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漫画「ミリオンジョー」あらすじネタバレ!最終回は打ち切りだった?

漫画「ミリオンジョー」を読みました!

わかりやすくいえば

『ワンピースの尾田栄一郎先生がいなくなっちゃったから、代わりに編集者が続きを描く』

という内容の漫画です。

当然、トラブルの連続で、バレたら即クビどころか即逮捕!

それでも主人公は続きを待っているファンのために、あの手この手で『偽装連載』を続けていきます。

はたして、ラストに待ち受けている展開とは……!?

今回はドラマ化もされた漫画「ミリオンジョー」のあらすじネタバレをお届けします!

あらすじネタバレ

『ミリオンジョー』は最新巻初版部数500万部の国民的漫画。

(ちなみにワンピースは初版最高400万部)

「週刊少年グローリー」の看板作品で、もう10年近く連載し続けている。

アニメの視聴率は20%越え。

その経済規模は1兆円にのぼるとも言われている。

子どもから大人まで「ミリオンジョー」を知らない国民はいない。

「ミリオンジョー」は日本のエンタメの中心ともいえる存在である。

ミリオンジョーの担当編集者・呉井聡一(入社3年目28歳)

化け物漫画の担当編集者だというのに、呉井の仕事意識は限りなく低かった。

呉井(原稿をとってきて製版所に渡すだけ。それがオレの仕事)

「ミリオンジョー」の作家・真加田恒夫の仕事は完璧で、編集者の意見を必要とはしていない。

とはいえ、なぜ真加田が担当編集者に呉井を指名したのか、呉井を知る誰もが首を傾げた。

呉井「死んでる……」

真加田恒夫が急死した。

以前から「心臓が痛い」と訴えていたのに、呉井はいつも「はいはい、締め切りが近くなるとこれだよ」と聞き流していた。

人とのコミュニケーションを極端に嫌う真加田が日常的に接する相手は、チーフアシスタントの寺師良太をのぞけば呉井だけだ。

気づけたのは、呉井だけだったのに。

呉井(俺のせいだ……!!)

ミリオンジョーが未完で終われば、会社も呉井も共倒れになる。

いや、それよりも「続きが読みたい」と心待ちにしている読者はどうなる?

呉井は考え抜いた末に、とんでもない決断を下した。

呉井「真加田さんは死んでません。このまま真加田さんの死を隠し続けます……!!」

寺師「えっ……!?」

呉井「ミリオンジョーの連載……続けます!!」

呉井(ミリオンジョーのバトン、俺が受け取った!)


計画

呉井「俺がネームを切って、寺師さんが絵を描くんです! そしたら真加田さんが受け取る原稿料・印税・著作権使用料すべて……俺と寺師さんで山分けできるんですよ!」

寺師には少なくない額の借金がある。

『真加田の家から金を持ち出して逃げよう』という寺師の考えを、呉井は見抜いていた。

だから金をエサにして計画に巻き込んだ。

すべては「ミリオンジョー」のファンのために。

問題は大きく分けて3つ。

  1. どうやって「ミリオンジョー」の連載を続けるか?
  2. どうやって真加田恒夫の死を隠すか?
  3. どうやって真加田恒夫の金を銀行から引き出すか?

まずは最大の難問である漫画づくりについて。

寺師はチーフアシスタントとして真加田から主要キャラのペン入れまで任されていた。

だから『絵』に関しては寺師が代役を務められる。

問題は『ネーム』の方だ。

幸い真加田はこの先のストーリーを詳細に記した『創作ノート』を遺していた。

だから物語については問題ない。

とはいえ、『ネーム』はそう簡単なものじゃない。

コマ割りの見せ方によって漫画の面白さは天と地ほども変わってしまう。

元は漫画家志望だったとはいえ、はたして呉井に真加田のネームが切れるのか……?

