間井は倉早を守るために、先んじて争場を亡き者にしようとしました。

そこには常木の悪事を見て見ぬふりしてきた罪への償い、という意味もあったのでしょう。

結果として、小間井は倉早の身代わりになったのでした。

結末

最後に残された謎は、倉早千寿紗の犯行動機。

これはラストでいきなり明かされたのですが、実は倉早千寿紗は檜森百生の娘でした。

※名前が「千」と「百」

つまり、犯行動機は父親のかたき討ちだったというわけですね。

5人の外道たちのうち、最も許しがたいのはやはり武器商人の争場でしょう。

倉早はなんとしても争場だけは地獄に堕とすと決めていました。

物語のラスト。

青岸による探偵の謎解きを聴き終えると、倉早千寿紗は静かに口を開きました。

※以下、小説より一部抜粋

…………

「ありがとうございます、青岸様。あなたに解いていただけてよかった。青岸様がいなければ、私の怒りも、私の苦しみも、暗闇の中に置き去りにされるばかりでした」

その時、たとえようもない悪寒がした。

倉早までの距離は数メートルしかない。止めるなら今しかなかった。

それでも、また一歩遅れてしまった。

「私は天使に捕まるつもりはありません。天国も地獄も否定します。私が行くのは完全な虚無、ただの脳機能の停止です」

それだけ言うと、倉早千寿紗は懐から取り出した短刀を、ためらいなく喉元に突き刺した。

この後、宇和島の治療の甲斐なく、倉早千寿紗は死亡します。

天使ならたくさんいるのに、奇跡は起こりませんでした。

エピローグ

※以下、小説より一部抜粋

倉早は、青岸の推理で欠片でも救われたのだろうか。

だとすれば、天使が存在するこの世界で、それでも正義の側に立つ探偵にも意味があったと思える。

(中略)

常木と同じようなことをしている人間はまだいるだろう。

天使が裁くことのできない悪があることを、青岸は目の当たりにしたのだ。

なら、この世界で探偵がやるべきことは、まだいくらでもある。

 

「約束する。俺は探偵を続ける」

 

「約束ですよ。青岸さん」

伏見がそう言って笑う。

<楽園とは探偵の不在なり・完>

エピローグではかつての仲間たちが撮っていたホームビデオの思い出が回想されたり、青岸の物語が描かれていました。

今回の事件で青岸は過去に囚われていた自分を見つめなおし、決意を新たに一歩踏み出すことができた、という結末でした。

感想

そうそう、これが読みたかったんだよ!

わたしが読みたかった《孤島 × 館》のミステリに、『楽園とは(以下略)』はドンピシャでした。

オカルトを狂信する大富豪がいて、

孤島の館に(いわ)のありそうな客人が集められて、

大富豪の死から連続殺人が始まる――。

まったくもって申し分ない、理想的な王道の展開といっても過言ではないでしょう。

あらすじでは「天使」という単語が目立ち、二人以上殺せないという特殊ミステリ設定が目を引きますが、『楽園とは』は伝統的な本格ミステリとしての側面だけを見ても十分に優れた作品だと思います。

そのくせ海外ミステリの翻訳なんかにありがちな堅苦しさはなく、むしろ一気読みできてしまうほど読みやすい(=おもしろい)

本格ミステリという肩書きではありますが非常にとっつきやすくて、「続きが気になって休憩できない!」と夢中にさせてくれる一冊でした。

不満をあげるなら

良くも悪くもきれいにまとまっている。

『楽園とは』を読み終わったとき、そんな評価が頭に浮かびました。

とてもおもしろかったけど、突き抜けたインパクトはなかった……とでもいいましょうか。

「100点だけど、120点ではない」

読者のわがままというか、贅沢で無茶な注文とはわかっているのですが、なにかもうひとつもの足りない気がします。

  • 犯行トリック
  • 犯人のバックボーン
  • 主人公の成長(ヒューマンドラマ部分)

どこをとっても「必要十分ちょうど」という印象。

欲をいえば「やられた!」と膝を叩きたくなるような衝撃がもっと欲しかったです。

ひとつ前に読んだ「このミステリーがすごい!」1位の小説では結末がめちゃくちゃ盛り上がっていて、無意識にそこと比べてしまったのかもしれませんが……。

ぱんだ
ぱんだ
ラストでびっくりしたかったかな

まとめ

今回は斜線堂有紀『楽園とは探偵の不在なり』のネタバレと感想をお届けしました!

あらすじが気になりすぎて手に取った本作。

結果としては、期待を裏切らないおもしろさでした。

感想に入れ忘れたのですが、個人的には謎解きの難易度が低かったのもプラス評価で、まあ「100%ぜんぶ見抜いた!」とはいかなかったのですが、真犯人や一部のトリックを当てることができて嬉しかったです。

 

ぱんだ
ぱんだ
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