サスペンス

【映画原作】小説『キャラクター』あらすじネタバレ解説【結末が違う】

長崎尚志『キャラクター』を読みました!

こちらは

  • 菅田将暉さん
  • Fukaseさん(SEKAI NO OWARI)

が出演する同名映画の小説版です。

文庫の裏表紙には次のような但し書きが記載されています。

この作品は映画『キャラクター』の第何稿目かのシナリオをもとに、小説にしたものです。

したがって登場人物のイメージはそのままですが、後半からラストにかけてのストーリーは大幅に異なります。

別バージョンの『キャラクター』としてどうぞお楽しみください。

小説版は映画のプロトタイプといった感じでしょうか。

小説の物語もすごくおもしろかったので、映画ではどうなっているのか楽しみです。

今回はそんな小説『キャラクター』のあらすじがよくわかるネタバレ解説をお届けします!

※漫画版の内容を追記しました!

ぱんだ
ぱんだ
いってみよう!

あらすじ

漫画家デビューを目指してアシスタント生活を長く続ける山城圭吾は、ある日、「誰が見ても幸せそうな家」のスケッチを頼まれる。

前から気になっていたその家を訪れると、暗闇の中から大音響でオペラが流れていた。

家の玄関ドアが開き、手招きに促されるようにして家のなかに入ると、そこには殺害された家族四人の姿があった。

「ぼくの顔、見た? 見ちゃったよね」

第一発見者となった山城は、その現場でひとりの人物を目にしていた。

やがて、彼はその事件をモデルにした漫画でデビュー。

家族四人殺害事件も続いていた。

(文庫裏表紙のあらすじより)

ピンク髪の青年

犯人は両角(もろずみ)というピンク髪の青年です。

彼のターゲットは「幸せそうな四人家族」

刃物でめった刺しにした犠牲者たちの(遺体の)表情を笑顔にして食卓に座らせ、一家団欒の風景をつくる。

両角にとって殺人は作品(アート)でした。

目撃者である山城を生かしておいたのは、彼が作品を見た最初の観客だったからだと両角は言います。

本来なら、山城はすぐにでも警察にすべてを話して犯人逮捕に協力すべきでした。

しかし、山城は警察に犯人の顔を見たことを隠します。

なぜなら、両角は漫画家である山城が喉から手が出るほど欲していた強烈な「キャラクター」の持ち主だったらです。

「マンガ史上、最凶最悪のリアルキャラクター誕生!」

両角をモデルにしたキャラクターはたちまち大人気となり、ぱっとしないアシスタントだった山城は一転して大人気漫画家へとのし上がります。

漫画のタイトルは「34」(サンジュウシ)

34歳の3人の主人公が、謎の殺人鬼「ダガー」を追うホラーサスペンスです。

第1話に登場した殺人現場は、山城が目撃した惨劇をそのままモデルにしたものでした。

悪魔との共作

両角による続く殺人事件は「34」の内容を忠実に再現したものでした。

それはつまり、山城が漫画を描けば描くほど、新たな殺人事件が現実で起こるということです。

国民的人気漫画となった「34」、なかでも特に人気を集める殺人鬼ダガーが自分をモデルにしたものだと両角はもちろん気づいていました。

両角は今や「34」の共同制作者気取りです。

両角は山城に言います。

「ぼくはね、ほんとは引退するはずだったんだよ。でも、先生のせいで呼び戻された。だから最後まで責任をとってくれないと」

両角が最初の事件を起こしたのは、その身に宿る殺人衝動によるものでした。

しかし、今は違います。

両角は「34」のために殺人を続けているというのです。

山城は再び選択を迫られます。

新たな犠牲者を出さないためには、「34」を捨てるほかありません。

しかし、長年もがいてようやく手にした成功。なにより「34」を描くのが楽しくて楽しくて仕方がない山城にとって、連載終了は考えられない選択です。

それにもし、怒り狂った両角の殺意が、自分や自分の家族に向けられたらと思うと……。

山城が迷っている間にも「34」の人気は天を衝く勢いで高まり、一方では新たな殺人事件が起こっていきました。

もう一人の主人公

もう一人の主人公の名前は清田俊介(映画では小栗旬さん)