呉井「ネームは俺が切れると思います」

寺師を説得するため、呉井はそう言い切るしかなかった。

次に、真加田の死の隠ぺい。

この問題に関しては、真加田恒夫という『変人』の境遇が大きく味方した。

・養護施設出身で親族もいない天涯孤独の身

・限界まで人との接触を拒んでいた生活環境

・携帯もパソコンも持っておらず本人直通の連絡手段はなし

メディアからの取材は一切お断り。

アシスタントでさえ寺師以外は真加田の顔を知らない。

さらにはコミュニケーションが嫌で税理士すら雇っていなかったという徹底ぶり。

編集長の橋爪でさえ、やっと「顔を見たことがある」というレベルなのだ。

呉井と寺師さえ黙っていれば、真加田恒夫の死が世間に漏れることはない。

呉井はやっかいごとに強い後輩の岸本薫を『汚れ仕事担当』として計画に引き込み、真加田の遺体を山に埋めさせた。

最後に、真加田の金を引き出す方法。

これは思ったよりも難しい。

「ミリオンジョー」の偽装連載が終わった後、真加田恒夫は失踪扱いになる。

となれば当然、警察が動くだろう。

真加田の口座から呉井たちの口座に金が送金されていれば、一発でバレてしまう。

つまり、金を受け取るには本人が銀行に行って現金を持ち帰ってくるしかない。

そのために必要なのは真加田の影武者だ。

岸本はどこからともなく借金に苦しむ佐藤という男を連れてきた。

世間の人間は真加田を見たことがないのだから、容姿はある程度似ていればそれでいい。

あとは本人確認のために佐藤が「ミリオンジョー」の絵を描けるようになれば、いつでも金を引き出せる……という計画だ。

引き出す金は現金で30億円。

呉井・寺師・岸本、それぞれ10億円の取り分。

真加田の口座にはそれどころではない金が入っていたが、それが現実的な数字だと3人は判断した。

仮に100億円引き出しても、税務調査を回避するために大きな買い物はできない。

せいぜい「一生贅沢に暮らす」ことくらいしかできない、というのが結論だった。


偽装連載

いよいよ、真加田の手が一切入っていない最新話が「週刊少年グローリー」に掲載された。

アンケートの結果はいつも通りの『1位』

しかし、1つ前の話と比べると130票も票を取り逃がしていた(520票 → 390票)

さらに、続く偽装連載2話目ではついに不動の1位から2位へと転落。

呉井(なぜだ……!? 編集長のチェックを通った原稿なのに、どうして票が落ちる!?)

寺師「ネームだろうな。正直、俺は呉井のネームを読んだときこれなら大丈夫だなと思った。……実際、ネット上でもファンは面白いって受け止めてた。けど……ターゲットである少年たちが支持しないネームなんだよ」

呉井「!!」

寺師「バレるかバレないかじゃなく……子供たちにこの漫画を熱狂的に面白いと感じさせていた『何か』 それこそがネームであって、そこに真加田さんのマジック……創作の秘密があったんだ」

寺師(いまさらながら……真加田さんのネームがいかにすごかったか思い知らされる)

寺師は計画を中止するべきだと訴えたが、呉井は聞く耳を持たなかった。

呉井「ダメです。俺はやめませんよ」

寺師「じゃあ、どうするってんだよ!!」

呉井「ネームを改善する。票数を戻す方法はこれだけです」

寺師「いや、だから……わかった。けど問題は時間だ。アンケートの票数がここまで目に見えて変化しているのを編集部がいつまで気長に放置する? 何か今すぐ人気が取れるようなことしねえと、この状況はしのげないぞ」

