「天気の子」のあそこのセリフ、正確にはなんて言ってたっけ?
……と思い出せないのが歯がゆかったので、原作小説(ノベライズ)を買いました!
今回は「天気の子」の名言・名シーンをランキング形式で振り返っていきたいと思います!
ランキングの順位はわたしの独断と偏見によるものです。
セリフは小説に準拠するので、映画とはちょっと違うところもあります。
1位
天気なんて、狂ったままでいいんだ!
1位はやっぱりこれでしょう!
空の世界(彼岸)から陽菜を助け出すときに、帆高が叫んだセリフですね。
そもそも新海誠監督はこのセリフを主人公に言わせる話として「天気の子」を制作したそうです。
この場面は前後のセリフもとてもいいので、小説からシーンを抜粋してご紹介しますね!
◆
「でも、私が戻ったら、また天気が……!」
「もういい!」
僕は怒鳴る。陽菜が驚いた顔をする。僕は決めている。
他のことなんてどうだっていい。
神様にだって僕は逆らう。言うべきことはもう分かっている。
「もういいよ! 陽菜はもう、晴れ女なんかじゃない!」
僕は陽菜に叫ぶ。
そう、言うべきことはわかっている。
「もう二度と晴れなくたっていい!」
陽菜の瞳に涙が湧きあがる。
「青空よりも、俺は陽菜がいい!」
陽菜の大粒の涙が風に舞い、僕の頬に当たる。
「天気なんて、狂ったままでいいんだ!」
◆
字面で見ても映画の感動がよみがえってきます。
『世界よりも、たったひとりの大切な女の子を選ぶ』
帆高の強い想いが伝わってくる、まさに名言ではないでしょうか。
2位
神様、お願いです。これ以上僕たちになにも足さず、僕たちからなにも引かないでください。
雨の中、やっとたどり着いたホテルで帆高が神様に祈った言葉ですね。
残酷にも、帆高はこの直後に陽菜が人柱として消えてしまうことを知ります。
新海誠監督はこのセリフについて、こんなふうに言及しています。
これはいつかどこかで使ってみたいと思っていたフレーズでした。
こんな幸せがいつまでも続くわけないと自分でもわかってはいるけれど、夢のように充実したひととき。
好きな子との雨宿りほどはロマンティックではないにしても、誰の人生にもそういう一瞬があるはずです。
その先の人生を温めてくれるような特別な一瞬。
そういう瞬間を帆高に、そして観客に経験してほしくて、あのホテルの夜を描きました。
(パンフレットより抜粋)
『神様、お願いです。これ以上僕たちになにも足さず、僕たちからなにも引かないでください』
このフレーズが心に響くのは、わたしたちが体験した《特別な一瞬》のことを思い出させてくれるから、なのかもしれませんね。
ちなみに陽菜役の森七菜さんも映画「天気の子」の中で特に好きなセリフとして、このフレーズをあげています。
3位
陽菜さん、僕たちは大丈夫だ。
映画「天気の子」のラストを飾る帆高のセリフですね。
「大丈夫」という短い一言にいろんな意味がぎゅっと詰め込まれているような気がします。
RADWIMPSの楽曲「大丈夫」の歌詞も相まって、とても印象的な結末でした。
君の「大丈夫」になりたい 「大丈夫」になりたい
君を大丈夫にしたいんじゃない
君にとっての「大丈夫」になりたい
新海誠監督はこの楽曲「大丈夫」から着想を得て、長らく悩んでいた「天気の子」の結末を決めたそうですよ。
4位
違った、そうじゃなかった。世界は最初から狂っていたわけじゃない。僕たちが変えたんだ。
「大丈夫」の直前、帆高が陽菜と再会したときのモノローグです。
小説だと、このあと次のように続きます。
◆
あの夏、あの空の上で、僕は選んだんだ。
青空よりも陽菜さんを。
大勢のしあわせよりも陽菜さんの命を。
そして僕たちは願ったんだ。
世界がどんな形だろうとそんなことは関係なく、ただ、ともに生きていくことを。
◆
圭介や冨美が「帆高のせいじゃない。世界はもとからこんなものだ」と言うのに対し、帆高は「そうじゃない」と思ったんですよね。
世界のかたちを変える責任までひっくるめて、帆高は陽菜を選んだんです。
陽菜にかけるべき言葉は
「罪じゃないから、大丈夫」
じゃなくて
「罪だとしても、大丈夫」
だと気づいた、といったところでしょうか。
ボーイミーツガールの王道にして究極ともいえる、グッとくる名シーンでした。
5位
そこまでして会いたい子がいるってのは、私なんかにゃ、なんだか羨ましい気もしますな。
