映画『シライサン』はある意味、中途半端な形で幕を閉じます。
- 瑞紀と春男はどうなったの?
- シライサンの正体は?
- 目隠村では本当は何が起こったの?
などの疑問が残り、いまいちすっきりしない結末でした。
※それを含めてホラー映画としておもしろかったんだけどね。
そこで今回は乙一さん書き下ろしの原作小説を片手に、『シライサン』の謎について考察していきたいと思います!
※ストーリーの確認はこちら!
Contents
シライサンの正体は?
「シライサン」と聞くとつい「白井さん」という変換が思い浮かびますが、これは間違い。
映画の終盤では正しい漢字表記が『死来山(シライサン)』であることが明かされました。
そもそも「シライサン」の怪談が生まれたのは、山間の隠れ里である目隠村でのことです。
目隠村は祈祷師の一族を中心にした集落で、祈祷師は山の神に供え物をささげ、儀式を執り行うことで調伏(呪殺)を行っていました。
そう、祈祷師たちの祈りに応えて呪殺を実現してくれる存在こそが『死来山』
これは山の名称であると同時に、山の神を意味する言葉でもありました。
そして、山の神は一般的に『女神』だとされています。
つまり、あの恐ろしいバケモノの正体は
「目隠村の地方の山の女神」(あるいはその使者)
だと考えられます。
なぜ「シライサン」は人を襲うのか?
目隠村唯一の生き残りである石森ミブの話によれば、すべての元凶は土蔵の座敷牢に閉じ込められていた祈祷師一族の娘。
娘が創作した「シライサン」の怪談によって目隠村は消滅しました。
この出来事には2つの重要ポイントがあります。
- 娘はなんのために村を消滅させたのか?(= Why done it)
- 娘はどのように村を消滅させたのか?(= How done it)
まず娘の目的ですが、これは死産した娘を生き返らせることでした。
普通ならそんなことは不可能です。
しかし、
- 娘が強い力を持つ巫女であること
- 目隠村が生と死の境があいまいな土地であること(※後述)
を考慮に入れると話は変わってきます。
娘は山の神(=死来山)に目隠村の住人の命を供えることで、自らの願いを果たしたのです。
具体的には、
「シライサンの怪談を知っている人は供え物だからもってっていいよ」
という契約だったのでしょう。
本来なら目隠村の住人が全滅して終わりのはずでしたが、ひょんなことから伝承が後世に残ってしまったため、シライサンは今も契約どおり怪談を知る者の命を奪っている、というわけですね。
目隠村および湊玄温泉一帯について
目隠村および湊玄温泉一帯は生と死の境があいまいな地域でした。
たとえば、目隠村では死者に鈴をつける風習がありました。
これは亡骸が起き上がったとき、すぐにわかるようにするため。
つまり、死者がよみがえる可能性を考慮に入れてのものです。
また、湊玄温泉の「湊」という字が「船着き場」を意味しているのに、近くには水辺がない理由。
これも間宮幸太が最期に見た光景と照らし合わせれば理解できます。
「死来山」は現世と冥界の境目、いわゆる「三途の川」でもあったのです。
「シライサン」は刈りとった命を舟に乗せ、三途の川の向こう(彼岸)へと送る。
そういう意味での「船着き場」が湊玄温泉の名前の由来だと考えられます。
幸太はシライサンが3日に1回だけ現れるのは
- 山から1日かけて標的のもとに出向き
- 1日かけて山に戻ってくるから
ではないかと想像していましたね。
石森ミブの正体は?
石森ミブの話の要点は次の通りでした。
- 座敷牢に閉じ込められた巫女の世話をしていた。
- 巫女は怪談を村に広めるように頼み、牢の中で息絶えた。
- 巫女の忠告に従ったおかげで、ミブだけが村から逃げ延びた。
- 湊玄温泉で働き始めたミブの枕元に、とつぜん生まれたばかりの赤ん坊(巫女の子ども)が現れた。
- ミブは赤ん坊を引き取り、育てた。
しかし、この説明では納得できないことが2つあります。
1つ目は、
『ミブは怪談を知っていたのに、どうしてシライサンに狙われなかったのか?』
という点。
これはまあ、「人名を記憶することができない」というミブの特徴を考えれば、まだギリギリ納得ができなくもないです。
※「シライサン」という単語を忘れたから助かった?
