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漫画「思い、思われ、ふり、ふられ」のネタバレ!最終回の結末は?【完結!】

漫画「思い、思われ、ふり、ふられ」がついに完結!

最終回があまりにもよかったので、最初から全巻読みなおしてみました!

連載中は「ああ、ホントは両想いなのに!」とヤキモキしながら読んでいましたが、2周目だとラストがわかっているぶん落ち着いて読めますね(笑)

4人の成長や思いの強さがしっかり感じられて、1周目とはまた一味違ったおもしろさがありました。

というわけで今回は漫画『ふりふら』のあらすじとネタバレ!

1巻から12巻(最終巻)まで、各巻ごとのダイジェストにしてみました!

最終回までどうぞごゆっくりご覧ください!

下の目次から好きな巻にジャンプできます。

だいたい1巻~7巻が『由奈・理央編』

8巻~12巻が『朱里・和臣編』です。

1巻

市原由奈と山本朱里は、この春から高校一年生。

ひょんなことから友達になった2人ですが、性格はぜんぜん違います。

特に恋愛観は正反対!

由奈は運命の王子様と恋に落ちるのを待つピュアな理想主義者。

絵本に出てきた王子様をのぞけば、男の子を好きになった経験すらありません。

一方、朱里は自分から行動して恋に落ちに行く現実主義者。

これまで何人もの男の子とつきあってきました。

2人のお互いへの第一印象は……

由奈(朱里ちゃんはきっとまだ本当の恋をしたことないんだ)

朱里(恋に奥手なコっているけど、ここまでとは……)

こんな感じで考え方の違う2人ですが、優しくて思いやりがあるところは一緒。

ちょっとした事件を乗りこえた2人はいつしか親友になっていました。

由奈・朱里(私たちの価値観は全然違うけど、それでもずっと友達でいようね)

そんな中、由奈にとうとう運命の出会いが!

相手は絵本の中の王子様にそっくりなイケメン男子・山本理央。

その正体はなんと朱里の弟でした。

「あいつはメンクイだからおススメしない」と苦い顔をする朱里。

それでも由奈は初めての気持ちを胸に、一歩踏み出すことを決意します。

由奈(私は理央くんが好き。叶わない恋への覚悟を決めた)

一方、朱里にも恋の予感が!

