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映画「空飛ぶタイヤ」のモデルになった三菱自動車の実話とは?

      2018/06/13

こんにちは、若竹です。

長瀬智也さんが主演することでも注目されている映画「空飛ぶタイヤ」

原作は池井戸潤さんの小説ですが、実は実話がモデルになっていることをご存知ですか?

作中に登場する大手ホープグループに連なる一企業「ホープ自動車」のモデルは「三菱自動車」

時間軸など、もちろん細部は異なりますが、それでも大筋では「空飛ぶタイヤ」はかなり実話に近い内容を描いています。

そこで今回は映画「空飛ぶタイヤ」のモデルとなった三菱自動車の事件について解説し、作品との違いについても検証していきたいと思います!

 

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映画「空飛ぶタイヤ」のモデルとなった三菱自動車の実話とは?

「空飛ぶタイヤ」の物語は1つの自動車事故から始まります。

加害者は運送会社に勤めるトラック運転手、亡くなった被害者は何の罪もない若い母親。

自動車メーカーが事故調査をした結果、原因は『整備不良』と断定。

運送会社は「整備はちゃんとしていた。再調査してくれ!」と訴えますが、自動車メーカー側はこれを一切受け付けません。

ところが、実は自動車メーカー側は車両に欠陥があると知っていながら、それを隠していたのでした。

…というのが「空飛ぶタイヤ」のあらすじですね。

恐ろしいことに、これはほぼ実話です。

 

交通事故が起きた時、考えられる原因は(被害者側の不備や環境条件を除き)大きく3つ。

1.運転手のミスや不注意など(人的原因)

2.車両の整備不良(加害者側が会社の場合、企業責任)

そして

3.車両自体の欠陥(製造側の責任)です。

交通事故の原因が「車両の構造的欠陥」にある場合、当然他の同型車でも同じ事故が起こる可能性があります。

その場合、製造元の自動車メーカーは『リコール(※)』を発表しなければなりません。

※リコール…設計や製造段階を原因とする不具合が特定の自動車に発見された場合、メーカーがその事実を発表し、該当する製品を無料で修理をする制度

ところが、自動車メーカー側から見れば多額の経済的損失(と社会的信用の低下)を伴うリコールは、非常によろしくない。

それでも道義的・社会的責任からリコールを発表するのが当たり前なんですが、かつての三菱自動車はこのリコールをなんと隠してしまったんですね。

通称『三菱自動車リコール隠し事件』

この事件こそ「空飛ぶタイヤ」のモデルです。

 

※「空飛ぶタイヤ」の詳しいストーリーはコチラでチェックできます!

関連記事:「空飛ぶタイヤ」のあらすじとネタバレ!感動の結末とは?

 

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三菱自動車リコール隠し事件とは?

前述のとおり、自動車メーカーが自社の車両に欠陥を発見した場合、国土交通省に届け出て、リコールを行わなければなりません。

ところが三菱自動車はリコールすべき車両の欠陥を把握していながら、それを隠ぺい。

2000年、内部告発によってその事実が世に出るまで、およそ23年間(1977年~)の長きにわたって「リコール隠し」を行っていました。

社内に隠していたクレーム情報は約70万台分。

その中には、あのパジェロを始めとした乗用車に関する欠陥情報も含まれていました。

三菱自動車は車両のクレームに対して、国交省に届け出ることなく自社で改修する「ヤミ改修」を行い対応。

しかし、それでは根本的な解決にはなりません。

当然の帰結として、三菱自動車製の車はいくつもの事故を引き起こしました。

中には被害者が亡くなるケースもありましたが、それでも三菱自動車はリコールを届け出ませんでした。

 

★「三菱自動車リコール隠し」はどうなったのか?

2000年に発覚した「リコール隠し」では調査対象期間が過去2年間に限定されたため全貌は明らかにならず、氷山の一角のみが露見するにとどまりました。当時の社長が引責辞任したものの、三菱自動車は隠した欠陥への対策を講じず。

当然の結果として、その後も「空飛ぶタイヤ」のモデルとなった横浜市の事故などが発生し続けました。

2004年、三菱自動車のトラック・バス部門「三菱ふそう」に2度目のリコール隠しが発覚。

辞任した前社長を含む経営上層部が逮捕、起訴される事態となりました。

なお、刑事裁判においては、すべて三菱側に有罪判決が下されました。

 

この事件を受けて、三菱自動車の社会的信用度は地に落ちました。

販売台数は激減。筆頭株主には資本提携を打ち切られています。

経営状況はみるみる悪化し、一時は廃業の危機に追い込まれました。

しかし、三菱グループからの救済を受けたことにより、三菱自動車はなんとか再建。

会社は存続していきました。

 

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池井戸潤「空飛ぶタイヤ」との違いは?

