本格ミステリ

『危険なビーナス』ネタバレ解説!あらすじから結末までまるわかり!

東野圭吾『危険なビーナス』を読みました!

謎の美女に、資産家一族の遺産争い。

謎が謎を呼び、登場人物全員があやしく思えてくる一級品のミステリです。

ラスト、意外すぎる犯人と真相にあなたもきっとびっくりするはず!

今回は小説『危険なビーナス』のネタバレ解説をお届けします!

あらすじ

独身獣医の伯朗のもとに、かかってきた一本の電話。

「初めまして、お義兄さまっ」

弟の明人と最近、結婚したというその女性・楓(かえで)は、明人が失踪したといい、伯朗に手助けを頼む。

原因は明人が相続するはずの莫大な遺産なのか。

調査を手伝う伯朗は、次第に楓に惹かれていくが……。

(文庫裏表紙のあらすじより)

三つの謎

明人の行方

明人は『しばらく戻らないかもしれない』と書置きを残して失踪しました。

もしかしたら、ただ他の女のところに行っているだけかもしれません。

しかし、明人は医者家系で超金持ちである『矢神家』のただ一人の後継者でもあります。

遺産がらみの思惑で矢神家の誰かに拉致されている可能性も十分に考えられます。

あるいは、明人はもうこの世にはいないのかも……?

※伯朗と明人は異父兄弟であり、伯朗は矢神家の関係者ではありません(後述)

 

楓の正体

楓は明人の妻だといいますが、それを証明するものは何もありません。

結婚式は海外で二人だけで挙げたといい、籍はまだ入れていない状況。

親戚はおろか、明人の友人でさえ誰ひとりとして楓のことを知りません。

ぱんだ
ぱんだ
あやしい……

ただ、楓は明人の部屋の合鍵を持っていますし、明人の部屋には楓とのツーショット写真が飾られています。

また、楓はそれこそ妻でしか持ちえないような鬼気迫る覚悟で、明人を探そうとしているようです。

ぱんだ
ぱんだ
じゃあ、ほんとに奥さん?

ところが、楓への疑いはそう簡単にはぬぐえません。

たとえば、ある場面で楓は「明人とはよくこの店で生牡蠣を食べた」と発言するのですが、明人は牡蠣が食べられないはずなのです。

それに、どうやら明人には他に好きな女性がいたようですし、いきなり楓と結婚したという話はどうにも怪しすぎます。

ぱんだ
ぱんだ
……つまり?

楓は敵なのか味方なのか正体不明の美女……謎だらけの存在というわけですね。

 

母親の死の真相

伯朗と明人の母親・禎子(ていこ)は16年前に事故で亡くなっています。

亡くなった場所は実家の風呂場。

転んだ拍子に頭を打って、そのまま湯船に沈んで溺れたという状況でした。

「そういうこともあるだろう」と言われればそれまでですが、そもそも誰も住んでいない実家に行って、わざわざそこで風呂に入って、しかも亡くなる……というのはなんだか違和感バリバリです。

警察は事故として処理しましたが、当時から明人は「殺人事件だったのではないか?」と疑問を抱いていました。

今回の明人の失踪にも何か関係があるのでしょうか……?

登場人物

『危険なビーナス』は人間関係がちょっとややこしいので、整理しておきましょう。

矢神家

矢神家相関図

当主だった康之介は故人。

現在のトップは明人の父親である康治ですが、その康治も末期がんで入院していて先は長くありません。

康治が亡くなれば矢神家を継ぐのは明人であり、莫大な遺産を手にすることになります。

矢神家の人間は金にうるさく、一筋縄ではいかない人間ばかり。

当然、明人だけに遺産が渡るのを快く思わない人間もいるでしょう。

というか、ぶっちゃけ全員あやしいです。

誰が犯人でもおかしくありません。

 

伯朗の人間関係

伯朗周辺の人物相関図

伯朗は矢神の籍に入るのを拒んだので、禎子の最初の夫である手島姓です。

実父である手島一清は売れない画家でしたが、脳腫瘍によって病死。

伯朗は一清が最後に描いていたこれまでとは画風の違う抽象画のことを強く覚えています。

禎子の妹(伯朗の叔母)である順子、その夫である憲三とは交流があり、伯朗はしばしば兼岩家に顔を出しています。

ネタバレ

中盤から終盤にかけての鍵になるのは、矢神康治が研究していた『サヴァン症候群』

サヴァン症候群……知的障害や自閉症などの発達障害等のある人が、その障害とは対照的に優れた能力・偉才を示すこと。また、ある特定の分野の記憶力、芸術、計算などに、高い能力を有する人を示す。

