今さら「白い巨塔」知らないなんて言えない!
というわけで、2003年の唐沢寿明版ドラマを一気に見ました。
まずは一言いわせてください。
原作小説が全5巻という一大巨編なら、ドラマ版も全21話(半年ぶん)とちょっとした大河ドラマレベル。
そのぶん最終回にはめちゃくちゃ感動しましたが、他の人におススメするにはちょっと長すぎる……。
というわけで今回は名作「白い巨塔」の物語をわかりやすくコンパクトにご紹介していこうと思います!
※結末までのネタバレを含みます。ご注意ください。
よくわかる白い巨塔
権謀術数うずまく大学病院内の人間関係。
清潔で誠実な病院のイメージはうわべだけ。
その内部では『次期教授』の席を巡るドロドロの権力争いが繰り広げられています。
われらが主人公・財前五郎もまた教授の席を狙う医師のひとりです。
土下座、わいろ、脅迫。
教授選に勝利するためなら、財前は手段を選びません。
どんなに情けなくても、どんなに汚い手を使っても、勝てばいい。
ときには目の前の患者より教授選を優先することさえありました。
選挙結果
教授選の結果は、財前の勝利。
手段を選ばない裏工作のおかげで、財前はみごと教授の座を手中に収めたのでした。
もともと天才的な医師だった財前は内外で高く評価され、新しく設立されるがんセンターの所長にも内定。
「財前教授の総回診です」
大切なものをいくつも失いながらも、財前は念願の権力を手にしたのでした。
誤診
栄枯盛衰は世の常。
もはや敵なしかと思われた財前でしたが、思わぬ出来事に足をすくわれます。
『医療ミス』
財前が手術を担当した患者(佐々木庸平)が亡くなったのです。
手術の際、財前は「がんが転移しているかもしれない」という周囲の声に耳を貸さず、転移を調べるための検査を行いませんでした。
しかし、がんは転移していたのです。
患者の容体が急変したとき、財前は国際外科医学会に出席するためポーランドにいて不在。
帰国と同時に、財前は患者の息子に「お前が父を殺したんだ」と言われてしまいます。
裁判
佐々木の遺族が財前を訴えたことで、裁判が始まります。
鍵になるのは医療ミスの証拠と関係者の証言。
財前は証拠を隠滅し、病院関係者の口を封じることで身を守ります。
その結果、第一審では財前が勝利。
とはいえ遺族が控訴したため、裁判はまだ続きます。
決着
続く裁判では財前に逆風が吹きました。
原告側に立つ里見脩二と東貞蔵(※後述)
口止めしていたスタッフの寝返り。
見落としていた証拠「術前説明」
わが身を顧みず「明日の医療のために」と財前の不正を指摘する人々の勇気と正義によって、判決は逆転しました。
財前五郎が負けたのです。
里見脩二は財前の親友でありライバル。
財前とは正反対の患者に寄り添う医師です。
大学病院にいられなくなると覚悟の上で、里見は裁判で原告側(患者側)に味方しました(後に辞職し、別の病院へ)
東貞蔵は財前の恩師。
また、財前の前の教授でもあります。
東は野心家である財前のことをよく思っておらず、現在では敵対関係にあります。
病魔
裁判の直後、財前は倒れてしまいます。
診断は末期がん。
もはや手術で助かる段階を越えていて、余命もわずか。
周囲の人々はそのことを隠そうとしましたが、財前は信頼できる里見に頼んで本当のことを教えてもらいます。
財前「そうか。僕も同じ診断だよ」
結末(最終回)
目前に迫った命の終わり。
財前はこれまでの人生を振り返りながら「無念だ」と涙を流します。
財前「僕は間違っていたのか。患者に向き合わなかった。だが、真剣にやってきた。最高の病院をつくるため、多少手段は選ばなかったが、それはそんなに責められることなのか」
再び倒れる財前。
これまで関係を築いた人々に見守られながら、財前はベッドの上で途切れ途切れ言葉を発します。
財前が夢に見ているのは『理想の世界』
里見をがんセンターの内科部長に迎え、佐々木(亡くなった患者)もそこへ迎え入れて……。
財前「ふたりで……ふたりで……里見……」
それが、財前の最期の言葉でした。
財前五郎、永眠。
「五郎、よく頑張ったね。ご苦労様でした」
旅立った息子に、財前の母・きぬはそう声をかけました。
手紙
財前は里見に手紙を残していました。
手紙の内容は「これからのがん治療について」
財前は里見を優秀な医師と見込んで「これからの医療を頼んだ」と手紙の中で伝えます。
君にはがん治療の発展に挑んでもらいたい。
遠い未来に、がんによる死がこの世から無くなることを信じている。
ひいては僕の屍を病理解剖のあと、君の研究材料の一石として役立ててほしい。
なお、自らがん治療の第一線にあるものが早期発見できず、手術不能のがんで死すことを心より恥じる。
<白い巨塔・完>
「白い巨塔」の感想
なんといっても主人公の財前五郎が魅力的!
