ラストに驚き

『両刃の斧』あらすじネタバレ解説|予想外の真犯人と結末【ドラマ原作小説】

大門剛明『両刃の斧』を読みました。

主人公は23歳の娘を持つ刑事。容疑者は還暦を過ぎた元刑事。

渋くて骨太な警察小説です。

それでいてラスト20ページには本格ミステリ小説もかくやというどんでん返しが用意されていて、心底驚かされました。はっきり言っておもしろかった!

復讐殺人の裏側、迷宮のように入り組んだ謎の出口に待つ慟哭の真実とは?

今回は小説『両刃の斧』のあらすじがよくわかるネタバレ解説をお届けします。

ぱんだ
ぱんだ
いってみよう!

あらすじ

捜査一課の刑事・柴崎の娘が刺殺体で見つかった。

懸命な捜査にもかかわらず、事件は迷宮入りとなった。

十五年後、後輩刑事の川澄は犯人と目される男の身元を特定。

だが逮捕を目前に、男は殺害された――。

殺したのは柴崎なのか。これは解いてはいけない迷宮だったのか。

事件の裏に隠された、慟哭の真実とは?

(文庫裏表紙のあらすじより)

殺された犯人

物語は交番勤務の警察官・青山陽太の命がけの告発から始まります。

青山は15年前、柴崎曜子が殺された事件の犯人を知っていました。

名前は森下竜馬。

当時、青山は曜子からストーカー被害の相談を受けていて、森下の存在を知っていました。

それになのに捜査において森下が容疑者にすらならなかったのは、当時の捜査一課長が青山に口を噤(つぐ)むよう命令したからです。

ぱんだ
ぱんだ
どゆこと?

構図はシンプルです。元捜査一課長・白井哲史は森下竜馬に弱みを握られていました。

捜査費用の不正流用。

元警察官だった森下は着服の事実をネタに白井を脅迫し、曜子のストーカー被害相談記録を破棄させていました。

青山としては白井に逆らうわけにもいかず、かといって娘の死に慟哭する柴崎への不義理を思えば良心の呵責に耐えず……。

苦しみ続けた15年間の末、青山は柴崎への詫びとともに遺書のなかで真相を告発しました。

柴崎とは家族ぐるみの付き合いがある後輩刑事・川澄成克は遺書の内容を受けて事件を再捜査。15年前の目撃者から、曜子の部屋(事件現場)から逃げ去った人物は間違いなく森下竜馬だったと証言を得ます。

迷宮入りした未解決事件がようやく解決される――。

森下竜馬が殺害されたのは、柴崎のためにも犯人を捕まえたいとずっと願ってきた川澄が希望を見出した、まさにそんなタイミングでした。

復讐殺人

森下竜馬は最低の悪人でした。ストーカー常習犯で、脅迫は日常茶飯事。

過去には飲酒運転事故で通行人をひき殺したこともあります。

森下を恨んでいた人間は数えきれないほどいたはずです。

それでも、川澄は悪い予感を抱かずにはいられませんでした。

――柴崎が殺したのではないか?

川澄にとって柴崎はただの先輩刑事ではありません。憧れでありヒーロー。正義を体現する刑事の鑑だと尊敬しています。

けれど、先日たまたま立ち寄った遺族会で、柴崎はこのように言っていました。

「犯人さえわかればいい。この身を引き換えにしてでも殺してやる」

もちろん刑事を引退した柴崎には捜査本部でも一部の人間しか知らない青山の遺書の内容……つまり、森下が曜子殺害の犯人だという情報を知る方法がありません。

その意味では柴崎はシロです。

一方で、森下の遺体発見後から柴崎は行方をくらませていて、まるで逃げているようでもあります。

ぱんだ
ぱんだ
どきどき

結果からいえば、川澄の悪い予感は的中してしまいました。

柴崎は白井哲史を刺し殺そうとするも取り押さえられ、殺人未遂の現行犯で逮捕されます。

犯行動機は娘を殺された15年前の事件の復讐。

事ここに至っては、もはや柴崎が森下を殺したとしか考えられません。

迷宮の入り口

柴崎佐千夫の歩んできた人生は激動そのものでした。

長女の曜子が殺された二年後には、次女の和可菜が白血病で病死。

失意と憎しみを抱え続けた15年間の後、今度は妻の三輪子が余命一年の宣告をされてしまいます。

元捜査一課のエース。誰にでも分け隔てなく誠実に向き合ってきた刑事人生でした。

警察内でも柴崎を慕う人間は少なくありません。事情を知る人々は逮捕後も彼に同情的な態度を示します。

もちろん川澄もその一人です。

柴崎の苦しみにもっと早く気づけていたら、こんなことにはならなかったのかもしれない……。

後悔と無力感。打ちひしがれる川澄の目を覚まさせたのは、ひとり娘である日葵(ひまり)の言葉でした。

「本当に犯人は柴さんだったの?」

ぱんだ
ぱんだ
むむっ?