ただ、2つ目の
『どうしてミブと孫娘の顔がそっくりなのか』
という点だけは見逃せません。
ミブの孫というのは、つまり巫女の子どもが産んだ子どものことです。
ミブの話が本当なら、ミブとは血がつながっていないはずなんです。
また、当の孫娘自身も
「本当は温泉で働き始めたときには妊娠していたんだそうです」
と証言しています。
この状況を前に、溝呂木は2つの仮説を立てました。
- 巫女など存在せず、シライサンの怪談も含めてすべてミブのつくり話だった。
- 実はミブこそが座敷牢に囚われていた巫女だった。
注目したいのはもちろん後者の仮説のほうです。
※前者は孫と顔が似てることへの説明にはなりますが、「じゃあそもそもシライサンって何なの?」という根本的な疑問が残るため。
座敷牢に囚われていた巫女に世話係(=本物の石森ミブ?)がいた、までは事実だと仮定しましょう。
巫女は世話係に怪談を広めさせ、目隠村を全滅させると、ひとりで湊玄温泉へと下りました。
そのとき、山の神に供え物をした対価として巫女のお腹の中には死産したはずの赤ん坊がよみがえっていました。
そうして生まれたのは、だから巫女の実子。
石森ミブの正体が巫女だとすれば、血のつながらないはずの孫と顔がそっくりな点に説明がつきます。
※ふつうに直系の孫だからですね。
というわけで、個人的には「石森ミブの正体は巫女だったんだろうな」と解釈しています。
本物の石森ミブは存在していたのか?
はっきりとした答えを出すことはできませんが、ミブ(実は巫女?)が語ったミブの過去はとても詳細なものでした。
ミブという人間を創作したというより、実在したミブに成り代わっているという解釈のほうがしっくりきます。
ミブ(?)は昔話のなかで「巫女が逃げられるように座敷牢の扉をわざと開けておいた」とも語っています。
これは本当にあったことで、だから巫女は逃げることができたのではないでしょうか?
※幸太は土蔵で閂と錠前が外された状態の座敷牢を目撃していましたね。
本物のミブがいたとして目隠村と一緒に亡くなったのか、それともミブもまた別人として生きているのかは謎です。
ただ、なんとなく巫女は本物のミブも始末しているような気がします。
※そっちのほうが怖いしね!(笑)
『本物の石森ミブ= シライサン』という説も……。
詳しくはコメント欄に書いています。
本当はもっと怖い?『シライサン』裏考察
注目したいのは間宮冬美。
本編ではいまいち影の薄かった冬美ですが、よくよく考えてみると実は誰よりも重要人物です。
まず、石森ミブの孫娘であるということ。
※正確にはひ孫
ミブの正体が巫女だった場合、冬美は祈祷師一族の末裔ということになります。
次に、シライサン怪談を拡散させた張本人であること。
それまで『個人から個人へ』という小規模感染にとどまっていた怪談が全国に広まったのは、冬美が拡散力のある人間に話したからです。
無関係だった莫大な数の人間が呪われ、シライサンの被害者が爆発的に増えたのは冬美のせいである、といっても過言ではないでしょう。
そして、最後に巫女との類似点。
冬美は娘の真央を交通事故で亡くしています。
これは赤ん坊を死産した巫女の状況に似ている、と言わざるを得ません。
事故から年月が経っても間宮夫妻の生活には娘の存在が色濃く残り続けていて、いかに無念だったかという思いがうかがえます。
冬美は産後に子宮を摘出していて第二子をつくれないため、失った我が子への想いはよけいに悲痛なものだったのでしょう。
……と、ここまでが準備段階。
わたしがふと気づいてゾッとしたのは、
『冬美は巫女と同じことを繰り返しているのではないか?』
という解釈です。
冬美黒幕説
巫女のケースと冬美のケースを比較してみましょう。
【巫女の場合】
- 目的:我が子を生き返らせること
- 手段:山の神に目隠村の住人の命を供えた
【冬美の場合】
- 我が子を亡くし、悔やんでも悔やみきれない思いがある
- 冬美の行動により、多くの人間がシライサンの犠牲になった
……なんだか似ていませんか?
巫女の血筋である冬美には山の神と取引できる力が備わっていてもおかしくありません。
というか、冬美こそが当代の巫女だと考えれば、できて当然なんです。
もし、すべてが冬美による我が子を生き返らせるための儀式だとしたら?