呉井はアンケートの票数を復活させるため、奇策を講じた。

自分たちで1千枚のアンケートハガキを送って、票数を水増しすることにしたのだ。

作業の人員は岸本に手配させた。

これにより表面上の票数は全盛期レベルまで回復したものの、あくまで一時的な対応であることには変わりない。

根本的な解決にはなっていなかった。


最大の危機

佐藤が偽真加田であることがバレた。

相手は狂信的な真加田ファンである森秋麻衣。

真加田と結婚するために「週刊少年グローリー」に連載を持つ漫画家になったという尋常ではない人物である。

ことの経緯はこうだ。

1.森秋は打ち合わせのために訪れた編集部で、(呉井の机から)真加田の住所を手に入れた。

2.それから森秋は毎日、真加田の自宅を監視。

3.家から出てきた佐藤を真加田だと思い込み、ホテルへと誘う。

4.佐藤がシャワーを浴びている間に手荷物をあさり、佐藤が『影武者』であることを知る。

まだ真加田の急死はバレていない。

しかし、その可能性を森秋に疑わせるには十分すぎるほど不審な状況だった。

森秋は佐藤と一緒に撮った写真を脅しの材料にして、呉井を呼び出した。

森秋「呉井さん、妥協点探ろうとするのやめませんか? どこまで情報を明かせば引いてくれるかな、とか……あわよくば丸め込んでやろう、とか……」

呉井「……」

森秋「とにかく今ここで全部教えてください。それが無理ならバラします。私が言いたいのはそれだけです」

強気な姿勢は呉井の反応から真実を見抜くためのカマかけ。

額に汗を流して絶句する呉井の表情から、森秋はすべてを悟った。

森秋(死ん……でた……!! 真加田さん……!!!)

結局、森秋にはすべてを話すことになった。

真加田の家に連れて行き、そこで寺師や岸本にも事情を説明する。

岸本「で、お姉ちゃんの条件は?」

森川「条件なんて……私はただ……私をメンバーに加えて、計画を包み隠さず共有させてもらえれば……」

森川は偽物と気づかないほど真に迫った『ミリオンジョー』をつくってみせた呉井たちに興味がわいたという。

森秋「お金!? お金なんて全然いらないですよ!」

寺師「欲しくないっつったって、逆に信用できねェ」

岸本の提案により、疑心暗鬼を防ぐため、森秋には5億円の分け前をとらせることになった。


違和感の正体

真加田は『創作ノート』に1話ずつの物語の進行具合まできっちりと記していた。

それによると、完結までは残り100話。

連載にして2年の計算になる。

ところが呉井はアンケート票数を獲得するための策として、1話に1.5話~2話ぶんの話を詰め込み始めた。

その結果、アンケート票数は水増しする必要がなくなるレベルにまで回復。

熱心な真加田信者だった森秋のアドバイスのおかげでネームの質も向上し、課題だった少年読者のウケもクリアすることができた。

そうして発売されたコミックス最新巻の初版部数は、なんと歴代記録を塗り替える510万部!

呉井たちの偽装連載は順風満帆に進んでいる……かのように思われた。

しかし、一般読者の評判とは裏腹に『ミリオンジョー』に懐疑的な目を向ける人々もわずかながら存在した。

・ネット上の『ミリオンジョー』マニア

・編集長の橋爪

・『ミリオンジョー』マニアの副編集長・左子

そして「週刊少年グローリー」で2位の人気を誇る漫画「トライゼッタ」の作者・本杉もまたそのうちの一人だった。

本杉「最近の『ミリオンジョー』なぁ、これ偽物だよ」

担当編集「え……?」

本杉「真加田恒夫じゃねェヤツが描いてるよ」

本杉が「真加田に会わせろ」と押しかけてきた。

「無理です!」と突っぱねる呉井に本杉は咆哮する。

本杉「真加田くんは何をやってるんだ! 俺に対しても他の連載陣に対しても失礼だ!」

真加田の作風が不真面目に変わったという断言。

本杉はいったい『ミリオンジョー』の何に対して不満を感じているのか?

