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ドラマ『キワドい2人 K2』原作小説のあらすじネタバレ!

横関大『K2 池袋署刑事課 神崎・黒木』を読みました!

ドラマ「キワドい2人-K2-」の原作小説ですね。

連作短編集なので、小説の段階ですでに1話完結のドラマのような構成になっていて、短くまとまったミステリがおもしろかったです。

ただ、原作小説とドラマでは決定的に違う部分もあります。

今回は

  • ドラマと原作小説の違いは?
  • 小説の内容や結末は?

といったネタバレ解説をお届けします!

ドラマと原作小説の違いは?

これは本当にビックリしたのですが、原作小説において神崎と黒木は異母兄弟ではありません。

警察学校時代の同期で、同じ池袋署刑事課の同僚で、10年来の親友。

二人の関係は親密なものではあるにせよ、血のつながりは一切ありません。

『異母兄弟』という設定はドラマオリジナルのものなんですね。

※ドラマ公式サイトで原作者すらそのことに触れていないのはいったいなぜ……?

ただ、だからといって(原作小説において)神崎と黒木がまったくの赤の他人かと言われれば、実はそれもちょっと違います。

小説のラストでは、二人の意外なつながりが発覚します。

小説のネタバレ

神崎と黒木の因縁は『22年前の立てこもり事件』に端を発します。

犯人は薬物中毒の男で、まだ幼い実の娘を人質にして逃走しようとしているクズ男でした。

そして、黒木少年もまた立てこもりの現場に居合わせた人質の一人でした。

黒木少年はなんとか少女(犯人の実の娘)を助けようと、勇敢に犯人に立ち向かいますが、悲しいかな大人と子どもでは力の差は歴然。

あえなく力負けしてしまいます。

しかも、黒木少年が助けようとした少女はもみあいのなかで階段から転げ落ち、耳に後遺症が残る大怪我を負ってしまって……。

少女を守ることもできず、犯人に代わりの(逃走用の)人質にされてしまった黒木少年。

そんな黒木少年を助け出し、犯人を逮捕したのは、刑事だった神崎の父親(神崎隆造)でした。

つまり、黒木にとって神崎は『命の恩人の息子』だったわけですね。

やがて黒木少年は警察官を志すわけですが、そこには2つの理由がありました。

  • 神崎(父)に恩を返すため
  • 少女(犯人の娘)を守るため

黒木の2つの目的は小説のラスト、第6話と第7話で果たされることになります。

このあと小説各話の内容についても書いていますので、よければチェックしてみてください。


小説「K2」各話のあらすじネタバレ

第一話「勲章」

あらすじ

「ペットの猿が逃げたから、探してほしい」

なんとも珍しい通報から一週間後、通報者であり猿の飼い主でもあった池田秀典が何者かに殺された。

被害者はホストクラブのオーナーであり、自宅の金庫には売り上げが保管されていた。

おそらくは金目当ての犯行だろう。

猿は防犯のために飼っていたというから、犯人によって盗まれていたのかもしれない。

ネタバレ

実のところ、猿は盗まれてなどいなかった。

被害者は株取引で大きな損失をしていて、その埋め合わせのために狂言強盗を計画していた。

つまり、売り上げが盗まれたことにして、その保険金を手に入れようとしていたのだ。

ところが、共犯だった芳村という男が裏切った。

結果として被害者は命を奪われ、金は芳村が奪っていったのだった。

なお、猿は被害者自身が愛人に預けていた。

(被害者は猿が盗まれたという事実によって狂言強盗の真実味を補強しようとしていた)

補足

事件解決の決め手となったのは黒木が情報屋から手に入れた情報だった。

情報屋にとって、黒木のために働くことこそが誇りであり、なによりの『勲章』だった。

(ちなみに、黒木もホストクラブに潜入して独自に情報収集していた)

第二話「失態」

あらすじ

週末の池袋の夜。酔っ払いの暴行事件。

加害者は……池袋署の現職警察官!?

現場に落ちていた携帯電話が、地域課所属・川浪芳樹の犯行を匂わせている。

しかし、困ったことに川浪は飲みすぎて記憶がないという。

さらに、なぜか救急車で運ばれた被害者も病院から消えてしまい……?

ネタバレ

川浪はシロだった。

暴行事件は被害者の自作自演であり、川浪にかつて捕まえられた窃盗犯による復讐だった。

だが一方で、川浪の「酔って記憶がない」という証言も嘘だった。

その夜、池袋署の柔道エースである川浪は、城東署のエースである大学の先輩から柔道大会での八百長を頼まれていたのだ。

「どうすればいいかわからない」

悩む川浪に、黒木が言う。

「簡単なことだ、川浪。死んでも勝て」


第三話「幽霊」

あらすじ

引っ越したばかりの黒木の家に幽霊がでるという。

すすり泣く女の声の正体とは?

