漫画「羊の木」が実写映画化!
関ジャニの錦戸亮さんを始め、豪華キャストが発表され注目されています。
原作漫画の「羊の木」はイブニングで連載されていた作品で、絵のタッチにちょっとクセがあるものの、読んでみるとかなり面白い作品でした!
今回は映画原作となる漫画「羊の木」のあらすじと結末のネタバレです!
あらすじネタバレ!
高齢化や過疎化が進む魚深市。
市長である鳥原秀太郎は一つの大きな決断を下した。
『元受刑者を新住民として受け入れる』
法務省の役人・三田村らから持ち掛けられた更生促進プロジェクトを受け入れることにしたのだ。
受け入れる元受刑者は11人。
このことを知るのは鳥原市長と、友人の月末、大塚の3人のみ。
住民に知れれば大変な騒ぎになるし、何かあっても警察に頼ることはできない。
役人の三田村は言う。
「市長の先祖である鳥原源左衛門はかつて遭難した流罪人を助け、住民として受け入れた。魚深市であればきっと成功する」
平和な港町に、不穏な影が忍び寄ろうとしていた。
11人の元受刑者
浜田保(45)…いじめられた恨みを晴らすために勤め先の上司を包丁で刺して命を奪う
大野克美(33)…宅配業者を装い主婦の首を絞めて命を奪う
武満義人(58)…婦女暴行犯。仮釈放から20分で再犯
村野孝(44)…自分の店の客に投資話を持ち掛けて金を集め、逃亡
杉山勝志(52)…女子大生をハンマーで殴り命を奪う。その後女子大生宅に放火
宮腰一郎(26)…妻とその家族に金を要求して暴行
福井宏喜(29)…金欲しさに老人宅に侵入。揉み合いの末、テーブルの角に頭をぶつけて命を奪う
入江行雄(26)…元・クスリの中毒者
寺田一義(19)…幼少のころから車泥棒・車上狙い・万引きの常習犯
太田理江子(28)…愛人の女児を誘拐、ナイフで切りつける
栗本清美(35)…暴力をふるう恋人を一升瓶で撲殺
移住者
市長である鳥原に代わり、大塚・月末が極秘に元受刑者たちを受け入れる。
元受刑者は松波町という町に固めて住まわせることに。
気の弱い月末は元受刑者たちと関わることにビクビクしっぱなしだ。
全員、特殊な更生プログラムを受けているというが…。
全員が移住を完了した頃、魚深町の奇祭「のろろ祭り」が始まろうとしていた。
のろろ祭り
4月15日の満月の夜、往来を異形の集団が練り歩く。
頭にはオオカミウオのマスクをかぶり、体はワラで出来ている怪物が「のろろ」だ。
のろろの後にはやはり異形のマスクを被った従者たちが続き、通りの各家の扉をたたいて回る。
これに対し、住人は合言葉でのろろを追い返さなくてはならず、またのろろたちの姿を見てもいけない。
これが「のろろ祭り」である。
市民なら参加自由のこの祭り、今年は元受刑者たちも参加するようだ…。
まず騒ぎを起こしたのは杉山だった。
のろろ役の市民を殴り倒し、のろろ役を強奪。
月末宅に押し入って暴れた末、本来ののろろ役が連れてきた末に取り押さえられた。
一方、鳥原市長の娘である智子の周囲でも異変が起こっていた。
智子とともにボランティアに参加していた受刑者の宮腰からしつこく付きまとわれていたのだ。
宮腰は横暴で暴力的な性格であり、かつて妻とその父親に金を要求して暴行を加えている。
その宮腰の魔の手が、智子に届きそうなその時、助けに入ったのは同じく元受刑者のボランティア・寺田であった。
智子に好意を抱き助けに入った寺田はボコボコにされてしまったが、そのおかげで智子に危害は及ばなかった。
増殖(1)
智子が誘拐されてしまった。
犯人はなんと宮腰と寺田。
智子のことを助けたいが、警察には頼れない。
このことを知るのは鳥原・大塚・月末、そして元受刑者の大野の4人。
宮腰の要求は以下の通り。
「マスコミに元受刑者を受け入れる極秘プロジェクトのことを公表しろ」
宮腰は鳥原が補助金目当てに元受刑者を受け入れたと思い、嫌がらせをしているのだ。
要求がのめない場合、娘の智子が傷物になると宮腰は脅してくる。
鳥原にはどうすることもできなかった。
時間が過ぎ、宮腰が智子を毒牙にかけようとしていた。
いよいよ危なくなった時、智子のことが好きな寺田が裏切り、宮腰に殴りかかる。
さらに、そこにフルフェイスを被った大野が駆け付ける。
宮腰は大野により縛り上げられ、無事に事件は解決した。
増殖(2)
元受刑者たち新住民たちに異変が見られるようになった。
お互いが元受刑者だと知らないはずの新住民たちが、人間関係を築きつつあるようなのだ。
もちろん悪いことではないが、月末は一抹の不気味さを感じる。
そんな中、法務省の役人・三田村が鳥原市長に接触してきた。
「言い忘れていたことがありまして…」
三田村が言うには11人の元受刑者の中に、ひときわ異常な犯罪者が混じっているのだという。
その人物は両親を亡き者にして遺体を細切れにし、さらに弟は4つ切りにした過去を持つ。
しかし、誰がその人物なのかはわからないと三田村は言う。
(いったい誰なんだ…?)
