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アニメ映画「打ち上げ花火」感想と解説!声優キャストが豪華!

アニメ映画「打ち上げ花火、下から見るか横から見るか」を観てきました!

期待通りのクオリティに大満足!

アニメ好きなら必見です!

今回は、アニメ映画「打ち上げ花火、下から見るか横から見るか」の感想・情報・考察などをお届けしていきたいと思います!

感想と解説

まずは、映画の基本情報をおさらいしておきましょう。

 

★あらすじ

中学一年生の典道は、クラスメイトのなずなと花火大会に行く約束をする。

ところが、なずなはその日、家出(本人曰く『駆け落ち』)をするつもりで典道を誘ったのだった。

だが、町から出る前になずなは無理やり母親に連れ戻されてしまう。

典道はただその様子を呆然と見ていることしかできなかった。

「あのとき、ああしていれば…」

典道が後悔とともに『玉』を投げたとき、時間が巻き戻り、『もしもの世界』が始まる…。

 

★補足

もともとの原作である1990年代のドラマ版や映画版にはタイムリープ的な設定はなく、どちらかといえば「行動によって変わっていたかもしれない並行世界」を順番に見せるという構成でした。

今回のアニメ映画版では、時間を巻き戻す『玉』の設定など、脚本を担当した大根仁さんによるアレンジが大胆に加えられています。

ちなみに、私は映画公開に先駆けて発売された大根仁さんによる「(アニメ映画版の)原作小説」を読んだのですが、実際の映画版はそこからさらに手が加えられていました。特に結末部分(後述)

 

 

どんな映画なの?

ざっくり言うと『ボーイミーツガール × SF × 逃避行』

物語は母親の再婚により引っ越しを余儀なくされた「なずな」が家出をすることで始まります。

なずなは気になっている男子・典道を駆け落ちに巻き込むのですが、当然ながら中学一年生同士の駆け落ちが無事に成功するはずもなく、2人はなずなの親や、なずなのことが好きなクラスメイトの祐介から追われることに。

2人は何度も失敗して捕まってしまうのですが、その度に典道は時間を巻き戻してやり直せる『玉』を使ってピンチを脱出!

しかし『玉』を使った後の「もしもの世界」はどこか歪であり、いずれは「元の世界」に帰らなければなりません。

ある夏の一日、成功するはずもない駆け落ちを続けた典道となずながたどり着く場所とは…?

 


 

結末は?(小説版との違い)

夜、逃避行の末に2人がたどり着いたのは遠い都会ではなく、地元の海岸。

2人は『玉』の力で追っ手を振り切ることには成功しましたが、それが中学一年生の2人にできる抵抗の限界点でした。

なずなは大人しく家に帰るしかないし、引っ越しするしかない…典道にもそれは止められません。

だけど、典道となずなは最後の一日を2人で過ごすことができました。

中学一年生の2人にとって、それは望みうる最高の『成果』に違いありません。

典道となずなが勝ち取ったのは、かけがえのない思い出。そして絆。

ささやかな冒険を終えて、2人は日常へと帰っていくのでした。

 

★原作小説とアニメ映画の違い

例えば、なずなと典道が「もしもの世界」の灯台から花火を見るシーン。

・小説版では「気持ち悪い」ほどグニャグニャな花火が打ちあがる

・アニメ映画版では、ありえない形だけど「キレイで素敵」な花火が打ちあがる

このように、原作小説とアニメ映画の間にも違いが見受けられます。

印象としては、全体的に小説版の方がシリアス寄りという感じですね。

※アニメ映画ではストーリーの重要ポイントであるはずの「なずなの父」の話がほぼカットされてますし

 

★結末の違い

中でも、特に小説と映画の違いを感じたのは結末の場面。

・小説…『玉』はいつの間にか消失。海に入った2人は下から打ち上げ花火を見る。

・映画…『玉』は通りすがりの酔っぱらい花火師によって打ち上げられる。海に入った2人は下から(花火のように)砕け散る『玉』の欠片を見る。

アニメ映画のラスト、典道となずな(と祐介)は『玉』の欠片の中に「ありえたかもしれないもしもの世界」を垣間見ます。

祐介が見たのは、なずなと2人で花火大会に行っていたかもしれない「もしもの世界」

そして典道となずなが見たのは、駆け落ちに成功していたかもしれない「もしもの世界」

東京にたどり着き、遊園地や観光地を回り、思いっきり楽しんで、一日の終わりにキスをする…そんな「もしもの世界」

きっとそれは、心の底で望んでいた願望の表れ。

ラストシーン。典道となずなは、海の中でキスを交わしました。

 

