「空の青さを知る人よ」どうでしたか?
私はもう大大大満足でした!
「あの花」「ここさけ」に続く作品として、期待を裏切らない名作だったと思います。
というわけで!
今回は「空の青さを知る人よ」の感想を書きつつ、ちょっと気になった点についても考察していきたいと思います!
※「まだ見てないよ!」という方はこちらで内容をチェック!
「空青」考察
今回、考えていきたいのは次の2点です。
- タイトルの意味は?
- 生霊(しんの)ってなんだったの??
どちらも「あー、そういうことだよね」と感覚的には納得できてるんですが、言葉にしようとすると「えーっと、だから……」と詰まってしまいます。
なので、ちゃんと言葉で説明できるようにまとめていきたいと思います!
タイトルの意味は?
もちろん元ネタは『井の中の蛙、大海を知らず。されど空の青さを知る』ということわざですね。
前半部分だけで使われることが多いことわざですが、それもそのはず。
後半部分はあとからつけ足されたもので、出典の『荘子』にはない言葉です。
そうでした! 話を元に戻しましょう。
「空青」における『井の中の蛙(以下略)』はあかねの好きな言葉として登場します。
両親を亡くし、幼い妹のために東京行きを諦めたあかねの身の上に重ね合わせると、
『井の中の蛙』=『地元から離れられないあかね自身』
と読み解くことができそうです。
山に囲まれた牢獄みたいな町、というあおいの表現にもなんだか当てはまりますね。
では、後半部分についてはどうでしょう?
あかねは義務感であおいの面倒を見ることを選んだのではなく、自ら望んで、恋人(しんの)との未来を諦めてまであおいと一緒にいることを選びました。
だって、たった一人の家族ですから。
年の離れた妹が可愛くないはずがありません。
つまり、
『あかねにとっての空の青さ』=『あおい』
ということですよね。
つなげて文章にすると、
「あかねは広い世界には出られなかったけれど、本当に大切なあおいと一緒にいられる幸せを知っている」
といったところでしょうか。
映画のタイトルは「空の青さを知る人(=あかね)よ」なので、慎之介からあかねへの語りかけのように見受けられます。
というか、具体的には終盤の慎之介のこのセリフがすべてを物語っていますよね。
「よかったよ。妹を一番大切にできるあかねを好きになってよかった」
- 慎之介からあかねへの気持ち
- あかねからあおいへの気持ち
「空の青さを知る人よ」という短いタイトルの中には、そんな登場人物の大切な想いが込められているのではないでしょうか。
◆
一方、『井の中の蛙、大海を知らず。されど空の青さを知る』ということわざは《しんの》にも当てはまっているように思われます。
簡潔にまとめると、こんな感じでしょうか。
「まだ世間の厳しさを知らないけれど、絶対に夢は叶うという自信を持っている」
そんな高校生の《しんの》と関わることで、あおいや慎之介は『本当に大切なもの』に気づきます。
特に慎之介は《しんの》のおかげで
- もう一度、音楽の道で成功するという夢を見ること
- あかねへの気持ちを素直に伝えること
ができました。
そういう意味ではタイトルの『空の青さを知る人』には《しんの》も含まれているのかもしれませんね。
生霊(しんの)ってなんだったの?
結局、お堂にいた《しんの》はどういう存在だったのでしょうか?
