「カッコウの卵は誰のもの」はタイトル通り「遺伝子=親子関係」が鍵となる長編サスペンス小説。
東野圭吾作品らしく謎が謎を呼ぶミステリー展開もありつつ、スポーツ業界を舞台にした親子の絆もテーマとなっています。
今回はドラマ化もされた「カッコウの卵は誰のもの」のネタバレをお届けします!
あらすじ
父・緋田宏昌はスキーの元オリンピック選手。
そして、娘・緋田風美もまた優秀なスキー選手であり今後の活躍が期待されている。
ある日、風美に日本人としては珍しいFパターン遺伝子(≒スキーの才能遺伝子)が発見された。
風美が所属する新世開発の研究者である柚木洋輔は才能の遺伝について研究しており、「カエルの子はカエル」を証明するため緋田親子に協力を求めるが父・宏昌に断られてしまう。
実は娘・風美の出生には誰にも明かせない秘密があった…。
ネタバレ
風美の出生と脅迫状
風美が生まれたのは宏昌がヨーロッパ修業に赴いていた19年前。
そして、風美が2歳になる前に母・緋田智代はマンションから身投げして帰らぬ人になった。
遺品整理の中、宏昌は智代の持ち物から「新生児行方不明事件」の記事を見つける。
事件の発生日は風美の誕生日と近い。
嫌な予感に襲われた宏昌が事の真偽について調べてみたところ、実は智代は流産していたことが発覚。
「では、風美は誰の子供なのか?」
新聞記事によれば、行方不明になった新生児の父親は建設会社社長の「上条伸行」というらしい。
そんな中、新世開発に脅迫状が届いた。
内容は「風美をメンバーから外し、ワールドカップにも出場させるな」というもの。
そして「従わなければ風美の身に危害が及ぶ」と脅迫状には続けられていた。
一方、父・宏昌のもとには上条伸行からの接触があった。
(おそらく上条は風美の本当の父親…)
上条は持参してきた遺伝子(女性の血がついた紙)と風美の遺伝子をDNA鑑定にかけてほしいと宏昌に申し出る。
その後、上条には白血病の息子がいることが発覚。
白血病治療に必要な骨髄移植は親子でも難しいとされるが、姉妹兄妹なら4分の1の成功率まで上がるという。
宏昌は「上条が接触してきた理由は息子の治療のため」と推測する。
バス事故と母親の謎
風美が乗る予定だったバスが交通事故を起こした。
風美は携帯電話を忘れて乗車していなかったため難を逃れたが、「風美のファン」と偽ってバスに乗車していた上条伸行は意識不明の重体となり入院することに。
これは脅迫状の主の仕業に違いない。
さっそく警察が捜査を始めた。
何故か重傷を負った上条のパソコンから、例の脅迫文が発見される。
一方、柚木に頼んでおいたDNA鑑定の結果が出た。
上条が持参した血からはFパターン遺伝子が見つかり、その血の女性こそが風美の真の母親であることが判明する。
(やはり、上条夫妻こそが風美の両親…)
しかし、宏昌は上条の病室で違和感を覚える。
上条の妻・世津子は見舞いに来ていた風美に対して特に反応していないし、何より顔が似ていない。
そして、宏昌は世津子がAB型であることを知る。
(AB型の世津子からはO型の風美は生まれない)
(風美の本当の両親とはいったい…)
本当の両親
風美のFパターン遺伝子は母親から受け継がれたものだった。
父娘で天才スキープレーヤーである緋田親子のつながりを証明しようとした柚木は落胆したが、新たに宏昌の妻・智代に興味を持つ。
柚木は独自に入手した智代の写真に平行棒が写っていることに着目。
(Fパターン遺伝子は器械体操にも向いているはずだ)
しかし、智代はただ見学していただけで、実際に器械体操の実力者だったのは智代の友人・畑中弘美だったという。
そして、あろうことか畑中弘美は風美にそっくりの容姿だった。
畑中弘美について調べてみたところ、すでに故人になっていることが発覚。
畑中弘美は19年前に自ら家に火をつけ、女児とともに亡くなったらしい。
弘美は結婚していなかったが、事件の直前に女児を出産していたという。
柚木に弘美の写真を見せられた宏昌は、ついに真相へとたどり着いた。
(風美の父親は上条伸行、そして母親は畑中弘美…!)
しかし、上条伸行は病状が急変し息を引き取っていた。
残る謎は「脅迫状の送り主の正体」のみ。
真犯人と結末
風美の所属する新世開発スキー部のジュニアクラブには鳥越伸吾という中学生が在籍していた。
伸吾は登山家である父・鳥越克哉と同じBパターン遺伝子を有しており、金銭的な理由からクロスカントリーをやらされている。
しかし、伸吾の本当の夢はアーティストとして音楽業界で活躍することだった…。
脅迫状の事件の件で鳥越克哉が出頭してきた。
バスに細工をした実行犯は鳥越克哉だという。
(自分が頼りないばかりに、息子の伸吾はやりたくもないクロスカントリーをやらされ心をすり減らしている)
克哉がそう思っていたところ、メールと特殊な機械、そして報酬としての100万円が届いた。
「緋田風美を負傷させろ」
そうすれば結果的に克哉は職を失わずに済み、伸吾はクロスカントリーから解放される…。
克哉は息子を自由にするため指示に従ったのだという。
では克哉に犯行を指示した黒幕は誰か?
その正体は上条の息子・文也。
文也はどうしても母・世津子から風美の正体(=夫・上条伸行の不実)を隠したかった。
だから文也は父親に「風美をメンバーから外せ」という脅迫状を送り、克哉を操ってバス事故を引き起こしたのだ。
※伸行は届いた脅迫状を新世開発に転送することで警備の強化・事件の予防を目論んでいた。
そして結果的に、世津子が真実を知ることなく全ての事件が終わった。
文也は真実を隠す遺書を用意し、病室で毒を飲み絶命。
真実は文也が宏昌に当てた手紙の中だけで語られ、手紙の最後にはこう記されていた。
「どうか最後まで風美の父親でいてください」
カッコウの雛に罪はない。
宏昌は風美を守るため、文也の遺志に甘えることに決めた。
補足と解説
以上、東野圭吾「カッコウの卵は誰のもの」のネタバレでした。
あらすじ部分から二転三転する構成はさすが東野圭吾作品と言ったところでしょうか。
物語の中心となる謎は「風美の両親は誰か?」「脅迫状の主は誰か?」という2点。
結末を踏まえてこれに答えれば「風美の父親は上条伸行、母親は畑中弘美」「黒幕は上条の息子、実行犯は鳥越克哉」ということになりますね。
また「新生児行方不明事件」の真相はどうだったのか?という点にも触れておきましょう。
実は畑中弘美が心中した女児の正体は病院から誘拐してきた「上条伸行と世津子との子供」でした。
そして弘美は「伸行と自分との子」を緋田智代に託し自害。
緋田智代もまた罪悪感から身投げしたのでした。
小説とはいえ恐ろしい話ですね。
まとめ
「カッコウの卵は誰のもの」は「托卵」で有名なカッコウになぞらえて、遺伝子や親子関係を軸とした謎が展開されていくサスペンス長編。
今回のネタバレからでもストーリーの複雑さがうかがえるかと思います。
結末のネタバレとしては主人公親子は実は赤の他人。
いろいろとドロドロした事情が裏には存在していました。
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