※ちなみに、このキスの場面も小説と映画ではニュアンスが異なります。

・小説…なずなが思いがけず典道にキスをする。典道はあたふたするばかり。

・映画…典道もなずなもお互いに求めあってキスをする。

小説の方ではなずなの方が大人びていて典道はまだ子供という印象ですが、映画の方では精神年齢的にも対等な印象を受けました。

 

★ラストシーンの解釈

実は作品のラスト、物語の「最後の一コマ」も微妙に小説と映画とでは異なります。

・小説…海でキスした後、典道が「今度会えたら、好きだと伝えよう」と決意して終わり

・映画…夏休み明け、典道となずなのいない教室のシーンで終わり

映画のラストシーンには想像の余地がありますが、私は「典道がなずなを見送りに行っている」、あるいは「典道がなずなのもと(引っ越し先)に向かっている」と解釈しました。

小説版の結末からは「2人が再会するのは少なくても数年後。あるいはもう再会しないかもしれない」という印象を受けましたが、映画版のラストからは「2人が再会する日は遠くない。というか今、2人は会っているのでは?」という印象を受けます。

なんとなく、よりハッピーエンドな感じになっているように思えるので良かったです。

 


 

典道となずなの関係について

映画「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」の何が良いって、主人公とヒロインの関係性だと思うんですよ!

例えば「君の名は」の場合、主人公は高校生(=異性が気になる年ごろ)であり、恋愛は身近なものでしょう。

しかし「打ち上げ花火」の場合は、主人公もヒロインも中学一年生!(原作では小学生)

恋に憧れることはあっても、「異性と付き合う」ということの意味もよくわからないような年頃です(特に男子は)

つまり、典道となずなの関係は恋愛対象としての「両想い」とはまた少し違ったものだと思うんですね。

「友達以上恋人未満」と言ってもいいのですが、個人的には「友達や恋人といった区別のない『好き』を通わせ合う関係」と表現した方がしっくりきます。

まだ「子供」の面影を残した少年少女である2人は、その時期にしかない『純粋さ』を持っていると思うんですね。

典道やなずなが抱く相手への「好き」は、そんな純粋さから生まれた気持ちであり、高校生や大人が異性に対して抱く「好き」という感情とはまた別物だと私は考えます。

そして、人生の中で一瞬しか持ちえない「純粋な好意」は、とてもノスタルジックで、とても美しいものだと思うんです。

映画「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」は、そんな大人が失ってしまった「少年少女の頃の純粋な気持ち」を見事に表現しているからこそ、人の心を惹きつける良作になっているのだと思いました。

ちなみに、映画の中で印象的に使われている英語歌詞の曲のタイトルは「Forever Friends」

海の中で2人がキスするシーンでも、この曲が流れていましたね。

キスという行為は「恋愛」を想起させますが、あの場面のキスは友情や信頼、絆の証としての行為だったのかもしれません。

 

ついでに、祐介について。

原作ドラマや小説からは「祐介は実際のところ、なずなのこと好きなの?」という部分がイマイチわからなかったのですが、アニメ映画版では完全にクロ(好き)でしたね。

最初、祐介がなずなの誘いをすっぽかしてしまったのは、照れや見栄によるものだと思われます。

まあ、彼も中学一年生ですから簡単には素直になれないわけです。

本心では女子のことが気になっていても「別に興味ないし!」とかつい言っちゃうような年頃なのです(笑)

(愛すべき)バカですね~。

とはいえ、典道とは別の意味で実に中学一年生らしい態度をとった祐介の存在は、作品にとってなくてはならないものでした。

彼の存在があったからこそ、作品を包む「子供の面影を残す少年少女たち」の雰囲気(≒世界観)が際立っていたと言ってもいいでしょう。

結果としては引き立て役(あるいは当て馬)に甘んじた祐介でしたが、実にいい仕事をしてくれました。

 


 

映像と音楽

『映像と音楽の美しさ』

映画「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」を語るうえで、この点を外すことはできません!

