映画『夏への扉』を観てきました!
初夏にピッタリの爽やかな作品で、気分も晴れやかになりました。
今回はSF小説の金字塔といわれる原作小説を踏まえつつ、映画『夏への扉』の感想・考察をお届けします!
原作小説と比べて
正直な話、最初は映画のあらすじがあまりにも原作小説と違うので「大丈夫かしらこれ」と不安に思う気持ちもありました。
けれど、ふたを開けてみるとあら不思議。
確かに設定こそいろいろ変えられているのですが、物語の進行はほとんど原作小説をそのまま踏襲したものになっていました。
映画の上映時間は約120分。
冷凍睡眠で未来に行って、タイムマシンで過去に戻って、また冷凍睡眠で未来に戻って……という盛りだくさんな内容がテンポよく進んでいきます。
小説のおいしいところが上手に落とし込まれていて「ああ、これはいい映画化だな」と思いました。
個人的に好きだったのは主人公とヒロインの年齢感です。
原作だとリッキィ(ヒロイン)の年齢はなんと9歳!
ダン(主人公)に対してロリコ……いろいろと思うところがないでもなかったのですが、映画では違和感のない年齢差でよかったです。
原作のリッキィは成人後すぐに冷凍睡眠するのですが、映画の璃子は10年待ってから眠りにつきます。
これによって2025年時点で宗一郎も璃子も27歳で同い年になっているんですよね。
ステキなラストだと思いました。
映画と原作のくわしい違いは以下の記事をご参照ください。
映画鑑賞後だと、小説がどんなふうにアレンジされたのかがわかって楽しめると思います。
ピート(ロボット)について
映画では藤木直人さんが演じていた人型ロボットのピート。
実は彼は原作小説に登場しない、つまり映画オリジナルのキャラクターです。
彼のところどころズレた言動には何度もクスッと笑わされました。いいキャラですよね。
さて、そんなピート(ロボット)ですが、彼には映画内で言及されなかった謎があります。
- 人間らしい感情があること
- 必然として過去にお供したこと
映画を最後まで見れば、少なくても「ぐうぜん宗一郎と出会ったわけではないんだろうな」ということがわかるはずです。
では、彼は本当はどういった存在だったのでしょうか?
結論からいえば、彼は未来の(ラストの後の)宗一郎が開発した最新型のモデルだったのだと考えられます。
感情(知的好奇心)のあるロボットなんてもの、欠陥品どころか世紀の大発明です。
そんなロボットを開発できるのは宗一郎くらいのものでしょうし、なによりピートもこう言っていました。
「私は宗一郎の子どもです」
いつものギャグ台詞かと思いきや、実は事実を言っていたというわけですね。
2025年以降に開発されるはずのピートが(一度目の)冷凍睡眠から目覚めたばかりの宗一郎と出会う時間的矛盾は、遠井教授のタイムマシンを使えば解決できます。
ピートは宗一郎が時間を飛び越えるギリギリのタイミングでタイムマシンの台座に飛び込んでいました。
その判断ができたのは彼がすでに一度同じ装置を使って過去(2025年)に送り込まれていたからだと考えると納得がいきます。
仮にピートが2030年に開発されたとすると、彼は次のような時間移動をしたことになります。
2030年 → 2025年 → 1995年(→ 2025年)
ピートの存在がなければ、宗一郎は無事にハッピーエンドにたどり着けなかったかもしれません。
だから宗一郎は過去の自分をサポートするピートを開発する必要があるわけですね。
……え? もう目の前に完成品のピートがいるからあらためて開発する必要はないって? そのへんのタイムパラドックスについては深く考えちゃダメです(たぶん答えないから)
ここが好きだった!
落ちぶれる白石さん
主人公を騙した悪女が30年後の世界で醜く老いさらばえているシーン。
原作でも特に好きな場面なのですが、映画ではもうホントに容赦なくビフォーアフターさせられていて笑っちゃいました。
映画をふりかえってみると「そういえばなんで白石は宗一郎に電話したの?」と理由がいまいちよくわかりませんよね。
原作から解釈するとあれはまだ自分に女としての魅力があると信じていて、宗一郎にまた取り入るつもりだったんです。
あわれあわれ。
『CROSS ROAD』
映画では璃子の好きな曲としてMr.Children『CROSS ROAD』が挿入歌として使われていました。
これがもう懐かしいのなんの!
「ああ、ここは1995年の時代なんだな」と一気に納得させられました。
※『CROSS ROAD』は4枚目のシングルで1993年リリース
俳優・原田泰造
いやもうホント原田泰造さんは俳優としての力量がえげつない。
佐藤太郎(原作のジャン)という物語における超重要な役どころを見事に演じられていました。
個人的にはMVPを進呈したいくらいです。
佐藤太郎みたいな家族愛のある優しい役どころが本当にハマる俳優さんだと思いました。
ピートかわいい
ピート(猫)かわいい。
ちなみに原作でいえば牡(オス)猫で、飼い主にひどいことをした悪女を攻撃して追い立てるという勇ましい(そしてスカッとする)一幕もあります。
まとめ
今回は映画『夏への扉』の感想・考察をお届けしました。
SF小説の金字塔といわれる原作小説が発売されたのは、なんと1956年!
映画が上手に現代アレンジしていたということもありますが、名作は時を越えてもやっぱりおもしろいものですね。
人を選ばず誰にでもおすすめできる作品です。
ぜひ原作小説とあわせてお楽しみください。
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