ネタバレ

幽霊の正体は換気扇にセットされていたポータブル再生機だった。

仕掛けた犯人は部屋を管理する不動産会社の男。

かつて部屋には男の恋人が住んでいたが、彼女は自殺してしまった。

男は亡き恋人の思い出を守るために、部屋から黒木を追い出そうとしたのだった。

どんでん返し

……というのは男が用意したニセモノのストーリーだ。

真相は違う。

まず、恋人は自殺などしていない。

本当は男に殺されたのだ。

男は他の女性と浮気していて、恋人のことが邪魔になった。

しかし、婚約までしていた恋人は別れることを許さない。

そこで男は命を奪うことを選んだのだった。

男が部屋から黒木を追い出そうとしたのは、万が一にも証拠が見つからないようにするためだった。

イヤミスな結末

恋人は男の犯行を示す証拠を残していた。

男が来る直前に、友人にSOSを送っていたのだ。

しかし、同じ職場で働くその親友こそ、男の浮気相手だった。

第四話「力走」

あらすじ

警察学校時代に起こった事件。

富田という同じ教場(クラス)の仲間の座席に、菊の花が飾られていた。

幼稚なイタズラに憤慨した黒木は、富田や神崎を巻き込んで犯人探しを始める。

ネタバレ

実のところ、すべては黒木が仕組んだことだった。

それは、犯人探しの『結果』を見れば明らかだ。

紆余曲折の末、中止されようとしていた体育祭はマラソン大会に変更された。

生粋のランナーである富田は走り方の指導を頼まれるようになり、いつのまにか退職するという話も消えていた。

黒木は教場で孤立していた富田のために、ありもしない事件をでっち上げたのだった。

補足

黒木たちの教場は、戦力的に体育祭での優勝が望めなかった。

しかし、マラソン大会となれば話は違う。

事実、富田を有する黒木たちの教場はマラソン大会で優勝した。

もしかしたら黒木は、富田を救うだけではなく、同時に教場を優勝させようとしていたのかもしれない。


第五話「祝儀」

あらすじ

1週間後に結婚を控えた神崎を、黒木が呼び出した。

「祝儀をやるよ」

そう言って美人をナンパする黒木。

神崎は仕方なく調子を合わせることに。

しかし、黒木がナンパしたのは来週の披露宴にも出席する新婦友人で……!?

ネタバレ

そんな偶然が起こるわけがない。

すべては黒木が仕組んだことだった。

というのも、新婦の百合子がマリッジブルーで神崎の浮気を疑っていたのだ。

黒木は神崎が浮気しないと証明するため、一芝居打ったのだった。

※もともと神崎と百合子の仲を取り持ったのが黒木だった

結末

事情に気づいた神崎は、あっさり浮気に走ったふりをして黒木に仕返しした。

「騙すような真似をして。なにが祝儀だ」と怒り心頭の神崎。

しかし、黒木が用意していた祝儀は他にあった。

いきなり店に入ってきたのは、神崎がずっと追いかけていた事件の犯人。

黒木は手早く犯人を確保すると、神崎に手錠をかけさせた。

1週間後の式ではこの逮捕によって表彰されたばかりだ、という紹介が加えられるだろう。

犯人逮捕の手柄こそが、黒木が用意していた本当の「祝儀」だった。

警察では慣習的に結婚を間近に控えた警察官に手柄を譲ることがあるのだそうです。

第六話「因縁」

あらすじ

立てこもり事件が発生。

犯人は22年前にも同様の事件を起こした薬物中毒の男だ。

人質の安否は警察にかかっている。

現場に緊張が走る……!

ネタバレ

22年前に男を逮捕したのは、神崎の父親(神崎隆造)だった。

男は「神崎の父親を出せ」と要求してきたが、あいにく隆造は定年退職していて、今は手術にそなえて入院している。

神崎は父親の代わりに名乗り出て、危機一髪のところで犯人を逮捕した。

スタンドプレーで犯人に飛びかかった黒木がいなかったら、もしかしたら最悪の結果になっていたかもしれない。

第六話では叙述トリックが使われていて、22年前の事件と現在の事件を混同するように描かれていました。

神崎(父)に助けられた人質の少年だったという黒木の背景が、ここで初めて明かされました。


第七話「決別」(最終話)

あらすじ

暴行事件の現場に急行した神崎は、信じられない光景を見る。

加害者は……黒木!?