神奈川県警捜査第一課の刑事です。

実は最初の一家惨殺事件では辺見敦(へんみあつし)という前科持ちの中年男が「わたしがやりました」と(なぜか)自白していて、捜査が打ち切られています。

そんななか清田はいち早く続く事件と「34」の類似性に気づき、一連の事件が同一人物による犯行だと見抜きました。

清田は独自に山城と接触。

やがて彼の判断が最終局面を大きく左右することになります。

<すぐ下のネタバレにつづく>

ひとつあっさりネタバレすると、辺見敦は両角の協力者です。

警察の捜査を両角から遠ざけるため、わざと囮になって捕まりました。理由は後述。

ネタバレ

山城は両角を止めるため作戦を練りました。

ダガーの殺人事件で初めて生存者が出た、というシナリオを描いたのです。

両角がこのシナリオを現実で再現しようとすれば、生存者から顔や背格好などの目撃証言が警察に伝わってしまうわけで、かなり不利になってしまいます。

当然、両角は漫画の模倣をためらうだろうと山城は考えたわけですね。

ぱんだ
ぱんだ
なるほどね

しかし、結果から言えば両角は止まりませんでした。

またしても四人家族を狙い、両親と長男を惨殺、漫画に忠実にたったひとり長女だけを生かしました。

生き残ったといっても、長女は意識不明の重傷でとても警察に協力できる状態ではありません。

山城の作戦は完全に失敗でした。

やむなく山城は「34」を休載します。

本当は連載終了にしたかったのですが、編集部の許しが出ませんでした。

四人家族

両角は不満だらけでした。

  • 中途半端な犯行
  • 正体がバレるリスクを背負わされたこと
  • 「34」の休載

両角にとって殺人は作品(アート)です。

これまで芸術(アート)の共同制作者だと評価していた山城に裏切られ、両角は憤慨します。

両角は行動に打って出ました。

ぱんだ
ぱんだ
というと?

ある日、山城が実家に帰ると、そこには両角の姿がありました。

あろうことか両角は姉の綾(あや)の彼氏として山城家に潜り込んでいたのです。

何も知らず娘の彼氏を歓迎する両親を押しのけ、山城は両角と対峙します。

「ちはぁ、圭吾さん、マンガ読んでます。大ファンです」

白々しく笑う両角。

山城は家族が困惑するのも構わずナイフを手に取り、叫びます。

「帰れ!」

山城家は四人家族です。

両角が狙う条件にピッタリと当てはまる、仲のいい四人家族。

見事な手つきで魚をさばいている両角の手には出刃包丁が握られていました。

いつ隣にいる姉を刺してもおかしくない……。

山城はたとえ相打ちになってでも家族を守ると、覚悟を固めます。

しかし……

「ぼく、帰ります。綾ちゃんごめん。おとうさんおかあさん、すみません」

両角はあっさりと身を引きました。

今日のところは警告だけ、といったところでしょう。

両角はもう山城家の場所を知っているわけで、やろうと思えばいつだって行動を起こせます。

それは「34」を早く再開しろ、という両角からの無言の脅迫でした。

両角が山城家に現れたこの日を境に、物語は一気に最終局面へと加速していきます。

家族の命を守るため、山城は覚悟を決めました。

自身が罪に問われることを承知で、清田にすべてを打ち明けたのです。

「ほんとはおれ、見たんです。船越さんの家で、犯人を」

それだけではありません。

どうすれば両角を捕まえられるか、そのために自分がどうすればいいか。

清田に持ち掛けられるまでもなく、山城は理解していました。

「『34』の連載を再開して、あいつをおびき出します」

「34」に山城を登場させ、家族ごとダガーに皆殺しにされる展開にすれば、両角はきっと罠だと知っていても再現せざるをえないでしょう。

要するに、囮(おとり)です。

もちろん山城の家族を巻き込むわけにはいかないので、そこは警察官に代役になってもらうほかありません。

ただし山城だけは自分の命を張って両角をおびきよせるつもりでした。

 