相手は由奈の幼なじみ・乾和臣。

天然でドキッとさせてくる和臣の言動に、朱里は驚かされっぱなしです。

たとえば、こんなやりとりが……

朱里「つきあっちゃえばいいのに、由奈と乾くん。好きになればいいのに」

和臣「好きになればって……そう思って好きになれるもんでもないじゃん」

朱里「いやいや、意外とそういうのでスイッチ入ることあるんだよねー」

和臣「えー、そうなの? じゃあさ、俺のこと好きになって

朱里「……!?」

和臣「ね、こんなこと言われたって好きになったりしないでしょ?」

裏表のない和臣のカラッとした性格に、朱里は少しずつ惹かれていきます。

主な登場人物

【市原由奈】
人見知りで大人しい性格。理央のことが好き。

【山本朱里】
明るくて目立つタイプ。中学生の時に母親が再婚したことで理央の義理の姉になった。

【山本理央】
ひっきりなしに女子から告白されるイケメン。でも、本当に好きなのは……。

【乾和臣】
誠実で裏表のない性格。たまに天然。映画が好き。ある悩みを胸の内に抱えている。

4人は同じ学校の同級生。

しかも、みんな同じマンションに住んでます。


2巻

理央が本当に好きな人。

それは義理の姉である朱里でした。

理央にしてみれば、親同士の結婚によって好きな子がいきなり家族になってしまったわけですね。

家族になったからといって、すぐに気持ちが消えるはずがありません。

でも、それは決して口に出してはいけない気持ち。

秘密に気づいた由奈に理央は言います。

理央「だって俺と朱里が姉弟として必死にやってきたこととか、壊せないもんな。それ壊すようなことになったら、どうしていいかわかんないしさ」

由奈の好きな人が自分とはつゆ知らず、理央は「告白したほうがいいよ」と由奈にアドバイスします。

由奈「ふられるってわかってても?」

理央「ふられたらまた新しく誰かを好きになればいーよ。ま、もしふられても、そん時は俺が全力でなぐさめるから」

一方的に理央の秘密を聞いておいて、自分の気持ちを隠すのはフェアじゃないと感じる由奈。

たとえ叶わない恋だとわかっていても……

由奈「私、理央くんが好きです。だから、私をふって」

理央「……え?」

由奈「ずっと気持ち引きずらないために。そしたら、理央くんが自分の気持ち誰にも言えなくて苦しいとき、話くらい聞ける友達になれるかな……って。だから……」

気まずい表情の理央。

でも、言うべき言葉は決まっています。

理央「告白してくれてありがとう。でも、ごめん……」

由奈「うん。聞いてくれてありがとう」

由奈はふられたことを応援してくれていた朱里に報告します。

由奈「好きになってよかったな、私」

朱里「もう大丈夫なの?」

由奈「ふられちゃったのは悲しいけど、自分がちょっと変われた気がして、それはすごく嬉しいかな」

笑ってそう言える由奈の《強さ》を、朱里はまぶしく思うのでした。


3巻

由奈、朱里、理央はそれぞれ『ままならない恋』に思い悩みます。

朱里は本気で和臣のことを好きになったものの、これまでの彼氏とタイプが違いすぎてどうすればいいかわからず、なかなかアタックできません。

理央はそんな恋する朱里に複雑な気持ち。

そして由奈はふられても理央のことが好きなままでした。

由奈「理央くんのことやっぱりまだ全然好きみたい」

朱里「そっか。今までなら『なんでもっと手におえそうな人好きにならないの?』って思ってたけど、そうじゃない人を好きになっちゃうこともあるんだね。自分の気持ちがこんなにままならないなんてさ」

4巻

理央が朱里にキス!

それは急接近していく朱里と和臣の関係に焦っての暴挙でした。

いきなりキスされた朱里は……

朱里「ノリでこんなことすんな!」

理央「なんだよ、ノリって……」

理央はなんでも話せる『友達』になってくれた由奈にこのことを報告します。

理央「朱里はノリで片づけてやりすごそうとしてんだと思う。なかったことにしてくれるってさ! やっぱ告白すらさせてもらえないみたい」

傷ついたことを隠すように笑う理央の笑顔に、由奈は胸が締めつけられます。

もちろん朱里は理央がノリでキスしたわけじゃないことに気づいていました。

でも、それを認めてしまえば、言葉にしてしまえば、『家族』が壊れてしまう。

だから朱里はわざと「ノリ」という軽い言葉で済ませようとしたのでした。

朱里「……やなんだよ。家族が終わるのは、もうやなの」

朱里が理央に告白させなかったのは、『家族でいるための努力』に他なりませんでした。

由奈を通じて、理央は朱里がどれほど家族を維持するために努力してきたかを知ります。

部屋で2人きりにならないこと。

リビングで無防備に寝ないこと。

それはすべて年ごろの子供たちの関係を心配する両親を安心させるための気遣い。

今まで自分だけが我慢してきたと思い込んでいた理央は、由奈の言葉で目を覚まします。

そして……

理央「あのときは、ノリでキスしてゴメン」

朱里「今度やったら殴るからね」

理央(朱里、今までひとりでがんばらせてごめん。それから、優しいウソをありがとう)