事実と「空飛ぶタイヤ」で最も異なるのは時系列と期間。

ちょっと比べてみましょう。

・現実…内部告発により一度目のリコール隠し発覚(2000年)→横浜市の事故発生(2002年)→トラックバス部門で二度目のリコール隠し発覚(2004年)

・「空飛ぶタイヤ」…事故発生→内部告発→リコール隠し発覚(一連の流れは数か月内の出来事)

「空飛ぶタイヤ」では短期間の出来事として描かれていた一連の流れは、実際には数年越しの出来事だったんですね。

また「空飛ぶタイヤ」では一度目のリコール隠しは描かれておらず、作中では代わりに「(ホープ自動車は)過去に粉飾決算で社会的信用度を落としている」という設定になっています。

 

★事故に関する顛末の違い

大型トラックのタイヤが脱落し、若い母親が命を落とした。事故原因についてメーカー側は「整備不良」と結論付けたが、実際には「ハブ」という部品に関する欠陥であり、リコール対象案件だった。

…大筋としてのこの流れは「空飛ぶタイヤ」と現実とで共通しています。

ただし、現実は物語のように奇跡的ではありません。

「空飛ぶタイヤ」では最終的に責任をかぶされた赤松運送の容疑が晴れ、倒産を回避。ホープ自動車は他社(セントレア自動車)に吸収されました。

一方、現実では責任をかぶされた運送会社は廃業。三菱自動車はグループの支援を受けて存続し続けました(ただし2016年には日産自動車が筆頭株主になっています)

なお、作中では事故車を運転していたのは「赤松運送の若い社員(安友)」だったのですが、実際には運転していたのは社長自身。

三菱自動車が欠陥を認めるまでの間、社長には中傷や嫌がらせが続いていたそうです。

 

★おまけ:「空飛ぶタイヤ」ぶ登場する用語について

・事故を起こしたトラックの車種は「ドリーマー」(実際には「ザ・グレート」)

・ホープ自動車(実際には三菱自動車)

・リコール隠しに関する上層部会議「T(タイヤ)会議」(実際には横浜市の事故を検討するため「マルT対策本部会議」が開かれた)

 

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まとめ

池井戸潤原作「空飛ぶタイヤ」が映画化!

今回は作品のモデルとなっている三菱自動車の実話についてまとめてみました。

原作小説やドラマ版を見るとよくよく感じることなのですが、車両の欠陥によって被害者が命を落としている以上、メーカーは第二の事故を防ぐためにも、すみやかにリコールを発表するべきなのです。

経済的損失・経営的マイナスを理由に、勝手にリコールを隠すことなどあってはなりません。

私は原作を読み、そしてそれが実話をモデルにしていると知り、強い憤りを感じました。

2004年に二度目のリコール隠しが発覚した三菱自動車ですが、実はその後も複数の案件でリコール隠しをしていたことが発覚しています。

なんというか、唖然としてしまいますよね。

私たちはつい「大企業」というブランドに対して無条件に信用を寄せてしまいがちですが、それもちょっと危ないのかもしれません。

「空飛ぶタイヤ」はそんな教訓をも教えてくれる作品でした。

 

…とはいえ、もちろん映画「空飛ぶタイヤ」の見どころはそれだけではありません!

・大企業に対して果敢に立ち向かっていく中小企業社長・赤松の勇気

・自身の立場をも顧みず、内部告発に踏み切った社員・沢田の決意

・苦境にあるからこそ見えてくる本当の絆。大切な社員たちや家族との結束

正直、私はドラマ版「空飛ぶタイヤ」を見て号泣してしましました。

きっと映画版でも号泣するのだと思います(笑)

熱い経済ドラマでありつつ、ヒューマンドラマとしても一流!

映画「空飛ぶタイヤ」は2018年公開です!

 

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 - 小説, 映画

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