それは川澄の胸にも引っかかっていた疑念でした。

現行犯逮捕された白井襲撃の一件には言い訳できませんが、森下殺害に関してはまだ状況に不透明な部分があります。

なるほど犯行現場周辺では柴崎らしい大柄な男の目撃情報があります。

しかし、不審人物という点では黒のマウンテンパーカーを来た別の男も目撃されていました。

それだけではありません。

森下殺害に使われた凶器はいまだ発見されておらず、逮捕された柴崎は取り調べにおいて完全黙秘。

もし真相が単純な復讐殺人なら、柴崎という男はもうとっくに潔くすべてを語っているはずなのです。

つまり、柴崎は何かを隠している。

「白井襲撃は(逮捕されるための)演技だったのかもしれない」捜査一課の若手刑事・山田太士(ふとし)の推理が当たっているとすれば、柴崎は復讐刑事の汚名を着てまでいったい何を守ろうとしているというのでしょうか?

山田太士は日葵の婚約者でもあります。川澄にとっては娘の恋人にあたるわけで、いまいち気に食わないと思っています。

ネタバレ

もし柴崎が犯人でないとするならば、真犯人が別にいるということになります。

川澄は森下竜馬の過去を再調査。その結果、重大な新事実にたどりつきます。

森下が警官をやめるきっかけになった飲酒運転事故。

その真相は殺人事件でした。

ぱんだ
ぱんだ
どゆこと?

むごい話です。亡くなった木野瀬真知子は森下をフッていました。

逆上した森下はたったそれだけの理由でシングルマザーだった彼女を子どもの目の前でひき殺したのです。

飲酒運転は殺人を隠すための偽装でした。柴崎曜子の事件と同様、この時も白井捜査一課長の権力により事件は揉み消され、森下は事実上お咎めなしでのうのうと逃げ切っています。

遺族はさぞ無念だったでしょう。

ぱんだ
ぱんだ
ひどい……

さて、本題はここからです。

遺族の復讐という観点から川澄は真知子の父親を探したのですが、すでに故人でした。

一方で、真知子の子どもは知人に引き取られた後、姓を変えて愛知県警の刑事になったのだといいます。

真知子の息子の名前を聞いて、川澄は耳を疑いました。

山田太士。

捜査一課の切れ者にして、川澄にとっては娘である日葵の婚約者にあたる人物です。

血痕

「血液が別人のものと鑑定される場合があるか?」

逮捕される前、柴崎は科捜研の沢木美織にそう訊ねていました。

タイミングがタイミングです。一連の事件と関係のない質問だとは思えません。

美織の回答ですが、特定の条件下では血液が別人のものと鑑定される可能性はあるとのことでした。

たとえば、鑑定が導入されて間もない頃はまだ精度が低く、近親者の血液を判別できないケースもあったようです。

とはいえ、技術の進化した現在ではそのような事例はもう起こりません。

今回注目すべきは血液が別人のものと鑑定されるもうひとつケース、骨髄移植でしょう。

骨髄移植を受けた人間の血液DNAは、その提供者のものと完全に一致します。

柴崎の次女・和可菜が白血病で亡くなったことを覚えていますか?

柴崎はせめてもの人助けになればとドナー登録し、実際に骨髄を提供していました。

もちろん柴崎にはどこの誰に骨髄が移植されたのかは知らされません。

ただし、ここで見逃せない情報がひとつあります。

あの山田太士もかつては白血病を患い、骨髄移植を受けていたというのです。

ぱんだ
ぱんだ
!!

これは偶然の一致でしょうか?

そんな折、川澄は柴崎が隠していた凶器(ナイフ)を発見します。

ナイフから検出された血液は森下と柴崎のものだけでした。

しかし、もし山田太士が柴崎の骨髄を移植されていたのだとしたら……?

山田太士の血液は柴崎のDNA型とまったく同じになります。ナイフに付着していた血液が山田のものであったとしても、鑑定では柴崎の血と判別できません。

――山田が森下を殺したのか?