理央は朱里に謝ったと由奈に報告します。

理央「どうして今まで自分ばかりが損してる気でいたんだろう。危うく全部壊しちゃうとこだったわ。だから、由奈ちゃんのおかげ。ありがとう」


5巻

朱里「乾くんって今、つき合ってる人いる?」

和臣「何、急に。いないけど……」

朱里「じゃあ、私たち付き合ってみませんか? だって、乾くん私のこと好きじゃないですか? だから……」

夏祭りでの告白。

天然では済まされない和臣からの視線に、両想いだと確信していた朱里でしたが……

和臣「ごめんなさい。俺、山本さんのこと、その……好きとかじゃないから」

朱里「……な、なんだー、私の勘違いだったかー!」

平気なふりをしつつ、その場から走って逃げる朱里。

一方、和臣はなんだか複雑な表情。

というのも、実は和臣も朱里のことが好きだったから。

じゃあなぜ朱里をふったかというと、理央と朱里のキスを目撃していたからなんです。

和臣にとって理央は友だち。

理央の好きな人を自分が好きになるわけにはいかない、と思ってふったのでした。

一方、その理央は由奈のことを意識し始めます。

出会った頃とは別人のように明るくてかわいい由奈に、思わずドキッとしてしまう理央。

とどめは夢に由奈が出てきたことでした。

理央(きっかけが夢でも、そんなのはもう、どうだっていい。俺の目の前にいる、由奈ちゃんが好きなんだ


6巻

理央は朱里への気持ちに区切りがついたと由奈に報告します。

理央「朱里のことは自分の中でちゃんと整理ついたから……。たぶん、意地になってたんだと思う。好きって気持ちがこじれて、いつのまにかただの執着にすり替わって、そういうのやっと手放せたって感じ」

由奈「そっかー。理央くんがもうつらくないならよかった……!」

ポロポロと涙をこぼしながら喜んでくれる由奈を見て、理央の気持ちはさらに加速します。

理央(出口がない気がして、ずっと苦しかったあの場所から連れ出してくれた由奈ちゃんは、絶対俺の女神でしょ)

そんな理央に恋のライバルが出現!

相手は友だちの我妻(あがつま)

我妻が由奈に急接近していくのに耐えられず、理央は我妻に「俺も由奈ちゃんのことが好きなんだ」とライバル宣言します。

我妻「それを俺に言ったってことは、理央も本気なんでしょ?」

理央「うん。由奈ちゃんを一番笑顔にするのは、俺じゃなきゃやなんだ」

我妻「じゃー、勝負ってことで!」

一方、和臣はもう我慢の限界。

覚悟を決めて理央に筋を通します。

和臣「ごめん、理央……俺も……俺も山本さんのことが好きなんだ……ごめん、でも……」

理央「ちょ、待ってカズ、ストップ! 俺の好きなコ、朱里じゃないんで……

和臣「あ゛!?」

こうして和臣はやっと恋心を抑えなければならない理由など何一つとしてないことに気づいたのでした。


7巻

我妻が由奈に告白!

由奈の返事は「ごめんなさい」

由奈は我妻が勇気を出して告白してくれたように、ふられる覚悟でもう一度理央に告白しようと決意します。

一方、理央は「由奈が誰かに告白するらしい」という噂を聞いて大慌て!

告白される前にフラれるなんて二度とごめんだと走り出します。

理央「由奈ちゃんが誰を好きでもしょうがない。でも、その前に、俺の気持ちを知ってもらうくらい、罰当たんないと思うんだ」

お互いにお互いを探して走る由奈と理央。

お互いに「告白してもふられる」と思いながら、それでも気持ちを伝えたいと走り続けます。

そして、ついに出会った2人は……

理央「やっぱ無理! 俺の気持ちを知ってもらうだけでいいとか、もう全然ウソ、全然足りない。ほんとは今からでも俺のこと好きになればいいって思ってる。告白なんかしに行かないでほしい。それくらい……」

理央「俺、由奈ちゃんが好きなんだ。だから行ってほしくない」

理央「また俺のこと好きになればいいのに。そしたら俺、大事にするのに。俺がいちばん大事にするのに」

寂しげにつぶやいた理央が顔を上げると、由奈の目から大粒の涙がこぼれています。

由奈「勇気ふりしぼって告白するためにずっと走って探してた。ずっと理央くん探してた」

理央「……え?」

由奈「あの時とは少しは変われた私で、もう一度理央くんに好きって、言いたくて」

理央「ほ、ほんと?」

理央はポロポロと涙を流す由奈を抱きしめます。

由奈「しつこくてごめんね。でも、ずっと理央くんが好きなの」

理央「大丈夫。俺も由奈ちゃんには相当しつこいと思うから」

やっと想いが通じ合った2人。お互いにちょっと照れ気味です。

理央「今日からよろしくね」

由奈「こちらこそ……」

理央「だいすきだよ」

由奈「理央くん、だいすき」

由奈と理央は7巻でゴールイン!