《しんの》の最後の記憶は、あかねに東京行きを断られた日のものでした。
その夜、慎之介(しんの)は悩んだ末に『ビッグなミュージシャンになってあかねを迎えに来るんだ』と決意します。
その決意の証として、慎之介は『あかねスペシャル』さえもお堂に置いていきました。
おそらく、このときの慎之介の強い意志がまるでコピーのようにお堂、あるいは『あかねスペシャル』に焼きついていたのでしょう。
「そんなバカな!」という思いもありますが、ほら、お堂って霊的な場所ですし。
《しんの》がお堂から飛び出した時、『あかねスペシャル』が一緒に吹っ飛び、弦が切れていたのも、
「そこに《しんの》が縛られていたから」=「慎之介があかねスペシャルに《想い》を残していたから」
と考えると、納得ができます。
あおいはずっとお堂でベースの練習をしていたのに、そこに《しんの》はいませんでした。
タイミング的に《しんの》は慎之介が帰ってきたことで現れたと考えてよいでしょう。
ただ《本体》に反応して現れただけか。
それとも、かつての決意を忘れてやさぐれてる31歳の金室慎之介にもう一度あの時の気持ちを思い出させるためか。
本人もわかっていなかったようですが、《しんの》が突然肉体をもって現れた理由はそんなところではないでしょうか。
あるいは、地元の若者を見守ってきたお堂や、『あかねスペシャル』自身が慎之介を導くために《しんの》を遣わせたのかもしれませんね。
「空青」感想
小説版「空の青さを知る人よ」のあとがきに、こんな一文があります。
アニメの世界なのに、登場人物の誰一人として、この世には存在していないはずなのに、現実を生きる私たちに向かって実に生々しい刃が不意に飛んでくる。
切られて悲鳴を上げている私たちに「いやいや、傷つきながら生きていきなさいよ」と投げかけてくるのが岡田磨里さんの物語でした。
思わず「それな!」と膝を叩きました。
- 切ない
- 泣ける
- 感動する
もちろんそういう感想もどっさりあります。
あおいの片思いが切なくて、もらい泣きもしました(あおいちゃんマジ頑張った!)
ただ、それはあくまで観客(第三者)としての感想です。
私にとって「空の青さを知る人よ」はなんというか他人事じゃない物語で、それこそ『生々しい刃』がバシバシ飛んできて、自分自身のことについて考えさせられました。
大人にこそ見てほしい!
「あの花」「ここさけ」では青春ど真ん中にいる若者が主人公でした。
それに対して「空の青さを知る人よ」のメインは31歳の慎之介でありあかねです。
私がちょうど同世代だからか、今回、もうビックリするほど慎之介への感情移入が止まりませんでした。
だって、ちょっと想像してみてください!
高校生の頃の自分が現れて「わたしはどんな大人になったんだろう?」という目でこっちを見てくるんですよ!?
しんのと同じように、未来は輝かしいものだと信じて疑ってない頃の自分が、ですよ!?
いったいどんな人なら「安心しろ! 君の願いは何もかも叶う!」と言えるのでしょう。
私なら「やめてー! こっち見ないでー!」って感じで全力で目を逸らしてしまうに違いありません(言ってて哀しくなる)
それでもって、もしも《しんの》みたいに
「将来、お前になってもいいかもしんねえって、思わせてくれよっ!」
なんて言われた日には、完全にKOです。
そんな場面がどうしても脳裏に浮かんできて、『生々しい刃』が胸にグサーっ!と突き刺さってきました。
正直、「うっ」と声が出そうになるくらいに胸が苦しかったです。
ただ、本質は『そこから』でした。
もし、高校生の自分にガッカリされるような自分になってしまっているのなら、変わらなきゃいけないんですよね。
慎之介のように「現実は甘くない」なんて言ってないで、ちゃんと「やりたいこと・やるべきこと」をしっかり見据えて、一歩ずつ前に進んでいかなきゃいけないんですよね。
わかってます。
言葉でいうほどそれが簡単なことじゃないくらい、重々承知しています。
でも、それでも、ハッと目が覚める思いがしました。
もしかしたら《しんの》に喝を入れられた慎之介もこんな気持ちだったのかもしれません。
- 高校生の自分にガッカリされない自分になれているか?
- どうすれば高校生の自分に胸を張れる自分になれるか?
アラサー世代以上の大人にとって、「空青」は冗談抜きで生き方を見つめなおす機会になると思います。
……なんて書くとちょっと脅しがすぎるようですが、ホントにいろいろと考えさせられる映画なので、ぜひ大人世代の方々にも広く見てほしいな、と思います。
まとめ
今回は「空の青さを知る人よ」の感想と考察をお届けしました!
意識して使わないように気をつけていたのですが、
感想は、
めっちゃエモかった!
の一言に尽きます!(笑)
「あの花」「ここさけ」で感動した私のツボには直球でストライクでした。
「空青」はこれまでの作品よりも大人の胸にグサーっ!と突き刺さる方向のエモさなので、
- これまでのアニメ見てないよ
- ふだんあんまりアニメ見ないよ
- 天気の子がおもしろかったから
という大人世代のみなさんに強くおすすめしたいですね。
「もう見たよ!」という方は、ぜひ「空青」の感想や考察など、コメントで教えてくれると嬉しいです。
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