シャフト制作なので、映像はまあ「化物語シリーズのあの感じ」と言えば伝わる人には伝わるでしょう。

もしかしたら好みがわかれる作画なのかもしれませんが、私は好きでしたし単純に「キレイだな」と思いました。

特にタイトルにもある花火の表現や、プールや海など「水」に関する表現はキレイでしたね。

※あと、なずなちゃんが「これでもか!」というくらい可愛い!奥菜恵さんが演じた原作ドラマのなずなに負けていません。

 

続いて音楽について。

米津玄師さんによる主題歌「打上花火」やDAOKOさんによる挿入歌「Forever Friends」も世界観にすごくマッチしてすごく良かったのですが、注目したいのは歌詞のないBGMの良さ!

「サントラ買うべきか」と思わせるほどのクオリティはもちろん、使われるタイミングや、そのシーンとのシンクロ率も素晴らしく、作品全体のクオリティを1段も2段も上げていました。

音楽を担当されている神前暁さんは「化物語シリーズ」他、数多くの人気作品のBGMや主題歌を担当されている方ですね。

これから映画を観られる方は是非BGMにも注目(注耳?)してみてください!

※あと、作中ではなずな(CV.広瀬すず)が松田聖子さんの「瑠璃色の地球」を歌っています。なかなかレアな歌声だと思うので、そちらにも注目です。

 


 

声優キャストが豪華すぎる!

映画「打ち上げ花火、下から見るか横から見るか」の声優キャストは以下の通り!(敬称略)

及川なずな…広瀬すず
島田典道…菅田将暉
安曇祐介…宮野真守
なずなの母…松たか子
純一…浅沼晋太郎
三浦先生…花澤香菜
和弘…豊永利行
稔…梶裕貴
なずなの母の再婚相手…三木眞一郎
光石先生…櫻井孝宏
典道の母…根谷美智子
典道の父…飛田展男
祐介の父…宮本充
花火師…立木文彦

いや、豪華すぎでしょ!

菅田将暉、広瀬すず、松たか子という芸能人キャストはもちろん、プロの声優キャストがホントもうオールスターズ!

準主役である祐介役とかならまだしも、冒頭の一瞬しか登場しない典道の父に飛田展男とか、やはりほぼ出番のない先生カップルに花澤香菜・櫻井孝宏とか「え、そんな豪華キャストをそんな端役に当てていいの!?」という感じ。

アニメファンなら「どこかで聞いたことある声だ!」とピンとくる声ばかりで、当然ながら「声」に関して不満は何一つありませんでした。

また、主人公&ヒロインの声に関する個人的な感想は次の通り。

「意外に広瀬すずの声はハマってるな…!可愛い!一方、菅田将暉は…合ってるのか、これ?いや、聞いているうちに合ってるような気がしてきた…!」

最初、中一の男子にしては菅田将暉さんの声が野太すぎるように感じたのですが、違和感は見ているうちに消えていきました。

きっと演技が良かったからでしょうね。

一方、広瀬すずさんの声は「まさにそれ!」と膝を叩きたくなるほど「なずな」にピッタリで驚きました!

可愛さ。純朴さ。少女らしさ。

そんな「なずな」を構成する要素を内包した「声」でした。

個人的には「バケモノの子」のヒロイン・楓の声も好きでしたし、広瀬すずさんの今後の声優活動にも注目していきたいと思います。

 


 

まとめ

今回は映画「打ち上げ花火、下から見るか横から見るか」の感想や解説をお届けしました。

・世間のしがらみから逃げようと「駆け落ち(逃避行)」する中学一年生の少年少女

・時間を巻き戻してやり直しができる『玉』と、どこか歪な「もしもの世界」

・駆け落ちが無理だと知りつつ、最後の一日を一緒に過ごしたいと願う少年少女の純粋な気持ち

どこか懐かしく、そしてとても美しい作品でした。

主人公たちの年齢は中学一年生ですが、子供向けというより「少年少女の頃の気持ちを忘れてしまった大人向け」という印象。

夏の思い出になる、素敵な映画です。

映画の配信は?

打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?
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※配信情報は2020年6月時点のものです。最新の配信状況は各サイトにてご確認ください。

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