ネットやSNSを通じて増え続ける犠牲者は、かつての目隠村の住人と同じ『供物』ということになります。
そして、物語のラスト。
瑞紀と春男が冬美の家を訪ねたときのことを思い出してみてください。
※以下、小説より抜粋
「お二人に謝らないといけないことがあって。今日、親戚の子を預かっているんです。他の部屋で静かにしてると思うんですけど」
確かに耳をすますと他の部屋からテレビの音が聞こえてくる。
その子の年齢や性別を冬美は言わなかったが、聞こえてくる音声はどうやらアニメのようだったので、低年齢の子どもなのだろう。
(中略)
廊下の途中に他の部屋の扉があり、少しだけ開いている。
瑞紀がそれとなく部屋の中へ視線を向けると、テレビを見ている女の子の後ろ姿が見えた。
預かっているという親戚の子だろうか。
瑞紀の視線をさえぎるように、冬美がそっと部屋の扉を閉めた。
たったこれだけの記述でさらりと流されていますが、よくよく考えてみると物語のラストにこんな記述を意味なく入れるわけがありません。
だから、こう考えられます。
『ラストに登場する《親戚の子》とは、実はよみがえった真央のことじゃないか?』
気づいた瞬間、ゾッとしました。
でも、まだまだゾッとする考察は続きます。
冬美が娘を生き返らせようとしたとき、一番邪魔になるのは誰でしょう?
はい、夫の幸太です。
倫理的にヤバいことしてるわけですし、理解を得られるとも限りません。
だからおそらく、幸太が亡くなることも冬美の計画のうちに含まれていたのだと思います。
もともと、冬美のなかには「真央が交通事故に遭ったのは夫のせいだ」と思う気持ちがありましたしね……。
「この考察が絶対正しい!」とは言いません。
ただ、こう考えるといろいろなことに説明がつくように思われます。
たとえば、小説でいうと4章ラストのこのシーン。
向こう岸にも船着き場があり、舟が停泊している。
こっちから向こうにへ行く船があるのと同様に、向こうからこちらにくる舟もあるらしい。
向こう岸の舟にも人が乗っている。
(中略)
向こう岸の舟に乗っているのは小さな女の子だとわかった。
これって、真央が冥界から現世によみがえっているという描写ですよね。
こちらの岸は現世、向こうの岸は冥界(彼岸)
彼岸からこちら側に渡ってくるということは、つまり……。
映画・小説を見た人はこっち❗️
この物語はいわゆる
『意味がわかるともっと怖い』
仕組みになっていて、いちばん怖い真相は行間に隠されています。
気づいたときにはリアルに鳥肌が立ちました。https://t.co/9RUQNenPTq
— わかたけ (@wakatake_panda) December 9, 2019
コメントに届いた鋭い考察を紹介するコーナー
渡辺少年の前にシライサンが現れなかった理由
渡辺少年は溝呂木から聞いた怪談を日記に書いたものの、3日以内に忘れたから?
石森ミブの名前について
※以下、コメントから引用
これは単に自分の深読みしすぎな気もしますが、ミブというと『壬生』という言葉に繋がるのかな、と想像しました。
wikipediaによれば、『壬生(みぶ)はもともと水辺、水生(みぶ)の意で泉や低湿地を意味し、後に「壬生」の字を当てた地名、そこを出自とする一族や集団を指す』
山の中なのに水辺を出自とする意味の名前というのは、作中の設定と照らし合わせるとなんとなく合致していますよね。
「とおりすがり」さん、コメントありがとうございました!
まとめ
今回は映画『シライサン』のネタバレ考察をお届けしました!
考察の手がかりが作中にたくさん散りばめられていたので、「こういうことだよね?」と考えるのが楽しかったです。
後半の冬美黒幕説に気づいたときには本当にゾッとしました。
「わたしはこう思った!」
という、あなたの考察もぜひコメントで教えてくださいね!
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こんにちは。
シライサンの考察が読みたいと辿り着いたのがここでした。
映画は見ていないので小説を読んだだけですが、概ねこちらの考察の通りで頷きながら読みました。
冬美は亡くなった娘を生き返らせようとしておばあちゃんに教わった儀式をやったのだと思います。最後に娘が戻ってきていますよね。預かっている親戚の子供、あれが蘇った娘だと思います。
冬美はいつ儀式を行ったのか。
渡辺はなぜ少年の頃には死ななかったのか。
当時怖い話が流行っていたのなら話しているはず、同級生たちも呪われたのではないのか。
シライサンが山の神だとしたら、何故死者の格好(鈴をつけてる)なのか、顔のあざの意味は?