11人の受刑者と過去の事件を調べていくうちに鳥原は確信する。
(全員、改名させられているのか…!)
鳥原が三田村に連絡を取ろうとすると、教えられた電話番号や住所は全て偽物であった。
(三田村が怪しい。そもそも極秘プロジェクトなど存在するのだろうか?)
謎はますます深まっていく。
季節は過ぎ、人間関係にはさらに変化が訪れていた。
智子と寺田は恋人関係になり、そして元受刑者同士の武満と太田はなんと結婚した。
武満の結婚を祝う飲み会には、驚くべきことに多くの元受刑者たちが参加していた。
元受刑者だからと言って、全員が問題を起こすわけではない。
呼応
鳥原の調査により、例の異常犯罪者の本名が「猪狩哲夫」であることがわかる。
その頃、魚深市ではある重大事件が発生。
のろろマスクを盗んで被った人物が、深夜に水中銃で人を撃って命を奪ったという。
殺人事件。
果たして犯人は…?
この頃、元受刑者の11人はほぼ全員が知り合いになっていた。
潮干狩り大会が催される。
元受刑者の面々は各所で大小のトラブルを起こしていた。
そんな中、三田村が鳥原に接触してくる。
「実は私…」
三田村が話す三田村自身の情報は、間違いなく猪狩哲夫のものだった。
「お前だったのか…!」
「いえ、私は法務省の三田村です」
鳥原には、この三田村という男が悪魔なのではないかと思えてきた。
そして、魚深市でのろろマスクの人物による第2の事件が発生する。
犠牲者が2人になった。
のろろマスクの正体は誰なのか…?
宮腰が怪しい動きを見せる。
再び智子に付きまといだしたのだ。
どうやら、かつて自分を縛り上げたフルフェイスの男の正体(大野)が知りたいらしい。
あくまで口を割らない智子に対し、宮腰は無理やり乱暴をはたらいた。
智子の異変に気付いた寺田が宮腰と話している。
寺田「智ちゃんに何かしてない?」
宮腰「少し殴った」
寺田「なんでだよ!」
宮腰「やらしてくれないからだよ。やっちゃった。1回、いや2回かな」
寺田は宮腰に殴りかかるが、返り討ちにされてしまう。
宮腰「智ちゃんてよ、思ったよりヨクなかった」
焼亡
夜、寺田が宮腰を呼び出す。
宮腰「おい、いるんなら出て来いや!」
現れた宮腰の頭上から、寺田が岩を落として重傷を負わせた。
ごきっ!
