小説「初恋ロスタイム」を読み終えたので、今回はその感想をまとめていきたいと思います!
結末のネタバレを含みますので、未読の方はご注意ください。
※小説「初恋ロスタイム」結末までのあらすじはこちら!
小説「初恋ロスタイム」の感想
本を読み終えたときの率直な感想は「やられた!」でした。
というのは、結末があまりにもエモかったからです。
正直、途中までは「この本では泣かないな」と思っていたのですが、ラストでは思いっきり泣いていました。
とにかく結末がズルい!
ヒロインが病気で余命わずかだとわかった時点で、私は結末でヒロインが助かるのかどうかが気になって仕方ありませんでした。
助かってハッピーエンドなのか、はたまた助からずに号泣の悲恋に終わるのか……。
読み進めていくと、主人公が高町先生(時音の父親)の説得に成功していたので「ははあ、これは素直に助かるタイプだな」と思いました。
ところが、エピローグで描かれていたのはまさかの展開!
手術が成功したにも関わらず、ヒロインは永遠の眠りについてしまいます。
この『裏切り』に意表を突かれたところで、さらに「ヒロインが主人公を選んだ理由」が明らかになり、主人公の慟哭につられるように、私の涙腺も決壊寸前にまで追い込まれてしまいました。
そんな私にとどめを刺したのが篠宮時音視点のエピローグ。
永遠に停止した世界に一人取り残されるという絶望的な状況の中、時音は「永遠を彼と過ごせて嬉しい」「彼のおかげで幸せな人生だった」と温かい気持ちでいるじゃありませんか!
・愛する人を失った主人公の悲しみの叫び(終わらない初恋の歌を、いつまでも歌い続けた)
・永遠の孤独に放り込まれたのに、主人公への愛に満ちているヒロインの気持ち(終わらない初恋の歌を、わたしはいつまでも歌い続ける)
この二人の感情のギャップを認識した瞬間、私は涙をこらえることができなくなりました。
ただでさえ恋人を失った主人公に感情移入して切なくなっているのに、「それでもヒロインは幸せだった」なんて付け加えられたら、そりゃもう泣きますよ。
ヒロインの「幸せだった」という気持ちがもう主人公には届かない、という状況も切ないですよね……。
しかも、主人公サイドとヒロインサイドの最後の一文である「終わらない初恋の歌を~」が過去形(歌い続けた)と現在形(歌い続ける)になっているのがまた涙を誘います。
正直、この時点で充分「ああ、いい話だったな」と満足していました。
というか「ここで物語は終わり」だと完全に油断していました。
そんな調子で「さて、あとがきでも読むか」とページを繰ったものですから、さらに『ロスタイム』という事実上本物のエピローグが登場するだなんて思ってもみなかったんです。
※目次の時点で「ロスタイム」という章があるのは認識していたはずなのに、物語にのめり込んでいたせいですっかり忘れていました。
『ロスタイム』で描かれていたのは、未来のエピソード。
医者になった主人公がヒロインの目を覚まさせるというド直球に最高なハッピーエンドに、私は「どんだけ感動させるんだ!」と逆ギレしながら号泣していました。
この読者を翻弄するかのような怒涛の感動ラッシュは「ズルい」と表現するほかありません(もちろんいい意味で)
そんなわけで、私はまんまと作者の掌で踊りまくり、結末では感動しっぱなしでした。
主人公とヒロインの関係性が好き
この物語は一見すると「主人公がヒロインを救った」という構図であるように思われます。
でも、実際には主人公もまたヒロインによって救われているんですよね。
篠宮時音に会うまでの相葉孝司は、夢もなく、情熱を注げるものもなく、ただ親に言われるがまま勉強ばかりしていた少年でした。
しかも、その勉強にしても第一志望校には合格できず、優秀な姉と比べられてコンプレックスを抱えています。
思春期特有の鬱屈を抱えているというか『くすぶっている』状態だったんですね。
進路希望を「医学部志望」としているのも、ただ親にそう望まれているからで、本心では別に医者になりたいだなんて考えていませんでした。
もし篠宮時音と出会っていなければ、相葉孝司の未来は「大学受験に失敗し、だらだらと浪人を続けている」なんてものになっていたことでしょう。
ところが、ラストでの相葉孝司はロスタイムに閉じ込められた恋人を助け出せるほど優秀な医者に成長しています。
その過程は描かれていませんが、きっと「愛する人を助けたい」という一心で血のにじむような努力を重ねてきたに違いありません。
それはきっと辛く厳しい道のりだったことでしょう。
しかし、見方を変えれば篠宮時音に恋をしたことで、相葉孝司は「夢」や「生きる意味」を見つけることができたとも捉えられます。
「目的もなくただ生きているだけの人生」から「どうしても叶えたい願いのために全身全霊をかける人生」へ。
一概に人生の価値を測ることはできませんが、きっと相葉孝司は篠宮時音と出会ったことでよりよい人生の一歩を踏み出すことができたのではないかと、私は思います。
相葉孝司がいたから、篠宮時音は生還することができた。
篠宮時音がいたから、相葉孝司は夢を見つけることができた。
一方通行ではない、こういう相互補完的な関係性が、私はたまらなく好きです。
まとめ
というわけで、小説「初恋ロスタイム」のネタバレ感想でした!
もはや定型の1つとなっている「恋愛 × 病気」ジャンルの作品群の中でも、かなり泣ける一冊だと思います。
特に「エピローグ」から「ロスタイム」の流れは必見!
本を読み慣れている人ほど「えっ! エピローグの後にもまだ続きが!?」という罠にハマって感動するのではないかと思います。
文庫本で約220ページくらいのボリュームなので、読む際は一気読み推奨ですね。
未読の方はぜひお手に取ってみてください。
この手の小説の例に漏れず心に響く「名言」も散見されるので、結末を知っていても楽しめると思いますよ!
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