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『世界でいちばん透きとおった物語』あらすじネタバレ解説|紙の本だからこその魔法

杉井光『世界でいちばん透きとおった物語』を読みました。

各所で話題の文庫書き下ろし。帯には、

  • 『紙の本でしか体験できない』
  • 『電子書籍化絶対不可能』

といった気になるセールスコピーが躍っています。

この本の《秘密》について、わたしはひとつの予想をもって読み始めたのですが……とんでもなかったです。

まったく予想外の、信じられないことが起こりました。

今回は小説『世界でいちばん透きとおった物語』のあらすじがよくわかるネタバレ解説をお届けします。

ぱんだ
ぱんだ
いってみよう!

あらすじ

大御所ミステリ作家の宮内彰吾が死去した。

宮内は妻帯者ながら多くの女性と交際し、そのうちの一人と子供までつくっていた。それが僕だ。

「親父が『世界でいちばん透きとおった物語』という小説を死ぬ間際に書いていたらしい。何か知らないか」

宮内の長男からの連絡をきっかけに始まった遺稿探し。

編集者の霧子さんの助言をもとに調べるのだが――。

予測不能の結末が待つ、衝撃の物語。

(文庫裏表紙のあらすじより)

【透かす】のでは?

わたしが読む前に予想したギミックは「ページ裏の文字を透かすのではないか?」というものでした。

たとえば小説の10ページ目を開いたとしましょう。

すると文字が印刷されていない余白部分には、下敷きになっている8ページ目の文字が透けて見えます。

また、裏側にあたる9ページ目の文字も、鏡文字にはなりますが、10ページ目の余白部分に透けることになりますね。

紙の本ならではのこの性質を利用して文字を透かすのだろう、というのがわたしの予想でした。

なにせタイトルが『世界でいちばん透きとおった物語』ですから。同じ予想をした方も多かったのではないでしょうか。

結論からいえば、【透かし】はありました。

物語の最後のページには空白のかぎかっこ(「     」)があり、あとがきの文字が透けるように設計されていました。

しかし、これがとても重要なのですが、この小説の《秘密》はその透かしのことではありません。

もっと別の、本当に途方もない【紙の本だからこそ】の仕掛けが、この小説には含まれています。

その仕掛けとはいったいなんなのか?

最大限の驚きを味わってもらうためにも、まずは物語のあらすじからおさえていきましょう。


遺稿探し

主人公の名前は藤阪燈真(とうま)。20歳。

二年前に母親を交通事故で亡くしてからというもの、彼は空虚な生活を送っていました。

週三日の書店でのアルバイトで暮らしをつなぐだけで、他には何もない。

ただ生きているだけの日々が続いていました。

だから、燈真が宮内彰吾の原稿探しを引き受けた理由の半分は、金のためです。

そして理由のもう半分は、昔なじみの編集者であり、無類の小説好きでもある深町霧子のためでした。

ぱんだ
ぱんだ
ほう

燈真の母・藤阪恵美は校正者でした。その縁で霧子とは子どもの頃からつきあいがあり、早い話、燈真は霧子のことが好きなのです。

だから、一読者として宮内彰吾の最後の小説を読みたいという霧子のために遺稿探しを引き受けた、というのが実情でした。

ぱんだ
ぱんだ
なるほどね

ほとんど終盤に差しかかるまで、物語は淡々と進んでいきます。

燈真は故・宮内彰吾の女性関係をあたっていくのですが、なんともあっさりしたことに、そのうちの一人が原稿の在り処を知っていました。

燈真はさっそく遺稿を回収しにいくのですが……そこで事件が起こります。

何者かによって原稿が燃やされてしまうのです。

いったい誰が? なんのために?

疑問は尽きませんが、犯人探しをしたところで意味はありません。探し求めていた原稿は焼失してしまいました。それがすべてです。

落胆する燈真でしたが、思わぬ【探偵役】の登場により事態は一転します。

ぱんだ
ぱんだ
探偵役?