呉井がしつこく尋ねると、本杉は怒りながら言った。

本杉「あ~~もう! 目線だよ! 自信がなかったり、何か後ろめたい気持ちでやってる漫画家の描くキャラってのはな、読者の方(正面)を見れねェんだ! 少年漫画なら特にな!」

呉井は雷に打たれたかのような衝撃を受けた。

自分がそんなネームを切っていたことに、まったく気づいていなかった。

本杉「これ以上詮索はしねェけどな、キャラが精彩を欠いているうちは作者もトンネルから出られねェぞ」

呉井「は、はい! ありがとうございます!!」

「もともとアイツに会えるだなんて思ってねェよ」と言い残し、本杉は去っていく。

呉井はその背中にいつまでも頭を下げ続けた。


再びの危機

偽装連載開始から約4か月。

物語はいよいよ佳境に突入し、世間はますます『ミリオンジョー』に熱狂していた。

そんななか、森秋事件以来のピンチが呉井たちに降りかかる。

副編集長の左子が勝手に呉井の机をあさり、ネームを見つけてしまったのだ。

以前真加田のネームを目にしたことのある左子は、一発で「ミリオンジョー」のネームが真加田ではない人物によって描かれていることに気づいた。

左子(これは呉井の字じゃないのか……? 呉井がネームを描いてるってことか……!?)

左子「呉井、お前……『ミリオンジョー』の件で何か隠してることがあるんじゃないか?」

呉井「な、なんのことですかね……?」

左子「この後の会議で議題にする。シラを切るのも今のうちだ。みんなの前できっちり白状させてやるからな」

絶望する呉井。

そんな呉井をじっと見つめる人影が2つ……。

呉井の味方は実に意外なところから現れた。

同じ編集マンの石田と中村だ。

石田・中村は事情を察し、呉井をかばうために左子に直談判しに出向いた。

石田「左子さん、呉井に何か疑惑っていうか……お持ちですよね」

左子「ああ!! いいか! 真加田先生は『ミリオンジョー』のネームを描いてない可能性が高い!」

鬼の首を取ったように言い放つ左子とは対照的に、二人の視線は冷ややかだ。

中村「左子さん、そんなこと追及してどうするんですか」

左子「え?」

中村「『ミリオンジョー』の担当って、並大抵のことじゃないですよ。呉井はよくこなしてるじゃないですか」

左子「おい、何言っている……!?」

偽装連載を始めてから、呉井の仕事態度は明らかに変化していた、

常に切羽詰まっていて、真剣だった。

仲間の編集マンたちはそんな呉井の頑張りを『編集マンとしての努力』として認めてくれていたのだ。

左子「なら、呉井がネームを描いていたとしたらどうだ!?」

中村「漫画家本人になんらかの不調が起こったとしても、それをカバーできなければ担当(俺たち)の責任になる……! そういうもんでしょう?」

石田「もし呉井が連載を止めないためにスレスレの手段を選んでいるとしても……僕はそれを責められないです」

左子「おいおいおいおい……目を覚ませよ! 漫画家本人が漫画を描いてないんだとしたら明らかにルール違反だろ!? 裏切りだろ!?」

激昂する左子。

その口ぶりからは自分こそが正しいと信じて疑っていない様子がうかがえる。

左子「どうするんだよ『グローリー』編集部として! バレたら大問題だぞ!!」

中村「だからってなんでそう呉井を追い込むんですか!?」

左子に負けない気迫で中村は言い放つ。

中村「もし本当に真加田さんに何か起きてるんだとしたら……むしろ『ミリオンジョー』が毎週『グローリー』に載ってることを褒めるべきでしょう!?」

左子「!?」

中村「ネットで指摘されてるだか何だか知らねェけど、何かあったらアンタはまずアイツをかばってやるべき立場なんじゃないですかっ!?」

左子「う……!」

完全に言い負かされた左子は、その後の会議で何一つ発言しなかった。

しかし、左子はまだ諦めたわけではなかった。

その日の夜、電話をかける。

左子「あ、もしもし。橋爪さん(編集長)……ちょっとご相談というか……お耳に入れておきたいことがありまして……」


脅迫

左子「おい、今の『ミリオンジョー』誰が描いてるんだよ?」

2人だけの会議室。

左子の手には『呉井が描いたネーム』が握られている。

呉井(机を……漁られた……!)

左子「……橋爪さんがもうすぐここに来る」

呉井「!」

左子「編集が越えちゃいけない一線というものがあるんだ。けどお前たちは妙な現場主義を主張するだろ? 判断は編集長に任せるよ」

絶体絶命の大ピンチ!