1位~4位まで帆高のセリフだったのに、5位の名言はまさかの安井刑事!(cv.平泉成)
フルで書くと
「彼はまさにいま人生を棒に振っちゃってるわけでして。そこまでして会いたい子がいるってのは、私なんかにゃ、なんだか羨ましい気もしますな」
です。
大人から見た「天気の子」は帆高や陽菜の物語にただ共感するだけでなく、社会常識や失ってしまった青春時代など、いろいろと考えさせられる要素があったと思います。
そんな大人の観客の代弁者として描かれているのが須賀圭介というキャラクター。
自らの事情のために帆高を追い出すという常識的な判断をした圭介ですが、安井刑事のこの台詞を受けて、無意識のうちに涙を流していました。
以下、このときの圭介の心情を小説より一部抜粋。
そこまでして会いたい人。
帆高にはいるのか。
俺にはどうか。
全部を放り投げてまで会いたい人。
世の中全部からお前は間違えていると嗤われたとしても、会いたい誰か。
俺にも、かつてはいたのだ。
明日花。
もしも、もう一度君に会えるのだとしたら、俺はどうする?
俺もきっと……
このときの圭介の涙は、大人の観客としてのわたしの胸に突き刺さりました。
大人になって、青春が終わって、忘れてしまったもの。
それを突きつけられているようで、なんだかハッとしました。
みなさんは、そんなふうに思いませんでしたか?
6位
てめえらが、帆高に触んな!
5位からの流れで、6位は須賀圭介の名言です。
代々木の廃ビルで、帆高が屋上に行こうとして高井刑事に取り押さえられた時のセリフですね。
このセリフの何がグッとくるかって、圭介は警察の邪魔をすれば萌花ちゃんとの暮らしが遠のくことを重々承知していたということですよね。
しかも、圭介は陽菜が人柱になったなんて信じてなかったですし、帆高が屋上に行けば陽菜が助かるなんてちっとも思ってなかったわけです。
それなのに圭介はなんで帆高に意味のないことをさせるために、警察の邪魔をしたのでしょうか。
それは夏美も言っていたように、帆高に昔の自分の姿を重ねていたからです。
・帆高(≒かつての自分)を自分が止めるのはいい
・帆高(≒かつての自分)が愛を貫こうとするのを、第三者が無理やり阻むのは許せない
「てめえらが、帆高に触んな!」
という言い回しからはそんな圭介の心情がうかがえました。
『圭介が帆高の味方をしてくれた』
というだけではなく
『圭介がどれだけ明日香を愛していたか』
までもが伝わってくるという意味でも、「天気の子」を語るうえでなくてはならない名言だと思います。
◆
余談ですが、小説版では圭介の『その後』に関するこんな一節があります。
娘さんとはまだ別々の暮らしだけれど、奥さんのご両親との関係は悪くはなく、須賀さんの仕事次第では遠からず一緒に暮らせる可能性が高いそうだ。
映画ではこのあたりがあいまいだったので「よかったー!」と思いました。
7位
人間歳とるとさあ、大事なものの順番を、入れ替えられなくなるんだよな。
帆高を追い出した後の圭介のセリフですね。
このあとに続いたセリフまで覚えている方も多いのではないでしょうか。
「でもまあ、仮にさ、人柱一人で狂った天気が元に戻るんなら、俺は歓迎だけどね。ていうか皆そうだろ?」
小説版ではさらにこう続きます。
「誰かがなにかの犠牲になって、それで回っていくのが社会ってもんだ。損な役割を背負っちまう人間は、いつでも必ずいるんだよ。普段は見えてないだけでさ」
圭介に「ていうか皆そうだろ?」と言われたとき、わたしはギクッとしました。
「そうかもしれないな」と思ったからです。
「天気の子」で帆高と対立しているのは『大衆』です。
『大衆』は映画の観客と違って帆高のことも陽菜のことも知りません。
圭介は大衆の代弁者として至極まっとうな意見を言っているなと感じました。
本当は「なんて酷いことを言うんだ、このおっさんは!」と言いたかったのに、もし自分がこの世界の無関係な大衆の一員だったとしたらと考えると、とてもじゃないけどそんなこといえませんでした。
それがなんだか、ショックで、悲しくて。
だからこのシーンはかなり印象に残っています。
◆
そんな観客の代弁者である圭介が6位みたいな言動をしてくれたおかげで、最終的にはなんだか救われたような気分になりました。
「天気の子」では帆高より陽菜より、圭介に一番感情移入していたと思います。
8位
帆高っ、走れーっ!
