アガサ・クリスティを知っていても、意外とその作品を読む機会ってないものですよね。
でも、実際に読んでみると「やっぱり名作はおもしろいな！」と感動する作品ばかり！
今回はわたしが読んだクリスティ作品のなかから、特におすすめの5冊を紹介したいと思います！
『ナイルに死す』
2021年に映画も公開される旬の作品。
「どう考えてもこいつが犯人だろ！」って容疑者がいるんですが、完璧なアリバイがあってむしろ一番に容疑者から外れてしまいます。
調べていくと他の人たちもめちゃくちゃ怪しくて……？
あらすじ
美貌の資産家リネットと若き夫サイモンのハネムーンはナイル河をさかのぼる豪華客船の船上で暗転した。
突然轟く一発の銃声。
サイモンのかつての婚約者が銃を片手に二人をつけまわしていたのだ。
嫉妬に狂っての凶行か？
……だが事件は意外な展開を見せる。
船に乗り合わせたポアロが暴き出す意外きわまる真相とは？
おすすめポイント
散らばったヒントをちゃんと集めていけば真相にたどりつけるようになっています。
トリックに理不尽さがまったくないので、謎解きに挑戦しながら読むのがおすすめです！
※自力で謎が解けたら自慢していいレベル
さくっと楽しむ？
「読む時間ないよ」という人は、こちらの記事をどうぞ。
あらすじから結末までチェックできます！
名作を読む
『そして誰もいなくなった』
アガサ・クリスティの代表作といえばこの作品！
タイトル通りに登場人物は全滅してしまうわけで、「じゃあ犯人は誰！？」という大きな謎が残ります。
あらすじ
絶海の孤島「兵隊島」のホテルに年齢も職業もバラバラな10人の男女が集められた。
ところが、招待状の主「U・N・オーエン（Unknown）」はいっこうに10人の前に姿を見せない。
やがて、招待状は偽物だったと発覚。
そして、晩餐の席にて集められた10人が過去に犯した罪を告発する声が響き渡った。
1人、また1人と何者かに始末されていく招待客。
10人中9人が命を失った時、最後に残った1人も首を吊って自ら命を絶った。
『そして誰もいなくなった』
では、この事件の犯人は最後に首を吊った人物だったのだろうか？
違う。
最後の1人もまた、真犯人に誘導されて自発的に首吊りさせられた被害者なのだ。
では、その真犯人とはいったい誰なのか？
真犯人を推理しようとするとき、私たちは壁にぶつからざるを得ない。
閉ざされた孤島にいた10人の人間は、すでに全員が亡くなってしまっているのだ。
犯行を実行できる人間は誰一人として残っていない……。
おすすめポイント
犯人は登場人物をひとりずつ始末していきます。
生き残りの数が少なくなってくると自然と犯人もわかってきそうなものですが、これが全然わかりません。
で、そのまま最後の一人も亡くなってしまう……。
謎すぎる状況にワクワクしてきませんか！？
すべての犯行を可能にする大胆なトリックは必見です！
※『そして誰もいなくなった』の犯人やトリックはもはや一般教養？
さくっと楽しむ？
こちらの記事では途中を省略して
- 犯人
- トリック
- 犯行動機
などのネタバレをまとめています。
名作を読む
『予告殺人』
『そして誰もいなくなった』と同じく、意味不明な状況が読み手をワクワクさせてくれます。
まずはあらすじをどうぞ。
あらすじ
「殺人予告お知らせ申し上げます。本日午後六時三十分より、リトル・パドックス館にて。お知り合いの方のお越しをお待ちします」
小さな田舎町のローカル新聞。その個人広告欄に掲載された奇妙なメッセージは、退屈な住民たちを大いに面白がらせた。
きっと犯人当てを楽しむ流行りの《ゲーム》が催されるに違いない。
人々はそう考えて、リトル・パドックスの応接間に集まった。
そして、午後六時三十分。
電気がふっと消えたかと思うと、ドアを乱暴に開けて入ってきた男が叫んだ。
「手をあげろ！」