など疑問があるのですがどうお考えになりますか。
>さはらさん
そうか! なぜ気づかなかったのでしょう。
ラストで冬美の家にいた子どもの正体!
さはらさんの考察の通りだと思います。
気づかせてくださってありがとうございます。
残った疑問についても考えてみますね。
>冬美はいつ儀式を行ったのか。
一番可能性としてありそうなのは、幸太の世話のために湊玄温泉に来ていた時でしょうか。
儀式はやはり山の神のおひざ元で行う必要がありそうなものです。
渡辺が日記を発見し、怪談を話したのは冬美とは無関係のできごとだと思われます。
そもそも、事故から数年は儀式を行っていなかったわけですし。
1.幸太から話を聞いて儀式のことを思い出す
2.供え物を準備するため怪談を広める
3.湊玄温泉で決定的な儀式(?)を行う
という順番でしょうか。
冬美は目隠村まで行ったのかな……?
>渡辺はなぜ少年の頃には死ななかったのか。
>当時怖い話が流行っていたのなら話しているはず、同級生たちも呪われたのではないのか。
ここに合理的な説明をつけようとすると難しいですね。
その期間は怪談に『呪い』の力がなくなっていた(契約が満了していた?)ということでしょうか。
だとすると、今度は現代で呪いの力が復活していることに説明をつけなければなりません。
1.娘の事故直後、冬美はすでに怪談の呪いを復活させていた
2.渡辺がたまたま怪談を思い出す
3.再び怪談が流布し始めたことで、冬美は儀式を実行に移した
この仮説の欠点は、冬美自身が怪談を流布しなかったことですね。
良心が残っていて、運命を天に任せていた……というのはちょっと無理やりかな。
>シライサンが山の神だとしたら、何故死者の格好(鈴をつけてる)なのか、顔のあざの意味は?
一番簡単な説明は「山の神(の使者)はそういうもんだから!」ですね(笑)
ヒントがないので、もう何かしらこじつけるしかありません。
たとえば
・もともと目隠村の埋葬方法は山の神の姿を模したものだった
・死者が山の神の使いになった
とかですね。
顔の痣については小説で強調されていたので、わたしも気になっていました。
単純に考えるなら、それは生前に暴行されていた痕跡ということですよね。
「恨みを持った死者がシライサンとなり、目隠村を全滅させた」
と考えるとなんだかちょっとつじつまがあいそうです。
これは、いまふっと思ったことなんですが
「シライサン = 本物の石森ミブ」
という説はどうでしょう?
ミブは家族から虐待されていたというエピソードがありました。
実はミブは目隠村消滅の前に亡くなっていて、シライサンになっていた……?
あ、怖い。
シライサンの考察を探して、こちらにたどり着きました通りすがりです。
概ね、自分の解釈とも似通っており、興味深く拝見させて頂きました。
上で出ている話の、私なりの解釈などですが…
>渡辺はなぜ少年の頃には死ななかったのか。
日記には書いたものの『3日以内に忘れた』ために、呪いの対象から除外されたのではないかな、と。
作中に出てくる方々はどうやら怖い話がとてもうまい人が多いようですが、溝呂木先生はへたくそだったんだろうな……と、勝手に解釈しました。
溝呂木がその後すぐ呪いで死んでいる以上、呪いの力が無くなっていたわけではないと思われます。
しかし、なんでミブは自分が色々話して聞かせた溝呂木を呪いの対象にしたのでしょうね……?
>冬美
十中八九、後半は娘を生き返らせるために話を広めたんでしょうね。
子供の頃の冬美は祖母の話は半信半疑でしたし、そもそも怪談の詳細は知らなかったのではないかと思います。
怪談の完成系は手紙という形で溝呂木にわたっているので、冬美がシライサンの名を知る機会がそもそもなかったでしょうし。
祖母の話と夫の話を照らし合わせた結果、呪いを広めることで娘が生き返るかもしれない、という結論にたどり着けたのではないでしょうか。
>ミブ
これは単に自分の深読みしすぎな気もしますが、ミブというと『壬生』という言葉に繋がるのかな、と想像しました。
wikipediaによれば、『壬生(みぶ)はもともと水辺、水生(みぶ)の意で泉や低湿地を意味し、後に「壬生」の字を当てた地名、そこを出自とする一族や集団を指す』。
山の中なのに水辺を出自とする意味の名前というのは、作中の設定と照らし合わせるとなんとなく合致していますよね。
>とおりすがりさん
とても鋭い考察ですね!