はい。もったいぶらずにいうと、深町霧子です。

彼女は燈真の遺稿探しに協力するなかで『世界でいちばん透きとおった物語』の本質を見抜くに至っていました。

小説は残すところ約40ページほど。解決編は霧子のこんな台詞からはじまります。

「原稿を焼いた犯人ならわかっています。状況証拠のみですが間違いないでしょう。宮内先生の元奥様です」

※以下、小説より一部抜粋

…………

「奥様は、宮内先生の最後の小説が、だれのためのものか気づいていたのでしょう。自分でも自分の息子でもない、ということに。それが赦せなくて、存在を消したかった」

(中略)

「あの小説は、他のだれでもない燈真さんのために書かれるはずだったんです」

「待ってください。僕は宮内彰吾には逢ったこともないんです。向こうも顔も知らなかったんじゃないですか。妊娠させてそれっきり、養育費も払ってないんです。人生最後の小説を僕なんかのために書く理由がない。母のためなら、男女関係にあったわけだし、まだしも――」

母のためであってほしかった。そうでなければ、あの人があまりにもかわいそうだ。

けれど、霧子さんは哀しそうな目で僕をじっと見つめ、首を振り、また口を開いた。

「わたしが確信に至ったのは、燈真さんご自身のお話を何度も伺い、これまでに集めてくださった情報とあわせて吟味したからです。すべての証拠が燈真さんを指し示していました。恵美さんのこと、宮内先生の遺されたもの、たくさんの方のお話、中でも最も重要な鍵は、燈真さんの――眼の状態にありました」


燈真の眼

燈真は母親譲りの読書家ですが、読むのはもっぱら電子書籍ばかり。

それというのも、子どもの頃に受けた脳手術の後遺症で、紙の本を読むことができなくなってしまったからです。

「紙の本が読めない」とはどういうことか。燈真によれば紙の本を読むと目がチカチカして集中できない、ということだったのですが……よくよく話を聞いてみるとどうも妙なのです。

小説や教科書が読みにくくなった一方で、校正用のゲラ刷りやテスト用紙を読むぶんには問題がなかったのだと燈真はいいます。

また、小説にも例外はあり、谷崎潤一郎の『春琴抄』だけは紙の本でも読めたと説明されていました。

これらの断片的な情報が指し示す答えとは? 霧子は言います。

「燈真さんの眼は特別なんです。おそらく視覚がコントラストに対して過剰なまでに鋭敏なのだと思います」

※以下、小説より一部抜粋

…………

「なまじ見えるから、脳が無意識に読もうとしてしまう。それで燈真さんは、紙の本に激しい疲労感をおぼえるのです」

開いたページを細目で眺める。たしかに、見える。意識するといっそう簡単だった。

「……はい。見えます。裏ページに文字がある部分は鏡文字になって、読みづらくて」

そう、僕は子どもの頃から、不思議と目がよかった。校正を手伝っているとき、母にもよく褒められた。こんな形ですべてつながるなんて。

「ゲラ刷りならば問題ないことも、これで説明がつきます。紙が重なっていなければいいわけです。ゲラをチェックするときには束から一枚一枚とって読まれていたのでしょう。テスト問題も同様ですね。書籍という形態だけが眼への負担を引き起こすんです」

僕は呆然としてうなずいた。

「そして『春琴抄』だけは紙の本で読めたと言っていましたよね。あれは、短いからではないのです。改行がまったくなく、ぺーじのほぼすべてが文字で埋め尽くされているからです。印字されている部分の下のものは、たとえ目に入っても意識が向かないのでしょう。それよりももっと強いコントラストが表面にあるからです。空白部分から透けて見える文字にだけ、過剰反応してしまうわけです」

僕は寒気さえおぼえた。この人はほんとうに、鋭いとか聡いとかを通り越している。

いつぞやの霧子さんの「ずいぶん燈真さんに近づけた気がします」という言葉は、こういう意味だったのだ。断片的な情報を、真実への長い道に一つ一つ敷いていたのだ。

気が遠くなってくる。僕は呟いた。

「言われてみれば思い当たることばかりです。たぶん霧子さんの言う通りなんでしょうけど、でもそれがどういう――」

「ですから宮内先生は、自分の作品をどうしても燈真さんに読んでほしかったんです」

(中略)