康治はサヴァン症候群患者の絵を熱心に収集していました。

ぱんだ
ぱんだ
絵、といえば……

そう、『絵画』というキーワードからは、伯朗の実父で画家だった手島一清の存在が連想されますね。

伯朗が記憶している一清の最後の絵画(※)は、まさにサヴァン症候群を思わせる作風でした。

※絵のタイトルは『寛恕の網(かんじょのあみ)』。寛恕はざっくり「許す」みたいな意味ですね。

しかし、一方で手島一清にはサヴァン症候群患者を思わせるような知的障害はありませんでした。

康治の研究

実は、康治が研究していたのはただのサヴァン症候群ではありません。

『後天性サヴァン症候群』

康治は一般人の脳に手術を加えることで人為的に天才をつくる(≒ サヴァン症候群にする)ことができるのではないかと考え、研究していました。

康治の仮説では、天才性とセットになるはずの知的障害は発現しないはずでした。

もし、この研究が結実していれば、医学界どころが人類史を揺るがすほどの大発見になっていたことでしょう。

しかし、最終的に康治は研究を中止し、研究データも封印してしまいました。

それは、なぜか?

話は一清がまだ生きていた頃までさかのぼります。

康治と禎子の出会い

禎子と康治が出会った経緯について、伯朗は次のように聞いていました。

一清の死後、禎子がその遺作を売却しようとしたのがきっかけで、康治と出会った。

これ、嘘です。

実は禎子と康治は、一清の存命中に出会っています。

というか、一清の担当医が康治だったんです。

ぱんだ
ぱんだ
え!

一清の脳腫瘍はすでに末期であり、当時、一般的な治療法では対処できませんでした。

しかし、だからといって(禎子にしてみれば)すんなり諦めるわけにもいきません。

禎子は古い友人の紹介で、最先端の治療法を研究していた康治と出会います。

※この頃の康治の研究はまだサヴァン症候群とは無関係

禎子はわらにもすがる思いで康治に治療を依頼しました。

康治にとっても、言い方はアレですが人体実験できる貴重な機会だったので、治療を承諾。

そして、結果的に治療は成功しました。

錯乱して暴れるほど重傷だった一清は平穏を取り戻し、再び絵を描くようになりました。

ただ、もうすでにご存じのように一清は結局、治療からほどなくして亡くなります。

それが康治の治療のせいだったのかどうかはわかりません。

話を『後天性サヴァン症候群』に戻しましょう。

治療後の一清の絵(『寛恕の網』)はガラッと作風が変化し、幾何学模様のような抽象画になっていました。

それはサヴァン症候群患者の絵にそっくりで、康治は『後天性サヴァン症候群』の研究を始めます。

ただ、康治はずっと「一清が亡くなったのはやはり治療のせいなのではないか?」と気にしていました。

その後、人体実験が行われることはなく、康治は自らの手で研究を打ち切ります。

研究中止の理由が人体実験できないからだったのか、はたまた患者の寿命を縮めてしまう欠点を危惧してのことだったのかは不明です。

話から推測するに、康治は「これは人間の手に余る(神の領域の)研究だ」と思ったのかもしれません。

ちなみに禎子に康治を紹介した古い友人とは、なんと佐代のことです。

研究データの行方

場面は再び現代。

矢神家によって整理された矢神康治の遺品(禎子の遺品を含む)のなかに、『後天性サヴァン症候群』に関する研究データはありませんでした。

そして、もうひとつ。

手島一清の最後の作品である絵画『寛恕の網』も行方不明状態です。

生前の禎子と交流があった佐代の話によれば、禎子は康治から【なにか貴重なもの】を受けとっていたらしいのですが、それらしきものも遺品の中には見当たりません。

ぱんだ
ぱんだ
ということは……?

『寛恕の網』の所有権は禎子にあったはずなので、康治から受け取った貴重なものの正体は研究データであると考えられます。

となると、がぜん疑わしくなってくるのは禎子の事故。

禎子は研究データを狙う何者かに殺された、と考えるとすべてのつじつまが合います。

極秘だった康治の研究について知っていたのは、研究のサポートをしていた矢神牧雄だけ。

康治と一清を引き合わせた佐代と、その息子である勇磨も容疑者にカウントできそうです。

どうやら楓を狙っているらしい勇磨は、伯朗にとって忌々しいライバルでもあります。

作中で思いっきり【敵】っぽく描かれている勇磨が真犯人というのはしっくりきますが、同時にミスリードっぽくもありますね。

さて、真相は……?

