今回は映画化もされた小説「氷菓」のあらすじや結末のネタバレをお届けします!
あらすじネタバレ
小説「氷菓」のジャンルは「日常系青春ミステリ」
推理小説といっても深刻な事件が起こるわけではなく、ちょっとした謎を主人公・折木奉太郎が「古典部」のメンバーと解決していくという内容になっています。
それでは、さっそく小説「氷菓」のあらすじ・ネタバレを見ていきましょう。
出会い
折木奉太郎(おれき ほうたろう)は神山高校に入学したばかりの1年生。
普段から積極的には物事に関わらない「省エネ」なスタイルをモットーとしている奉太郎だったが、姉からの命令により廃部寸前の「古典部」に入部することになった。
部員は奉太郎ただ一人…のはずだったが、部室には同じく古典部に入部したという同級生・千反田える(ちたんだ える)の姿が。
千反田「わたし、気になります!」
『なぜ、千反田が部室にいたのに部室にカギがかかっていたのか?(内側からは施錠できない)』
千反田の好奇心につきあわされて謎を解く奉太郎。
答えは「用務員が千反田に気づかず鍵をかけたから」
千反田は奉太郎の推理力に驚く。
こうして、好奇心の塊であるお嬢様と無気力な探偵による古典部の活動が始まった。
千反田が追う謎
奉太郎の親友兼ライバル、もしくはデータベース兼ワトソン役とも言える同級生・福部里志(ふくべ さとし)
里志に片思い中の小柄で愛らしい毒舌女子・伊原摩耶花(いばら まやか)
2人を加えて古典部のメンバーは4人になった。
ところで、古典部とはいったい何をする部活なのか?
部長になった千反田の号令により、当面の目標は10月に行われる文化祭、通称「カンヤ祭」に向けて文集をつくることに決定した。
ある休日、千反田は個人的な相談を奉太郎に持ち掛ける。
千反田「わたしは、折木さんに頼みがあるんです。本当ならこれはわたしだけの問題ですから、お願いできる筋合いではないのですが…」
曰く、
・千反田には関谷純という行方不明中の伯父がいて、近日中に葬儀が営まれる
・千反田は幼い頃に伯父から泣いてしまうほど怖い話を聞いたが、その内容が思い出せない
・伯父は古典部に所属していて、千反田は忘れてしまった「真実」を求めて古典部に入部した
・ずば抜けた推理力を持つ奉太郎に、伯父が話したことを思い出すのを手伝ってほしい
基本的に「省エネ」を心がけている奉太郎のモットーからすれば、手伝う義理はない。
しかし、奉太郎は千反田の頼みを引き受けることにした。
33年前の事件
古典部の文集をつくるためバックナンバーを調べることになった奉太郎たち。
その文集「氷菓」第2号の序文に書かれていたのは、「関谷純」と「33年前の事件」に関する内容だった。
関谷先輩が去ってからもう、1年になる。
この1年で、先輩は英雄から伝説になった。文化祭は今年も5日間盛大に行われる。
争いも犠牲も、先輩のあの微笑みさえも、全ては時の彼方に流されていく。
いや、その方がいい。何故ならあれは、英雄譚などでは決してなかったのだから。
「氷菓」第2号の表紙にはお互いを噛みあう兎と犬、そしてそれをとりかこむ大勢の兎たちの絵が描かれていた。
千反田によれば、関谷純は高校を中退しているそうだ。
いったいなぜ?33年前になにがあったのか?