追い込まれた呉井は、誰もが予想しえない一手を打った。

呉井「違うんです左子さん! 真加田さんとっくに死んでるんです!!」

左子「……何? おい、呉井、苦しまぎれに何を……」

呉井「信じられないでしょうけど本当です」

呉井は真加田の死の真相と偽装連載の内情をすべて包み隠さず打ち明けた(金のことはのぞく)

数か月前に日本最高の売れっ子漫画家が急逝していたと知らされては、さすがの左子も動揺を隠せない。

左子「う、嘘だよな……?」

呉井「終わっちゃいけないんですよ。『ミリオンジョー』は途中でやめられない。あの漫画が未完で終わるなんてことになったらどうなるか、左子さんならわかるでしょう?」

左子「お前は……どこまでクズなんだ……。大問題どころじゃない……。真加田さんが死んだのを隠して、スタッフと担当編集ぐるみで連載を続けるなんて……お前は……なんてことを……」

呉井「自分のしてることを正当化するつもりはありません。でも、やるしかない状況なんです」

左子「……」

呉井「編集長に話すかどうかはお任せします。橋爪さんの性格上、これを知ったらオレは即刻解雇され……会社から訴えられえて刑務所行きでしょう。そして……」

呉井「『ミリオンジョー』は未完で終了します」

左子「うっ……!!!」

状況はいつのまにか逆転していた。

ピンチだったはずの呉井が場の主導権を握り、追いつめているはずの左子が今や追い込まれている。

『ミリオンジョー』を終わらせるかどうかの選択。

それは一個人には重すぎる決断だ。

左子「うっ……ううう……」

結局、左子はプレッシャーに耐え切れず、橋爪に何も言うことができなかった。

後日、左子は橋爪に退職を申し出た。

呉井はそんな左子に声をかける。

呉井「左子さん、もしかしてオレのせいですか……?」

左子「お前は……何者なんだ……? いくら終わらせられない漫画だからってさ……。ひとつ言っておく……俺はこのことを誰にも言うつもりはない。だから、見逃してくれ。俺にも守るものがある……」