Side:清田

山城を囮にする作戦、清田も同じことを考えていました。

警察官として一般市民を危険にさらすなんてあるまじき行為ですが、それが効果的なこともまた確かです。

「助けてやるからオトリになれ」

清田は山城の罪を問わないことを条件に、司法取引を持ち掛けるつもりでした。

標的(ターゲット)

決戦の夜。

山城は実家の食卓に着き、じっと《その時》を待っていました。

食卓を囲むほか3人の家族は背格好の近い警察官が代役を務めていて、遠くからでは本物の家族と区別がつきません。

家の中にも外にも、それとはわからないように大勢の警察官たちが息をひそめて待機しています。

いったい両角はいつ仕掛けてくるのか……。

張り詰めた緊張を破るように、山城の電話が着信音を鳴らしました。

「山城先生、最終回はそこじゃ起きないよ」

電話の主は両角です。

「ぼくが腹が立つのはねえ、ほんとに仲のいい四人家族なんだ。仮面夫婦の四人家族なんて、ぼくは狙わないって」

一点の曇りもない四人家族のように描かれていた山城家ですが、実は父親の浮気が原因で、夫婦仲は冷え切っていました。

山城が帰ってきたときだけ、演じるように仲良くふるまっていただけです。

一時とはいえ綾の彼氏だった両角は、そのあたりの事情を熟知していました。

両角は山城家を狙わないと言います。

一方で、両角は確実に「34」の展開を再現しようとするはずです。

なら、奴が狙うのはいったい……。

一瞬で頭をフル回転させると、最悪の可能性が閃きました。

もしかして……

 

「おれと夏美の子、双子か?」

川瀬夏美は山城の元カノです。

ちょっと複雑な事情があるのですが、山城との子どもを妊娠中で、一人で産もうとしています。

別れを切り出したのは夏美のほうで、山城はまだ夏美のことが好きですし、復縁したいと思っています。

両角にしてみれば、山城を絶望させるためにこれ以上うってつけの人物はいません。

山城と夏美、お腹の中の双子を含めて四人家族。

条件は満たされています。

山城は勢いよく家を飛び出すと、待機していた清田の車に乗り込みました。

「両角の標的は夏美です」

一人暮らしの夏美の家に急行する山城と清田。

夏美とつないだままの電話から、聞き覚えのある音楽が流れてきます。

両角と出会った夜、あの凄惨な殺人現場で流れていたオペラ。

両角が大好きな曲だというあのオペラ。

山城の顔から表情が消えました。

キャラクター

応援を待っている余裕はありません。

夏美のアパートに着くなり、山城と清田は駆け出しました。

行く手をふさぐように現れた辺見敦を清田が引き受けたため、部屋にたどり着いたのは山城ただ一人。

ドアを開けた瞬間、山城は暗闇で待ち構えていた両角に太ももを刺され、倒れ込んでしまいます。

もがくように上体を起こすと、縛られた夏美の姿が目に入りました。

「必ず助けるから」

気丈に振舞って見せますが、今の山城は立つのもやっとの状態です。

できるのは時間稼ぎくらいですが、それにも限界があります。

それなら、せめて……

「最初に殺すのは俺だろ」

山城の狙いは相打ちでした。

(自分は刺されるが、自分もこの男の首を絞めてやろう)

両手を広げて、無抵抗に刺されるふうを装います。

両角が腹に向かって包丁を突き出した、次の瞬間。

警察に着せられていた防刃チョッキが包丁の切っ先を受け止めました。

※以下、小説より一部抜粋

…………

防刃チョッキだった!

それを知らない両角の顔に、一瞬動揺が走る。その隙を逃さなかった。

包丁を持つ両角の手首を力いっぱいつかむ。手首をひねる。想像以上に相手は非力だ。

包丁が床に、ドスン! と落ちた。

その包丁を素早く拾った。

立ち上がると、おびえた両角が見えた。

山城は自分が笑っていることに気づいた。

おれがダガーで、こいつがおれだ。

力がみなぎった。刺したい! グサッグサッグサッ!

