前川裕の小説「クリーピー」読みました!
【クリーピー】とは「ゾッとするような」「気味の悪い」という意味合いの言葉。
小説「クリーピー」もまた、ドキドキさせられるような怖い内容の小説で、しかも読み終わった後まで「気味の悪さ」が残る作品でした。
ただし、小説「クリーピー」はただ怖いだけでなく、間違いなく「おもしろい」作品でもあります!
テンポよく展開が進んでいき、ページをめくる手がとまりませんでした。
今回は映画化もされた小説「クリーピー」のネタバレをお届けします!
※追記:映画版のクリーピーは原作とかなり違う展開に!映画版のネタバレは下記からどうぞ
小説「クリーピー」あらすじ
まずは、あらすじをきっちり押さえておきましょう。
主人公・高倉は50代の大学教授。
高倉は犯罪心理学を専門としていて、ときどきテレビにもコメンテーターとして出演している。
高倉は妻と2人で、少し隔離されたような地域にある一軒家に住んでおり、隣には西野家、正面には田中家があった。
西野家は愛想よくオシャレな主人と、妻、高校生の息子と中学生の娘が住んでいる。
そして、田中家は70代の娘と90代の母が2人で暮らす高齢者家庭だった。
この物語は、捜査一課の刑事・野上からの依頼で幕を開ける。
数年前に起きた未解決事件である「日野市一家三人行方不明事件」
野上は、その捜査のために高倉に意見を求めてきたのだ。
しかし、野上の様子はどことなく変であり、一度意見を交わしてからは姿を見せることもなかった…。
ある夜、正面の田中家に火事が発生した。住人は取り残されている。
慌てて外に飛び出した高倉に、西野は冷酷な顔で「私たちの家にまでは延焼しないから大丈夫だ」と告げた。
(ゾッとするほど冷たい表情だった…)
その後、高倉は新聞で田中家の火事の記事を見て愕然とする。
「杉並区の火災で3名亡くなる」
1人分増えていた遺体は、野上のものだった。
そんな中、高倉の妻は隣の西野家で「虐待」が行なわれているのではないか、と言い出す。
中学生の娘・西野澪の発言に高倉たちは驚愕した。
「あの人、お父さんじゃありません。全然知らない人です」
ネタバレ
前半まで
この後の前半部の展開を簡潔にネタバレするとこんな感じ。
・澪が高倉家に逃げてくる。普段温厚な西野主人がまるで別人のような凶悪な顔をして、包丁を手に「娘を返せ」と襲撃してくる。
・警察が到着し、澪は児童相談所に移された。そこに西野が襲撃し、包丁で数人を刺した後、澪を連れて逃亡。
・高倉が自宅に戻ると、西野家の妻が遺体で放置されていた。
・高倉は離婚した野上の妻・河合園子と接触。野上が残した手紙により一連の事件の全貌が見えてくる。
では、いよいよ事件の全貌についてネタバレしていきたいと思います!
西野の正体
全ての事件の元凶は、野上が「悪の天才」と評した男・西野。
高倉たちが「西野」と呼んでいた男の正体は「矢島善雄」という別人だった。
善雄は本物の西野主人を始末し、「西野」になりすましていたのだ。
善雄は対外的には愛想のいい主人として振る舞う一方で、西野家では暴君として君臨。
力で対抗できる高校生の長男を始末した後、西野妻の脚を生きたまま切断、中学生の娘は強烈なマインド・コントロールにより操っていた。
結局、西野家4人の内3人が善雄の手にかかり、澪は依然として行方不明。
そして、これは野上が追っていた「日野市一家三人行方不明事件」の状況に酷似していた。
実は日野市の事件の真犯人もまた善雄であり、野上は異母兄にあたる善雄を追い詰めるために事件を追っていたのだ。
警察は善雄を全国に指名手配したが、いまだに善雄は逃亡を続けている…。
逃走する矢島善雄
一方、高倉にはプライベートな問題が発生していた。
お気に入りのゼミ生・燐子との熱愛を疑われ、燐子のストーカーであるゼミ生・大和田から嫌がらせを受けていたのだ。
高倉は善雄の事件に集中するため、大和田を呼び出し問い詰めるが、ストーカーや嫌がらせの真犯人は「大和田になりすました隣人・増田」だと発覚。
大和田の隣に住む増田の家に突撃するが、増田の正体は逃亡中の善雄であった!
燐子を人質にとった善雄に大和田が組み付くがナイフで刺されてしまい、善雄は逃走。
そして、これが致命傷となり大和田は帰らぬ人となってしまった。
それから10年後。
高倉は務めていた大学を辞職し、地方の大学に拾われていた。
大和田のマンションから逃亡した善雄は未だに捕まっておらず、澪も行方不明のままだ。
そんな時、高倉は偶然にも河合園子の娘であり、海外を拠点に活動するピアニスト・河合優の存在を知る。
(園子に娘がいた…?)