すっかり怯えきったまなざし。

それはそうだ。

常人なら、まず偽装連載なんて危険すぎる橋はわたらない。

押しつぶされてしまうほどの秘密を抱えながら平気な顔をしている呉井は、誰よりも狂っている化け物に他ならないのだから。


事件

『創作ノート』が入ったカバンが盗まれた。

管理していたのは寺師。

禁酒を破って酔っていた隙をつかれての出来事だった。

犯人は外国人で、まず間違いなく現金が目当てだったに違いない。

きっとノートはすぐに捨てられただろう。

つまり、『創作ノート』の情報が漏れる心配はないが、『創作ノート』が返ってくることは二度とない……。

今まで偽装連載が続いていたのは、なんといっても『創作ノート』があったからこそだ。

それがない今、どうやって続きを描けばいいのか……。

状況は絶望的。

しかし、呉井だけは顔色一つ変えなかった。

呉井「全部覚えてるから……シナリオは」

森秋「お、覚えてるって……5冊丸ごとですか?」

呉井「ああ」

呉井は過去の『創作ノート』内容を一言一句間違えずに暗唱して見せる。

たとえるなら、それは六法全書をすべて暗唱するようなものだ。

正気の沙汰ではない。

呉井「記憶力だけは自信あるんだ」

社会の闇に詳しい岸本でさえ、呉井の狂気には空恐ろしさを感じざるをえなかった。


35億円

銀行から真加田の金を引き出すことに成功した。

佐藤の本人確認は、意外にもあっさりと認められた。

引き出した金額は、森秋の報酬を含めて35億円。

この規模の金額になると、即日手渡しというわけにはいかない。

佐藤「現金は明後日には届くそうです」

岸本「おし! よくやった!」

偽装連載の方も最終回に向けて順調に進んでいる。

無謀に思われた計画は、もうすでに最終段階まで到達していた。

2日後。

現金到着予定日。

想像もしていなかった出来事が起こった。

佐藤とこつぜんと姿を消した。

それだけじゃない。

森秋と寺師にも連絡がつかない。

パニック寸前の呉井と岸本が見つけたのは、森秋が残した置手紙。

手紙にはたった一行こう書かれていた。

『ご想像の通りです』

岸本「クソォォォォ!!!!」

35億円の現金は佐藤・森秋・寺師の3人に持ち逃げされてしまった。

一方そのころ、森秋たちは現金を積んだ車を運転して、ひたすら西へと逃げていた。

裏切りの首謀者は森秋と佐藤。

寺師はPAでトイレに行っている間に、2人に置いて行かれてしまった。

森秋「キャハハハハハ!! バッカじゃないの!!!」

35億円は森秋と佐藤、2人のもの。

森秋「私……真加田様からお告げがあったのよ。アイツらを罰せよって……!!」

森秋は呉井たちのことを許してはいなかった。

呉井たちの敗因は、森秋の狂信者っぷりを甘くみていたことだったのかもしれない。


急転

問題は35億円を奪われたことではなく、寺師が裏切ったことだった。

寺師がいなくては『ミリオンジョー』は成り立たない。

呉井は岸本にも黙って、どこかへと姿を消した。

そこからの世の中の変化はすさまじかった。

『ミリオンジョー』は最終回直前にして無期限休載。

呉井・森秋・真加田・寺師の4人は失踪扱いとなり、集団失踪事件として警察の捜査が始まった。

どのニュース番組も『ミリオンジョー』の話題で持ちきりになり、真加田は『最終回直前で逃げた無責任な極悪人』として非難されるようになった。

狂気

岸本「やっと見つけたぜ……呉井さん」

呉井は地方の宿に隠れながら、『ミリオンジョー』のネームを描き続けていた。

岸本「これ……どうするんですか?」

呉井「言っただろ? 最後まで描きあげるんだ。最終回まで……!」

真加田の名義で完成したネームを編集部に送る。

そうすれば編集部はネームを使わざるをえない。

これが呉井の狙いだった。

呉井「『ミリオンジョー』の読者は物語の《完結》を読む権利がある! そうだろ? 創作ノートもない今、オレの頭の中にあるコレをどうにかして読者に届けなきゃなんねェんだよ!」

岸本「ブハハ……呉井さん、わかりました。わかりましたよ……」

岸本は話題を変え、真加田が悪者扱いになってしまっていることを指摘する。

岸本「呉井さんのやってることって……」

呉井「どうでもいい」

岸本「え!? 言ってることおかしいでしょ呉井さん。アンタが描いてるのはもともと作者の……真加田恒夫のもモンだろ!?」

呉井「じゃあ……『桃太郎』は誰のもんなんだ?」

岸本「……正気じゃないな、呉井さん」

岸本が帰った後も、呉井は血走った目で机にかじりつき続けた。

そして、数か月後――。

呉井(終わった……!!)

ついに『ミリオンジョー』最終回までのネームが完成した。

一方、世間では真加田恒夫に関する新たな情報が飛びかっていた。

内部情報者からのリークにより、すでに世間には偽装連載のこと、集団失踪のことが明るみに出ている。

担当編集者だった『クレイ』は、今やミリオンジョーのファンの間で大犯罪者扱いになっていた。


最終回

ネームを描き切り、やや正気を取り戻した呉井は警察に自首することを決意する。

原稿を抱えて交番へと歩いて行く。

あと数歩で交番にたどり着くという、そのときだった。

ドンッ!

呉井「……は?」

少年が飛び出してきて、呉井に体当たりしてきた。

少年が離れると、呉井の横腹には太いナイフが刺さっていた。

少年「呉井聡一ィィィ! この冒涜者がぁぁぁ! 死んで詫びろぉぉぉ!!」

呉井はその場に倒れ伏した。

呉井を刺した少年は『ミリオンジョー』の熱狂的なファンだった。

この事件を機に事件の全貌は完全に明らかになり、世間はさらに『ミリオンジョー』関連ニュースで盛り上がった。

なかでも一部で話題になったのは、呉井が残した「最終回までのネーム」の存在だ。

噂が流れ始めると同時に、その存在の真偽を含め、編集部には公開を熱望する声が届き始めていた。

とにかくどんな形でもいいから『ミリオンジョー』の続きを読みたい!

