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映画「嘘八百」あらすじとネタバレ!ドタバタコメディの結末は?

映画「嘘八百」は中井貴一さんと佐々木蔵之介さんがW主演を務める正月にピッタリなコメディです。

「幻の利休の茶碗」をでっちあげて悪者に復讐しよう!という内容の作品なのですが、まさに「笑いあり涙あり」

基本的にはドタバタコメディなのですが、最後にはちょっぴり感動するようなヒューマンドラマ要素もあります。

何も考えずに楽しめて、見終わった後にはすっきりした気分になっているような映画ですね。

今回は映画「嘘八百」のあらすじネタバレをお届けします!

結末の後に待ち構えている「大オチ」にも注目!

あらすじネタバレ

「うぶ出し屋」とは地方の蔵に眠る骨董を仕入れて売る商売だ。

物語の主人公は、そんな「うぶ出し屋 獺(かわうそ)」の小池則夫。

かつては父親から継いだ店で古美術を扱っていたが、偽物の茶碗を掴まされたことで一気に転落人生へ。

妻は出ていき、娘の「いまり」にもなかなか会えないようになり、今や月の半分は車中泊で過ごしている貧乏生活。

それもこれも、偽物の「光悦」を掴ませてきた古道具屋「樋渡開花堂」の店主・樋渡と、その樋渡とグルになって嘘の鑑定書を書いて寄こした人気鑑定家・棚橋清一郎のせいだ。

実に4千万円の損失。

だが、こちらも道具屋である以上、真贋を見抜けなかった自分の実力のなさにも責任はある。

そう、『騙されたほうが悪い』のだ。

 

一方、ここに物語のもう一人の主人公がいる。

名を野田佐輔。

もとは将来有望な陶芸家としてデビューした男だが、樋渡と棚橋に担がれていつしか一級品の「写し(贋作)」をつくるようになり、今ではその2人からも見放されて由緒ある絹田家のケチな当主と組んでやはり贋作をつくり続けている。

生活費は妻の康子のパート頼り。不細工な一人息子の誠治は27歳にもなってちまちまと模型なんぞをつくっているばかり。

かつての陶芸に情熱を燃やしていた佐輔はどこへやら。

今は先の見えない貧乏生活を送りつつ、贋作茶碗を売りつけるだけの日々を過ごしていた。

 


 

出会い

ある日、則夫は妻の都合で押しつけられた娘のいまりと一緒にお宝の眠っていそうな旧宅を探していた。

たまたま目に入ったのは佐輔のいる絹田邸。

則夫は期待に胸を膨らませながら佐輔の案内で蔵に入ったが、並んでいるのは(佐輔がつくった)贋作ばかり。

仕方なく則夫は贋作茶碗を一つだけ買い取ってその場を後にした。

 

後日、則夫は佐輔から「見せたいものがある」と言われて再び絹田邸へ。

※この時点では則夫は佐輔が絹田家の当主だと勘違いしている。

そこで見せられたのは「幻の利休の茶碗」

桐箱も、一緒に収められている手紙もどうやら本物だ。

「これはなんですか?」と素人丸出しな佐輔を騙し、則夫は蔵の贋作ごと100万円で「幻の利休の茶碗」を買い取った。

…ところが、あとからよくよく調べてみるとどうも様子がおかしい。

桐箱も手紙も見せられた時の品ではない。すりかえられている。

肝心の器も冷静な目で見てみれば利休の茶碗だとは思われない。

…騙された!

欲に目がくらみ、真贋を見極める目が曇ったのだ。

またしても則夫は思い知ることになる。

『騙されたほうが悪い』

 

一方、100万円を手に入れてホクホク顔の佐輔は行きつけの居酒屋「土竜」で祝勝会を開いていた。

実のところ、則夫に最初に見せた桐箱と手紙は本物だ。則夫の目の色が変わるのは当然だと言える。

だが、困ったことに肝心の茶碗はどこにもなかった。

そこで佐輔は一計を案じた。

居酒屋仲間の材木屋(桐箱担当)、よっちゃん(紙担当)、大将(筆跡担当)にそれぞれ偽物の桐箱と手紙をつくらせ、自らはそれらしい茶碗をつくったのだ。

後は則夫が騙された通り。

隙を見て本物の桐箱と手紙をすり替え、まんまと100万円で利休偽物3点セットを売りつけたというわけだった。

 


 

結託

どうしてこうなってしまったのだろう?