……ははあ、いよいよ《ゲーム》が始まったのだな。
人々のクスクス笑いは、本物のピストルの発砲音によってかき消された。
1発、2発、そして3発。
これは《ゲーム》ではなかったのか？
暗闇の中、いったい今はどうなっているのか？
混乱と恐慌。
やがて部屋に光が戻ったとき、人々は倒れ伏した死体を目撃する。
絶命していたのは、侵入者である強盗の男だった。
近くにはピストルが落ちている。
暗闇の中、転んで自分を撃ってしまったのだろうか？
状況的には、そう判断せざるを得ない。
しかし、もし、そうではないとしたら……？
おすすめポイント
「ラストで明かされる犯人はだいたい意外な人物である」と相場が決まっていますが、この作品に関してはホントに意外すぎてびっくりしました！
読者の推理をかく乱するミスリードも実に巧妙で、後になってからアガサ・クリスティの手のひらで転がされていたのだと気づくのですが、時すでに遅し。
この事件の真相を初見で見抜けたらIQ200くらいあると思います。
※もちろん、真相にたどりつくためのヒントはちゃんと文中に紛れています。
さくっと楽しむ？
こちらの記事では、物語の展開を追うようにあらすじから結末までの流れをまとめています。
犯人はホントに意外な人物……！
名作を読む
『アクロイド殺し』
「犯人ではない登場人物にもそれぞれ秘密があって、事件をややこしくしている」という、実にアガサ・クリスティあるあるな一冊。
※『ナイルに死す』も同じタイプですね
最後まで読むと（とある理由から）めちゃくちゃ二度読みしたくなります。
あらすじ
深夜の電話に駆けつけたシェパード医師が見たのは、村の名士アクロイド氏の変わり果てた姿だった。
容疑者である氏の甥が行方をくらませ、事件は早くも迷宮入りの様相を呈し始める。
だが、村に越してきた変人が名探偵ポアロと判明し、局面は新たな展開を見せる……。
驚愕の真相でミステリ界に大きな波紋を投じた名作。
おすすめポイント
あらすじにもある甥っ子には犯行動機が三つもあって、どう考えても犯人であるとしか思えません。
しかし、名探偵ポアロはつぶやくのです。
「動機が三つ……いくらなんでも多すぎる。こうなるとかえってラルフ・ペイトンは無実だと信じたくなりますね」
ネタバレしないギリギリの範囲でちょっとだけ言わせてもらうと、犯人は心理的に「この人が犯人であるわけがない」とつい思ってしまう人物で、あの結末にはめちゃくちゃ驚かされました。
さくっと楽しむ？
こちらの記事では、物語の展開を追うようにあらすじから結末までの流れをまとめています。
名作を読む
『オリエント急行の殺人』
言わずと知れたアガサ・クリスティの代表作！
犯人はもちろん……ご存じですよね？
あらすじ
真冬の欧州を走る豪華列車オリエント急行には、国籍も身分も様々な乗客が乗り込んでいた。
奇妙な雰囲気に包まれたその車内で、いわくありげな老富豪が無残な刺殺体で発見される。
偶然乗り合わせた名探偵ポアロが捜査に乗り出すが、すべての乗客には完璧なアリバイが……ミステリの魅力が詰まった永遠の名作。
おすすめポイント
何度も映像化されている作品ですが、小説として読むとまた雰囲気が違います。
ぜひポアロの、そして犯人の心情をじっくり読んだうえで、あの結末にたどりついてみてください。
小説だけでしか味わえない感動があります。
名作を読む
まとめ
今回はアガサ・クリスティのおすすめ小説を選んでみました！
どれも古典といっていいくらい昔の作品ですが、今読んでもおもしろさはまったく色あせていません。
「記憶を決してもう一度読みたい！」と思う物語ばかりなので、未読のものがあればぜひ読んでみてください！
当たりハズレのある新作ミステリを読むより、もしかしたらずっと満足できるかもしれませんよ！
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