『視力を失った。そして彼女は事件を《目撃》した』
なんとも気になるキャッチコピーで宣伝されているのは、吉岡里帆さん主演の映画「見えない目撃者」
盲目の元警察官が猟奇殺人事件の犯人を追っていく、という内容のサスペンススリラーです。
あらすじだけでも「目が見えないのにどうやって犯人を追うの?」と気になってきませんか?
私はとっても気になったので、一足先に原作の韓国映画を見ちゃいました!
というわけで今回は「見えない目撃者」のネタバレとして、原作の韓国映画「ブラインド」のあらすじネタバレをお届けします!
Contents
あらすじとネタバレ
ミン・スアは交通事故で視力と弟を失った。
3年前のことだ。
車を運転していたのはスアだった。
(私のせいで弟は……)
今もスアの心は悲しみと後悔の底に沈んでいる。
◆
目が見えていた頃、スアは警察大学に通う幹部候補生だった。
だが、今は違う。
事故の後、スアは退学を余儀なくされた。
視力を失った影響は大きい。
3年たった今でも、スアはまともに料理することすらできない。
何をするにも盲導犬のスルギの助けを借りなければならなかった。
見えない目撃者
その日、スアは盲導犬なしに外出していた。
外はどしゃ降りの雨。
誰もがタクシーを止めるなか、スアは一人ぽつんとタクシー乗り場に座っていることしかできなかった。
タクシーが来るのを《見て》止めることができないからだ。
◆
しばらくそうして座っていると、スアに声がかかった。
「どちらまで?」
どうやら模範タクシー(高級タクシー)が止まってくれたらしい。
スアはお礼を言うと後部座席に乗り込んだ。
◆
運転手には妙なところがあった。
温かいコーヒーを勧めてくれたのはいい。
だが、断っても断っても強引に飲ませようとするのは何故なのか?
押し問答を続けていると、車が強い衝撃に揺れた。
事故だ。
運転手は「犬だよ」というが、スアには人間を轢いたことがよくわかった。
目が見えないぶん、他の感覚は鋭くなる。
あの衝撃の受け方は犬ではない。
それに若い女性のうめき声も聞こえる。
この車は間違いなく人間を轢いた。
◆
運転手は力づくでスアを車に押し込めようとしたが、スアは全力で抵抗した。
すると運転手は人目につくのを恐れたのか、スアを置いて走り去った。
こうしてスアはひき逃げ事件の《目撃者》となった。
もう一人の目撃者
警察は盲目のスアを《目撃者》として認めなかった。
そんな中、チョ刑事だけはスアの証言を信用に足るものだと判断。
スアの協力を得て事件の捜査を始めた。
◆
ひき逃げ事件にはもうひとり目撃者がいた。
名前はギソブ。19歳の不良少年。
ギソブの証言により、スアが乗っていたのは模範タクシーではなく外車だったと判明する。
「模範タクシーじゃないのなら、なぜスアさんを乗せたんだ? それにしつこくコーヒーを飲ませようとしていたのも気になる……」
チョ刑事は運転手がただのひき逃げ犯ではない可能性に気づく。
世間を騒がせている女性の失踪事件。
運転手はその犯人なのではないか?
◆
ギソブが運転手に襲われた。
幸い命に別状はなかったものの、一歩間違えば命を奪われていたかもしれない。
……犯人は目撃者を消そうとしている?
だとすれば警察に協力しているスアも犯人のターゲットになるはず……。
嫌な予感はすぐに現実のものとなった。
犯人からスアに電話がかかってきたのだ。
「余計なことはするな。人知れず消されるぞ」
その口ぶりにスアはハッとする。
「あなた、初めての殺人じゃないわね?」
質問に答えることなく犯人は通話を切った。
命がけの逃走
その光景を見たとき、ギソブは心臓が止まるかと思った。
犯人が、スアの目の前にいる。
地下鉄の車内、盲導犬を連れて座っているスア。
そのちょうど正面にギソブを襲った男が座っている。
車内に人は少ない。
そして、スアは自分の危機に気づけていない!