このあとは基本的にイチャイチャラブラブしてるだけです(笑)

8巻からは朱里と和臣の恋がメインになります。


8巻

本当は両想いなのに、お互いに片思いだと思い込んでいる朱里と和臣。

そんな中、朱里の元カレ・桜亮介が登場します。

グイグイ朱里に迫る亮介。

焦った和臣は邪魔をするように亮介の前に立ちはだかります。

亮介「山本のどこを好きになったの? 見た目だって実はたいしたことないし、しおらしくもないし、作らなくていい敵もいっぱいだし……本当は甘えたがりのくせに、甘え方も知らないからちっとも可愛げないし……わりとめんどくさい部類の人だよ?」

和臣「山本さんにだって、そうなる理由があったんだよ。そういうの、めんどくさいって言葉で片づけるの、やめてほしい」

亮介「……」

少しだけ考えるそぶりを見せる亮介。

再び口を開いた亮介の口調は、さっきとは少し違う雰囲気になっていました。

亮介「山本に寄ってくる男は、山本がチョロいからって奴もいっぱいいて……山本はさ、そんなんでも自分が受け入れられてる気がして、すぐほだされちゃうんだ。でも、乾みたいな奴ならいいや。ほんとは俺がそばにいたいけど、終わらせたのは俺の方だし」

亮介「そんじゃ、山本のこと頼むね」

あっさりと歩き去っていく亮介。

ただ、すれ違いざまに耳元でささやかれた言葉を、和臣は聞き逃しませんでした。

亮介「でも、あんまりもたもたするようだったら、その時は今度こそ俺が行くから」

そんな中、和臣と朱里の関係を大きく変えるきっかけとなる出来事が起こります。

和臣の家に届け物をしに来た朱里が、たまたま和臣の両親がケンカしているのを耳にしてしまったのです。

和臣「ごめんね。でも、よくあることだから」

クリスマスの夜に一人きり、ヘッドホンから流れる映画の音で両親のケンカの声をやりすごしていた和臣の寂しげな笑顔。

いてもたってもいられなくなった朱里は和臣を外に連れ出します。

そんな朱里に、和臣はぽつぽつと家の事情を話し始めるのでした。

和臣「うちの兄ちゃん、大学辞めたって話したじゃん? それから仕事らしい仕事にも就いてなくて、ただでさえそれで親も相当イライラしてたんだけど、そしたら兄ちゃんがさ、演技の勉強をするためにイギリス行くとか言い出したもんだから、一層険悪になっちゃってさ」

リスクしかない兄の行動が理解できないという和臣に、朱里は言います。

朱里「やりたいからやるって、そんなにダメかなぁ。私も将来通訳になりたいけど、自動翻訳とかですることなくなるかもしれなくて……今、自分のやってることに意味がなくなるかもって思ったりするけど、でも好きだからやってる」

和臣「……」

和臣と朱里は2人で何度か来た見晴らし台へとやってきます。

和臣「うちの兄ちゃんさ、もともとは超優等生タイプで、成績もよくて、親にも逆らったことなかったんだ。でも、いつもプレッシャー感じてたみたい。追い詰められてたことに、家族の誰も気づかなかった。そしたらある日、突然爆発しちゃったんだよね」

和臣「それからでも親もちゃんと兄ちゃんと向き合えばよかったんだけど、それより責任の押しつけ合いでもめるようになって、今に至るって感じ」

和臣「それ見てたら、がんばりすぎて自分を追い詰めるのも、自由で正直になりすぎるのもダメなんじゃないかって。だったら常に『そこそこ』を意識してれば期待も失望もさせずに済むかなって」