「燈真さんのための一冊を書きたい――。それがずっと心残りだったのだと思います」

僕の眼のことも、電子書籍なら読めるということも、宮内は知っていたのだろうか。

電書はどうしても贈り物に向かない。贈り主を伏せたいならなおさらだ。

だから僕でも読める紙の本を書こうとした、ということなのか。

「やり方は二つありました。一つ目は『春琴抄』と同じようにページを文字で埋めて空白をなくす。でもこれは谷崎潤一郎のような文体ゆえに許される方法ですし、なによりも燈真さんが『春琴抄』の文章を詰め込みすぎで読みづらかったと言ったのですよね」

たしかにそう言った。僕は母に対して言ったのだ。

宮内彰吾に――母が、伝えた……。

「燈真さんに読んでもらえなければ本末転倒です。だから宮内先生が選んだのは二つ目のやり方でした」

<すぐ下のネタバレにつづく>


ネタバレ

宮内彰吾の遺作『世界でいちばん透きとおった物語』は、燈真のために書かれた物語でした。

そして燈真は手術の後遺症のせいで、小説の空白部分に透ける裏の文字を無意識に読み取ってしまい、そのせいで紙の本を読めない状態にありました。

そんな燈真にも読める紙の本で、しかもびっしりと文字で埋め尽くすのではない方法といえば……。

霧子は言います。

「空白部分の裏、そして次のページ、ここに文字がなければいいわけですから、すべての見開きの文章レイアウトをまったく同じ左右対称形にするんです。重ねられたページのどの箇所でも、文字の裏には必ず文字が、空白の裏には必ず空白があるようにする。そうすれば透けて見えなくなります」

この説明だけではピンとこないかもしれません。例を挙げましょう。

たとえば小説の10ページ目を開いたとしましょう。

偶数ページである10ページ目は見開きの右側に位置しています。

10ページ目の空白部分には、一切、文字が透けていません。

なぜなら、10ページ目と、その下敷きになっている8ページ目とでは、文字の改行タイミングがまったく同じだからです。

10ページ目の2行目が10文字目で終わっているのなら、8ページ目の2行目も同じように10文字目で終わっています。

それだけではありません。

10ページ目の裏側にあたる9ページ目もまた、左右対称に、同じ位置での改行が施されています。

イメージとしてはこんな感じです↓

上の画像は原稿用紙で、製本したときの左右対称とはまた違うのですが、ともかく小説のどのページを見開きにしても、レイアウトが一緒になっているのだということです。

これがいかに途方もない試みかということは、小説の書き手ならぬわたしたちにも想像できるというものですよね。

それで、もうお察しかもしれませんが、『世界でいちばん透きとおった物語』はこの書法に従って執筆されています。

宮内彰吾の遺稿としての『世界でいちばん透きとおった物語』のことだけではありません。

現実に、わたしたちが読んでいる小説としての『世界でいちばん透きとおった物語』もまた、まさに一文字の透けも許さず、つまり全ページの全行が定められた位置で改行されているのです。

この事実こそが本作の《秘密》です。

なんの違和感もなく読み進めていた小説が、実はとんでもない制限を守って書かれていたのだと気づいたときの衝撃たるや!

いまでも信じられない思いでいっぱいです。

たしかに【紙の本にしかできない】仕掛けであり、【電子書籍化絶対不可能】にも納得せざるをえません。おまけに映像化も不可能でしょう。紙の本という媒体を離れた瞬間に醍醐味が消えてしまいますから。

補足として、本作では文章がページをまたぎません。文章はすべてのページの左下の隅で【。】あるいは【」】で閉じられています。この事実だけでもすごくないですか?


『世界でいちばん透きとおった物語』

では、なぜ『世界でいちばん透きとおった物語』は宮内彰吾の遺稿と同じアイデアで書かれているのでしょうか?

