切ない・泣ける

映画「今夜、ロマンス劇場で」あらすじとネタバレ!結末は?

映画「今夜、ロマンス劇場で」

めちゃくちゃ王道の切ないラブストーリーで、特に結末は涙なしには見られませんでした。

今回は映画「今夜、ロマンス劇場で」のあらすじネタバレをお届けします!

切なすぎる結末とは!?

あらすじネタバレ

時は1960年。まだ大衆にとっての一番の娯楽が映画だった頃。

牧野健司の夢は、映画監督になることだった。

田舎から出てきて早7年、助監督とは名ばかりで健司の仕事は雑用ばかり。

仲間が次々と去っていく中、健司は夢のために歯を食いしばって日々の辛い仕事に耐えていた。

そんな健司にとって毎日の一番の楽しみは仕事終わりの「ロマンス劇場」

館主の本多と懇意にしている健司は、閉館後の映画館「ロマンス劇場」で好きな映画を観ることができる。

といっても、健司が観るのは1本のモノクロ映画だけだ。

タイトルは「お転婆姫と三獣士」

廃棄扱いのB級映画だが、健司にとっては何にも代えがたい最高の作品だ。

その理由は、ヒロインである絶世の美女にしておてんば王女の『美雪』

最初に美雪の姿を見た瞬間、健司は一瞬で恋に落ちた。

美雪を演じる女優はその1本にしか出演しておらず、しかもすでに亡くなっている。

健司にとっては映画の中の『美雪』の存在だけが癒しだった。

(叶うなら、一目だけでも本物の彼女に会ってみたい)

健司はそう思わずにはいられなかったが、もちろんそれは叶わぬ願いだった。

 

 

出会い

その日の健司は、まさに踏んだり蹴ったりだった。

仕事ではミスをして大スターの俊藤を怒らせてしまったし、何よりショックだったのは「お転婆姫と三獣士」がコレクターに売られることになってしまったことだ。

「そんなぁ…」

まさに人生のどん底。

せめて最後にしっかりと目に焼き付けておきたいと、健司は劇場で「お転婆姫と三獣士」を観ることに。

何度見ても美雪の美しさにはため息が出る。

(一度でいい。ほんの一瞬でも構わない。神様、どうか彼女に逢わせてください。この笑顔を間近で見させてください。お願いだから)

健司がスクリーンに手をのばした、その時だった。

突然の雷鳴、そして停電。

劇場が異様な雰囲気に包まれる。

前方に何やら動く人影が…

「え?」

そこにいたのはモノクロの人間…美雪姫だった。

「すごいな!思ってた以上だ!」

美雪は世界の『色』に興味津々、あらゆるものを見ては感動している。

一方の健司は大パニック。

とにかく「モノクロ人間」を人目に触れさせるわけにはいかない。

健司は手も握らせてくれないじゃじゃ馬姫を苦労しながら家に連れて帰った。

「あの、どうしてこっちの世界に?」

「あっちの世界は退屈でな。毎日同じことの繰り返しで飽き飽きしていたんだ」

美雪は映画の概念と、自分がその登場人物の一人であることを理解していた。

「今日からおまえは、わたしのしもべだ」

「えぇ!?」

こうして憧れの美雪姫との生活が始まった。

 

 

事件

翌日、美雪は健司の職場である「京映撮影所」についてきた。

健司は撮影用の衣装とメイクを使って美雪を「普通の人間」に仕立て上げる。

色のついた美雪はさらに美しく…そしてトラブルメーカーだった。

気安く触れようとした俊藤を日傘ではっ倒し、しまいには撮影用のダイナマイトを爆発させ俊藤を黒コゲ寸前の大怪我人にしてしまう。

当然、そのすべての責任は健司が負わなければならなかった。

悪びれる様子も見せない美雪に、だんだん腹が立ってくる。

そしてすぐに我慢の限界が訪れた。

美雪のせいで苦労しているというのに、美雪は謝るどころか「落とし物を探せ」と尊大な態度で命令してきたのだ。

「もうこれ以上、僕に付きまとわないでください!迷惑なんです!」

健司は美雪に怒鳴り散らし、決別を宣言する。

(だって、悪いのは彼女なんだ)

 

だが、健司は基本的に気弱なヘタレだ。

すぐに猛烈な後悔が健司を襲った。

「お守りを落とした」と言った時の美雪は、どこか不安げな表情をしていなかっただろうか?