キャラクターが両角から自分に転移した。

「おれがあんたのキャラクターを借りて、マンガを成功させた? そうあんたは思ってるんだろ。でもちがう。ふざけんじゃねえよ」

山城はゆっくり、両角に近寄った。

「あんたの動機なんてチンケなもんだ。ただただ世間にいっぱいいる四人家族に嫉妬しただけじゃないか」

ひとことも声を発さず、両角は後ずさりした。

「だからあんたは、ダガーにはなれないよ。まるでちがうじゃないか」

山城は両角の腹を狙った。

両角は包丁の刃を、手で受け止めた。血がビタビタと床に落ちる。

距離を縮めながら思った。もっと体重を乗せなければ、人はさせないんだな、と。

両角の上に乗った。総合格闘技でいうマウントポジションだ。

もう、勝利は見えた。

軽蔑を込めて見下ろした。

「ダガーってキャラクターはね、あんたち違って動機がない。あんたみたいに人間ぽくないんだよ。神なんだよ。あんたは絶対になれやしない!」

両角は観念してか、目を閉じた。

包丁を大きく振り上げた。背筋に稲妻のような快感をおぼえた。

決着

予想外の逆転現象。今では山城が加害者で、両角が被害者です。

まるで人格が入れ替わってしまったかのような光景が、そこには広がっていました。

「山城さん、もういい。やめろ」

ようやく追いついた清田が声をかけますが、山城の耳には届いていないようです。

山城は笑いながら、すっかり怯えて無抵抗の両角めがけて包丁を振り下ろしました。

そして……

※以下、小説より一部抜粋

…………

寸前で刃物が止まった。

また(山城と)目が合った。自分自身に驚いている表情になっていた。

危機は去ったと思った。

両角を見た。目に生気が戻っていた。

憎悪が湧いた。辺見も殺せず、両角も生かすのか?

憎悪は自分自身に向けられていた。

指が無意識に動いた。

弾丸が両角のピンク髪を、真っ赤に染めた。

この直前、清田は辺見の脚を撃って無力化しています。

辺見は清田の上司である真壁(映画では中村獅童さん)を殺した犯人でした。

結末

両角の死亡によって、一連の事件は幕を下ろします。

犯罪史上類を見ない凶悪犯が相手だったということで、両角を撃った清田に責任は問われませんでした。

「あのとき、おれは両角になって、あいつがおれになったんです」

事件をふり返って、山城は言います。

「その直後、おれは正気に戻った……つまり両角に移ったおれのキャラが返ってきたんです」

正気に戻れたのは駆け込んできた清田と目があったからだと、山城は言います。

一歩間違っていれば、山城が両角を殺していたかもしれません。

「清田さんはそれを冷静に見ていたんです。だからあいつを撃った」

山城は「34」を終わらせ、代わりに真逆の方向性のホームドラマ漫画を描き始めます。

以前の山城と同じ路線です。また売れない漫画家に戻る覚悟でした。

しかし、予想に反して新しい漫画は「悪意を隠したホームドラマ」として編集部から高い評価を受けたのでした。

※以下、小説より一部抜粋

…………

あの事件で成長したのか、悪に染まったのか。

おれはいったい、なんなんだ?

山城は心の中でひとりごちた。

「最初からそうだったんでしょ」

まるで心を読んだかのように、大村(編集者)は言った。

「山城さん、ようやく本性を現しましたね」

複雑な思いで、山城は笑った。

結末(Side:清田)

※以下、小説より一部抜粋

山城の言葉はまちがいだった。彼に感謝されるいわれはない。

辺見に拳銃をつかってから、自分は狂気に支配されていたのだ。

そして拳銃をかまえて、山城と目が合ったとき……!

両角のキャラクターが両角に戻り、山城のキャラクターが山城に戻ったのではない。

あれは山城の勘違いだ。

実態は、両角のキャラクターは清田のほうに入り込んだのだ。

あのときのおれは、両角だったのだ!

