住野よる「君の膵臓をたべたい」を読みました!
- ヒロインが亡くなる展開の恋愛小説
- 小説投稿サイトからの書籍化
- ネットでの厳しい批評
実のところ、最初は「まあ、感性の強い10代ならともかく、自分が涙することはないだろうな」と思っていました。
ところが、読んでみたらもう泣けて泣けて、号泣でした。
「泣ける小説」の煽り文に偽りなしです。
今回はそんな「君の膵臓をたべたい」の感想を書いていきたいと思います。
※作品のあらすじや結末はこちらをご参照ください
Contents
小説「君の膵臓をたべたい」のネタバレ感想
作品のあらすじじゃら最初に想像したのは「よくあるお涙頂戴のストーリー」でした。
少年と少女が病によって引き離される、その悲痛な感情を結末に置いた物語
確かに泣けるかもしれないけれど、逆に言えば「読者を泣かせる」ためだけの物語というものだと予想したんです。
しかし、この「君の膵臓をたべたい」はそんな浅はかな作品ではありませんでした。
生きるということ
小説「君の膵臓をたべたい」を通じて、わたしは「生きるということ」について考えさせられました。
それも、ただの「自分の命もいつなくなるかわからない(から今を大切に生きよう)」というメメントモリ的な反省だけではありません。
作中で、余命少ないヒロイン・桜良は
「人と心を通わせることこそ生きるということ」
だと主人公に語りかけます。
その言葉に、人との関わりを避けてきた主人公はハッとさせられるのですが、同時に読んでいた私にもその言葉は響いてきました。
ただ命があって、24時間を過ごすことだけが一日を生きるという事ではない
主人公は、桜良と過ごした4カ月こそが「生きている時間だった」と気づきます。
『そんなふうに、いつかこの世を去る私は今を【生きる】ことができているのだろうか?』
わたしは即座に「YES」と言えませんでした。
そして、自分も本当の意味で生きていきたいと思ったんです。
小説「君の膵臓をたべたい」はただのエンタメ作品ではなく、読者に強く語り掛けてくる作品だと感じました。
恋愛関係を超えた特別な関係
ヒロインの桜良が亡くなり、その遺書でもある「共病文庫」を主人公が読む場面では、涙が止まりませんでした。
れは単に「実は両想いだったことを遺書で初めて知ったから」なんてチープな展開のせいではありません。
この遺書の場面に来るまでの「君の膵臓をたべたい」は
『主人公の男の子の物語』
でした。
根暗で地味で人と関わりたがらない男の子が、明るく行動的な女の子と出会って変わっていく。
主人公は作中で「彼女と出会って人間性も日常も死生観も変わった」と心の中で回想しています。
実際に読んでいても、余命少ないにも関わらず弱さを見せず最後まで強く生き抜いた桜良の一貫性に対し、主人公は彼女との出会いによってどんどん人間性が変化していきました。
しかし、遺書の場面で初めて明かされた桜良の本音を知って、この考えは変わりました。
「君の膵臓をたべたい」は『主人公と桜良の物語』だったんです。
2人はそれぞれに正反対の人間性を持っていて、だからお互いに憧れて、お互いを必要としている。
そこに恋愛感情がゼロだったのかと言われればそうではなかったでしょうが、それよりも2人は「尊敬・憧れ」によってつながっていました。
こんなに純粋でまぶしい人間関係が他にあるでしょうか。
そして、そんなに特別な関係だった2人が永遠に別れなければならない痛みとはどれほどだったのでしょうか。
感情を自分の中に押し込める生き方をしてきた主人公が桜良の母親の前で泣き叫ぶ場面では、まるでその悲痛な咆哮が聞こえてくるようで涙が止まりませんでした。
「君の膵臓をたべたい」
初見では度肝を抜かれるこのタイトル。
序盤では膵臓を患っている桜良が「同物同治(患っている部分と同じ部位を食べることで病気が治る)」の考えから、冗談としてこの言葉を口にします。
そして、この言葉が再度登場するのはクライマックスの場面。
示し合わせたわけでもないのに、お互いがお互いへの感謝と尊敬の念を込めて「君の爪の垢を煎じて飲みたい」ならぬ「君の膵臓をたべたい」というメッセージを送り合います。
この符号にはもう、号泣しかありませんでした。
「読後、きっとこのタイトルに涙する」というキャッチコピーは本当でした。
結末への感想
こんなに悲しいお話なのに、結末が爽やかに描かれていた点はすごく好みでした。
桜良の喪失から1年後、拒絶されていた桜良の親友と苦労の末友達になって桜良の墓参りをする。
墓地から去ろうとする2人の耳に「うわははっ!」と特徴的な彼女の声が聞こえた気がする。
非常にすっきりとした爽やかな読後感で本を閉じることができました。
※追記:映画「君の膵臓をたべたい」を観てきました!
【おまけ】福岡人へのおすすめポイント
作中、主人公と桜良が2人きりで泊りの旅行に出かける場面がありました。
行き先の名称などはことごとく伏せられているのですが、読んでいる人(特に福岡県民)には丸わかりです。
博多駅に着き、ラーメンを食べて太宰府天満宮へ。
2日目に行ったのはキャナルシティ。
実際に知っている場所が細かに描写されているというのは、なんだか嬉しい気分になります。
そんなわけで、特に福岡に詳しいという人にはおススメです!
まとめ
以上、実写映画化される小説「君の膵臓をたべたい」のネタバレ感想でした!
私の買った本を見てみると、発売1年未満なのに第32刷!
なんと現在50万部を突破しているそうです。
そんな話題作を読んでみた感想はというと……号泣必至の感動作!
イメージだけで敬遠するのはもったいない!と声を大にして言いたいほど胸に来る物語でした。
映画版ももちろん楽しみですが、ぜひ小説でも読んでほしいです。
とても読みやすく、ストーリーに引き込まれてどんどんページが進むので、一気読みもできちゃいます。
未読の方は、ぜひ騙されたと思ってお試しください。
映画『君の膵臓をたべたい』の配信は?
U-NEXT | 〇 |
---|---|
Amazonプライム | 〇 |
Paravi | 〇(レンタル) |
Hulu | 〇 |
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※配信情報は2020年6月時点のものです。最新の配信状況は各サイトにてご確認ください。
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横からですみません。
レビュー読ませていただきました。
プラスしておきたい点を残していきます。
伏線の回収がきっちりされてたら☆二つプラスです。
たとえば、ソフビとロープは結局どこに行っちゃったのでしょう?
歳を取ったせいか、いちいちせりふ回しが鼻についちゃったせいか、
泣かされはしなかったけど、住野氏の今後の作品に期待です!
一昨年何気にタイトルが目に入り、購入して読んでいましたが、何かしっくり読み入れ出来ず、途中でそのまま本棚に置いてました!映画?あっあれだって、ビックリ!今テーブルにありますが。読んでいる本が終わったら、じっくり読ませて頂きます!