映画『きみの瞳が問いかけている』
吉高由里子さんと横浜流星さんが出演する注目映画ですが、これ原作が超名作なんですよ!
その原作というのは大ヒットした韓国映画『ただ君だけ』
チャップリンの代表作『街の灯』をモチーフにした感動のラブストーリーで、ストーリーは『きみの瞳が問いかけている』とほぼ一緒です。
感想は
切なすぎる!
のひと言!
ラスト前からの展開は、今思い出しただけでも涙がにじんできます。
というわけで!
今回は『きみの瞳が問いかけている』原作ネタバレとして、韓国映画『ただ君だけ』のネタバレと感想をお届けします!
この記事では読みやすくするために登場人物の名前を日本版のものに置き換えています。
- 【原作】チョルミン ⇒ 【日本版】塁(るい)
- 【原作】ジョンファ ⇒ 【日本版】明香里(あかり)
韓国映画『ただ君だけ』ネタバレ
篠崎塁はどこか陰のある青年。
元ボクサーだが、今は日雇いのバイトで食いつないでいる。
もともと孤児で、家族も友人もいない。
孤独に生きる塁の冷えた心を温めたのは、明香里という盲目の女性だった。
明香里は交通事故で視力と両親を失うという過酷な過去を感じさせない明るい性格の持ち主。
ドラマを見て(音を聞いて)は泣き、犬を抱き上げてはほほ笑む。
そんな明香里の無邪気な笑顔に、塁は次第に惹かれていく。
一方、明香里もまた不器用な優しさを感じさせる塁にいつしか好意を寄せるようになっていった。
◆
やがて2人の気持ちは通じ合い、塁と明香里は恋人同士になる。
明香里との生活費を稼ぐため、塁は再びボクシングジムの門を叩いた。
総合格闘技の舞台で、塁は連戦連勝。
明香里との同棲生活も幸せいっぱいで、塁は心から満たされていた。
ところが……
事故の真相
明香里が視力と両親をいっぺんに失った数年前の交通事故。
その原因は塁にあった。
当時、塁はボクサー崩れの借金取りで、とある貧乏な男を殴りつけて追いつめていた。
男は塁が目を離した隙に灯油をかぶり、火だるまになりながらビルから落下。
その異様な光景は道を走るドライバーの目を引き、結果として交通事故が起きた。
その事故でトラックに突っ込まれた車こそが、明香里の運転する車だったのだ。
その後、塁は警察に逮捕され、4年3か月を刑務所で過ごした。
出所し、孤独に日々を生きていた塁の前に現れた『生きる意味』が明香里だったのは神が与えた罰なのか。
あまりにも残酷な運命に、塁はひとり声を殺して慟哭した。
賭博試合
運命はさらに厳しく塁を責め立てる。
明香里の目の状態が悪化してきていて、このままでは現状かろうじて感じられているわずかな光さえも見えなくなってしまうというのだ。
完全失明。
今ならまだ、手術が間に合う。
それどころか手術さえ成功すれば、明香里は通常の視力を取り戻すことができるのだという。
ただし、手術の費用は約300万円。
塁にも明香里にもそんな大金を工面できるあてはない。
◆
手術費のため、塁は危険な仕事に身を投じる。
違法な賭博試合への出場。
ルール無用、相手は挑戦者をすでに何人もスクラップにしている凶暴な男。
当然、負ければ命の保証はない。
塁はそれまでの生活のすべてを捨て、与えられたニセモノの身分でリングに立つ――。
◆
塁が前金で受け取っていた300万円で、明香里の手術を受けていた。
結果は成功。
明香里の目は事故以前の視力を取り戻した。
しかし、記念すべきその瞬間に、塁の姿はない。
いったい、塁はどこへ……?