川澄は複雑な心境で真相を見極めようとしますが、まだ不明な点もあります。

ナイフは森下竜馬が購入したものでした。

山田が復讐のため森下を殺したのだとしたら、これは腑に落ちない事実です。凶器は自分で用意したものを使用するのが自然ですからね。

これは同時に、柴崎が復讐のために森下を殺したという筋書きにも疑問符をつける事実だといえるでしょう。

底知れぬ迷宮

取り調べ最終日。川澄は山田犯人説を柴崎に突きつけるも、黙秘の態度は崩れません。

柴崎は真実を言い当てられてまで口を閉ざし続けるような頑迷な男ではない、と川澄は信じています。

その柴崎がここにきても完全黙秘を貫いているということは、川澄の推理に落ち度があるのではないか?

焦る気持ちを押さえつつ休憩を入れた川澄の前に、思わぬ人物が現れました。

山田太士です。

「違います。僕はやっていません」

川澄の推理を、山田は真っ向から否定しました。

そもそも山田に骨髄を提供したのは親類(おば)だったのだといいます。

これでは柴崎と同じ血液DNAを持つという川澄の推理は成り立ちません。

とはいえ、山田にとって森下が母親の仇であることは事実です。

複雑な心境を持て余してのことでしょう。山田はときおり何をするでもなく森下の自宅を眺める習慣があるのだといいます。

事件当日に目撃されたもうひとりの不審人物……黒いマウンテンパーカーの男の正体はそうしていつものように森下の自宅を前に立ち尽くしていた山田でした。

ただし、山田は事件前に現場を離れています。

ぱんだ
ぱんだ
むむむ……

川澄は事件を複雑に考えすぎていたのかもしれません。

凶器のナイフは森下が購入したものでした。ならば、先に襲いかかったのは凶器を所持していた森下だったと考えるのが自然でしょう。

この場合、柴崎は正当防衛として森崎を刺したと解釈できます。

たとえばこのような筋書きはどうでしょう。柴崎は白井から森下の情報を受け取り、自宅へと向かった。そこで森下と鉢合わせ、ナイフで襲いかかられたので応戦した……。

白井にとって森下は度重なる自身の不正を知るやっかいな存在です。柴崎の復讐心を利用して森下を始末しようとしたと考えればつじつまもあいます。

実際、白井は「これ以上の捜査をやめろ」と川澄や山田に脅迫電話をかけていました。

ぱんだ
ぱんだ
ふむふむ

柴崎がなぜ自身の正当防衛を主張しないのか、その理由はわかりません。

しかし、いずれにせよ正当防衛が事実ならば柴崎には情状酌量の余地が認められる可能性があります。世論も大きく変化するでしょう。

川澄の目的はあくまで柴崎を助けることです。正当防衛だったという落としどころは決して悪くありません。柴崎が黙秘を続けたとしても、その結末で締めくくることは可能です。

ただし、それは迷宮の出口ではありません。

柴崎はなにを守ろうとしているのか?

黙秘の裏にはどんな真相が隠されているのか?

川澄には真実を追求する責務があります。

あと少し……もう一手が足りない……。

焦れる川澄にさらなる新事実を告げたのは、事件を別方向から捜査していた山田でした。

15年前の事件。犯行現場は一人暮らしをしていた曜子の自宅。部屋から逃げ去る森下の姿が目撃されています。

これらは限りなくクロに近い状況証拠ですが、犯行の瞬間が目撃されていたわけではありません。

もし、森下が犯人じゃなかったとしたら?

当時の捜査では重要人物として曜子のストーカー(森下)の他に、曜子の恋人の存在がマークされていました。当時は「恋人がいたのかもしれない」という噂程度のものだったのですが……。

山田がもたらした新情報とは、実在したその恋人の正体でした。

「専従捜査班の班長、梶野彬さんでした」

梶野は現役時代の柴崎の部下でした。柴崎が逮捕される直前までは、未解決事件を追う専門チームのトップとして曜子殺害の犯人(森下)を再捜査していました。

真犯人

川澄は再び取調室に戻ります。その目には今度こそ真実が映っていました。

「事件は簡単なものだったんです。ひとことで言って、正当防衛です」

あらためて事件をふり返ってみましょう。そもそも最初の謎は「柴崎がどうして森下の存在を知っていたのか?」という点でした。

捜査一課の誰かが柴崎に情報を流した?