和臣の秘密。

それは親から期待も失望もされないように、わざと『普通』を演じていたことでした。

テストの点数も体力測定も、狙ってわざと平均点。

誰にも言ったことのなかった和臣の秘密を聞いた朱里は……

朱里「分かるー!! 家の中で自分がどう振るまえばいいか、すごく考えちゃうよね! どうしよう共感しかないよ」

和臣と朱里が惹かれ合ったのは、きっと似たもの同士だから。

同じ境遇で苦しんできたからこそ出る朱里の言葉に、和臣は安らかな気持ちになります。

和臣「ほんとは将来映画つくる仕事したい……でも、俺だけは『無難』の枠からはみださないようにしてなきゃ。うちがダメになる気がする」

朱里「それじゃ乾くんだけ我慢しなきゃいけないって事じゃん。そんなのおかしいよ」

和臣「……」

朱里「……って言うのは簡単だけど、それはただのきれい事だもんなー。そんな言葉だけの言葉いらないよね。ってかさ! 子供だからって何にも考えてないと思ったら大間違いだってーのね!!」

和臣「ね」

うわべだけじゃなくて、ちゃんと本当の気持ちまで理解してくれる朱里に、和臣はとびきりの笑顔を見せたのでした。

一方、由奈と理央のクリスマスデートは……

理央「ねえ、キスしたい。いや?」

由奈「や……じゃない……」

理央「ずっと一緒にいようね」

キス! すっかりバカップルです(笑)


9巻

親との衝突を避けるため、夢を諦めようとしている和臣。

朱里はそんな和臣に夢を諦めてほしくないと思います。

とはいえ、ただ言葉を並べただけでは意味がありません。

朱里はまず、自分が親と向き合うことにしました。

山本家の両親も現在ケンカ中。

朱里の母親からは「離婚」の二文字も飛び出しています。

もし離婚が現実になれば、朱里はまた母親について引っ越していくことに……。

朱里は今度こそきちんと母親に素直な気持ちをぶつけることを決意します。

朱里の覚悟。

それは離婚しても山本家(今の家)に残るというものでした。


10巻

母親にぶつかるつもりだと和臣に報告する朱里。

和臣「大丈夫、わかるよ」

複雑な気持ちに寄り添うような一言が、朱里の安らぎになります。

朱里(いつだって、その言葉、誰かに言ってほしかった。その一番の言葉を、乾くんがくれた)

朱里はとびきりの笑顔を和臣に向けます。

朱里「乾くんに話せてよかった。話聞いてくれて嬉しかった。乾くんとは似てるとこがあるからかなー。乾くんに『わかる』って言われるとホッとする」

和臣「同志みたいなもんだね」

朱里「うん。乾くんにも同志って思ってもらえてるなら、これからはもっとなんでも相談しあえるね」

乾「うん」

そんな中、亮介が朱里に告白!

亮介「俺、もう一度、山本とやり直したいんだよ」

朱里の返事は……

朱里「ご……ごめん」

はっきりふられても、亮介はまだ諦めません。

和臣と一緒にいても変わることはできないと諭すように言います。

亮介「それじゃただの傷のなめあいじゃん。それってお互いのためになってる? すごく閉じた関係に見える。山本はそいつを救えないし、そいつも山本を救えない。だから山本には俺の方がいいと思うんだ。別のとこから引っぱる存在が。だからもう一度俺にがんばらせてほしい」

亮介は「返事はまた今度聞くからよく考えてほしい」と言い残してその場を去ります。

一方、残された朱里は……

朱里(たしかに亮介くんの言うとおり。似た悩みを持ってる同士だと、気持ちをわかりあえるからこそ、それだけで満足して完結しちゃいがちだよね……)

また別の日。

今度は朱里が亮介のことを呼び出しました。

朱里「あれから亮介くんに言われたことずっと考えてたんだけど、なんか自分でも納得いった。亮介くんの言うとおりだなって。だから改めて思ったの。私が克服すればいいんだって

亮介に引っぱってもらうのではなく、自分が和臣を引っぱれる存在になること。

朱里「それって最強なんじゃないかなって」

亮介が朱里に告白したと知って焦る和臣。

ぐるぐると考えを巡らせて、やっとひとつのことに気づきます。

和臣(家族のバランスをとるため将来の夢を諦める、って言えばめちゃくちゃそれっぽいけど……)

和臣(その世界に飛び込んで自分に才能がないって突きつけられて落ち込むより、その道に進めない理由を探す方が楽だったんだな……)

和臣(ビビってる以外に、理由なんてなかったんだ)

和臣は朱里の力になるためにも、まずは自分の抱えている問題と正面から向き合おうと決意します。

お互いに「相手の力になるためにまずは自分が変わる」と心に決めた和臣と朱里。

先に行動を起こしたのは和臣の方でした。

和臣「俺、将来は映画をつくる仕事がしたい」

両親に向かって初めて夢を口にした和臣でしたが、父親は大激怒!