縛り上げられた宮腰を寺田が見下ろしている。
宮腰「いてぇ~、救急車呼んでくれよ~」
寺田「誓えよ、絶対智ちゃんに近づかないって」
宮腰「誓うよ~、誓うから救急車呼んでくれよ~」
寺田「この町出たら2度と戻ってくんなよ」
宮腰「それじゃあ智ちゃんが寂しくて泣いちゃうかな~」
寺田「なに?」
宮腰「オレ、なんだかんだで5回くらいやっちゃったから。智ちゃん、もうオレに惚れてると思うよ」
寺田「てめぇ!」
寺田がナイフを手にしたとき、物陰から武満が現れる。
武満「それ以上はやめとけ」
武満は宮腰が用意していた保険だった。
寺田は武満に取り押させられ、刃傷沙汰は回避された。
宮腰は病院に送られた。
入院の保証人になってもらうために鳥原市長に電話した際、智子を汚したことを話す。
宮腰は事態を表ざたにしないため、鳥原が事を荒立てないと高をくくっているのだ。
娘に真相を確認した鳥原は、鬼の形相で病院へと向かう。
宮腰を連れだした鳥原。
鳥原「俺を殴れ」
宮腰は言われた以上に殴る蹴るの暴行を鳥原に加える。
一通り殴られた後、鳥原は立ち去ろうとする。
宮腰「なんだ?殴られに来たってのか?俺をどうするつもりだ?」
鳥原「どうもしない」
鳥原は娘にしたことを絶対に許さないと言ったうえで、宮腰に語り掛ける。
「このプロジェクトが始まるときにいわれたんだ。(元受刑者に)ほんの少しだけ、愛を多く賜りたいと」
鳥原は元受刑者である宮腰に、温情をかけたのだ。
結末
記者の頭陀袋が、鳥原市長にある資料を持ってくる。
頭陀袋は語る。
「鳥原源左衛門は一部の流罪人に、金山での苦役を強制したとあります」
「その金山で謀反を起こして処刑された人がいる」
「三田村直次郎」
頭陀袋は法務省の三田村が、処刑された直次郎の末裔であり、恨みから鳥原市長を陥れようとしていると語る。
鳥原「君は信じられるのかね?そんなテレビドラマのような話」
同棲中の寺田の家にいる智子。
そこへ宮腰がやってくる。
智子「出て行って!」
宮腰「あんたのパパに会ったよ。立派なパパだよな」
そういって宮腰は智子に土下座する。
宮腰「悪かった。俺を許してくれ」
智子「いいえ、許さないわ」
宮腰「でも、智ちゃんのパパは俺を許してくれたよ」
智子「なんですって?」
宮腰「俺に少しばかり愛を多くくれるそうだよ。だからさ、智ちゃん。オレたちまた仲良くしようよ」
そういって宮腰は強引に智子を押し倒す。
宮腰「あんたオレに汚されたんだよ。もう半分オレたちの仲間だろ」
智子はとっさに近くにあった包丁をつかみ、宮腰を刺す。
「いってぇ~」
そこへ帰ってくる寺田。智子が出ていく準備をしていたことを察して、智子だけを家から追い出す。
智子「寺田君、待って!」
宮腰「寺田、智ちゃんの罪かぶるつもり?」
宮腰「身代わりになるって?それはできない。オレがしゃべったらおしまいだよ。早く救急車呼べや」
宮腰「智ちゃんもこれでようやくオレたちの仲間になったんだよ。同じ前科持ちだ、ハハハハ!」
無言のまま、寺田は包丁を手に取る。
宮腰「おまえ、こら…マジか?身代わりがバレるから口封じするつもりか?」
ドンドンと扉をたたく音がする。
宮腰「誰か来た!救急車だろ!お~~~い、助けてくれ!」
扉をあけると、そこにはフルフェイスを被った大野がいた。
一方、同じ夜、魚深市では火事が連続していた。放火だろうか。
火事で騒がしい中、のろろマスクをつけた人物が走っていた。
鳥原市長の家に、頭陀袋が飛び込む。
「放火魔はきっと三田村ですよ!」
鳥原が「ばかばかしい」と一蹴したその時、窓を突き破り水中銃が家の中に撃ち込まれた。
「やっぱりガラス越しだと当たらないものだな」
のろろマスクの人物と鳥原市長が対峙する。
場面は再び、宮腰。
宮腰が目を覚ますと、目の前には元受刑者の10人がいた。
宮腰「何のマネだよ!俺は仲間じゃないのかよ!」
武満「仲間に入れてやったのに、てめえから外れたんだろ。騒ぎばっかり起こしやがって」
宮腰「なんでてめえの指図なんて受けなきゃならねえんだよ!」
強がる宮腰だったが、進み出た大野に恐怖して頭を下げながら言う。
宮腰「わかった、わかったって!もう絶対に騒ぎ起こさねえから、頼むよ、許してくれよ!」
武満「世の中には自分に勝てる奴と負ける奴の2種類しかいねえんだ。おめえはず~~~と負けるやつさ」
大野「負けたっていいさ、居場所さえあれば。人は居場所さえあれば生きて行けるもんだ」
武満「だけど、おめえの居場所はここにはねえんだろうよ」
縛られたまま、宮腰が逃げ出す。
宮腰「お~~~い、誰か助けてくれ~~~!」