帆高が警察を振り切って廃ビルに行くのを助けた夏美のエール。
ちょっとだけ帆高たちよりお姉さんな夏美の魅力が、この一言にぎゅっと詰まっている気がします。
ちなみに小説では映画に比べて夏美の心情がくわしく描かれているのですが、このシーンでは名言のあとにこんな文章が続いているんですよ。
◆
「帆高っ、走れーっ!」
彼はもうちらりとも私を見ない。
どんどん遠ざかっていく。
私の口元は笑っている。
パトカーのサイレンがすぐそこまで迫っている。
――私はここまでだよ、少年。
私は胸の中で、もう一度そう言う。
私の少女時代は、私のアドレセンスは、私のモラトリアムはここまでだ。
少年、私はいっちょ先に大人になっておくからね。
君や陽菜ちゃんがどうしようもなく憧れてしまうような大人に。
早くああなりたいって思えるような大人に。
とびきり素敵な、圭ちゃんなんて目じゃない、まだ誰も見たこともないようなスーパーな大人に。
遠ざかっていく思春期の背中を見つめながら、晴れ晴れとした気持ちで私は祈る。
だからちゃんと、君たちは無事に帰ってくるんだよ。
◆
大人になりきれず、進路に迷っていた夏美にとっても、帆高との出会いは変わるきっかけになったんですね。
夏美の可愛さ、カッコよさが現れたセリフでした。
◆
余談ですが、夏美のお父さん(圭介の兄)って東大卒の財務官僚なんですよね。
もともと須賀家は地方で代々議員をやってる名家だということで……圭介や夏美が反発した理由もわかるような気がします。
9位
ねえ、今から晴れるよ
帆高の前ではじめて陽菜が『晴れ女』の力を使うシーンのセリフですね。
この前後の
「ね、せっかく東京に来たのに、ずっと雨だね」
とか
「私はねえ、えーと、来月で十八!」
とかも陽菜のかわいさが光るセリフでした。
◆
小説を読んで思ったのですが、陽菜は特に森七菜さんの声によってかわいさのレベルが何段階も引きあがっている気がします。
「天気の子」の声優MVPは陽菜役の森七菜さんだと、個人的には思っています。
みなさんは誰の声が一番いいと思いましたか?
10位
天気ってなんて不思議なのだろうと、僕は思う。ただの空模様に、人間はこんなにも気持ちを動かされてしまう。陽菜さんに、心を、動かされてしまう。
お天気ビジネスが軌道に乗ったときの帆高のモノローグです。
言われてみれば本当にその通りで、「晴れているだけで気分がよくなることってあるよなぁ」とあらためて気づかされました。
天気って《当たり前にそこにあるもの》であると同時に、《人間ひとりひとりとつながっているもの》なんですよね。
また、このモノローグにはもちろん『陽菜に恋をした』という帆高の心の機微も含まれているのだと思います。
やがて世界の形まで変えることになる帆高の恋の原点がちゃんと描かれているのが素敵だなと思いました。
番外編1
付き合う前はなんでもはっきり言って、付き合った後は曖昧にいくのが基本だろ?