謎を解決してほしい!

結末が知りたい!

もはやその声は無視できないレベルになっている。

呉井は生きていた。

今は病院でリハビリしながら、こりずに漫画を描いている。

『ミリオンジョー』ではなく、自分の漫画を。

かつて認められずに諦めてしまっていた、自分の漫画を。

タイトルは「バイオレンス昆虫KABUTO」

『ミリオンジョー』と同じ、熱い展開の少年漫画だ

3年前、真加田は新しい担当編集を決めるにあたって呉井の漫画(「バイオレンス昆虫KABUTO」)を読んでいた。

そうして、呉井を指名した。

「えっ、それでいいの!? 呉井って今年入ったばかりの奴だけど……」

驚く前任の担当編集に、真加田は言った。

真加田「面白かったですよ、この漫画」

それが、真加田が呉井を担当編集に指名した理由だった。

<完>

ぱんだ
ぱんだ
いいねしてね!



実は打ち切りだった?

『途中までめちゃくちゃおもしろかった漫画』

これが「ミリオンジョー」を最後まで読んだ私の率直な感想です。

森秋が35億円を持ち逃げしたあたりが面白さのピークでしたね。

そこからはもう「は?」っていうくらいに勢いがなくなっていって、最終回に至っては「え、これで終わりなの? 本当に??」と心から思いました。

だって

  • 佐藤と森秋はどうなったの?(岸本が追いそうなもんだけど)
  • そもそも佐藤はバカなふりをしてたの? どういうやつだったの?
  • 置いてかれた寺師はどうなったの?
  • 岸本はどうなったの?(金いらないって……キャラ変わってない?)
  • 結局「ミリオンジョー」の最終回は掲載されるの?

などなど、気になるところが全部おいてけぼりなんですもん。

風呂敷を広げるだけ広げて、そのまま放り投げたというか……。

ぶっちゃけ「これ、打ち切りだったのかな?」と思いました。

ぱんだ
ぱんだ
ググってみたよ!

確かな情報はなかったのですが、こんなツイートを発見しました。

最終回のまとめ方があまりにもアレでしたし、きっと途中からは打ち切りが決まっていて、急いで物語を終わらせにかかったんじゃないかと思います。

それじゃないと途中まであんなに面白かった漫画が、いきなりめちゃくちゃつまんなくなることってないでしょうし……。

せっかくドラマ化することですし、原作の《幻の続き》とか描かれないですかね。

個人的にはもっともっと二転三転して「あっ!」と驚かせてくれるような《本当の結末》が読んでみたいです。

実は真加田は生きていた!とか予想してたんですが……。

途中までは本当に面白かっただけに、打ち切りで強引にまとめられてしまったのが残念でなりません。

ドラマのラストはどうなるんでしょうね?


まとめ

今回は漫画「ミリオンジョー」のあらすじネタバレをお届けしました!

では、最後にまとめです。

3行まとめ
  • 35億円は森秋と佐藤に持ち逃げされる
  • 呉井はミリオンジョーのファンに刺されるも、命に別状なし
  • 最終回は打ち切りっぽくて、正直ガッカリ

『もしも超人気漫画家のゴーストになるとしたら?』

がリアルに考えられていましたし、次々にトラブルが起きるので、読んでいて本当に面白かったです。

……途中までは。

繰り返すようですが目に見えて打ち切りなラストだけが残念でした。

ぱんだ
ぱんだ
ちなみにKindleで読めるよ!

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POSTED COMMENT

  1. 匿名 より:

    打ち切りじゃない気がするな。おそらく作者が何らかの理由で続きが描けなくなったのを、担当か誰かが代わりに描いてたとか、そんな裏があるんじゃないかね

COMMENT

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