乾父「おまえまでそんなフワフワしたこと言い出して、聡太(兄)のマネか!? そんなに親を困らせたいのか!」

話は終わりだとばかりに立ち上がる父親。

母親も「あなたのためだから」と言って和臣に夢を諦めさせようとしてきます。

和臣(こんなの愛情じゃないだろ。ただの呪いだ)

いつもならここで引き下がっていたかもしれませんが、今日の和臣はまだ食い下がります。

和臣「挑戦ってそんなにダメなこと? 挑戦してみること自体には意味がないの? 自分の本心を話せない家族って何なんだよ!」

和臣の言葉にハッとする両親。

乾父「お前がそんなこと言い出すなんて……」

「疲れているから今日はここまでだ」と言って去る父親でしたが、最後に「父さんもちゃんと考える。話をする時間もちゃんとつくる」と約束してくれたのでした。

和臣(初めて親に本心言えた。これでやっと、ビビって動けなかった俺じゃなくなったんだ)


11巻

亮介、朱里に最後の一押し。

亮介「俺にしなよ。もう一度俺のこと好きになりなよ。朱里はただ俺に寄りかかればいいよ」

朱里「ごめん亮介くん。どんなに届かない気持ちだとしても、私の好きな人は決まってる。まだ諦めたくないの」

きっぱりと意思表示する朱里に、亮介は……

亮介「……負けたわ。こんなに押してもダメなんて、山本変わったな」

朱里「え?」

亮介「安心しなよ。山本はちゃんと変わってるよ」

由奈や理央がすぐ近くでどんどん変わっていく中、自分だけが変われていないと思っていた朱里はその一言に救われました。

朱里(亮介くんのおかげでたくさんの事に気づけたよ。ありがとう。乾くんが私を同志としか見てなくてもいい。思われてなくても私は思ってる。好きを伝えるのにそれ以上の理由なんていらないって、やっとわかった

2人にとって特別な見晴らし台。

和臣は親にちゃんと言いたいことを言えたと報告するため、そこに朱里を呼び出します。

朱里「乾くん! 家の人に将来の夢のこと話せたって……」

和臣「うん。あ、でもまだ説得できたわけじゃないんだけどね」

朱里「それでもすごいよ。最初に言いだすのが一番怖いって知ってるから」

和臣「俺が切り出せたのは、とにかく切羽詰まってたから……」

朱里「切羽詰まってた……って?」

和臣「俺……好きな人がいるんだけど」

朱里「え……知らなかった……」

和臣に好きな人がいると聞いて、ふられた気分になる朱里。

和臣はそんな朱里に構わず、どんどん話を進めていきます。

和臣「それで、俺以外にもその子を好きな奴がいて。そいつ見た目もまぁかっこいいし、俺より大人びてるし、俺じゃライバルにもなれないくらいなんだけど、でも、どうしても諦めたくなくて。だったら少しでも対等になれるように、変わらなきゃって思ったんだ」

朱里「……そうだったんだ。乾くんを決意させたなんて、その子すごいね」

和臣「うん、俺もそう思う」

朱里「『同志』ってだけじゃ、乾くんの背中押すことができなかったのはちょっと悔しい。その役は私がしたかった。だって……」

ふられる覚悟で朱里が告白しようとしたそのとき、その先を言わせないように和臣が言葉を被せます。

和臣「山本さんて、いつからそんなに鈍感になったの」

朱里「え……?」

和臣「俺の好きな人って山本さんのことだよ」

朱里(え……ちょっと待って、今……乾くんが私を好きって言った……?)