佐輔に文句を言いに行ったはずなのに、則夫はなぜか佐輔の家ですき焼きをつついていた。

おまけに、いつのまにか佐輔の息子の誠治といまりが恋仲になっている。

わけがわからない。

 

すっかり怒る気も失せた後、則夫は佐輔からすべての事情を聞いた。

利休の幻の茶碗のカラクリ。

佐輔の本当の名前と素性。

樋渡と棚橋に利用された過去。

驚くべきことに、則夫が四千万円で掴まされた光悦の贋作をつくったのは佐輔だった。

…だが、作り手に非はない。

佐輔が写しをつくり、棚橋と樋渡が真作に仕立てた。

茶碗に嘘をつかせたのは、あいつらだ。

則夫は落ちぶれた作陶家に言い放つ。

「あんたの腕は本物だ。俺と組めば、棚橋と樋渡に一泡吹かせられる」

絹田家の譲り状と共箱に合った利休の茶碗をでっちあげ、棚橋と樋渡に掴ませる。

佐輔から100万円取り戻すんじゃない。

佐輔と組んで、失われた20年をあいつらから取り戻すのだ。

 


 

完成

利休の茶碗を追い求める日々が始まった。

則夫は佐輔に利休の人となりを説き、利休の最期の手紙に記されていた『大海原』のような茶碗をつくれとせっつく。

最初こそ「わけがわからん」と戸惑ってばかりの佐輔だったが、ずっと粘土とばかり向き合ってきた自分の半生を思い出し、利休の心境にそれを重ね、ついに目指す茶碗のイメージを手に入れた。

落ちぶれた覇気のない陶芸家の姿はどこへやら。

その日から、佐輔は目の色を変えて茶碗づくりに取り掛かった。

利休が好んだ手法、利休のいた土地の土、利休の最後の想い。

徹底的に「幻の利休の茶碗」を追い求め、佐輔は何度も茶碗を形づくっては潰して、という工程を繰り返した。

それは腑抜けになった佐輔が、情熱的な芸術家へと生まれ直す過程でもあったのだろう。

果てしない試行錯誤の末に、ようやく『それ』は完成した。

利休の趣味とはかけ離れた、鮮やかな緑色のうつわ。

そして悪友たちがこしらえた、本物と見分けがつかないほどの桐箱と手紙。

「幻の利休の茶碗」3点セット。

則夫は絹田家でオークションを開く段取りを整え、芝居を盛り上げるサクラとして画商のピエールにも協力を頼んだ。

日本の宝が海外のバイヤーに狙われていると知れば、道具屋としては負けじと買いたくなるはずだ。

あとは当日を待つばかり。

四千万円を取り戻すだけでは利子分が足りない。

さて、いくらで掴ませてやろうか?

 


 

大勝負

オークション当日。

勇ましく会場へと向かう則夫と佐輔との間には戦友のような雰囲気が漂っている。

会場につくと、すでに棚橋や樋渡、それに利休オタクの学芸員・田中四郎の姿も見えた。

加えてサクラとして集まった居酒屋「土竜」のメンバーやピエール、予想外なことに噂を聞きつけてきた文化庁の文化財部長の姿も。

冷やかし半分な道具屋がほとんどだったのだろう。

最初は白けた雰囲気だったのが、文化庁の役人の登場でざわつき、さらに田中の熱心なマシンガン解説トークで盛り上がる。

ついに「幻の利休の茶碗」の競りが始まった。

一千万…二千万…四千万円を超えた!

もっとだ…もっと上がれ…!

 

【side・棚橋清一郎】

棚橋と樋渡の関係は、則夫たちが思っているほど単純なものではなかった。

いうなれば、棚橋もまた樋渡の被害者の一人。

棚橋が佐輔を評価したのは心から「この若者には才能がある。育てたい」と思ったからだったし、棚橋が嘘の鑑定書を書かされているのも樋渡に弱みを握られているからに他ならない。

とはいえ、その弱みをつくったのは自分自身。

金に目がくらんで樋渡の儲け話に乗ったが最後、運命共同体だとばかりに降りられなくなったのだ。

後悔もしているし、いつ鑑定書の嘘がバレるのかという不安も大きい。

そのくせ、樋渡はまずいことになれば自分を平気で売るつもりに違いないのだ。

棚橋は樋渡とのつきあいに辟易していた。

 

樋渡が「幻の利休の茶碗」の競りがあると持ちかけてきたとき、棚橋は「どうせ偽物だ」と看破しつつ、冷やかしで見に行くことにした。

ところがどうだ。

いざ会場へ足を運んでみると、そこには文化庁の役人がいる。

やたらと熱弁を振るう学芸員の話ももっともらしいし、少し前から見かけるようになった外国人バイヤーもかなり乗り気のようだ。

とどめは司会を務める「うぶ出し屋」の耳打ち。

饒舌に利休の最期に想いを馳せる「うぶ出し屋」の語りを聞くうちに、棚橋の中に「ひょっとしたら…?」という動揺が広がっていく。

改めて緑色の茶碗に目を向ける。

(利休だ…!)