凪センパイの、まさに名言です!
私も「なるほどな!」と思ってしまいました(笑)
そういえば『晴れ女』の最後の仕事で、公園で須賀親子と遊んでいるとき、凪センパイが帆高を呼んだシーンを覚えていますか?
「あ、センパイが呼んでる……」
この帆高のセリフは何度映画館に行ってもみんな笑ってるんですよね。
小説だとそんなに笑えるシーンじゃないので、声優の醍醐虎汰朗さん、グッジョブでした!
番外編2
圭ちゃんは家出先の東京で、明日花さんと出会ったの。後に奥さんになる人。両家の喧嘩になるような大恋愛の末に結ばれて、二人で編集プロダクションを始めて、萌花ちゃんも生まれて。あの時は私も嬉しかったな。
「天気の子」では語られなかった過去も多かったですよね。
- 帆高が家出した理由(父親に殴られていた理由)
- 陽菜と凪のお母さんの病気
- 明日花の事故
これらの真相を明らかにするのも無粋というものでしょうから、そこは想像で補うしかありません。
そんな中、ひとつだけ「たぶんこうだろうな」と想像できることがありました。
おそらく気づかれた方も多いと思うのですが、圭介の会社「K&Aプランニング」って、つまり
『K(圭介)&A(明日花)』
ってことですよね。
蛇足と思いながらやっぱりどうしても書いておきたくなったので、番外に入れてみました。
番外編3
あーら不機嫌。仕事のプレゼン、ダメだったのかにゃ?
夏美 is かわいい。
本田翼 is かわいい。
以上。
まとめ
今回は映画「天気の子」の名言・名シーンをランキング形式で振り返ってみました!
いかがでしたでしょうか?
あらためてお断りしておくと、このランキングは評価を集計して算出したものではなく、完全にわたしの独断と偏見により決定したものです。
「わたしはこのセリフが好きだった!」など、みなさんのご意見・感想もぜひコメントで教えてくださいね!
さて、小説やパンフレットから拾った小ネタを挟んでいるうちに思ったより長くなってしまいました。
最後まで読んでいただき、本当にありがとうざいます!
映画『天気の子』の配信は?
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天気の子凄い感動させられたなー!
自分もどっちかと言うと須賀さんに1番感情移入していて、「てめぇらが、帆高に触んな!」っていうシーンでは泣きそうになりました
あと名言後の解説がとてもわかりやすいです!
小説読んでない自分には有難い…。
夏美さんの、帆高走れー!にはそんな思いが込められていたとは…!このサイトを読んでまた泣いてしまいました。小説読みます。
夏美さんのセリフだとアメを抱えて、
「だっさいニャ~」
も好きでした
凪の姉ちゃんを返せが無かったぁ〜
書き忘れを祈っとります。
納得!
ほかのツイッターのランキングより
俺はこれに同感!
青空よりも、俺は、ひなが良い!
世界の何よりも、1人の女性が好き
そこまで愛せる女性に出会えるって
本当に奇跡みたいな物
感動でした
小説 天気の子
ただ読んでいるだけで涙しました。
さすが新海監督自ら書き下ろしただけありますね♪
映画 天気の子
光の表現が非常にリアル!
凪くんの声可愛い!
天気なんて狂ったままでいいなんて言ったやつ誰だよ笑今こそ陽菜仕事してくれ?どうか皆様が無事でありますように。
名台詞ではないけど、俺が一番年上じゃねえかって台詞に涙しちゃいました。
私は凪くんの姉ちゃんを返せよ!と、帆高のおれがいちばんとしうえじゃねーか!って言うのが好きですね。名言化は分からないけどこのふたつのセリフで泣きましたw
「俺が一番年上じゃないか」というほだかのセリフも好きかな
自分が一番しっかりしなきゃいけないのに
全部ひなに任せっきりになってしまい
自分の情けなさに打ちのめされているシーン