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映画「ハウルの動く城」が面白くなる原作小説の設定をネタバレ解説!

映画「ハウルの動く城」はお好きですか?

私はジブリ映画の中でもかなり好きな作品なのですが、世間では評価が2極化している作品ですよね。

いわく「設定が説明不足でストーリーも分かりづらい」など。

この点において、実は宮崎駿さんは「(わざと)説明を全部省いている」と発言しています。

まさに「考えるな感じろ」という意図だったんですね。

一方、映画の原作となったイギリス人作家による小説「魔法使いハウルと火の悪魔」では当然ながら細かい世界観や登場人物の設定が説明されています。

原作小説と映画版とではかなり食い違う設定もあるのですが、やっぱり「本来の設定」を知っているといろいろと納得できるものです。

というわけで今回は、ジブリ映画「ハウルの動く城」をより楽しめるような原作小説の設定について紹介・解説していきたいと思います!

「ハウルの動く城」原作小説の設定を解説!

まずは、映画「ハウルの動く城」のヒロインであるソフィーについて。

最も重要な点からネタバレしてしまうと、実は原作小説におけるソフィーは「(無自覚な)魔法使い」なのです。

その能力は「言葉」によって発動され、なんと生命を吹き込むという魔法すら使えます。

はい、ここで「ハウルの動く城」の謎が1つ解けました。

・どうしてカブは人間に戻れたのか?

・どうしてカルシファー、ハウルは命を取り留めたのか?

実は映画内でもソフィーはちゃんと「言葉」によって生命を吹き込む魔法を使っています。

※「どうかカルシファーが千年も生き、ハウルが心をとりもどしますように。」

 

「ソフィー=魔法使い」で説明できるあれこれ

「ソフィーが生命を吹き込む魔法使いである」ことさえ踏まえれば、作品の理解・納得はどんどん進んでいきます。

そもそも荒地の魔女がソフィーに呪いをかけたのもそのせい。

※原作小説のソフィーは無意識のうちに作った帽子に魔法をかけていた。荒地の魔女にとって不都合な能力だったため呪われた。

その後、ハウルがソフィーに心惹かれたのもそのせい(後述)

そして何より、映画「ハウルの動く城」においてソフィーがころころ「少女⇔老婆」を行ったり来たりしている原因がこれです。


 

ソフィーの呪いの正体

実は、荒地の魔女にかけられた呪いそのものは、ハウルが割りと早い段階で解いているんです。

それなのにソフィーが老婆の姿でいるのは「魔法使いの力」が原因なんですね。

そもそもソフィーは3姉妹の長女であり、明るく美しい妹たちに比べて可愛くない自分にコンプレックスを抱いていました。

そのコンプレックスの表れこそが「私、きれいでもないし…」というソフィーのセリフであり、その「言葉」こそがソフィーを老婆の姿にしていたのです。

一種の自己暗示のようなものですね。

だから、ソフィーの意識がない睡眠時などには少女の姿に戻っていたというわけです。

そう考えれば、ハウルの行動が実は「ソフィーの自己暗示を解くためのもの」であったことがわかります。

ハウルが動く城をソフィーの家に引っ越しさせた目的はまさに「ソフィーの自己暗示を解くため」だったわけで、その後ハウルが「ソフィーの家から逃げ出さなかった理由」もまた同じ。

その後、ハウルの真意に気づき、自分の暗示がハウルを窮地に追い込んだと知ったソフィーは「自分は醜い」という自己否定を辞め、呪いが解けたかのように少女の姿で居続けることにことになります。

 

ハウルとカルシファー

原作小説のタイトル(魔法使いハウルと火の悪魔)からもわかるように、この作品におけるもう一つの重要ポイントはハウルとカルシファーの関係です。

そもそも原作小説におけるカルシファーの正体は「星の子」と呼ばれる存在。

ざっくり言えば力のある流れ星(隕石)のような存在で、本来ならば地上に落ちた後に命を失う存在です。

ところが、ハウルとカルシファーは契約を結びました。

これによりハウルは強力な魔力を手に入れて、カルシファーは生き延びたという寸法です。

しかし「星の子」と長期間にわたり契約を結んだ状態のままでいると、契約者(ハウル)は心を失い、操り人形の化物になってしまいます。

※ハウルが鳥っぽい化物になって苦しんでいたのがこれ

また、星の子(カルシファー)にとっても契約者が絶命すれば必然的に自分も消滅してしまうわけで、次々と契約者を乗り換えていく必要があります(これは悪魔っぽい)

で、そんな2人を救ったのが実は魔法使いだったソフィーだった、と。

ちなみに宮崎駿監督は映画「ハウルの動く城」におけるハウルについて「星にぶつかった少年」と表現しています。

つまり、全ての始まりであるハウルとカルシファーの出会い・契約は偶然のものだったというわけですね。

 

ハウルとソフィー

「若い娘の心臓に目がない」というハウルについての最初の説明は半分当たりで半分ハズレ。

もちろんハウルは心臓を食べたりしませんが、若い娘の心には目がありませんでした。

要するに浮気者、ナンパ野郎だったんですね(笑)

そのへんのチャライ感じは映画ではあまり描かれていませんが、ハウルは女性を口説き落としては速攻でフるというクズ野郎でした。

ただこれは、自身の心臓(Heart)がない代償として女性の心(Heart)を求めていたのです。

その結果、ハウルは本当に愛し合うことができない状況にありました。

そこに現れたのが「生命を吹き込む魔法」を持つソフィー。

心臓のないハウルがソフィーに入れ込んだ理由もわかるというものですよね。

そして、心臓を取り戻したハウルはもう「浮気者」ではなくなったわけです。

ちなみに、原作小説ではハウルとソフィーが愛し合う関係になってエンド。後にソフィーは子供を産んでいます。

 

まとめ

以上、映画「ハウルの動く城」がより面白くなるような原作小説の設定紹介・ネタバレ解説でした!

細かい設定はまだいろいろあるので、興味を持たれた方はさらに調べてみても面白いと思いますよ!

また、原作小説と映画ではいろいろと異なる点も多いので、そのあたりを追求してみるのも面白いですね。

※例:映画「ハウルの動く城」では「戦火の恋」が1つのテーマになっていますが、原作小説には戦争シーンとかありません。

映画「ハウルの動く城」肯定派も否定派も裏設定を知ってから見れば、さらに作品を楽しめること間違いなし!

是非、今回のネタバレ事項を踏まえたうえでもう一度映画「ハウルの動く城」を見てみてくださいね!



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