コメントに残してくださってありがとうございます!
>渡辺少年
溝呂木が呪殺されていることを失念していました。
確かに「3日で忘れた」のであれば説明がつきますね!
>冬美
・冬美が怪談の全貌を知ったタイミング
・冬美が儀式を行ったタイミング
これらをきちんと検証してみるのもおもしろそうですよね。
ご指摘の通り、幸太から具体的な話を聞いたのが1つの決定的なタイミングだったのは間違いないと思います。
>ミブ
もうこれは「すごい!」としか言いようがありません!
素晴らしい考察だと思います!
意味のない名前にしてはちょっと『ミブ』は浮いているというか、特殊ですよね。
「死来山=三途の川」に関連する意味を持たせていた、と解釈するとしっくりきます。
素晴らしい考察、ありがとうございました!
返信ありがとうございます。
瑞紀が部屋でテレビを見ていた“女の子”の後ろ姿を見ている、そしてそれを遮るように冬美が部屋のドアを閉めています。多分顔を見られたくなかった、瑞紀は写真で冬美の娘の顔を見てるので。そのことからも冬美の娘の可能性が高いです。
幸太が邪魔だった、わかたけさんの考察の通りだと思います。多少なりとも憎い気持ちがあったしこの儀式に賛同してもらえるとも限らない。幸太は居なくなっても構わないと考えたと思います。
冬美はいつ儀式を行ったのか。
娘が亡くなった直後、渡辺が日記を見る前、幸太から話を聞いてからなど色々考えたのですがわかたけさんの説が一番しっくりきました。
おばあちゃんから巫女とミブの話は聞いているはずですが、信用してなかったのではないかと思います。作り話と言っている場面がありました。ですが幸太から話を聞き本当かもしれないと思い儀式を実行した……
山の神のお膝元で行う必要は確かにありそうです!
幸太の世話があるのに村まで行く時間があったのかは疑問ですが仕事があるといって1~2日くらいはいなくてもおかしくなさそうですし、湊玄温泉で行っても効果はありそうですね。
渡辺は少年の頃に死ななかったのか。
こちらにコメントしてから考えていたのですが、忘れたからかなと。溝呂木から話を聞いて日記に書いたのが休日だとして同級生にだれも会わなかった。そしてすぐに溝呂木が亡くなり怪談する雰囲気ではなくそのうち忘れて…と考えるのは無理矢理でしょうか。
シライサンの謎について。
そういうものだから、痣があった方が怖いから、案外そんな理由かもしれませんね。
しかし深読みをしたいので考えてみます(笑)
葬儀方法は神の姿を模したもの、死者が山の神の使いに、この考察とても好きです。
そして、シライサンは本物のミブ説、推したいです
!
本当のミブを殺し風習に従い葬儀をしてシライサンとすることで呪いが完成した。村人を呪い殺させ見届けたあと山を降りミブとして生きてきた巫女…と考えると怖いですね。
痣は生前の暴行によってできたもの…私もそう考えたのですが殴られていた描写がないんです。冷遇され嘲笑を受けたり怒鳴られていたとはありますが…なのでこの考察はちょっと無理矢理でしょうか。
でも無理矢理でもこっちの方が怖くて面白いのでシライサン=本物のミブ説、推していきたいです!
>さはらさん
また来てくださって嬉しいです(^^♪
誰かと考察をつきあわせるのって楽しいですよね!
>瑞紀が部屋でテレビを見ていた“女の子”の後ろ姿を見ている
まだ見逃してた!
ご指摘ありがとうございます。
記事本文にも追記しました。
それにしても、もうなんだか冬美黒幕説は真っ黒ですね(笑)
>渡辺は少年の頃に死ななかったのか。
もうひとりコメントしてくださった方も同じ見解でした。
わたしにはまったくない発想だったのですが、すごく納得できる理由だと思います!
>シライサン=ミブ説
推していただきありがとうございます!
完全に思いつきだったんですが、そこまで的外れって感じでもないですよね!