因縁の場所へ

もし禎子が研究データをどこかに隠していたのなら、その場所はおそらく実家(伯朗にとって母方の祖母の家)に違いない。

そう考えた伯朗は、楓と一緒に禎子が亡くなった場所でもある祖母の家に向かいます。

※物語途中までこの家は取り壊されたことになっていましたが、実は現存していました。以下、「小泉の家」と表記します。

そして、伯朗たちは拍子抜けするほどあっさりと研究データを発見します。

しかし、どうにも妙です。

研究データは天井裏に隠されていたのですが、つい数日前に、伯朗はその場所になにもないことを確認していたのです。

つまり、研究データはこの数日中に何者かが置いたものであり、だとするとその意味は……。

伯朗はハッとして先ほど出てきたばかりの祖母の家(小泉の家)に引き返します。

すると、どうでしょう。

誰もいないはずの実家に、明かりが灯っているではありませんか!

施錠したはずの玄関の鍵も開いています。

伯朗にはもう、誰が中にいるのか想像がついていました。

意外な人物

ここにきてもったいぶるような真似はしません。

家の中にいたのは兼岩憲三です。

ぱんだ
ぱんだ
誰!?

禎子の妹である順子の夫、伯朗にとっては叔父にあたる人物です。

物語の中でも存在感は薄く「元大学教授でお酒好きのおじさん」くらいの立ち位置でした。

憲三にとって小泉の家は「妻の実家」に当たる場所です。

無関係ではないとはいえ、夜中に一人でいるのは不自然すぎます。

では、憲三はどうしてこの場所にいたのでしょうか?

実は伯朗は直前に兼岩家に立ち寄っていて「小泉の家に秘密の隠し場所はないか?」と順子に訊ねていました。

※順子の答えは「知らない」でした。

「夫は早くに寝てしまった」と順子は言っていましたが、実は憲三は起きていて、伯朗の話を聞いていました。

そうして事情を知った憲三は順子を睡眠薬で眠らせ、伯朗たちよりも少しだけ早く小泉の家に先回りし、研究データを天井裏に置きました。

ぱんだ
ぱんだ
え……え!?

はい。謎がいっぱいですね。

ひとつずつ説明していきます。

まずは、憲三が研究データをわざわざ伯朗たちに見つけさせた理由から。

憲三は数学の研究者であり、言ってしまえば『後天性サヴァン症候群』の研究データに興味なんてありません。

とある事情があって、「自分が持っている」と知られさえしなければ、誰かに渡してしまっても痛くもかゆくもありませんでした。

一方で、憲三には喉から手がでるほど欲しいものがあります。

小泉の家のどこかに隠されているであろう『それ』が、万が一にも伯朗たちに発見されでもしたら大変です。

憲三は伯朗たちを早く小泉の家から追い出すために、わざと研究データをわかりやすいところにおいて囮にした、というわけです。

ぱんだ
ぱんだ
じゃあ、憲三がほしいものって?

憲三の真の狙い。小泉の家に隠されているお宝の正体は……!

真犯人

憲三が血眼になって探していたのは絵画『寛恕の網』です。

ぱんだ
ぱんだ
……なんで?

まず第一に、憲三は親戚として手島一清と交流があり、『寛恕の網』の存在も知っていました。

ここまではいいですね。

問題は「どうして憲三が『寛恕の網』を欲しがるのか?」という謎です。

小説では事情が詳しく説明されているのですが、ここではわかりやすい表現に置き換えます。

ざっくり言うと、絵画『寛恕の網』は数学的にめちゃくちゃ価値のある作品だったのです。

素数の謎が解き明かせるとかなんとかで……、とにかく歴史に名前が残るレベルの大発見が『寛恕の網』には描かれていました。

数学の研究者である憲三がなんとしてでも手に入れたい、と思うのは当然ですね。

ただ、あまりの功績に目がくらみ、憲三は人としての道を踏み外してしまいました。

絵を盗もうと何度も妻の実家に不法侵入しているわけですし、それに……。

 

禎子を殺した犯人は兼岩謙三です。

 