白井が森下を始末させるために復讐のおぜん立てをした?

いいえ、どちらも違います。

柴崎は他ならぬ森下に呼び出されていたのです。

ぱんだ
ぱんだ
なぬ!?

森下の目的は脅迫でした。金に困ってのことでしょう。曜子殺害の真犯人を公表されたくなければ一千万円よこせと柴崎に要求していました。

「柴さん、あなたが本当に隠したかったのは、15年前の真犯人だったんです」

柴崎が復讐刑事の汚名を着てまで守りたかった真実。

川澄は真犯人の名前を告げます。

 

「真犯人は、和可菜さんです」

 

柴崎和可菜。曜子の妹にして、白血病で亡くなった柴崎のもうひとりの娘。

「なぜ?」という最大級の疑問はひとまず後回しにして、まずは今回の事件の全貌からあきらかにしていきましょう。

すでに川澄が述べたように、森下殺害はあくまで正当防衛でした。

柴崎は森下の要求を拒否。逆上してナイフを手に襲いかかってきた森下と格闘になり、もみあいの末に殺してしまいます。

森下から聞かされた15年前の事件の真相は、柴崎にとって初耳でした。

柴崎は自首する前に真実を確かめる必要があると考え、逃亡のかたわら、曜子の恋人だった梶野の手を借ります。

曜子殺害に使用された凶器(包丁)の再捜査。

さて、ここで話は二つ目の謎につながります。

「血液が別人のものと鑑定される場合があるか?」

柴崎の問いの真意は、曜子と和可菜の血が同一と鑑定される可能を尋ねるものでした。

事件が起こったのは15年前。まだ血液の鑑定は不完全で、近親者の血液が同一と誤判定されるケースがあった……このくだりを覚えているでしょうか?

精度の高い現在の鑑定にかけた結果、凶器の包丁からは曜子だけではなく和可菜の血液が検出されました。

動かぬ証拠と言うほかありません。森下の告げたとおり、曜子を殺した真犯人は和可菜だったのです。

このやりきれない真実を知って、柴崎が真っ先に考えたのは病床の妻・三輪子のことでした。

ただでさえ弱っている妻に「和可菜が曜子を殺した」などと知られるわけにはいきません。かといって森下殺しの件で自首すれば、15年前の事件の真相は広く世間の知るところになってしまうでしょう。

そこで柴崎は一計を案じました。

白井を襲撃することにより、森下殺害を単純な復讐殺人に見せかけたのです。

※以下、小説より一部抜粋

…………

「柴さん、あなたの思いは分かっている。すべては自分のためじゃなく愛する人のため、本当に立派だ。尊敬しますよ」

川澄は間をあけてから絞り出すように言った。

「それでもあなたは間違っています」

柴崎はそれに応じて目を合わせた。

「本当に三輪子さんのことを思うなら、この悲劇を正直に告げるべきだったんだ」

無言のまま、柴崎は川澄の顔を見た。

「俺にもその結果、どうなるかはわからない。ですが柴さん、あなたは三輪子さんの気持ちをわかっていない」

横で山田もうなずいている。川澄は続けた。

「柴さん、三輪子さんが望んでいるのはあなたがそばにいること、たとえ最大級の悲劇を味わうことになってもそばにいることを選ぶんじゃないか……俺はそう思います」

川澄は肩口で汗をぬぐうと、そのまま柴崎を見下ろしていた。取調室からしばらく言葉が消えた。

今、最後の糸が音を立てて切れた。そんな気がした。

長い静寂が終わり、聞こえたのは蚊の鳴くような声だった。

「……川澄」

何日ぶりに声を発しただろう。声がかすれた。

「全部、その通りだ」

「柴さん」

両ひざに手をつき、ゆっくりと柴崎は頭を下げた。

「手間を取らせて悪かった」

ようやく終わった。

川澄の顔を眺めながら、刑事になりたてのころに思いをはせる。黙秘を続ける被疑者を取り調べた時、たいていの被疑者は最後につきものが落ちたような顔をして口を開いた。

今自分はそんな顔をしているだろうか。

(中略)