外は雨。

もし美雪が今も外でお守りを探しているのだとしたら、メイクが落ちてしまうのでは…?

心配さとむかっ腹が健司の中でせめぎ合う。

そして、ふと思い出す。

(そうだ、僕はずっとずっと彼女に逢いたかったんだ。やっと出会えたんだ。彼女はわがままで面倒な人だけど、それはわかっていたことだ)

健司は傘を掴み、雨の中に飛び出した。

美雪を探して走る、走る、走る。

 

美雪は今朝通った土手沿いの道で、お守りを探していた。

ずぶぬれで、メイクの色が落ちかけている。

不安そうな美雪の目を見て、健司の胸がズキリと痛んだ。

「お守り、僕が探します」

美雪に傘を預けて草むらをかき分ける。

しばらく地面を這いずった後、やっと健司は目的のものを見つけ出した。

「あった!」

健司は美雪にお守りを手渡し、酷いことを言ってしまったと謝罪する。

「お前はわたしのしもべだろ!命じたらすぐに探せ!」

変わらない強気な言葉のなかに、今は弱さと可愛さがにじんで見える。

「やっぱりあなたは、勝ち気なくらいがちょうどいいです」

(僕はこの人のこういうところが好きなんだ。わがままでお転婆で、でもその姿には気品があって。わがままで面倒な人だけど、天衣無縫で純粋な、文字通り現実離れした自由な彼女に僕は心を奪われたんだ)

雨が上がり、空に虹がかかる。

健司が笑いかけると、美雪も微笑み返す。

その笑顔を見て、改めて思う。

(彼女は自由で、それでいて美しい。この世界のなによりも、どんなものよりも綺麗だ)

 

 

不安

一緒に暮らし始めて2週間、わがままな姫に振り回される健司の慌ただしい日常は続いていた。

時折、健司の頭には一つの疑問がよぎる。

(美雪はいつまでこの世界にいるのだろう?)

いつか来る別れを思うと悲しくなった。

 

そんな中、健司に大きなチャンスが巡ってくる。

念願の監督になれるかもしれないチャンスだ。

脚本を提出し、それが認められれば晴れて健司は監督の仲間入り。

それは健司に恋心を抱く京映撮影所の美人社長令嬢・成瀬塔子が健司のために用意した機会だった。

そうとも知らず、健司はどんな物語を書くかで頭を悩ませる。

そして決めた。

題材は目の前に舞い降りた奇跡とロマンスについて!

美雪と出会ってからの日々を、騒動を、健司は原稿用紙の上で再現していく。

(僕が書きたい物語はただ一つ。僕にとってのロマンスはあなたなんだ…)

 

健司が原稿用紙に熱中する一方、美雪は構ってもらえなくてふてくされ気味。

健司は「退屈だ!」と駄々をこね始めた美雪と外出することにした。

なに、問題はない。

恋もシナリオも進んで一石二鳥ではないか。

…そんなふうに強がってはみたものの、美雪と健司の関係はいまだに「姫としもべ」

デートを重ねる日々が1週間ほど続いたが、健司はまだ美雪の手すら握れないでいた。

それでも、美雪と過ごす日々は楽しくて仕方がない。

脚本の締め切りは来週に迫っている。

仕事と執筆とデートで体力的には辛かったが、それでも健司はこれまでにない充実感を覚えていた。

 

数日後、2人は神社のお祭りへ。

いい雰囲気になれたと思ったのに、初キスは美雪にかわされて空振り。

話の流れで、健司は美雪に「実は自分たちの物語を書いている」と伝えた。

「…その話、最後はどんな結末なんだ?」

「ごめんなさい。まだ決められていなくて」

美雪は静かに「そうか」とささやき、それ以上の追求をしてこなかった。

改めて、健司は考える。

(僕らの恋の結末は、いったいどうなるのだろう?彼女は、僕とずっと一緒にいたいと思ってくれているのだろうか…?)

