サスペンス

【ネタバレ】映画『キャラクター』考察|小説・漫画から読み解く【解説】

映画『キャラクター』を観てきました!

菅田将暉さんがかっこよかったり、Fukaseさんが気持ち悪かったり(ほめ言葉)、とても楽しめました。

『キャラクター』には先行発売された小説版と漫画版があるのですが、実はそれぞれ違う結末になっています。

特に小説版については原案・脚本の長嶋尚志さんによるノベライズということで、映画では語られなかった設定などが盛り込まれていて、映画とあわせて読むとより楽しめること間違いなしです。

ぱんだ
ぱんだ
そんな時間ないよ!

そんなあなたのために、今回は小説・漫画・映画のすべてをチェックしたわたしによる『キャラクター』考察をお届けしたいと思います。

映画鑑賞後に気軽な気持ちで読んでいただけると幸いです。

ぱんだ
ぱんだ
いってみよう!

山城圭吾の闇

山城圭吾は連続殺人事件に巻き込まれた被害者……本当にそれだけだったのでしょうか?

結論からいうと、わたしは圭吾もまた深い闇を抱えているキャラクターだと考えています。

くわしくは前回の記事↓を参照していただけるとわかるのですが、小説において圭吾は「人を殺す側の人間」であるとされています。

キャラクター
【映画原作】小説『キャラクター』あらすじネタバレ解説【結末が違う】二人の共作、それは連続殺人事件――。小説『キャラクター』のあらすじがよくわかるネタバレ解説。映画とは違う結末。...

圭吾が両角に馬乗りになって、包丁を振りかぶるシーン。

ふつうに考えれば

「夏美やお腹の子どもを守るために」

「危険な殺人鬼を生かしてはおけない」

「清田の仇」

という心情が想像されますよね。

しかし、小説において圭吾は「無抵抗な両角を」「内なる衝動に従って」刺そうとしています。

なぜなら、この直前に圭吾と両角はキャラクターを交換しているからです。

ぱんだ
ぱんだ
は?

もうホントに詳しくは前回の記事参照なのですが、両角の殺人者としての人格(衝動)が圭吾の中に入り込み、逆に圭吾の被害者としての人格が両角の中に入った……そういう描写があるんですね。

圭吾「あのとき、おれは両角になって、あいつがおれになったんです」

それで、このキャラクターの移動(感染)は誰にでも起こるわけではなくて、素質のある者の間でしか起きないようなんです。

キャラクターの交換という表現がしっくりこないなら、両角に出会ったことで圭吾はもともと持っていた殺人者としての素質(才能)を開花させたと解釈してみてはどうでしょう。

圭吾は夢中になって一家四人が惨殺される『34(サンジュウシ)』を描きます。

それは漫画家としての資質というより(両角が指摘したように)殺人者としての資質によるものだったのではないでしょうか。

 