◆
血で血を洗う命の奪いあいを制したのは、塁だった。
どんなに無様でも、血まみれで満身創痍でも、勝ちは勝ち。
あとは簡単な『運び屋』の仕事を終えれば、大金も手に入るし、元の生活に戻れる……はずだった。
10カラットのダイヤモンドを運ぶ途中、塁は何者かに襲撃される。
車ではねられ、ナイフでめった刺しにされ、ダイヤを奪われた。
その場に残ったのは、ボロ雑巾のように地面に倒れ伏した塁だけだった……。
2年後
あれから2年。
明香里は自分の工房を開き、1人で生きていけるだけの成功を収めていた。
塁が「盲導犬になる」と言って買った犬のディンガと一緒に、今でも2年前から行方不明の塁の帰りを待っている。
◆
明香里はボランティアで病院の入院患者にマッサージを施している。
その日は、見慣れない顔の男が奥のベッドに横たわっていた。
「こんにちは。新しい方ね」
「あ……ぅ……」
男は声が出せないらしい。
何があったのか、満足に体を動かすこともできないようだ。
「じゃあ、マッサージしますね」
手際よく男の体をほぐしていく明香里。
ふと、指先に懐かしい感覚がよみがえり、明香里はハッとして男の名前を確認する。
『キム・ハクソン』
違う。塁(チョルミン)じゃない。
「きっと回復します。がんばってください」
そう言い残して、明香里は病室から出る。
男が静かに涙を流していたことに、明香里は気づかなかった。
結末
月日は流れ、男は退院した。
相変わらず声は出せないし、松葉杖を頼りに歩く姿はなんとも頼りなく痛々しい。
「ワンッ!」
街中でいきなりじゃれついてきた犬にさえ、男は簡単に転ばされてしまう。
「大丈夫ですか!? すみません。いつもは大人しい子なんですけど……」
慌てて駆け寄ってきた犬の主人は、男の顔を見るなり「あっ」と声を上げる。
「あの、病院で会いましたよね」
明香里は笑顔で話しかけたが、松葉杖の男は一言もなく雑踏に消えていってしまった。
「ワンッ!」
愛犬のディンガは、なぜか男の背中が見えなくなっても吠えることをやめようとしない。
「もう、どうしたのディンガ? どうしてあの人に……」
そこまで口にして、明香里は言葉を失った。
もしかして。
……もしかして!!
男の背中を追って明香里は走り出す。
しかし、気づくのが遅かった。
ごったがえす人ごみの中、『彼』の後ろ姿は見つけられない。
「ああ……あああ……!!」
言葉にならない無念さが口から漏れる。
あふれる涙もそのままに、明香里はその場に泣き崩れた。
◆
男の正体は塁だった。
一命こそとりとめたものの、後遺症は重く、声を失ってしまっている。
塁が消えたのは明香里の手術の直前だったので、明香里は塁の顔を知らない。
賭博試合に出場するにあたって偽の身分を与えられていたので、明香里は名前を見ても気づかない。
退院してすぐ、塁は明香里の生活をこっそりと探った。
そのなかで明香里に新しい恋人がいる(※)と知り、塁は正体を明かさないことに決めた。
※実際には塁の勘違いで、明香里に恋人はいない。
だから、街中で明香里と出会った時も、逃げるように立ち去った。
明香里が幸せならそれでいい、と塁は思った。
◆
いつか2人で行った思い出の川辺。
過去を思い出しているかのように、塁がぼんやりと立っている。
哀れみを誘う塁の背中に、ふと声がかけられた。
「私、言ったでしょ。あなたの顔だけを見ていたいって。それなのにどうして顔を見せてくれなかったの?」
涙まじりの声。
振り向くと、そこには今にも泣きだしそうな顔の明香里が立っていた。
「ごめんなさい……」
顔をくしゃくしゃにして言う明香里に、塁はただ黙って首を横に振る。
「塁……!」
胸に飛び込んできた明香里を、塁は抱きしめた。
優しく、そして強く。
「会いたかった……」
ボロボロと泣く明香里に、声をかけることはできない。
(明香里、愛してる)
ふれた肌から気持ちが伝わるように、塁は強く強く心の中で念じた。
<完>
韓国映画『ただ君だけ』感想
あの病院のシーンは本当に切なすぎて「いやぁー!!」と叫びだしたくなりました。
視聴者目線から見れば『感動の再会』のシーンなのに、
- 明香里は(盲目だったから)塁の顔を知らない
- 塁は声が出せない
- 塁の名前は偽名のまま表記されている
から、明香里は待ち焦がれている恋人が目の前にいることに気づけないんですよ!
こんなに切ないことってあります!?
で、またこのときの俳優さん(ソ・ジソプ)の演技がまた素晴らしいんですよ。
ひと言もしゃべらずに、目と顔だけで
- 明香里に会えた驚きと喜び
- 明香里に気づいて欲しいという訴え
- 明香里に正体を明かせない悔しさと絶望
- 今さら明香里との関係を戻せないという諦め
そんな複雑な心情を見事に表現されていて、見ていてグッと涙がこみ上げてきました。
で、明香里はそのまま気づきもせず立ち去っちゃうじゃないですか!