真壁殺害容疑で取り調べ中の辺見がなにを述べたか、清田は新班長から聞かされていた。

辺見はこう語ったそうだ。

 

「殺人てのはね、選ばれた人間には伝染病みたいに移るんですよ。あたしだって感染しなきゃ、あんなことしません。だれから移ったか……あなたね、インフルエンザになったとき、感染経路なんて言えますか? 殺人の病を抱えてるやつなんて、街を出れば五万といますよ。アイコンタクトだけで理解し合って、移っちゃうんだから」

 

おれはそのあと完治したのだろうか。

両角、いや、ダガーのキャラクターは、おれから出て行ってくれただろうか?

周囲のビルがゆがんでみえた。

<完>

補足解説

『あなたもいつか殺人者の才能に目覚めるかもしれない』

小説版『キャラクター』はそんな後味の悪さを残して幕を閉じました。

物語の終盤では、正義の側だったはずの山城・清田のゾッとするような一面が垣間見えます。

それは両角、あるいはダガーの「キャラクター」に憑りつかれたからですが、どうもこの憑りつかれるという現象は誰にでも起こるわけではないようです。

素質・才能を持った人間だけが、辺見が言うところの「殺人という伝染病」に感染する危険性があります。

ぱんだ
ぱんだ
素質って?

振り返ってみれば、山城も清田も両角も家庭環境に問題を抱えていました。

今回のあらすじでは省略しましたが、清田は母親に捨てられたりと、かなり壮絶な過去を抱えています。

※両角の過去は後述

このことを考慮すれば「素質」は後天的なもので、特に家庭環境や少年期の体験に左右されるものであるように思われます。

ぱんだ
ぱんだ
なるほどね

一方、作中漫画「34」ではちょっと解釈が違っていて、だいたい人間の50%が先天的に素質を持っているという設定でした。

聖書に登場する、人類最初の殺人の加害者・被害者であるカインとアベル。

善なるアベルの末裔に対して、悪なるカインの末裔は生まれながらに素質を持っているというわけです。

この文脈に沿うのであれば、

  • 山城
  • 清田
  • 両角
  • 辺見

主要な登場人物はみんなカインの末裔だったということになります。

注目すべきは、物語冒頭の山城が「これ以上ないほどの善人」として描かれていたことです。

山城は両角の最初の「作品」を目にして、内なる才能を開花させました。

これはつまり、今現在どんなに善人としてふるまっているどんな人間でも、本人が自覚していなかったとしても、いつ誰がどんな拍子で素質に目覚めるかわからないということです。

それはあなたかもしれませんし、あなたの恋人や友人、家族かもしれません。

もちろん、わたしかもしれません。

そう考えるとなんだかゾッとしますよね。

事件の背景にあるこの「ゾッとする設定」が(いい意味での)後味の悪さを残す作品でした。

イヤミスが好きな人はグッとくる設定だと思います

両角の過去

両角はかなり特殊な環境で生まれ育ちました。

一言でいえば山奥にある新興宗教のコミュニティです。

教祖の名前は進藤庄吉。両角の父親です。

進藤は「四人家族こそが幸福の形」と説きました。

信者たちのなかには四人家族になるよう子どもを増やす者もいましたが、彼らは役所に出生届を出しておらず、子どもたちは戸籍のないまま育ってしまいます。

お察しかと思いますが「両角」という名前はあのピンク髪の青年の本名ではありません。

彼もまた戸籍のない子どもの一人です。

両角の母親は「両角キララ」という名前でホラー漫画を描いていました。

彼がわざわざ「両角」という名字の戸籍を買ったのは、母親に合わせてのことだったのでしょう。

話を戻しますが、やがて新興宗教コミュニティは教祖の死によって崩壊します。

それは信者による殺人で、少年だった両角も犯行に協力していました。

コミュニティからは十世帯の住民たちが忽然と消え、以後、その行方は杳として知れません。

山城は両角に「おまえはただ四人家族に嫉妬しているだけだ」と言いました。

結局のところ、その指摘はかなり的を射たものだったのかもしれません。

漫画版『キャラクター』

途中までの展開は小説版『キャラクター』とほとんど同じです。

ただ、予告されていたとおり結末は大きく変更されていました。

ぱんだ
ぱんだ
というと?