そもそも、残酷な表現のある漫画なんていくらでもあります。

そのなかでも両角が『34』を模倣先として選んだのは、最初の事件が描かれているからという理由だけではなく、それなりの共感があったからに違いありません。

両角に共感されるだけの《ホンモノ》が圭吾の内側にはあったのです。

そう考えると両角との決着のシーンで包丁を振りかぶった圭吾の姿が、なにやら急に不気味に思えてきます。

圭吾が上で、両角が下。『34』の最終回とは位置が入れ替わっていたラストも、なんだか《キャラクターの移動》を匂わせているように思われます。

圭吾の両親は再婚していて、両角にいわせれば「幸せな四人家族」ではありません。

そして、圭吾は両角とは無関係に『34』において四人家族ばかりをターゲットにしていました。このあたりもなんだか不穏ですね。

小説では……

ちなみに小説では清田ではなく真壁が死んでいて、最後に駆けつけてくるのは清田でした。

映画では真壁の声を無視して両角を刺そうとしていた圭吾ですが、小説では清田と目が合ったことで思いとどまります。

その後、反撃しようとした両角を清田が射殺。

実は圭吾が正気に戻ったのは《殺人者のキャラクター》が清田に移ったからだった、というなんとも後味の悪いオチになっています。

※つまり、清田にも「素質」があった

『34』の設定

先ほどから素質だの資質だの言っていますが、これは『34』の設定に由来しています。

曰く、人間の約半分は「人を殺す側(の素質を持っている)」とのこと。

小説版では聖書に登場するカインとアベルになぞらえて(人類最初の殺人者である)「カインの末裔」と表現されていました。

作中の登場人物に当てはめるなら

  • 圭吾
  • 両角
  • 清田
  • 辺見

このあたりはみんな「カインの末裔」だったということになります。

もっとも、両角や圭吾の素質は遺伝的なものというより家庭環境に根差したものだったと思われます。

大事なのは「人間の半分くらいはなにかの拍子で他人の命を奪う側になるかもね」というところだと解釈しました。

両角の過去

両角は山奥の新興宗教コミュニティで生まれました。

というか、教祖の息子です。

教祖の進藤庄吉は「四人家族こそが幸福の形」と説いていました。

そのため、信者たちは四人家族になるよう子どもをつくります。

ところが、コミュニティは閉鎖されていたため住人たちは役所に出生届を出しませんでした。

結果、子どもたちは戸籍のない人間になってしまいます。

両角はそんな子どもたちの一人であり、もちろん両角という名前も本名ではありません。

※母親が両角キララというペンネームで漫画を描いていたため両角姓を選んで買った

教祖は家庭内では暴力を振るう悪い父親でした。

やがて教祖は住民たちの反乱により殺され、コミュニティは解散することになります。

両角は父親殺しを手伝っていました。

その後の足取りは不明。

両角が「幸せな四人家族」をターゲットにしたのは、このあたりの背景が原因と見て間違いないでしょう。

※小説版ではもっと詳しく説明されています。映画とあわせて読むとより楽しめますよ!

 

三つの結末

『キャラクター』は小説・漫画・映画でそれぞれ結末が異なります。

その違いについて簡単にまとめてみました。

 

小説

前述しましたが小説では清田が生きていて、その清田に撃たれて両角が絶命します。

圭吾や清田という「主人公側(=正義)」だったはずのキャラクターのなかにも両角と同じ殺人衝動(の素質)があったという後味の悪い結末でした。

一歩間違えば、次の両角は圭吾や清田なのかもしれない……。

ダークな雰囲気ながらも、個人的には映画に負けず劣らず好きでした。

イヤミスとか好きな人は小説版のほうが気に入るかも。

 

漫画

漫画は一言でいえばハッピーエンド路線です。

圭吾と清田が正義で、両角と辺見が悪。

両角以外は誰も死にませんし、キャラクターの移動とか殺人者の素質とかややこしい設定も一切ありません。

ただし、結末に至る展開はかなり意外なものでした。

両角が辺見に殺されて途中退場するのです。

ラストで夏美や圭吾を襲う役回りも辺見に置き換えられていました。

大きく存在感を増した辺見は「ダガー(『34』の敵役)に魅入られたキャラクター」として描かれています。

「両角は死んだよ。そろそろ主役を交代しなきゃならなかったから。

今のままじゃ、俺がダガー(主役)になれないからさあ!」

ちなみに、ラストページでは圭吾が「今度は子どもたちに読んでもらえる漫画を描こう」と希望あるセリフを口にしていました。

 

映画

清田が死亡し、圭吾と両角はなんだかんだ生存。

両角が逮捕されていることから一応、一件落着といった雰囲気ですが……エンドロール前後のアレにはゾクッとさせられました。

夏美を陰から見ている視線も、包丁を研いでいるらしき音も、逃走中の辺見によるものだと考えて間違いないでしょう。

清田はもういないし、圭吾は入院中。

夏美を守ってくれる人はいないわけで、しかもすっかり油断してるし、じゃあ、あの結末の先の未来では……。

ぱんだ
ぱんだ
うわあ……

ある意味、映画の結末が一番エグイです。

辺見の背景については彼がラスボスだった漫画版を読むとある程度理解できます。

辺見は両角の手下のようなポジションかと思いきや、実のところ両角と同じくらいの危険人物だったのです。


まとめ

今回は映画『キャラクター』の考察をお届けしました。

3媒体すべての『キャラクター』を制覇して思うのは、ダントツに映画が完成形だということです。

血の表現や息遣い、作品の空気がダイレクトに伝わってきて、ある程度ストーリーを知っていたにもかかわらずドキドキしましたし、楽しめました。

一方で「小説読んでてよかったな」と思うシーンもちらほらあって、映画では一瞬だったりそもそも語られていない部分が小説では描かれています。

「『キャラクター』の世界をもっと味わいたい!」という方は小説版をチェックしてみてください。

「そういうことだったのね」と作品を120%楽しめること請け合いです。

ぱんだ
ぱんだ
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