やってることは完全に悪役だし、どっちかといえば里見の方が主人公っぽいんですが、それでも個人的には財前が一番好きでした。
貪欲に権力を求めるのは「病院をよくしたい」という思いがあったからこそ。
目の前の患者を何より大事にする里見とは真逆に見えて、財前は財前で大局的な視点で医療を良くしようと思っていたんですよね。
「手段は悪人だけど、目的は立派」というか。
他人には理解されにくい財前の「医療に対する情熱」に心打たれました。
なりふりかまわず、他人の目も気にせず……なんて誰にでもできることではありませんよね。
ドロドロとした『白い巨塔(=病院)』の世界に染まってやや当初の理念を忘れているようにも見えた財前ですが、最終回の手紙に書かれていた内容は「立派な医師」そのものでした。
政治に翻弄され、荒波の中でもがきながらも、最後まで一心不乱に戦い続けた男。
財前はそんな尊敬できる医者でした。
【おまけ】2003年と2019年のキャスト比較
「白い巨塔」はキャストがめちゃくちゃ豪華!
というわけで2003年版と2019年版の一部キャストを比較してみました。
役名 | 2003年 | 2019年 | 備考 |
財前五郎 | 唐沢寿明 | 岡田准一 | 主人公 |
里見脩二 | 江口洋介 | 松山ケンイチ | 財前のライバル |
花森ケイ子 | 黒木瞳 | 沢尻エリカ | 財前の愛人 |
財前又一 | 西田敏行 | 小林薫 | 五郎の義父 |
東貞蔵 | 石坂浩二 | 寺尾聰 | 財前の恩師 |
鵜飼裕次 | 伊武雅刀 | 松重豊 | 医学部部長 |
柳原 | 伊藤英明 | 満島真之介 | 第一外科・医局員 |
佃(つくだ) | 片岡孝太郎 | 八嶋智人 | 第一外科・医局長 |
佐々木庸平 | 田山涼成 | 柳葉敏郎 | 亡くなった患者 |
関口徹 | 上川隆也 | 斎藤工 | 原告側の弁護士 |
国平幸一郎 | 及川光博 | 山崎育三郎 | 財前側の弁護士 |
まとめ
今回は名作「白い巨塔」の物語を簡単にご紹介しました!
ざっくりまとめると前半は「教授選」編で、後半は「裁判」編という構成ですね。
選挙に勝って栄華を極めたかのように思われた財前が、最後には裁判で負け、志半ばにして命まで燃え尽きる……。
「白い巨塔」はまさに財前五郎という男の人生そのものを描いた作品だと言えるでしょう。
もともと山崎豊子さんの原作は途中で完結する予定で、裁判後半からの物語は追加されたものなんだそうです。
私はドラマの最終回で思いっきり泣いた口なので、山崎豊子さんが続編を書いてくれてよかったと心から思います。
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こんにちは。
おまけのキャスト比較の表で、
財前の本妻、
2003年…若村真由美
2019年…夏帆
も外せないのではないでしょうか…?!(*^^*)
里見が、財前に対して、
「僕は君を助けたいんだ、
それが無理なら、せめて君の不安を受け止めたいんだ」
あのシーンは何回見ても泣けます。
僕に不安はないよ里見、ただ…
……(ぐっと涙を堪え)はぁ、すまん、ただ…無念だ
ドクターX教授の開発したSLD-MAGICすごいよな。