扉が閉まり、地下鉄が走り出す。
ギソブは慌ててスアに電話をかけた。
「何も話さないで。よく聞いてくれ。奴が同じ電車に乗っている」
「……!」
「次の駅で降りるんだ」
◆
電車を降りるとすぐに命がけの逃走劇が始まった。
不運なことに地下鉄のホームには誰もいない。
捕まったら終わりだ。
ギソブはテレビ電話の映像でスアの《視界》を確認しながら、逃げ道を指示する。
だが、無情なことに大人の男と全盲の女性ではスピードが違う。
駆け込んだエレベーターの扉があと1秒で閉まるというタイミングで、犯人に追いつかれてしまった。
首筋に薬品を注射され、スアは意識を失う。
◆
絶体絶命の危機からスアを救ったのは、盲導犬のスルギだった。
スルギは犯人に噛みつくと、エレベーターの外へと引きずっていく。
「このクソ犬が!」
犯人は『メス』で何度もスルギの体を刺すが、スルギは止まらない。
やがて昏睡状態のスア一人を乗せてエレベーターは地上へと動き出す。
地上には人がいる。これ以上、スアを追いかけることはできない。
犯人は逃げ、その場には血まみれのスルギの亡骸だけが残された。
犯人の正体
病院で目覚めたスアは、真っ先に尋ねた。
「スルギは!?」
「見つけたときにはもう……遠くへ行ったよ……」
チョ刑事の言葉に、スアは泣き崩れた。
◆
スアが襲われた事件を受けて、警察はようやくひき逃げ犯を失踪事件の犯人だと断定した。
これからは警察による組織的な追跡が始まる。
手がかりも少なくない。
犯人がスアに注射した薬品は、病院でしか使用されないものだった。
つまり、犯人は病院関係者。
それも個人病院に勤める整形外科、皮膚科、産婦人科の医師である可能性が高い。
ギソブの証言で犯人が使った車の車種も特定された。
もはや逮捕は時間の問題だ。
◆
ついに犯人の正体が明らかになった。
名前はチェ・ミョンジン。
堕胎専門の産婦人科医師。
以前にも婦女暴行と薬物使用の前歴がある男だ。
◆
警察が犯人の身元を特定する少し前、チェ刑事はたまたま犯人に職務質問をかけていた。
犯人は身分証を出すふりをしてチェ刑事に殴りかかる。
格闘の末、勝ったのはチェ刑事。
「捕まえたぞ! お前はもう終わりだ!」
チェ刑事が犯人の片手首に手錠をかけたその時だった。
「……が……」
犯人が懐から取り出したメスが、チェ刑事の首筋に深々と突き刺さっていた。
刺されたのは頸動脈。どんどん血が噴き出してくる。
犯人は倒れ伏したチェ刑事から携帯電話を奪い、ギソブとスアの居所を確認すると、鬼の形相で車を走らせた。
希望の家で
スアは子ども時代を過ごした施設「希望の家」にギソブを連れて行っていた。
その日はちょうど園長も子どもたちも外出していて、施設にはスアとギソブの二人きり。
スルギを失って落ち込むスアを元気づけようと、ギソブはつとめて明るく話しかけた。
「俺、警察になろうかな」
「本当に?」
スアにとってギソブは亡くなった弟のような存在。
悪ぶっているギソブから出た警察を目指すという言葉は、スアにとって嬉しいものだった。
「ああ、なるよ。イケてるからきっと似合うはずだ」
「そう思うわ。きっと素敵な警官になる」
優しく微笑むスア。
ギソブは少し改まった口調で言う。
「だから……スアさんもやれよ」
「え?」
「諦めるなってこと。俺も諦めない」
真摯なギソブの言葉は後悔で満たされたスアの心によく響いた。
◆
犯人が「希望の家」に到着した。
護衛役の刑事をやすやすと葬ると、ゆっくりと施設に近づいていく……。
◆
気づいたときにはもう遅かった。
電話線は切られ、出入り口は閉ざされた状態。
逃げられず、助けも呼べない状況をつくってから、犯人は2人の前に現れた。
「スアさん! 逃げて!」
犯人の足止めをしようとするギソブ。
しかし、すぐに刺されて倒れ込んでしまう。
犯人はギソブにとどめを刺すことなく、スアのあとを追った。
◆
スアはせめてもの抵抗として希望の家を停電させた。
時刻は夜。
暗闇の中、スアと犯人のかくれんぼが始まる。
ライターの明かりを頼りに施設を探す犯人とは違って、スアにとって暗闇は味方だ。
スアは罠をしかけ、犯人を風呂場に閉じ込めることに成功した。
◆
犯人の執念は想像を絶するものだった。
女性にどれほどの恨みがあるのか、執拗にスアだけを狙ってくる。
風呂場に閉じ込めても、鍵のかかった部屋に逃げ込んでも、灯油をかけてその身を焼いても、犯人は止まることなく憤怒の表情を浮かべてスアに迫ってきた。
最初は機転を利かせて犯人を罠にはめていたスアも、最後にはとうとう追い詰められてしまう。
「虫けらどもが生きてどうする!」
何度も殴られ、ぐったりと横たわるスア。
犯人がズボンのチャックに手をかけたその時、背後から現れたギソブが一撃を食らわせた。
だが、犯人はまだ立ち上がる。
◆
なんとか施設の外に逃げ出すスアとギソブ。
だが、犯人もすぐ後ろに迫っている。
スアを逃がそうとギソブが組みかかるが、力の差は歴然だ。
絶体絶命の瞬間、スアの脳裏に3年前の事故の光景がよみがえった。
スア(あの時と同じだ。このままじゃ、また大切な人を失ってしまう……!)