宮内彰吾が挑戦し、未完成のまま焼失した(つまりオリジナルの)『世界でいちばん透きとおった物語』は、内容としてはお得意の刑事ものだったのだといいます。

藤阪燈真を主人公とした『世界でいちばん透きとおった物語』とは似ても似つかない物語だったに違いありません。

題名とアイデアを受け継いだまったく新しい『世界でいちばん透きとおった物語』

その正体は、燈真が書いた小説です。

きっかけは、やっぱり霧子の一言でした。

「燈真さんが書けばいいんです。燈真さんのための物語、ですから」

突拍子もない提案でした。いくら小説家の息子といったって、燈真はただの素人です。

それでも霧子は力強く断言します。

「書けますよ。わたしにはわかります。燈真さんは、言葉で心臓を刺せる人ですから」

そして、続けて霧子は言います。

『世界でいちばん透きとおった物語』は燈真のための物語だったけれど、それだけじゃなかったのではないか、と。

「宮内先生は小説家でした。なにより、ミステリ作家でした」

※以下、小説より一部抜粋

…………

「書こうとした本当の動機は、ただ、面白そうだから。読者を驚かせる仕掛けを、思いついてしまったから」

物語の最後に向かって『透きとおっ』っていく、その絶望的なまでに美しいイメージ。

「書かずにはいられなかった。そういう意味では、燈真さんのための物語ですらなかったのかもしれません」

勝手な男だったのだ。これまでに話を聞いてきた人々全員の見解は、一致していた。

勝手で、わがままで、純粋な――小説家だった。

読み手の心を躍らせるミステリを書くことしか考えていなかった。

命が燃え尽きようとしている最期の日々、冬の陽だまりのベンチで、あの男に寄り添っていたまぼろしは、たぶん――

家族のだれでもない。僕の母でもない。もちろん僕でもない。編集者と同業者と――感激してサインを求める読者たち。

「書かずにはいられなかった、という気持ちも、残っていますよね。わたしたちの中に」

「……書く、っていったって。レイアウトのルールだけしかないじゃないですか。話の内容には一切関係ない。なにを書けばいいんですか」

「これまでのことをそのまま書けばいいのではないでしょうか」と霧子さんは言った。

僕は顔を上げて彼女の視線を受け止めた。それまで見てきた中でいちばんやさしくて、けれど、はるか遠くの水面上から僕が溺れているのを見守っているような表情だった。

「これまで、たくさんの場所を訪れて、たくさんの方々に語ってもらったのですよね」

これまでのこと。

母が死に、意味のわからない未完成作品の題名だけを遺して父も死に、それに僕が振り回されて色んな人を訪ね、死人の声のかけらを拾い集め、つぎはぎし、最後には霧子さんの指し示すむなしい答えにたどりついた。

そんな物語。どこにもつながらない、花さえも咲かない景色の中で、気化して透きとおっていくだけの物語。

「だれが読みたがるんですか、そんなつまんない話」

僕はかさかさの声で呟いた。もう、怒りは乾ききって砕けて塵になろうとしていた。

「燈真さんは読みたいとは思わないんですか。お父様が燈真さんのために書こうとしていた物語ですよ。あの宮内彰吾先生が命をかけてまで書こうとしたアイデアなんですよ」

僕は唇を嚙みしめて、首を振った。

そんなもの、ほしくはなかった。僕がほしかったのはもっと当たり前のものだ。

退屈で平坦で、同じ繰り返しの日常。

あんたがいなくたって、僕は母と二人で、ずっと平気でやってこられたんだ、と――そう思っていたかったのに。無視して暮らしていきたかったのに。

もうそれもできない。全て知ってしまったから。

霧子さんは立ち上がり、コートに袖を通した。部屋を出ようとして、ふと振り向き微笑みを浮かべて言う。

「わたしは読んでみたいです。燈真さんが書くその物語を、……世界中のだれよりも」


結末

燈真が『世界でいちばん透きとおった物語』を書き終えたのは、それから約一年後のことでした。

もちろん平坦な道のりではありませんでした。

素人の燈真にとっては小説を書き上げるというだけでも十分に困難なことなのに、そこに加えて見開きのレイアウトを統一するというプロでさえ顔をしかめるような制限が設けられていたのですから。