謎を解くためには、2人だけでは足らない。
それに事の真相が判明すれば、それ自体を今年の文集の題材にもできる。
千反田と奉太郎が共有していた「伯父の謎」は、古典部メンバー全員にとっての「解決すべき謎」へと変わった。
夏休み。
古典部のメンバーはそれぞれ調査した「33年前の事件」に関する資料をもって、名家・千反田家へと集合する。
仮説検討
古典部の4人は千反田、伊原、里志、奉太郎の順で「33年前の事件」についての資料と仮説を発表していく。
千反田「関谷純は文化祭荒らしに暴力で対抗し、退学になったのでは?」
…当時は学生運動が盛んであり、文化祭荒らしはいなかったはず。また、続く伊原の資料が千反田説を否定する。
伊原「33年前の事件は『6月闘争』と呼ばれ、6月に起こった。関谷純は学校側からの弾圧に暴力で反抗して退学になったのでは?」
…仮説が抽象的だし、6月に事件が起きて10月に退学というのも妙だ。さらに、続く里志の資料が伊原説を否定する。
里志「事件では暴力は振るわれなかった。また、事件は全学に影響するものだった」
…里志は資料を提出したものの、仮説は発表しなかった。
里志「データベースは結論を出せないんだ」
そして4人目、奉太郎の番が回ってきた。
奉太郎が調査した資料は学校史。
これまでの内容を踏まえて、改めて推理を立ててみると…
奉太郎「氷菓の序文には『文化祭は今年も5日間盛大に行われる』とある。つまり、5日間の文化祭期間こそが英雄(関谷)の上げた戦果ということだ」
「また、学校史によればこの年に学力重視への方向転換が提唱されている。同時に初めて『文化祭を考える会』が設けられている」
つまり、
「33年前、学校側は文化祭の期間縮小を決定したが生徒一同はそれに反発した。デモ、サボタージュなど反対運動の指揮を執ったのが関谷純だった。学校側は文化祭の縮小を断念したが、騒動が収まる文化祭後を待ってリーダー・関谷を退学にした。」
まるで矛盾のない仮説。古典部メンバーはこの仮説に納得し、これをもって謎の解明は果たされた。
…かのように思われた。
千反田「でも…。だったらわたしは、どうして泣いたのでしょうか?」
『氷菓』
事のあらましを姉に報告する奉太郎。
しかし、姉との会話がかみ合わないことに違和感を覚える。
事件の謎を真に解明するため、奉太郎は3人の古典部メンバーを学校へと呼び出した。
謎を解く方法は簡単だ。本人に聞けばいい。
『氷菓』第2号の序文を書いたのは学生時代に古典部だった現神山高校司書・糸魚川養子だった。
奉太郎が先の仮説を話すと、糸魚川司書は全面的に仮説を認める。
糸魚川司書「この上、私に何を訊きたいのかしら?答え合わせだったら、及第点は十分にあげられるわよ」
奉太郎「俺が訊きたいのは1つです。関谷純は、望んで全生徒の盾になったのですか?」
糸魚川司書は奉太郎たちに33年前の真実を語る。
「全生徒は文化祭縮小に怒り、反発したが処罰を恐れてリーダーに名乗り出る人はいなかった。そこで貧乏くじを引かされたのが、関谷純。実際の運営は別の人がやっていたが、その人は決して表には出なかった」
「運動が過熱する中、キャンプファイヤーが飛び火して学校の格技場が半壊する火事が起きた」
「学校側は警察沙汰にはしなかったが、生徒の関心が薄れる文化祭終了後にリーダー格・関谷純を退学にした」
関谷純は望んで全校生徒の盾となったか?
その答えを、誰もが理解していた。
姉曰く、しばらく禁句になっていたという『カンヤ祭』という文化祭の通称は『関谷祭』を意味していた。
古典部文集の表紙の絵に描かれていた噛みあう犬と兎はそれぞれ学校側と関谷純。取り囲む兎たちはイケニエを出した全校生徒。
そして、古典部部長だった関谷が強引に名付けた『氷菓』というタイトルの意味は…
氷菓。
アイスクリーム。
アイ・スクリーム。
『I scream』(私は叫ぶ)
千反田は伯父から聞いた言葉をようやく思い出す。
「伯父はわたしに、強くなれと言ったんです。もしわたしが弱かったら、悲鳴も上げられなくなる日が来るって。そうなったら、私は生きたまま…」
「折木さん、思い出しました。わたしは生きたまましぬのが恐くて泣いたんです。…よかった、これでちゃんと伯父を送れます…」
結末
文化祭の開催が迫っていた。
印刷所に渡りをつけた漫研の伊原が、里志の原稿完成を急かしている。
部室のドアを勢いよく開けて、千反田が駆け込んでくる。
「わたし、気になります!」
また新たな謎を見つけたらしい。千反田の好奇心に振り回される奉太郎の高校生活はまだまだ続いていく。
<氷菓・完>
まとめ
今回は人気小説「氷菓」あらすじ結末のネタバレをお届けしました!
小説「氷菓」は2001年刊行だそうで意外と一昔前の作品。
にも関らず2016年現在もシリーズは続いており、<古典部シリーズ>は奉太郎の高校卒業まで続く予定なんだとか。
かなりスラスラ読める作品なので、普段あまり小説を読まない人でも非常にとっつきやすい作品だと思います。
映画『氷菓』の配信は?
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