 

 

side・美雪

(世界はこんなに美しいのに、わたしには色がない)

そのことを想うと、美雪は悲しい気持ちになる。

健司のような「普通の人間」とは違うと、嫌でも思い知らされる。

 

ある日、塔子が美雪を訪ねてきた。

「牧野さんと、お付き合いされているんですか」

(ああ、この女は、しもべのことが好きなのか)

美雪は笑って「そんなわけない」と否定する。

目の前にいる色のある美しい女は、その答えを聞いて嬉しそうに笑った。

 

しもべとの会話を思い出す。

物語の結末について。

(あいつがいくら幸せな結末を描こうとも、わたしたちの結末なんてもう決まっているんだ。決して幸せにはなれない結末なんだ…)

美雪には、健司にずっと隠している『秘密』がある。

(早く言わなきゃな…)

何度も勇気を出そうとしたが、それを知ったときの健司のことを想うと、美雪の口は重くなるのだった。

 

 

代償

健司の脚本が採用された。

苦節7年、やっと健司は監督になることができる。

結末については再考を言い渡されたが、健司は「きっといい作品をつくって見せる!」と張り切っていた。

(今なら愛の告白もできそうな気がする)

健司は急いで自宅に戻ると、美雪を連れて蛍狩りに出かけた。

雰囲気は申し分なし。

美しい蛍の光に見惚れている美雪の隣で、健司は勇気を振り絞った。

「もっと見せてあげますね。この世界の綺麗なものを。あなたと見たい景色がまだまだあるんです。だから…ずっと僕の隣にいてくれますか?」

一世一代のプロポーズ。

美雪は驚きの表情を浮かべ、そのまま表情を曇らせた。

「…無理だ」

「どうして?」

少しの沈黙の後、美雪は決意の表情で口を開く。

「触れられないんだ」

「え?」

「わたしは、お前に触れることができない。人のぬくもりに触れたら消えてしまうんだ。それが、この世界に来る代償なんだ」

美雪の目には涙が浮かんでいる。

「…どうしてそんな危険を冒してまでこの世界に?」

映画の中の世界に飽きたというのは嘘だ。

なにが彼女にそこまでさせたのか…。

「お前に逢いたかったから…」

健司が映画の中の美雪を見ていたように、美雪もまた映画の外の健司を見ていた。

フィルムが再生されなくなって、どれくらいの年月が経っていたのだろう?

誰からも必要とされないというのは、映画の中の登場人物である美雪にとって酷く悲しいことだった。

そんな中、健司だけがフィルムを…美雪を見つけてくれた。

「こんなわたしでも、まだ誰かを喜ばせることができる。そう思うと、嬉しくてたまらなかった。ずっとあの日々が続いてほしかった。でも、もうすぐお前に逢えなくなると知って、一目逢いたくなってしまったんだ。逢って、最後に言いたかった。見つけてくれてありがとうって…」

「いりませんよ、そんな言葉。僕はこれからも…」

「無理だ。わたしたちは触れ合うことができない。それに、わたしには色がない。だからお前と生きることなんてできやしない…」

生きる世界の違い。

結ばれない定め。

踵を返して家へと戻る美雪を、健司は呼び止めることができなかった。

声が出なかった。

健司の懐には、美雪に渡すつもりだった指輪が眠っている。

本当はプロポーズして、渡すつもりだったのに…。

(僕らの恋の結末は、一体どうなるんだろう…)

いくら考えても答えは見つからなかった。

 

 

side・美雪

触れられない。

その事実は健司を戸惑わせ、美雪を直視できなくさせた。

それでも美雪は心のどこかで期待していた。

それでも健司なら、と。

(これからもずっとお前の隣にいたい)

だが、美雪は聞いてしまう。

健司と、同期の友人である伸太郎との会話。

「好きな人に触れずに生きていくことなんて無理だ」

伸太郎の言葉を聞いた瞬間、ぷつりと希望の糸が切れた。

(全部忘れよう…)

美雪はこっそり見つけていた指輪をもとの場所に戻す。

(これでいいんだ…)

 

別離

「出ていく。うんざりだ。お前のそんな顔を見るのも!触れないように気を遣われるのも!愛想笑いも!お前と暮らしてると息が詰まるんだ!」

目を真っ赤にしてそう怒鳴ると、美雪は健司の家から出ていった。

追いかけようとして、足が止まる。

追いかけたとしても、肩を掴むことだってできやしない。

健司はただ小さくなっていく美雪の背中を見つめ続けた。

 