いちばん大きな違いは、両角が辺見に殺されることです。

小説の辺見は両角の操り人形みたいな印象でしたが、漫画では最後に夏美を襲うのも辺見であり、存在感を大きく増していました。

以下はそんな辺見の台詞です。

「両角は死んだよ。そろそろ主役を交代しなきゃならなかったから。

今のままじゃ、俺がダガー(主役)になれないからさあ!」

漫画版の辺見は両角と同じように「ダガーに魅入られたキャラクター」として描かれていました。

辺見は自分がダガーになるため、両角を裏切って殺したんですね。

  1. 山城が家族を囮にした最終回を描く
  2. しかし辺見は夏美を狙った
  3. 最後は清田が辺見を撃っておわり

このあたりの流れは両角が辺見に変更されているだけで、小説とほとんど同じです。

伝えるのが遅くなりましたが、漫画では山城と夏美は結婚しています。

無事に赤ちゃんも生まれて「今度はこの子に読んでもらえるマンガを描こう」というラストシーンで物語は幕を下ろしました。

ハッピーエンドですね。

不穏な雰囲気が消えた

小説『キャラクター』のクライマックスは、なんといっても山城が両角を逆に刺し殺そうとするシーンでした。

ダガーのキャラクター(=殺人衝動)が両角から山城に乗り移った、というゾッとする場面です。

あるいは、山城の中にもともと眠っていた殺人者の才能が目覚めたと解釈することもできて、それはそれで不気味な怖さがあります。

一方、漫画ではこれらの描写が一切ありません。

辺見は

  1. 『34』最終回になぞらえて山城から先に刺そうとして、
  2. しかし防刃ベストに阻まれ、
  3. さらに山城を押し倒して包丁を振り下ろそうとしたところで、
  4. 清田に撃たれました

小説のラストでは「実はここでダガーのキャラクターが山城から清田に移っていた」という盛り上がりがあったのですが、漫画ではそれもなしです。

その代わりに法廷で発言する辺見がまるで両角のように見えるという場面があって、「両角のキャラクターが辺見に乗り移った(感染した)」と解釈できるオチになっていました。

ぱんだ
ぱんだ
まとめるよ!

小説に漂っていたダークな雰囲気が、漫画ではかなりマイルドになっていました。

「山城と清田には殺人者の素質があった」という不穏な設定がなくなった、というのが大きなポイントですが、それだけではありません。

両角の過去(家族)についての描写もなくなっていて、「四人家族を狙う」という両角の犯行動機なんかも消えていました。

  • 山城家の両親の不仲
  • 清田の闇
  • カインとアベルの話

このあたりの描写も無くて、ほんとうにあっさりしています。

まあ、単純に小説と漫画では詰め込める情報量がぜんぜん違う、という話なのかもしれませんが……。

わたしはイヤミスみたいな(いい意味での)後味の悪さが好きなので、どちらかといえば小説の方が好きでした。

映画は小説とも漫画とも違う結末になるとのことなので、楽しみにしたいと思います。

【追記】映画観てきました!

キャラクター考察
【ネタバレ】映画『キャラクター』考察|小説・漫画から読み解く【解説】映画『キャラクター』の世界がもっとよくわかる考察|小説・漫画・映画のネタバレを含みます...

 

 

ぱんだ
ぱんだ
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まとめ

今回は長崎尚志『キャラクター』のあらすじネタバレ解説をお届けしました!

小説版の結末はイヤミスな感じで、個人的にはけっこう好きでした。

  • 映画
  • 小説
  • 漫画

それぞれ違うラストが描かれているので、ぜんぶチェックして違いを確かめたいですね。

 

映画情報

予告動画

キャスト

  • 菅田将暉(山城圭吾)
  • Fukase(両角)
  • 小栗旬(清田俊介)
  • 高畑充希(川瀬夏美)
  • 中村獅童(真壁孝太)

※敬称略

公開日

2021年6月11日(金)公開!

ぱんだ
ぱんだ
またね!


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