スアは立ち止まると、車の窓を割って犯人の注意を自分に引きつけた。
結末
犯人がスアめがけて走ってくる。
手にはメスが握られている。
スアは手近にあったコンクリートブロックを拾った。
やるか、やられるか。
勝負は一瞬で決まる。
覚悟を決めたスアの耳に、ギソブの言葉がよみがえった。
『諦めるなってこと。俺も諦めない』
犯人の足音が近づいてくる。
……今だ!
スアが大きく振り回したコンクリートブロックが、犯人の頭部に命中する。
一方、犯人のメスは間一髪のところでスアに届いていない。
犯人がどさりと倒れ込んだ直後、パトカーのサイレンが聞こえてきた……。
エピローグ
事件から1年後。
スアは警察大学に復学していた。
ギソブは兵役中だが「除隊したら、俺も入学する」と息巻いている。
警察大学を背景に写真を撮るスアとギソブの表情は、曇りのない笑顔だった。
<完>
原作と日本版の違いは?
こちらは日本版「見えない目撃者」のあらすじです。
警察学校卒業式の夜、自らの過失で弟を事故死させ、自らも失明してしまった浜中なつめ(吉岡)。警察官になることを諦め、3年間失意のなかにいたが、ある日、車の接触事故に遭遇する。その事故現場で車中から聞こえた、助けを求める少女の声から誘拐事件の可能性があると感じたなつめ。だが、視覚以外の感覚から感じ取った“目撃情報”を警察は信用せず、捜査が打ち切られてしまう。それでも少女を救いたいと考えたなつめは、事故現場で車に接触した少年を探し出す。やがて、なつめの『人を救いたい』というひたむきな思いは、その少年と定年間際の刑事の心を揺るがせ、連続誘拐事件の真相を明らかにしていく。
基本的な流れは同じようですが、ところどころ違う部分も見受けられますね。
一番の違いは主人公の立ち位置でしょうか。
原作では『事件に巻き込まれた』という印象が強かったですが、日本版ではむしろ『自ら事件に首を突っ込んでいる』ように思われます。
韓国映画「ブラインド」は、盲目の女性が《心の障害》を乗り越えて強者である犯人を倒し、再び前を向くまでの物語でした。
これに対して日本映画「見えない目撃者」は視覚障害をものともしない主人公が犯人と互角に渡り合い打ち勝つ物語といった印象ですね。
設定的にも大胆なアレンジが加えられているそうですし、原作とはまた違う味わいの作品になっていそうです。
日本版「見えない目撃者」は怖い?
プロデューサー曰く、
犯人の異常性を表現するために、通常日本映画では敢えて避ける表現に、この映画では挑戦しています。
とのことで「強い戦慄を覚えるシーン」にもギリギリまで挑戦しているそうです。
原作も犯人がサイコパスっぽくてめちゃくちゃ怖かったんですが、日本版も負けず劣らずショッキングな内容っぽいですね。
ホラーが苦手だったりスプラッタに耐性のない方はやめといた方がいいかも……。
逆にそういうのがOKな人は心臓が高鳴るスリルを楽しめると思うのでおススメです!
まとめと感想
今回は韓国映画「ブラインド」のあらすじ・ネタバレをお届けしました!
成分的には
- サスペンス:7
- ミステリー:1
- ヒューマンドラマ:2
という感じですね。
感想としてはとにかく犯人が怖かったです!
真顔で大人の男が追っかけてくるだけでも怖いのに、その間ずっと何もしゃべらないんですよ!
怖いわ!
顔色一つ変えずに人を刺すサイコパスっぷりも気味悪かったですし、倒しても倒しても起き上がってくる絶望感も尋常じゃありませんでした。
ジャンルとしてはサスペンスなんですけど、ホラー成分も間違いなく入っていると思います。
では、最後にまとめです!
- 犯人は堕胎専門の産婦人科医師
- 盲導犬と協力者の刑事は犯人の手にかかって死亡
- 最後は主人公が犯人を倒す
手に汗握るおにごっこに、息が詰まるかくれんぼ。
命がけの追いかけっこにドキドキハラハラさせられました!
映画『見えない目撃者』の配信は?
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