それでも燈真が投げ出さずに執筆を続けられたのはやはり霧子のため……という理由だけでもありません。

約一か月間の遺稿探しを通じて、燈真は父親のことを知りました。

第一印象は最悪。一言でいえばろくでなしの女たらし。傲慢な注文ばかりつけては担当編集者を困らせていた、と聞いたときにはなぜか燈真が謝りたくなったほどでした。

しかし、それだけではありません。

宮内彰吾は小説家としては本物でした。関係者全員が口を揃えて宮内彰吾の作品を褒めるとともに、もう新作を読めなくなることを惜しんでいました。

それこそ尊敬に値するほどに。

ただ……それでも燈真には母に一切の援助をしなかった宮内彰吾にわだかまりがありました。

そもそもは母のほうから「一切かかわらない」と決めたらしいので、文句を言う筋合いではないのですが……。

そんな燈真のもやもやも、遺稿探しの中で雲散霧消していくことになります。

ぱんだ
ぱんだ
ほう

燈真の眼がコントラスト過敏になったのは子どもの頃に受けた脳手術の後遺症のためですが、その手術は保険適用外で一千万円も必要だったのだといいます。

そして、その莫大な手術費を出したのは、他ならぬ宮内彰吾でした。

「恵美さんにはどうしようもない金額です。宮内先生を頼るしかなかったのでしょう」

当時、宮内彰吾は不動産投資に失敗してほとんど資産がありませんでした。

そこで宮内彰吾は唯一の資産ともいえる目黒の自宅を売ったのですが、その際に妻と離婚までしています。

「先生としては自分が全額払うのが当然のことでした。父親ですから」

一度も会ったことのない父によって命を救われていたこと。

その父が燈真のために【透きとおった】小説を書こうとしていたこと。

そうした事実を知ったからこそ、燈真は果てしない執筆に向き合い続けたのでしょう。

ぱんだ
ぱんだ
なるほどね

燈真が書いた『世界でいちばん透きとおった物語』の最後のページには空白のかぎかっこ(「     」)が記されています。

その空白は宮内彰吾のオリジナル原稿にもあったらしいのですが、何を透かそうとしていたのかまではわかりません。

では、燈真はそこにどんな言葉を選ぶのか?

小説は残すところ1ページ。物語のラストまでご案内いたします。

※以下、小説より一部抜粋

…………

僕はいま実際に最後のページを書こうとしている。

わかる気がする。父として、男としての松方朋泰(宮内彰吾の本名)についてはよくわからないままだったけれど、作家としての宮内彰吾の考えていたことであれば――

もちろん、ただの推測に過ぎない。死んだ人間の心の内だ。だれにも代弁できない。

だから、ただ預かって、僕自身の言葉として記すことにする。

どれほど限りなく透きとおって見える海でも、必ず底がある。まっさらな砂が降り積もっている。そこに言葉を埋めておくこともできる。

けれど物語は言葉を届けるためにはできていない。祈りと同じで、届ける相手を選べないからだ。ただ密やかに、水底で待ち続けるだけ。

透きとおっていれば――だれかが見つけてくれる。

父がどんな言葉を沈めておこうとしたのかは、もうわからない。

だからこれは、僕自身の選択だけれど、きっと父も同じ一語を選ぶはずだったと思う。

ありがとう

ふれあい、すれちがい、去っていったすべての人たちへ。

そして、おやすみなさい。

あなたの眠りの隣に、また次の新しい物語がありますように。

<おわり>

ぱんだ
ぱんだ
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まとめ

今回は杉井光『世界でいちばん透きとおった物語』のあらすじネタバレ解説をお届けしました。

この記事で《秘密》を知った方は、ぜひ書店で文庫のページをぱらぱらとめくってみてください。

黒く印字されている部分、あるいは何も印字されていない白い部分がまったく変わらないことに感動すること間違いなしです。

ただ、できることなら実際に読んでみてほしい、というのが正直なところです。

今回の記事ではストーリーについてかなり省略してしまった、ということもあるのですが、いかに違和感のない文章か、ぜひその目で確認していただきたい!

極端な話、強引な文章でいいならレイアウト制限を突破するのは難しくないのではないかと想像がつきます。

だから、この小説のすごいところは、厳格な文字数のルールを守りつつ、読者に違和感を覚えさせないほど自然な文体であるということなのです。

紙の本ならではの【トリック】が衝撃的だったことはもちろん、物語としての味わい深さも両立している魔法の一冊。おみそれしました。

 

ぱんだ
ぱんだ
またね!


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