黒木は全面的に犯行を認めていて、辞職する覚悟だという。

いったい何があったのか?

神崎は警視庁の監察官から事件の捜査、ならびに黒木の素行調査を命じられる。

情を入れずにすべてを報告すれば、本庁に行くことができるだろう。

黒木を救うか、それとも黒木の不始末を踏み台にして警視庁に行くか。

究極の二択だった。

ネタバレ

黒木の暴行には理由があった。

殴られた前川という男はスクープ詩の編集者で、先だって解決された立てこもり事件の犯人の娘を記事にしようとしていたのだ。

娘の名前は井原秋絵。

22年前の事件で黒木少年が救えなかった、耳に障害を持つ女性である。

前川は秋絵を盗撮し、世間のさらし者にしようとしていた。

だから、黒川は前川のスマホを破壊し、勢いで殴ってしまった。

黒木という男

黒木はこれまでずっと秋絵のことを見守っていた。

夜な夜な遊びに繰り出していると思われていた黒木だが、秋絵の家に無事を確認しに行く夜も少なくはなかった。

黒木は秋絵に対して「自分は神崎隆一だ」と名乗り、決して本当のことは告げなかった。

今や、黒木には警察官でいつづける理由がない。

秋絵の父親は逮捕され、二度と世間に出てくることはないだろう(秋絵の安全は守られた)

今回の件で神崎が出世すれば、神崎の父親への恩返しにもなる。

黒木に未練はなかった。

結末

黒川は確かに前川を殴ったが、前川もまた盗撮という後ろ暗さを抱えていた。

神崎の交渉により黒川への被害届は撤回されることになる。

神崎は黒川を守りつつ本庁行きの希望も残す、絶妙な報告を監察官に上げた。

黒川にはなんらかの処分が下されるだろうが、減給程度にとどまるだろう。

神崎は黒川に「秋絵はお前の正体に気づいている」と告げる。

神崎が名乗っても秋絵は戸惑ったりしなかった。

黒木に騙されたふりをしているに違いない。

「まだ彼女にはお前が必要なんじゃないか」

神崎の説得によって、黒木は辞職を思いとどまる。

「ありがとな、相棒」

照れくささから手話で伝えた感謝の意味を、神崎はたまたま知っていた。

(まったく気障(きざ)な男だ)

神崎は小さく笑い、黒木の背中を負って駆け出した。

<完>


感想と補足

『K2 池袋署刑事課 神崎・黒木』は小説現代に連載されていた作品です。

1話あたり30~40ページほどで、サクサク読める小説でした。

わたしが特に好きだったのは第3話と第4話。

3話はラストのどんでん返しがミステリらしくて好きでしたし、4話は黒木の仲間思いで策士な性格がよく描かれていて好きでした。

富田曰く、神崎は「クラス一の人望を得ている生徒会長」で、黒木は「一匹狼タイプの不良」

一見して水と油のような二人が息ピッタリの相棒として描かれているところに、グッときます。

小説では真面目な語り部の神崎がワトソン役で、型破りながらも結果を出す黒木がホームズ役。

つまり、神崎に比べて黒木の方が魅力的なキャラクターとして描かれていました。

ドラマでは二人の性格も変わるようなので、どうなるのか楽しみです。

ドラマ版の神崎は

  • 正義感が強い
  • お節介

まさに「人情味のある熱血刑事」という感じですが、原作小説ではもっと「冷静な理論派」っぽいキャラでした。

ぱんだ
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まとめ

今回は横関大『K2 池袋署刑事課 神崎・黒木』のあらすじネタバレをお届けしました!

刑事のコンビものというのは、やっぱりいいものですね。

事件の内容はもちろん、お互いに信頼しあっている神崎と黒木の関係性にグッとくる小説でした。

ドラマ『キワドい2人』ではそんな神崎と黒木が異母兄弟になるということで、かなり原作小説とは違った、オリジナル要素の強いドラマになる様子。

原作小説との違いも楽しんでいきたいですね。

 

ドラマ『キワドい2人 K2』の配信は?

ドラマ『キワドい2人 K2』はParavi(パラビ)の独占配信作品です。

Paraviで見る

※配信情報は2021年2月時点のものです。最新の配信状況は Paravi サイトにてご確認ください。

キャスト

  • 山田涼介(神崎隆一)
  • 田中圭(黒木賢司)

 

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