ただ、そう……殴られたという直接的な描写がないな、とは思ってました。
冷遇・嘲笑の延長線上に暴力があったと考えるのがわかりやすいんですけどね。
あるいは「祈祷師の一族に殴られていた」というのはどうでしょう?
本物のミブが巫女の牢の扉を開けていたのだとしたら、一応、動機にはなりそうです。
もともと身分差もありますし、雑に扱われていた可能性もあるかな、と。
シライサンになって復讐するほどの怨念がミブにある理由にもなりそうです。
……ん? 待てよ?
本物のミブがいたとして、彼女を殺したのは巫女だったのでしょうか?
呪殺を得意とする巫女と痣ができるほどの暴行、というのがうまく結びつきません。
もしミブに暴行を加えて命を奪ったのが、祈祷師一族、あるいは家族だったとしたら……?
う~ん、考察っておもしろいですね(笑)
こんにちは、コメント失礼いたします。
シライサンの考察を探していた際、このブログを勧めされてきました。
わかるわかる、と頷きながら読ませていただきました。
私もシライサン=ミブだと思っています。それか巫女血縁者、母親あたり。
ミブがシライサンだったとして、顔の痣が祈祷師一族に殴られたってのは、すごくありそうで、おおっ!ってなりました。巫女にかなり同情的でしたし、祈祷師一族は巫女の危険性を知っていたので巫女の肩を持ち出したミブを殴って叱りつけたのかもしれませんね。
幸太のことですが、私もコメント欄のさはらさんと同じく、いなくなっても構わないと思っていたと思います。少なくとも積極的に殺そうとはしていないと思いました。娘の事故後別れなかったのは多少なりとも愛があったからだと思います。
ただ、娘が復活するにあたって、きっと夫は色々詮索するし、自分がしたことも許してはくれないだろう。と思っていたとも考えています。
あとすごく深読みかもしれないんですが、
「死来山」これの読み方って本当にシライサンなんでしょうか。
あの話のなかで、教授がメモに書いてあるその名前を読み上げたことから、その呼び名だって定着しますけど、蔵の女もミブもその名前を一度も口に出してないんですよね。
あの呪いって自動追尾型の話じゃないですか、聞いてしまった人を無差別に追う話。
たとえば復活して舞い戻ってきた自分の子がたまたま耳にしてしまった時のために、蔵の女は回避方法を考えてると思うんですよね。
もしかしたら、別の本当の読み方があって、それが儀式をする方法や、おばけから逃げる本当の方法と関係してくるんじゃないかな、と思いました。
冬美は、あの怖い話を聞いたあと、シライサンが本当に目の前に現れたからこそ、おばあちゃんから聞いた儀式を本物だと確信してためしたんじゃないか、と思いました。
ホラー映画は怖くて見られないのですが、ラジオで「シライサン」の話を聞いて興味を持ち、大まかなストーリーだけでも…と思ってこちらに辿り着きました。
ネタバレを読んだあと、やっぱり原作が読みたくなって電子書籍を購入しちゃいましたw
ネタバレと考察を読んでからだったので、必要以上に怖がらずに読めました。
映画版を見る勇気はありませんが…
ひとつ、気になっていることがあります。
こちらの考察で間宮冬美は石森ミブの孫、とされていますが、曽孫ではありませんか?
小説には「曾おばあちゃんの代からあの地域に移り住んだそうです」とありますし、古びた写真にミブと共に写っているのは娘や孫らしき女性との記述があります。
学者の溝呂木に書き付けを渡したのが石森ミブの孫で30代半ばの女性、そしてその後、溝呂木から話を聞いた渡辺はまだ9歳です。
渡辺が亡くなったのは28歳ですし、そのとき冬美は40歳目前。石森ミブの孫なら60歳にはなっているはず。石森ミブの介助をしていた女性の娘ということあれば、年齢的には一致します。
わからないのは、何故間宮冬美の旧姓が石森なのか。
石森ミブの娘は教師と結婚していますし、その娘も結婚して冬美を産んでいるはずです。
その間、姓が変わらなかったのが不思議です。
娘しか生まれなかったので、代々お婿さんに来てもらったんですかねw
どちらにしても面白い小説でした!
続編を期待したいです。
>みや さん
ご指摘ありがとうございます!
たしかに年齢的にも冬美はひ孫ですね!
あと、姓についてもみやさんのコメントを読んで初めて気づきました。
お婿さんとってたのじゃなければ、代々同性の石森さんと結婚してたか、ことごとく離婚したか……?
