いつのまにか2021年もあとわずか。
今回は一年の総まとめとして「これは本当におもしろかった!」という小説を10冊選んでみました。
気になる一冊が見つかれば幸いです。
「2021年に読んだ小説」から選んでいます(2021年刊行に限らず)
※集計の都合上、一部2020年12月に読んだ小説も含みます。
『52ヘルツのクジラたち』
2021年本屋大賞受賞作。
「52ヘルツのクジラ」は周波数の違いから、他のクジラに声を届けることができません。
それはどんなに孤独で、寂しいことでしょう。
『52ヘルツのクジラたち』に登場する人々は、そんな一人ぼっちのクジラによく似ています。
誰かに聞いて欲しい《声》をじっと自分の胸の内に抱えたまま一歩も動けず、途方に暮れています。
田舎に引っ越してきた訳アリの若い女性と、虐待されている少年。
届かない声を張り上げているふたりが出会い、そして……。
とても切なくて、でもそれ以上に優しい物語でした。
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『花束みたいな恋をした』
菅田将暉さん、有村架純さんが主演した同名映画のノベライズ。
小説を読むと自分が物語の場面に立ち会っているような感覚が味わえて、映画を見るのとはまた少し違った魅力があります。
『花束みたいな恋をした』で描かれているのは、ありふれた若い男女の恋です。
ふたりとも若くて、一緒にいるだけで幸せで、でもいつまでも続くわけじゃない恋。
ありふれた恋の話だからこそ、誰もが共感せずにはいられません。
病気でもなく、浮気でもなく、自然な心の変化によってふたりが別れる場面ではじわりと涙がにじみました。
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『鳩の撃退法』
こちらは藤原竜也さんが主演した同名映画の原作小説です。
『鳩の撃退法』については、とにかくおもしろかったとしか言いようがありません。
事件の真相がどうの、隠されていた謎がどうの、という物語の緩急の話ではありません。
ただただ文章を目で追っているだけで心が弾むというか、楽しいんです。
「なんのこっちゃ」とお思いのことでしょう。書いていてわたしもそう思います。
上下巻の長編小説(1100ページ!)を疲れもなくペロリと読み終えて「まだまだ読んでいたかった」と残念に思った……といえばなんとなく伝わるでしょうか。
「読んでみてほしい。読めばわかるから」という落第点をもらいそうなおすすめの仕方で申し訳ないのですが、実際そうとしかいいようがないので読んでみてください。読めばわかるから。
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『明け方の若者たち』
こちらは2021年12月31日に公開される同名映画の原作小説です。
主人公の「僕」は20代の青年。びっくりするくらいセンスが似ている彼女に出会い、幸せなひと時を過ごします。
けれど、物語終盤では衝撃的な事実が明らかになり……。
若者の心をとらえて離さないカツセマサヒコさんの文章は瑞々しくて、なんでもない一節の言葉の選び方にいちいちハッとさせられました。
映画はもちろんのこと、ぜひ小説でも読んでほしい一冊です。
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『向こうの果て』
『彼女はなぜ同棲相手を殺したのか?』
あらすじからその理由を、そして物語の結末を予想できる人はいないでしょう。
ここまで人間の運命を、人生を、複雑に描けるものかと脱帽しました。
語る人によってまったく違う印象になる「彼女」の素顔とは……?
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『兇人邸の殺人』
館ミステリの旗手・今村昌弘さんによる『屍人荘の殺人』シリーズ3作目。
「隻腕の首狩り巨人」が住まう館に閉じ込められる……パニックホラーな雰囲気の中、生存者同士による殺人が発生します。
犯人の目的は? 怪物の正体とは?
正統派ミステリの魅力である謎解きはもちろん、物語(ストーリー)も秀逸な作品でした。
2021年「このミステリーがすごい!」第4位。
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『正体』
少年死刑囚の脱獄生活を追う物語。
人並み外れた頭のキレを持つ主人公は、完璧な変装を武器に警察から逃げ回ります。
しかも、行く先々で関わった人々を助けてやりながら。
本当に彼は凶悪な殺人犯なのか?
逃亡の果て、彼はどこを目指しているのか?
結末には息が止まるほどの《衝撃》が待ち構えていました。
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『死との約束』
名作中の名作、アガサ・クリスティ「名探偵ポアロ」シリーズの一作。
1938年に発表されたミステリ小説なのですが、(驚くべきことに)今読んでもすこぶるおもしろかったです。
誰が、いつ、どこで、どんな言動をしていたか?
ひとつひとつ論理を組み上げていけば必ず真相にたどりつく誠実なトリックでありながら、どんなに推理してみても探偵の謎解きではやっぱり「そうだったのか!」と唸らされます。
まさに不朽の名作。先人は偉大です。
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『たかが殺人じゃないか』
去年(2020年)の年末ミステリランキングで三冠。
- このミステリーがすごい!1位
- 週刊文春ミステリーランキング1位
- ミステリが読みたい!1位
密室殺人と首切り殺人、昭和の高校生たちが不可解なふたつの事件の謎に挑みます。
- 緻密な犯行トリック
- 予想外の犯人
- 悲喜こもごもの人間関係
『たかが殺人じゃないか』はおよそミステリ小説が求められる期待に100点満点応えながら、さらに結末にも「やられた!」と読者をうならせる仕掛けを用意してくれていました。
掛け値なしにとびっきりおもしろかったです。ミステリ好きなら必読!
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『黒牢城』
今年(2021年)の4大ミステリランキング制覇+山田風太郎賞受賞で5冠達成!
2021年はミステリ小説が豊作でした。
なのにこんな過去に類を見ない偉業を成し遂げるなんて、はっきりいってバケモノみたいな小説です。
時は戦国時代。場所は信長軍がぐるりと包囲する有岡城。
籠城中の城内で発生した難事件を解く探偵役は、土牢に囚われた若き日の黒田官兵衛です。
- 凶器
- 犯行動機
- トリック
『黒牢城』ではそのすべてに戦国時代らしさがあふれていて、現代ミステリとはひと味もふた味も違ったおもしろさがありました。
そしてなにより、歴史小説としても抜群におもしろい!
ミステリと歴史小説、それぞれの魅力がぎゅうぎゅうに詰まった傑作、5冠達成にも大いに納得です。
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まとめ
今回は一年の読書の中で「これは!」と特におもしろかった小説をまとめてみました。
話題作ばかりなので、ご存じのタイトルもあったのではないでしょうか?
どれもこれも「読んでよかった!」と思える小説ばかりです。
「最近、小説読めてないな~」という方は各記事を読んでプチ読書を楽しまれてみてはいかがでしょう。
早いもので2021年も残りわずかですね。
今年のご愛顧、ならびに本記事を最後まで読んでいただき誠にありがとうございました。
来年もたくさんの小説と出会いたく思いますので、変わらずおつきあいいただけるとうれしいです。
では、よいお年を!
あなたが今年読んだおすすめ小説はなんですか?
よかったらコメントで教えてください。
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