並々ならぬ迫力を感じる。

とうとう棚橋は茶碗の中に『利休』を見出した。

 


 

嘘八百

【小池則夫の言】

「ああ、弁護士の方?落札代金をを全額返してほしいという樋渡開花堂の請求には応じられません。理由は、樋渡開花堂の社長がよくご存じのはずですが。社長がお忘れでしたら、お伝えください。騙されたほうが悪い、と」

「どうしても一億八百万円を返還してほしいとおっしゃるなら、こちらも返還要求をさせていただきます。20年前に譲っていただいた『光悦』の四千万円。年利5%として、複利で20年かけると、一億六百十三万千九百八円。差し引き二百万円弱。裁判の方がつく頃には、こちらの請求額の方が上回るかもしれません。もし成功報酬で受任なさっているのでしたら、骨折り損ですよ、弁護士さん」

 

【野田佐輔の言】

「はあ?利休の茶碗いうのを野田佐輔がこしらえた、ということになってるんですか?棚橋清一郎がそない言うた?何を根拠に?いや、何のことかさっぱり。利休の茶碗のことは知りませんけど、一億八百万はお返しできません」

「弁護士さん、社長に言うたってください。おれから千円二千円で買い取った写しで、どんだけボロ儲けしたと思てんねん。一億八百万は未払い金の回収や、てな」

 

【棚橋清一郎の言】

「利休の茶碗代?なんでわしが払わなあきませんのん?あれが割れたんは、事故でっせ」

「虚偽の鑑定?何言うてますのや。私は、利休が焼かせた茶碗やとは言うた。利休の時代の茶碗やとは一言も言うてません」

「それにしても、野田佐輔に、あんだけの茶碗を焼く力があったとはなあ。弁護士さん、樋渡開花堂の社長はね、私より野田佐輔の茶碗をようけ見てるんです。ほんまやったら、私より先にあの人が見抜けてなあきまへんのや。その茶碗であの守銭奴がどんだけえげつない金儲けしてきたか、知ってはりますか。ほんま、こっちが口止め料欲しいくらいや」

「社長に言ったってください。そないに裁判したいんやったら、法廷立てるようにしたりましょか。民事やのうて刑事で」

 


 

結末と大オチ

結局、「幻の利休の茶碗」は樋渡が税込み一億八百万で落札した。

その後、樋渡は真贋に気づかぬまま別のオークションに茶碗を出品しようとしたが、冷静になった棚橋がそれを止めようとして、言い争ううちに茶碗は割れてしまった。

一億八百万円のうち、800万円は会場代として絹田の懐へ。

残りは則夫と佐輔で折半した。

これにより一時出ていっていた佐輔の妻・泰子も無事帰ってきて大団円…なんてキレイなオチはこの2人には似合わない。

則夫と佐輔に渡った一億円はそっくりそのまま誠治といまりに持ち出され、そのまま息子と娘は高飛びした。

結局、ダメ親たちには何も残らなかった。

 

佐輔は予備の「幻の利休の茶碗」を使ってもう一儲けしようかと則夫に持ちかけたが、則夫はその計画に反対する。

「利休の茶碗はもういい。あんたの茶碗を売るんだ」

そういって則夫はまだ経年劣化処理をほどこしていない器「大海原」を手に取る。

「いい面構えをしてるじゃないか。四百年待たなくたって、いいうつわだ」

則夫と佐輔。

2人はまさに現代の利休と長次郎。

案外、いいコンビとしてこの先もやっていけるのかもしれない。

 

…そうそう。

これは絹田の当主すら知らないことだが、実は本物の「幻の利休の茶碗」は絹田家にある。

ただし、長い年月の中で子供の遊び道具となり、好き放題に落書きされてしまっているが。

そのことに気づいていたのは、ただ一人誠治だけ。

そんなことを言っても相手にされないだろうと黙っていたのだ。

誠治が目利きならば、その誠治の真価を見抜いたいまりもまた目利き。

親子2代に渡り、良き相棒に恵まれたようだ。

<嘘八百・完>

 

まとめ

今回は映画「嘘八百」結末までのあらすじとネタバレをお届けしました!

実にシンプルな『勧善懲悪』型のストーリーの随所に散りばめられた笑いと、落ちぶれた現状から立ち直ろうとするおっさんたちのヒューマンドラマ。

笑って泣いてすっきりするには最適な作品です。

中井貴一さんと佐々木蔵之介さんというコンビの取り合わせも絶妙で、ふとした瞬間に「くすり」と笑わされてしまいます。

映画『嘘八百』の配信は?

U-NEXT〇(2020年6月30日まで)
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※配信情報は2020年6月時点のものです。最新の配信状況は各サイトにてご確認ください。

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