美雪が出ていったことで落ち込む健司の隣に、優しく塔子が寄り添う。

自然と、言葉が漏れていた。

「当たり前のことだと思ってました。隣にいる人のぬくもりを知れるのって…。でもそれって、すごく幸せなことなんですね」

握った手から、塔子のぬくもりが伝わってくる。

ハッと我に返り、健司は慌てて塔子の手を離す。

何かをごまかすように帰ろうとする健司を、塔子が呼び止めた。

「わたしは幸せです、牧野さんのぬくもりを知れて」

振り返る。塔子は胸の前で手をきゅっと握っていた。

「わたし、あなたのことが好きです」

塔子からの告白。健司は何も答えることができなかった。

 

塔子は社長令嬢だ。交際を断れば監督しての未来はないだろう。

だが、そんなことよりも健司の頭に浮かぶのは美雪のことばかり。

今、美雪はロマンス劇場にいるらしい。

本多がかくまってくれているのだ。

だが、会いに行っても門前払い。

美雪は健司に逢いたくないと言っている、らしい。

どうすれば、美雪と幸せになれるのだろう?

いや、その前に塔子の告白にきちんと返事をしなければ…。

健司の頭は混乱していて、一歩を踏み出すことができない。

 

 

side・美雪

塔子を呼び出した。

ぎこちない笑みを浮かべる塔子に、美雪は言う。

「あいつはきっとお前のことを好きになる。何も心配はいらないぞ。だから安心するといい」

塔子は一瞬で美雪の意図を察した。

(この人は、わたしに牧野さんのことを譲ろうとしているんだ…)

「あいつは弱いやつだ。すぐ落ち込むし、うじうじするし、男としては情けないところがいっぱいある。だからもし、あいつが落ち込んでるときは…手を握って慰めてやってくれ…」

美雪の声は震えていた。涙をこらえるように、奥歯を噛み締めている。

しかしやがて、その目から一筋の涙がこぼれた。

「ずっとあいつの隣にいてやってくれ…」

 

ロマンス劇場へ

今、健司の目の前には塔子がいる。

「黙っていようと思ってました。彼女と逢ったこと。でも無理でした。だって、あなたたちは互いに想いあってるから。台本を読んだときからわかっていました。牧野さんは、あの人のことが大好きだって」

塔子は涙を浮かべながら、健気に微笑もうとしている。

「わたしが入り込む隙間なんて、どこにもないって…」

伝わってくる。塔子は健司の背中を押してくれているのだ。

彼女のもとへ行ってほしいと、そう言ってくれている。

健司は助監督部屋を飛び出し、ロマンス劇場へ走った。

 

(僕はバカだ。弱くて、臆病で、ずっと逃げていた。触れられないことを言い訳にして。一番辛いのは、苦しいのは、彼女だったのに!)

 

ロマンス劇場に到着する。

健司の覚悟を見定めると、本多は劇場を貸し切りにしてくれた。

劇場に足を踏み入れる。

美雪は後方のシートに座っていた。

健司を見て戸惑いの表情を浮かべている。

「帰りましょう」

「無理だ」

「どうして?」

「わたしはお前になにもしてやれない。苦しんでるとき、わたしはお前に触れてやることすらできない。その手をとって励ましてやることも、手をつないで歩くことも、皆が当たり前にしていることを、わたしは何もしてやれない」

今ならわかる。彼女は無理をして笑っている。

「お前はもっと普通の恋をするべきだ。その方がいいに決まってる」

「でも僕は…あなたじゃなきゃダメなんです」

美雪の笑顔がふっと消えた。途端にその目が涙でいっぱいになる。

「他の人じゃ意味がないんです。僕はどんな映画より、誰よりも、あなたのことが大好きなんです」

美雪の表情が崩れた。みるみる涙が頬を伝っていく。

「ねえ、健司…。その言葉だけでもう十分だ。だから最後に一度だけ、抱きしめて…」

今度は健司が涙を流す番だった。

今も美雪は僕と一緒に生きていくことはできないと思っているんだ。だから、最後に一度だけ触れたいと。

(…僕は彼女の願いを叶えるんだ)

ゆっくりと美雪に歩み寄る。

美雪の瞳を見つめる。

抱きしめてほしいと、心から願っているのがわかる。

健司は、美雪の頬に手を伸ばした。

 

 