三輪子、俺が間違っていた。せめてもっと早く気づきたかった。最後までお前のそばにいてやりたかった。

結末

柴崎は三輪子をおもんばかって曜子殺害の真相を伏せようとしました。

しかし、皮肉にもというべきか、三輪子は柴崎よりもずっと前から事件の全貌を知っていました。

ぱんだ
ぱんだ
えっ

なんのことはありません。三輪子は和可菜本人から事情を聴いていました。

先にはっきりさせておきたいのは、和可菜は憎しみや恨みから姉を殺したわけではないということです。

それではあまりに救いのない悲劇でした。

※以下、小説より一部抜粋

…………

その日、学習塾の帰りに和可菜は曜子の部屋にやってきたのだ。扉の鍵が開いていたので中に入って驚かせようとしたらしい。おそらく扉の鍵が開いていたのは森下が侵入したからだろう。

和可菜は曜子が落ち込んでいるようだったので、驚かせて気持ちを明るくさせようとしただけらしい。

しかしストーカーに悩まされていた曜子が帰宅すると、部屋に小さな明かりだけがついていて、暗がりに誰かがいるのでパニックになった。台所の包丁を手に向かってきた。それを止めようとした和可菜は正体を明かす暇もなく、差し出した手首を切られた。

だがその時、曜子の手から包丁が落ちた。

和可菜が包丁を拾い上げると何かに当たった。そこには同じように包丁を拾おうとした曜子の首筋があったのだ。

曜子は即死だった。

(中略)

白血病で死ぬ前に、和可菜は三輪子に泣きながら曜子を死なせてしまったと打ちあけたらしい。誰にも言えず、その罰で自分は死ぬのだと泣いていたそうだ。

三輪子は二人だけの秘密にすると和可菜をなだめ、和可菜の死後もそのままずっと隠していたのだという。

和可菜が亡くなった後も、三輪子が15年前の事件の真相について言い出せなかったのは、柴崎の強い怒りを知っていたからだ。その怒りが和可菜に向けられるのを見たくなかった。柴崎がこれ以上苦しむのを見たくなかった。

娘たちを失った今、せめて穏やかに二人きりの時間を過ごしていきたいと思ったのだ。

(中略)

柴崎が復讐殺人をしたと報道された後、三輪子はずっと本当のことを言うべきかどうか悩んできたらしい。自分が黙っていたせいでこんな事件が起きたと後悔し続けてきたそうだ。

妻は夫のためと思い、夫は妻のためと思い、真実を隠そうとしたことがややこしくした、本当に悲しい事件だった。

<完>

ぱんだ
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補足

曜子の部屋から逃げる森下が目撃されていたのは、部屋に仕掛けていた盗聴器を回収していたため。森下が事件の真相を知っていたのもそのためです。

 

タイトルの意味

「両刃の斧」はラブリュスといって、怪物の閉じ込められた迷宮に掲げられていたそうです。転じて迷宮(ラビリンス)の語源になったとも。

迷宮のように入り組んだ物語にぴったりのタイトルですね。

まとめ

今回は大門剛明『両刃の斧』のあらすじネタバレ解説をお届けしました。

いやあ、それにしても気持ちよく驚かされましたね!

わたしはすっかり森下を殺したのは柴崎ではないと思い込んでいましたし、15年前の事件の真相にも「はっ!?」と思わず声が出てしまいました。

また、謎解きはもちろん人間ドラマにも感慨深いものがありました。

記事中では割愛していますが、物語のラストシーンは川澄家の一コマでした。物語の舞台は名古屋。例の有名な観覧車に父娘で乗り、山田との結婚を控える日葵が川澄に「お父さん、いままでありがとう」と告げる場面では、柴崎家との対比もあり、感動もひとしおでした。

ミステリよしドラマよしの良作が読めて、とても満足しています。

 

ドラマ情報

特報

キャスト

  • 井浦新
  • 柴田恭兵

ほか

放送日

2022年11月13日(日)放送・配信スタート

毎週日曜午後10:00(全6話)

ぱんだ
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またね!


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POSTED COMMENT

  1. マロン より:

    いつも楽しく拝見しています。自分では怖くて読めない作品(さまよう刃やスィートマイホーム等)の内容真相を知りたい時にもお世話になっています。今回の作品、意外すぎる真犯人でしたね!事件の真相もとても悲劇的だと思います。でもとても魅力のある作品だと思いました。先にネタバレを読みましたが是非自分でも読んでみたいと思います。ありがとうございました。

    • わかたけ より:

      >マロンさん

      いつも読みに来てくださりありがとうございます!
      少しでも楽しんでいただけているのなら嬉しい限りです。

      おっしゃるとおり今回の真犯人は本当に意外でしたね!
      それでいて続く真相はやりきれなくて……ラストあたりでは感情がめちゃくちゃになっていました。

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