16年前、禎子は憲三が絵を探していることに気づきました。

『寛恕の網』は本来、亡き一清から「処分してほしい」と頼まれていた作品です。

それでも捨てるのは忍びなく、禎子は絵を小泉の家に隠したわけですが、憲三に気づかれてしまった以上、もう仕方がありません。

禎子は待ち伏せして憲三が不法侵入する現場を確かめると、

  • 警察に通報する
  • 絵は燃やす

と憲三に言い渡しました。

このあとの展開は、お決まりの流れです。

動揺した憲三は禎子につかみかかり、そのまま揉み合いへ。

揉み合いの末に禎子は後頭部を打って気絶。

憲三は事故を装って、まだ息のある禎子を湯船に沈めました。

ぱんだ
ぱんだ
ひどい……

真相

明人を誘拐した犯人も憲三です。

康治が亡くなれば、その遺品は基本的に明人のものになります。

頭脳明晰で数学にも明るい明人ならば『寛恕の網』の秘密にも気づいてしまうだろう。

(もし康治の遺品の中に絵があった場合)功績を明人に奪われないようにするため、憲三は明人を監禁したんですね。

明人不在のまま康治が亡くなれば、禎子の遺品である『寛恕の絵』の所有権は伯朗に流れてくるはずです。

だとしても、明人と違って伯朗にはきっと絵の数学的価値はわかりません。

それまで一清の絵は一括して兼岩家で預かっていたため、きっと『寛恕の網』も伯朗を経由して兼岩家に預けられるはず……。

憲三の計画はこのようなものでした。

なお、明人の拉致は憲三が自分で実行したわけではなく、ネットを通じてプロに依頼しています。

危害は一切加えておらず、康治の没後に解放するつもりでした。

結末

伯朗と楓に洗いざらい罪を白状した憲三は、なんと小泉の家に火を放ちます。

逃げるそぶりはなく、(どこかにあるかもしれない)絵と心中するつもりです。

少しずつ火の手が回り、もう憲三を置いて逃げるしかないか……そう思われたときでした。

 

「ふざけんじゃないよ、クソ爺っ!」

 

楓は舌打ちすると、まるで柔道の一本背負いをするような鮮やかさで憲三を担ぎ上げ、家の外まで走っていきました。

大人一人背負って走ったというのに、楓の息はちっとも乱れていません。

いったい楓は何者なのか……?

その疑問を口にする前に、ふいに伯朗の脳裏に小さい頃の思い出がよぎりました。

それはパズルを解くための最後のピース。

伯朗は無我夢中で火の手の上がる小泉の家に駆け込み、ついに『それ』を見つけます。

 

そう、絵画『寛恕の網』です。

 

どこを探しても見つからなかった絵は、襖(ふすま)のなかに隠されていました。

ごうごうと燃え盛る火のなか、伯朗は必死に襖から絵を取り出そうとします。

しかし、どうにも間に合いそうにありません。

このままでは火に包まれてしまう。

でも、みすみす絵を置いていくわけにもいかない……。

――と、そのとき。

焦る伯朗の腕を、誰かが掴みました。

 

「たかが絵だ。逃げよう」

 

伯朗の頭は一瞬で真っ白になりました。

思考停止状態のまま、腕を引かれるまま『彼』についていきます。

 

『彼』は、伯朗がよく知っている人物で、けれど絶対にここにいないはずの人物。

矢神明人でした。

ぱんだ
ぱんだ
ええっ!?

さらなる真相

憲三に監禁されているはずの明人がどうして小泉の家にいるのか?

その答えは、物語最後の『謎解き』と密接に結びついています。

結論から先に言うと、明人は監禁なんてされていなかったんです。

ぱんだ
ぱんだ
どゆこと!?

憲三の話が嘘だったわけではありません。

憲三は確かに明人を監禁できていると思っていて、雇ったその道のプロから監禁の証拠画像や報告なども受け取っていました。

だから、『裏』があったのは、憲三が慎重に選んで雇った汚れ仕事のプロの正体です。

実は憲三の依頼を請け負ったのは、闇社会の人間のふりをした警察でした。

憲三の誘拐計画は警察にバレていたんです。

ただ、警察にとってやっかいだったのは、首謀者が誰なのかわからなかったことです。

憲三は慎重に自分の身分を隠していました。

このままでは明人の誘拐を防げても、根本的な解決には至らない……。

警察は犯人逮捕のため、明人に協力を依頼しました。

つまり、明人の失踪は警察による狂言だったんです。

監禁されていることになっているので伯朗に連絡したりはできませんでしたが、明人はずっと警察と一緒に安全な場所にいたというわけですね。

楓の正体

警察に協力するにあたって、明人は一つの条件を出しました。

それは母・禎子の死の真相を暴くこと。

警察はこの交換条件を受け入れましたが、なんといっても16年も前の事件です。

いまさら真相を探ることは難しく、また、真相を知るためには関係者たちのなかに入り込む必要がありそうでした。

そこで警察は潜入捜査によって、

  • 明人誘拐事件の犯人
  • 禎子を殺した犯人

を突き止めることにします。

さて、もうお気づきですね。

 