現在、そして結末

あれから60年後。

健司はすっかり老い、今は病室で静かに最後の時間を過ごしていた。

これまでの物語は健司が書いた映画の脚本。

結局、この物語は映画にならなかったため、結末はなく、中途半端なところで終わってしまっていた。

健司が物語を語って聞かせていた相手は若い看護師。

看護師はぜひ結末を書いてほしいと言う。

それもいいかもしれない。

健司がそう思ったときだった。

「あ、お孫さん来てくれましたね」

そう言うと看護師は仕事に戻っていった。

だが、病室の戸口に立っているのは孫ではない。

美雪だ。

左手の薬指には、あの指輪が光っている。

 

…。

 

あの日、健司は美雪に触れなかった。

ずっと一緒にいるために。

「もう決めたんです。たとえこの世界の人じゃなくても、白黒でも、触れられなくても、僕はやっぱりあなたといたいんです」

「でも」

「でもじゃありません。たまには僕のわがままも聞いてくださいよ」

健司がにっこり笑うと、美雪の頬にまた一つ涙がこぼれた。

「僕が幸せにします。だからもうそんな顔しないでください」

「仕方ない。じゃあ、ずっと一緒にいてやるか」

2人は顔を見合わせながら笑った。

 

それから年月が流れた。

京映撮影所は倒産し、健司の映画が撮影されることはなかった。

時代は映画からテレビへ。

健司は本多から館主の仕事を引き継ぎ、ロマンス劇場で働き出した。

さらに時が過ぎ、やがてロマンス劇場は閉館を余儀なくされた。

 

美雪はずっと若い姿のままだった。

一方の健司はどんどん年を取っていく。

2人はだんだん夫婦に見えなくなり、今では祖父と孫という関係にしか見られない。

それが健司には悲しかった。

 

看護師に言われ、健司は久々に万年筆をとった。

2人のハッピーエンドを描く、その時が来たのだ。

 

 

病院からの電話で、美雪は健司のもとに駆け付けた。

健司の命が、今まさに目の前で終わろうとしている。

健司と過ごした幸せな日々が思い出される。

「健司、見つけてくれてありがとう。たくさんわがまま聞いてくれて、ずっと隣にいてくれて、ありがとう」

美雪は静かに微笑んでいる。

「最後にもう一つだけ、わがまま言っていい?」

返事はない。

「触れたい。お前の温もりを感じてみたい」

ずっと叶わなかった願い。

「いいよね…?」

そっと手をのばす。怖くはない。

指先が健司に触れる。確かなぬくもりを感じる。

美雪の目から大粒の涙がこぼれた。

強く強く、愛しい人を抱きしめる。

優しいぬくもり。

初めて知った愛する人の温かさ。

「こんなに温かいんだな…」

美雪はそっと目を閉じて思った。

(ありがとう、健司。この世界にやってきて、健司と恋をすることができて、わたしはうんと幸せだった)

 

翌朝。

若い看護師が見つけたとき、健司は息を引き取っていた。

そばには誰の姿もない。

ただベッドサイドに、健司が最後に書いていた原稿用紙だけが残されていた。

物語のタイトルは「今夜、ロマンス劇場で」

風で原稿用紙が舞い上がる。

若い看護師はそれを拾い上げ、物語の結末を読んだ。

 

 

物語の結末

そこは彼女がかつていた白黒の世界。

美雪姫の前に、若かりし頃の姿の健司が現れる。

健司が差し出した一輪のバラを美雪が受け取った瞬間、世界が鮮やかな色に染められていく。

美雪も例外ではない。

もう手を擦っても色が落ちることはない。

彼女がずっと欲しがっていた、本物の色。

健司は美雪を抱き寄せると、くちづけを交わした。

触れあっても、美雪が消えることはない。

祝福の拍手の中、健司と美雪は幸せそうに抱き合っている。

2人を包む鮮やかな色は、もう二度と消えることはない。

これからもずっと…。

<今夜、ロマンス劇場で・完>

 

まとめと感想

今回は映画「今夜、ロマンス劇場で」のあらすじネタバレをお届けしました!

前半は「コメディ色の強いラブコメ」という印象だったのですが、後半は一気に「切ない純愛物語」へとシフト!

このギャップがまた良かったですよね。

結末は切ないものではあったのですが、決してバッドエンドというわけではなく、幸せな空気に包まれた美しい終わり方だったと思います。

 

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POSTED COMMENT

  1. あ! より:

    ストーリーを思い出すために読みましたが、とても解りやすく映像が蘇りました。
    ありがとうございました。

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