一瞬、思考停止する朱里。

一方、和臣は和臣で朱里が亮介をふったことをまだ知りません。

和臣「だから、亮介って奴に返事する前に、俺も候補に入れてほしいんだけど」

和臣の言葉に、ようやく朱里は我をとり戻します。

朱里「亮介くんへの返事はもうしちゃったよ」

和臣「え……」

朱里「断ったんだ。好きな人がいるからって」

和臣「あ、山本さん好きな人いるんだ……」

朱里「その人には夏休みに一度ふられてるんだけど、やっぱり諦めきれなくて……もう一度告白するつもりだったのに、先越されちゃったよ」

和臣「……?」

意味がわからずきょとんとしている和臣。

朱里「鈍感なのは乾くんも一緒じゃん」

少しだけ笑うと、朱里は真っすぐに和臣の目を見つめて伝えました。

朱里「ふられてからもずっと毎日毎日、乾くんが好きだった。今も大好きです」

こうして2人はようやく結ばれたのでした。

家に帰るとすぐに朱里は両親に話を切り出しました。

朱里「私は今のこの家族が好きだから、できればずっとこのままでいたい。これが私の本心」

でも実は先に理央が動いていて、両親はもう仲直りした後でした。

朱里(よかった……。ずっとここにいられるんだ。みんなと一緒にいられるんだ)


12巻(最終巻)

由奈と理央、朱里と和臣。

2組のラブラブカップルは2年生になりました。

そんな中、なんと山本家のパパが海外赴任することに!

その結果……

理央・朱里「俺たちここを引っ越すことにした」

由奈・和臣「え……」

理央の言葉は「マンションを出て下宿する」という意味でした。

2人は両親が一緒にいられるよう、母親にも海外についていってほしかったんですね。

理央と朱里まで海外に行くと勘違いしていた由奈は「よかったよー!」とボロ泣き!

一方、和臣はなんだか複雑な表情をしています。

和臣は朱里を呼び出すと、真剣な表情で言いました。

和臣「通訳になりたいなら、どう考えても海外に行った方がいいに決まってる」

山本パパの赴任先はアメリカのカリフォルニア。

英語を勉強するにはこれ以上ないほどの環境です。

でも、朱里にとっては……

朱里「乾くんと離れなきゃいけなくなるくらいなら、夢なんかいつでも捨てられるよ!」

和臣「何それ。そういわれても嬉しいとか思えるわけない。なんかがっかりした」

和臣「別れる?」

和臣が冷たく言ったのは、朱里のことを思えばこそ。

わかっていても、それでも朱里は和臣と離れたくないと由奈にこぼします。

離れれば人の気持ちは変わってしまうから。

自分の気持ちだって変わってしまうかもしれないと朱里は涙を流します。

そんな朱里に由奈は……

由奈「今はもう昔の朱里ちゃんじゃないよ」

ちゃんと変われているから、大丈夫。

朱里はもう一度ちゃんと自分の気持ちと向き合ってみることにしました。

考えて考えて、考え抜いたあと、朱里は和臣を見晴らし台に呼び出しました。

朱里が出した答えは……

朱里「わ、わたしはやっぱりアメリカには行きたくない。乾くんと離れたくない。ささいな話でもこの目で乾くんを見ながら、この耳で乾くんの声を聞きたい。この手で乾くんに触れていたいの。それができなくなるなんて、やっぱり考えられない。これが私の素直な気持ちです」

和臣「それは俺も同じだよ。でも……」

朱里「うん、だから私行くね。アメリカに行くよ」

和臣の言葉を遮るように宣言した朱里の目には大粒の涙が浮かんでいます。

でも、その表情は笑顔でした。


最終回

和臣をがっかりさせたくないとアメリカ行きを決めた朱里。

朱里「離れたら人の気持ちなんてどうなるのか誰にもわからないけど……でも私は乾くんとなら大丈夫なんじゃないかって思ってる」

気丈にふるまう朱里でしたが、頬を伝う涙が本音の不安を物語っています。

朱里「そばにいられなくても、乾くんと別れたくないな……」

和臣「別れない」

和臣は朱里を抱きしめて「最初から本気で別れるつもなんてなかった」と伝えます。

和臣「朱里の選択を間違えさせるようなことしたくなくて……。がっかりなんてしてない。あんな言い方しかできなくてごめん」

和臣は気持ちが伝わるように、まっすぐ朱里の目を見て言います。

和臣「別れるなんて、あんなのは嘘でもう二度と言いたくない。二度と言わないから」

二度と別れると言わない、ということはつまり……

和臣「どういう意味かわかる?」

ちょっと照れている和臣。

何かを察した朱里は真っ赤な顔で答えます。

朱里「ど、どうだろう……私が受け取った意味で合ってるかな……」

和臣「その反応なら、たぶん合ってる」

そのまま2人はキス!