映画を見て腑に落ちないところがあり小説も購入して先程読み終わり、こちらの考察を読んでいます。
まず、シライサンの正体ですが、私はやはり山の女神としての側面が大きいのではないかと思っています。
というのも、シライサンが現れる前は決まって一瞬暗くなりますが、その際の表現が単なる灯りの点滅ではなく、「何か大きなものが通ったような」といった表現だからです。
また、顔のアザについては考察中です。
というのも、暴力によってアザができていたのであれば、
大きな目へ疑問が生じるためです。(どうして大きい目をしているのか?)
あと、考察には特に記載がなく、皆さんお気付きのことかもしれませんが、呪われた人が目が破裂するというのも、「お供え物」として捧げられるからなのでしょうね。
ミブが義理家族のことを巫女に話して祈祷をしてもらう際のお供え物に「目を潰した鶏の首」というのがあったので。
そういえば、ミブの義理家族が祈祷の後にミブの背後に見ていた物は何なのでしょう。
それがシライサンなのであれば、ミブ=シライサン説はちょっと厳しくなります。
もう1つ気になる点は、「目隠村」という名称やお供え物の目を潰す一方で、シライサンの目は異常なまでに大きいという点です。
シライサンの目は空洞で大きいのではなく、目が大きいのですから、お供え物とはある意味逆の状態です。
あと、みやさんのコメントにあった姓についてですが、
ことごとく離婚ではなく、ことごとく死んで行ったという可能性はないでしょうか、、、?
もう少し色々考えてまたこちらに来てみます。
>みう さん
鋭い考察ですね!
なるほど、と頷きながら読ませてもらいました。
また考察が進んだらぜひ教えてください!
ミブがある日突然、家族から疎まれなくなったっていう描写。あれ、ミブがヒトならざるものに変化して、家族が畏怖を抱くようになったから。と推察するのと、ミブが巫女に畏敬の念を抱いていたことを考え合わせると、本物ミブは巫女に使役される存在=シライサンと言う説はものすごく説得力がある気がします。
本当に恐ろしいのは冬美がいつから子供を蘇らせるか、を考え計画していたか、を考えるとまたゾワッとさせてくれると思います。
ラストまで読んでからではないと、全く深い意味を見いだせない一文を乙一さんはナチュラルに入れておられるところが、このお話の中でもまた素敵なところだと思いコメントしました。
二章節目に、家でうたた寝をした時の冬美が子供の夢を見た後に
「また会えるからね」と言っていました。
読んでいる最中では、なんともない一文ですが、読了後では全く意味が異なってきています。
あぁ、この時にはもう呪いを発動させていたんだな、と思う確定的な一言だからです。
何度もラストと、その一節の前後、冬美の子供の居なくなった日常とを読み直し、その度にゾッとします。
まさかこのシライサンを拡散させる為に構成作家になったのでは?とまで思わせてきます。違うと思いますが(笑)
色々な可能性を匂わせる冬美。本当に美しい文章で描かれているなぁと、思いました。
こんにちは。
シライサンを読んでよく分からない描写が多く、考察記事を探していて見つけました。
考察を読んでいて気づいたことがあります。
四章の文章中に瑞紀が古い蔵(座敷牢?)の中にいる女の夢を見ています。
五章で冬美の見た写真の中に老人ホームで撮られた写真があり、そこに映っていた高齢の女性を夢で見たと言っています。
このことから巫女がミブ(本物のミブの名を借りている。)と思いました。
それとここからはちょっと思った事なんですが、冬美は一族の正統な末裔です。
巫女(ミブ)が娘を生き返らせ、冬美も同じことをしています。冬美の旧姓が石森なのもやはり、夫がいなくなる、死ぬから、代々石森のままなのではと思います。すると、ずっと石森のまま、夫が死ぬ(いなくなる)ということは冬美と同じで冬美の母親も同じことをしているのでは?と思いました。もしそうなのだとしたら、巫女の一族は子供はずっと娘で、巫女と同じように娘を早くに亡くしているのでは無いか。一族がずっと冬美と同じことをしてきているから、ずっと石森のままなのかなと思いました。冬美の母親の描写は出てきませんが、可能性としては充分では無いかと思います。
拙い説明になってしまい申し訳ありません。
映画のシライサンはもやっとしましたが、
こちらの考察読んで、断然面白くなりました!