元受刑者たちが宮腰を取り囲む。
そして、かつて主婦の首を絞めて受刑者となった大野が宮腰に馬乗りになり、首に手をかけ…。
のろろマスクと対峙する鳥原。
鳥原「おまえ、三田村だな?」
バスッ。
のろろの放った水中銃が鳥原の肩を射抜く。
のろろ「あたまを狙ったのに、使えないな」
鳥原「おまえは三田村直次郎の末裔か?極秘プロジェクトは嘘か?」
のろろマスクは答えない。鳥原の頭の前で水中銃を構える。
その時
突如現れた大塚と月末がのろろマスクを倒す。
月末「これが流刑人の末裔のパワーだよ」
大塚「私と月末は源左衛門が救った流刑人の子孫さ」
頭陀袋「ええっ!?」
のろろマスク「なるほど、流刑人たちは立派に根付いていたというわけですな。では、元受刑者たちも良き市民になってくれるでしょう。どうやらこのプロジェクトは成功間違いなしのようだ。そうでしょう、鳥原さん」
そういうと、のろろマスクは鳥原家に火をつけて逃亡した。
逃亡の途中、のろろマスクは元受刑者たちの一団と出くわす。
かつてのろろになって騒ぎを起こした杉山が言う。
「なんでマスクをつけている。それはオレのもんだぞ」
揉み合いの末、のろろマスクは橋の下の川に落ちていった。
後日、入院中の鳥原は心の中で思う。
(この騒動は何だったんだろう。三田村という男は何者だったのか。あれは現実の人間などではなくて、のろろだったのではないか)
(また、祭りが来る。また何かひと騒ぎ起きるだろうか。それでもいい)
(我々は生きていくだけだ。それ以外に何の望みがあろう。栄あれ、我が町うおぶか)
<羊の木・完>
Q&A
Q:三田村は何者だったの?どうなったの?
A:三田村の正体は最後まで不明のまま。極秘プロジェクトが存在したかも不明です。ただ、のろろマスクの正体は三田村で間違いないでしょう。後日、のろろのマスクだけが打ち上げられました。
Q:宮腰はどうなったの?
A:始末されました。直接的な描写はないものの、埋められた場所らしきところが描かれています。
Q:「羊の木」って何?
A:作中に出てくる絵。ヨーロッパ人がかつて「綿は羊の木からとれる」と思っていたという話から、転じて「どこまでも純粋で単純な発想」「信じるということ」といった意味合いを持ちます。
感想
とにかく面白く、考えさせられる漫画でした。
最初は「誰がいったい何をやらかすんだ!?」というホラー感が強かったですが、徐々に「罪とは」「犯罪者とは」ということについて考えさせられるんです。
今回のあらすじネタバレではカットしているものの、元受刑者以外の市民もえげつない犯罪に手を染めたりしていて、その原因がまた人間臭いものだったりします。
画風にちょっとクセがありますが、間違いなくハマるのでぜひ原作漫画も読んでみてください。
作中の登場人物ではダントツで宮腰がおぞましかったですね。
原作の山上先生は巻末対談の中でこのように言っています。
「ヤクザの抗争で3人に本当でぶった切ったやつでも同じ部屋にいられるけど、借金を断られた腹いせに相手の首を絞めた人物には100メートル以上近づきたくない。こういう皮膚感覚を、裁判はふるいわけてくれない。羊の木ではそれを書こうと思いました」
宮腰は同じ元受刑者の中でも際立って「生理的に無理」な悪人であり、「生理的に大丈夫」な他の元受刑者たちとの対比になっていました。
(他の受刑者の仲にも、ちょっと近づきたくない人はいますけど)
こういうゾッとするような人には絶対になりたくない、と思いますね。
さて、そんな「羊の木」ですが、実写映画版ではあらすじから登場人物から結末まで、かなりオリジナル要素が強くなりそうです。
漫画とはまた一味違った「羊の木」が楽しみですね。
※追記:映画「羊の木」を観てきました!実写化は成功?それとも失敗!?
関連記事:映画「羊の木」のネタバレ感想と解説!かなりの良作だけど結末が…
まとめ
漫画「羊の木」が実写映画化!
今回は原作となる漫画「羊の木」のあらすじ・結末のネタバレをお届けしました。
漫画はおそらくあまり知られていない作品だと思うんですが、いざ読んでみると本当に面白いのでおススメです。
映画『羊の木』の配信は?
U-NEXT | × |
---|---|
Amazonプライム | 〇 |
Paravi | 〇(レンタル) |
Hulu | × |
FOD | 〇(レンタル) |
※配信情報は2020年6月時点のものです。最新の配信状況は各サイトにてご確認ください。
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