優との出会いがきっかけとなり、高倉は一連の事件の真相にたどり着く。
真相と結末
河合優の正体は行方不明中の「西野澪」だった。
高倉は河合園子の家へ向かい、事件の真の結末を聞いた。
…。
野上が高倉に残した手紙を書いたのは、実は園子だった。
そして、野上を拳銃で撃ち帰らぬ人にしたのもまた、園子だった。
結婚後、肉体に障害のある園子を野上は抱かず、外に女を作り離婚に至ったという。
そして、野上が金の無心にきたある夜、発作的に園子は眠っている野上を撃ってしまったのだ。
その後、園子は元義兄として交流のあった善雄に連絡。
善雄は何の関係もない田中家を巻き込んで事件を隠ぺいした。
そのことで園子は善雄に逆らえなくなり、逃亡中の善雄と澪は河合園子の家に潜伏していたのだ。
…。
では、善雄は今どこにいるのか?
ある時、善雄にインフルエンザに罹患したという。
園子が善雄から以前渡されていた青酸カリを薬に入れて飲ませると、あっさりと善雄は絶命した。
園子の家の2階には蒲団の上で白骨化した善雄の遺体が今も存在している。
そして、国際的ピアニストである園子は澪にピアノを教え、河合優として養子に迎えた。
優はもう日本に帰ることはない。海外でフランス人の彼氏と幸せに暮らしているという。
高倉は、一切を黙認することに決めた。
…。
それから、さらに8年の年月が過ぎ去った。
河合園子は胃がんで他界したという。
矢島善雄は、いまだに逃亡中である。
解説
小説「クリーピー」のメインテーマは「隣人の不気味さ」だったといえます。
現代社会では隣に誰が住んでいるのかさえわかりません。
もしかしたら、私(あなた)の隣人は「善雄」なのかも知れない。
善雄は心理を操る天才であり、対外的にもその本性を見破ることはできません。
例え、あなたが隣人と交流があったとしても、裏ではその隣人がどんなに恐ろしいことをしているかわからない。
そんなことを考えさせるという点で、この作品は最高に「クリーピー」(気味が悪い)だったと言えるでしょう。
なお、今回のネタバレでは作品の大筋のみしか拾っていません。
小説「クリーピー」では380ページを余すことなく使い、伏線や回収、善雄の異常性や犯罪心理学的考察などが描写されているので、興味のある方は是非原作小説の方もチェックしてみてくださいね。
特に、善雄が異常性を開花させていく子供時代の話などは本当にクリーピーなので必見です。
まとめ
映画化が決定した小説「クリーピー」のネタバレでした!
映画「クリーピー」では主人公・高倉を西島秀俊さんが、そして「西野(善雄)」を香川照之さんが演じます。
ちょっと失礼な言い方になるかもしれませんが、香川照之さんなら「西野(善雄)」のイメージにピッタリです!
きっと映画では最高にクリーピーな真犯人を演じてくれるはず!期待です!
映画『クリーピー』の配信は?
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Amazonプライム | 〇 |
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Hulu | 〇 |
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※配信情報は2020年6月時点のものです。最新の配信状況は各サイトにてご確認ください。
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ゆうべクリーピーの試写会に行ってきました!
香川さんはおっしゃる通り、クリーピーな真犯人として楽しませてくださいました。
ここをネタバレしてしまうと映画関係者に嫌われそうなのではっきり書きませんが…原作とは全く違った内容だと思ったほうが…いいかなあ…
映画を見たら原作が読んでみたくなったのです。こちらのページで少しわかりました。。 ありがとうございます。
映画の感想は…
同じ材料でも料理する人が変わるとここまで変わるんだなあという感じです。。。
自分が監督だったらどんな映画にするだろうかと、一晩たっても妄想が止まりません(笑)
そういう意味ではとても楽しませてくれる映画です。
シーン一つ一つ、役者さんの役への入り具合(演技含む)などは
とてもよかったと思います。もったいないくらいです。
でも
増やしたエピソードのせいなのか、
削ったエピソードのせいなのか、
途中で予算が無くなったのか、
大人の事情で途中で変更があったのか、
妄想したくなるバランスの悪さでした。。。個人的な感想ですよ。
最後に近づくほど … 書かないほうがいいな。。。(笑)
気になった人は映画見てください!
私もブログに書こうかなと思いました。。
下記の「ウェブサイト」欄に記したのはブログのURLですが、
これから今日の内容をブログに書こうと思います(笑)
wakatake topicsさんのこのページにリンク貼っていいでしょうか。
よろしくお願いします。
>管理人より
白川さん、丁寧なコメントありがとうございます!
私も映画見てきました!
おっしゃるように、だいぶ味付けが変わっていましたね。
ぜひ白川さんの感想も見てみたいです。
リンクはもちろんOKですよ。
-アドレスは削除されました-
こんにちは!映画観てきました。原作読んでないのでありがとうございます。全然違いますね。
ところで上の二つのブログさん、そのまんまですね。特に上の人はwakatake topicsさんの小説紹介を映画版と紹介しているから面白いですよね。ありがとうございます。
>管理人より
谷嶋さん、コメントありがとうございます。
映画はかなりのオリジナル展開でしたねー。
また、パクリブログの報告もありがとうございます!
まったく知りませんでした…。