「え、これもしかして悲しい結末になる……!?」
とめちゃくちゃ不安になりました。
というのも、韓国映画『ただ君だけ』はチャップリンの『街の灯』をモチーフにしているという情報を知っていたからです。
不朽の名作『街の灯』とは
あらすじ
チャップリン演じる主人公の浮浪者は盲目の花売りの娘に一目惚れします。
一方、娘は浮浪者のことを金持ちの紳士だと勘違いし、足しげく会いに来てくれる紳士(本当は浮浪者)のことを好きになっていきます。
浮浪者の男は娘のために金を稼ごうと八百長ボクシングに加担したりもするのですが、予定とは違う強豪と試合することになりボコボコにされる一幕も……。
結局、男はかつて命を助けた富豪から1000ドルの援助を受けることに成功するのですが、この富豪がまたやっかいで、酔っているときにしか浮浪者のことを思い出さないやつなんですね。
だから、
- 富豪(酔い)が浮浪者に1000ドル渡す
- 強盗が富豪を襲う
- 浮浪者の通報で強盗逃げる
- 目覚めた富豪(素面)は浮浪者が誰だかわからない
- 浮浪者が犯人として逮捕される
という流れで、浮浪者は無実の罪で刑務所送りにされてしまいます。
ただ、なんとか捕まる前に盲目の娘に1000ドル渡すことだけはできていました。
……。
月日は流れ、浮浪者は刑務所を出ました。
とぼとぼ歩いていると、ぐうぜん目が治った花売りの娘に再会します。
ところが、娘は目の前の浮浪者が恩人の紳士だとは気づきません。
浮浪者を哀れに思った娘は、男に1本のバラと小銭を手渡します。
そうして男の手を握った瞬間、娘は真実に気づくのでした。
「You?(あなただったの?)」という一瞬のつぶやきが再会の喜びを意味していたのか、それとも想像と違うみすぼらしい男への落胆だったのかは、無声映画なのでわかりません。
「You can see now?(目が治ったの?) 」
「Yes,I can see now.(はい、目は治りました)」
浮浪者のはにかむ笑顔で映画はプツリと終わります。
◆
簡単なあらすじ紹介でしたが、『ただ君だけ』との共通点がいくつも見つかりますよね。
というわけで本題。
もうさんざん語られつくされていることではありますが、『街の灯』の結末がハッピーエンドだったのかどうかは人によって解釈がわかれます。
個人的には「悲しい結末だな」という感想だったので、『ただ君だけ』のラストもそうなるんじゃないかと思い、とっても不安になりました。
『ただ君だけ』結末の感想
「こんなに切ない映画は見たことないっ……!」と思うほど最高なラストシーンでした。
塁と明香里の表情(演技)がね、めちゃくちゃグッとくるんです。
塁は後遺症で声を発することができません。
でも、それを感じさせないほど塁の表情はすべてを物語っていました。
塁が、明香里が、相手のことをどれだけ求めていたのか。
再会できてどれだけ嬉しいのか。
あふれる気持ちがひしひしと伝わってきて、見ている私も感極まってしまいました。
また『街の灯』になぞらえた結末でありながら、はっきりとしたハッピーエンドだったのも良かったですね。
※塁の体のことはありますが、きっと2人でいられればそれだけで幸せでしょうから
(明香里、愛してる)
最後の最後、塁の心の声が聞こえた瞬間の感動は特にすごかったです。
あのラストシーンは本当に一見の価値があると思うので、未見の方はぜひ一度その目で確かめてみてください!
まとめ
今回は映画『きみの瞳が問いかけている』の原作『ただ君だけ』のあらすじ・ネタバレ・感想をお届けしました。
では、最後にまとめです。
- 塁は明香里の目に光を戻すために危険な仕事を引き受け、行方不明になる
- ラストは塁と明香里が再会するハッピーエンド
- とにかく切なすぎる感動作
「韓国映画はあんまり見ないな~」という方が多いと思うのですが、実はけっこう名作がごろごろしていたりします。
最近では地上波ドラマでも韓国ドラマのリメイクものをちょくちょく見ますよね。
「何かいい映画(ドラマ)ないかな?」と思ったときは、韓国作品もチェックしてみるといいかもしれません。
※ただし、ドラマはめっちゃ長いです(笑)
映画『きみの瞳が問いかけている』の情報
気になる主演&ヒロインのキャストは、
- 吉高由里子さん(明香里役)
- 横浜流星さん(塁役)
の2人!
純愛映画にふさわしい透明感のある美男美女ですね。文句なし!
個人的にはキャストも素敵だと思うのですが、それ以上に三木孝浩監督がメガホンをとるということで期待が高まっています。
の監督さんですね。
これまでの映画がよかったので、同じく恋愛映画である『きみの瞳が問いかけている』も素敵な作品になるはず!
映画『きみの瞳が問いかけている』は2020年秋公開予定。
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