楓の正体は警察の潜入捜査官です。

 

思えば、状況が進展するきっかけになっていたのは、いつも楓の言動でした。

楓は事件解決に近づくように、わざと伯朗に(できるだけ自然な形で)情報が渡るようにいつも誘導していました。

ちょっと悪い言い方をすれば、伯朗はまるで操り人形のように楓(警察)に利用されていたというわけです。

ああ、そうそう。言うまでもないことですが、もちろん楓は明人の妻でもなんでもありません。

楓をしつこく狙っていたかのように見えた勇磨は、実は警察の協力者でした。

ときには「楓と勇磨はただならぬ関係なのでは?」と思わせるシーンもありましたが、それはたんに捜査の打ち合わせをしていただけだったんですね。

エピローグ

事件解決から二日後。

兼岩憲三は逮捕され、矢神康治は死亡。

明人は『後天性サヴァン症候群』の研究データを封印しました。

あと、なんやかんやあって伯朗は動物病院の院長である池田の養子になり、正式にあとを継ぐことになります。

まあ、そんなことはどうだっていいんです。

問題は我らが惚れっぽい独身獣医・伯朗の恋の行方です。

ぱんだ
ぱんだ
気になる!

弟の妻じゃなかったとはいえ、楓が伯朗に見せた思わせぶりな態度はすべて演技でした。

いってしまえば、楓にとっては『仕事』です。

伯朗が楓に惚れているのは誰の目にも明らかで、もちろん楓も伯朗の気持ちに気づいていました。

気づいていて、利用していました。

楓は何度も「(騙していて)ごめんなさい」と口にしましたが、伯朗はあまりのショックに言葉が出ません。

失恋、です。

伯朗はただ一言「ごくろうさまでした」と言って、楓と別れました。

さて、ここからはラストシーン。

胸にぽっかりと穴が空いてしまった伯朗ですが、仕事は待ってくれません。

いつものように動物の診察をする伯朗のもとにやってきた次の飼い主は、なんと楓でした。

もう事件は終わったはずなのに、いったいなぜ……?

※以下、小説より一部抜粋

…………

「何しに来た?」

これ、といって楓は傍らを指した。

白いゲージが置かれている。

「ペットを飼うことにしたので、アドバイスをいただこうかと」

※楓が飼うことにしたのは大きくなりすぎて手放す人が多いミニブタでした。

「でも、この子は三十キロ以上にはならないはずだってお店の人が」

「そんな話、当てになるか。さっさと返してこい」

「だめだめ、もう一目惚れなんです。この子を手放すなんて考えられない。だから伯ちゃん、お願い」

「ハクちゃん?」

「お店の人から、かかりつけの獣医さんを見つけておいたほうがいいですよっていわれてるんです。ミニブタって、案外病気しがちらしくて。だからこれからながーい付き合いになると思います。よろしくね、伯ちゃん」

楓は長いまつ毛でウインクした。

<完>

というわけで楓との恋の進展を匂わせるようなラストでした。

とてもちょうどいいハッピーエンドだったと思います。

ぱんだ
ぱんだ
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まとめと感想

今回は東野圭吾『危険なビーナス』のネタバレ解説をお届けしました!

あからさまに怪しすぎる矢神家の人々、そして楓。

「誰が犯人でもおかしくない」という疑心暗鬼のなか、まさかノーマークだった憲三がすべての犯人だったとはやられました。

  • 明人の失踪
  • 禎子の死の真相
  • 楓の正体

別々だったはずの三つの謎がラストでつながる流れも完璧で、これはもう「さすが東野圭吾……!」と脱帽するほかありません。

個人的には多作な東野圭吾作品の中でも、かなり好きなタイプの作品でした。

結末のあと、はたして伯朗と楓は結ばれるのでしょうか?

ちょっと匂わせてた助手の蔭山元実も入って三角関係になったりして……?

惚れっぽい伯朗が女性たちに翻弄される未来が垣間見えるようなラストシーンも好きでした。

 

ドラマ情報

動画

キャスト

主演:妻夫木聡(手島伯朗役)

放送

2020年10月放送(毎週日曜よる9時~)

ぱんだ
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またね!


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