離れても想いは変わらないと誓いあいました。

朱里と和臣がうまくいったことを喜ぶ由奈。

離れるのは寂しいけど応援してる、と朱里に伝えます。

朱里「由奈、私と出会ってくれてありがとう」

由奈「朱里ちゃんは私の最高の友だちだよ」

由奈が変われたのは、朱里がいたから。

朱里が変われたのも、由奈がいたから。

2人の出会いは、最高の結末を迎えたのでした。

そして月日は流れて……

由奈「なーんか、不思議な感じ。4月から大学生になるなんて」

あれから朱里はアメリカの高校に転校し、そのままアメリカの大学へと進みました。

そんな朱里を追いかけるように、和臣も映画の勉強をするためアメリカの大学に進学。

いつも一緒にいた4人組のうち2人が遠く離れた場所に行ってしまって、由奈はちょっと寂しそうです。

由奈「どんなに離れていてもずっと友達でいられるよね」

理央「まー縁が切れることはないと思うけど。だって、このままいけば由奈ちゃんは朱里と義理の姉妹になるじゃん」

その一言で由奈は満面の笑顔に!

一方、アメリカの空港では、到着したばかりの和臣が朱里の姿を見つけていました。

『Catch me』

手書きのボードを持つ朱里に駆け寄る和臣。

和臣「捕まえたっ!」

抱きしめ合う2人の顔には、一点の曇りもない笑みが浮かんでいました。

<思い、思われ、ふり、ふられ・完>


まとめ

今回は漫画「思い、思われ、ふり、ふられ」のあらすじ・ネタバレをお届けしました!

肝心なところですれちがってばかりでヤキモキさせられましたが、最終回は最高のハッピーエンドでしたね!

ただ、個人的にはもっと先の結婚式の様子とかも見てみたい!

咲坂伊緒先生、番外編にも期待しています……!

では、最後にまとめです!

由奈 & 理央
  1. 由奈、理央に告白するもふられる
  2. 由奈のおかげで理央は朱里(義姉)への気持ちを整理できた
  3. 理央は由奈のことが気になり始める
  4. お互いに片思いだと思い込む
  5. それでも思いを伝えるため告白
  6. ラブラブなバカップルになる
朱里 & 和臣
  1. 朱里、和臣に告白するもふられる
  2. でも、実は和臣も朱里のことが好きだった
  3. お互い家族に気を遣ってばかりの似たもの同士
  4. 相手を支えるため、まずは自分が変わりたいと行動を起こす
  5. お互いの家庭の問題が解決
  6. お互いに片思いだと思い込んでの告白
  7. Happy End!

ざっくりいうと前半が『由奈・理央編』で、後半が『朱里・和臣編』という構成でしたね。

どちらのカップルも初々しく青春していて可愛かったのですが、個人的には朱里のエピソードの方が見ていて応援したくなりました。

つらい思いをしたぶん、幸せになってもらいたかったんだと思います。

最終回はみんなが幸せそうで本当によかったです!

劇場アニメ化

予告動画

声優キャスト

  • 島﨑信長(山本理央)
  • 斉藤壮馬(乾和臣)
  • 潘めぐみ(山本朱里)
  • 鈴木毬花(市原由奈)

公開日

2020年5月29日公開

※公開延期が発表されました(近日公開)

実写映画化

キャスト

  • 浜辺美波(山本朱里)
  • 福本莉子(市原由奈)
  • 北村匠海(山本理央)
  • 赤楚衛二(乾和臣)

山本姉弟の美少女 & イケメンっぷりがまぶしい……!

公開日

2020年8月14日公開予定



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