塩田武士『騙し絵の牙』を読みました!
大泉洋が表紙の小説で、主人公のモデルも大泉洋。
さらには大泉洋主演で映画化もされる大泉洋トリプル役満な作品です。
↓映画特報動画
この物語の魅力は大泉洋がひたすら楽しめること……だけではありません。
タイトルや動画からもわかるように、ラストには「えっ!?」と驚く結末が待ち受けています。
というわけで、今回はそんな『騙し絵の牙』のネタバレです!
あらすじ
出版大手「薫風社」で、カルチャー誌の編集長を務める速水輝也。
笑顔とユーモア、ウィットに富んだ会話で周囲を魅了する男だ。
ある夜、上司から廃刊の可能性を匂わされたことを機に組織に翻弄されていく。
社内抗争、大物作家の大型連載、企業タイアップ……。
飄々とした「笑顔」の裏で、次第に「別の顔」が浮かび上がり――。
(文庫裏表紙のあらすじより)
あらすじの補足
「そのまんま大泉洋」な主人公・速水輝也は雑誌「トリニティ」の編集長。
もともと企画の発端が雑誌「ダ・ヴィンチ」だったということで、
「なるほど。大泉洋がダ・ヴィンチの編集長なのね」
と考えるとイメージしやすいかと思います。
※厳密にはちょっと雑誌の方向性違うんですけどね
さて、速水は上司(編集局長)の相沢徳郎から廃刊を匂わされ、なんとか雑誌を黒字化しようと奔走します。
あるときは
「先生、私は今ここで頭を丸めます」
と度肝を抜くような行動で。
またあるときはモノマネ替え歌で
「版権をください~」
と歌って作家を爆笑させたりして。
※ちなみに堀江淳「メモリーグラス」の歌詞「水割りをください~」のもじり
速水は持ち前の機転と人たらしな性格で、難局をずんずん乗り切っていきます。
ところが、そうそう全部がうまくいくわけでもなく……。
ネタバレ
序盤から中盤にかけては「無敵の編集長」だった速水ですが、後半に入ると中間管理職として、そして家庭人としての無力感を味わうことになります。
家庭の崩壊
きっかけは妻・早紀子の万引き事件。
早紀子が盗もうとしていたのは他社の雑誌で、決して高額なものでも、必要なものでもありませんでした。
また、速水はサラリーマンとしては高給取りであり、家の経済状況に問題はありません。
つまり、万引きは早紀子が精神的に追い詰められていることの表れだったのです。
では、専業主婦である早紀子を追い詰めていたものとは、いったい何だったのでしょうか?
はい。速水輝也しかいませんね。
速水はずいぶん前から妻への愛情を失っていました。
家に帰るのは溺愛する娘の顔を見るためであり、早紀子には母としての役割だけを求めていました。
それがどんなに早紀子を追い詰めているか、気づきもせずに……。
そして、万引き事件の日、自宅に帰ってからの場面。
ここは読んでてめちゃくちゃゾクゾクしました。
※以下、小説から一部抜粋
◆
「このこと、美紀に話すの?」
いい年した母親が万引きをしたなどと言えるわけがなかった。
だが、早紀子の目は不安に揺れていた。
学生のころ、若さで眩しかったお嬢様の面影はない。
速水はようやく妻の手を握った。
「何も心配しなくていい」
早紀子は両目に涙を浮かべ、何度も頷いた。
彼女は自信を失っているのかもしれない。
しかし、速水は次に掛けるべき言葉を見つけられなかった。
息苦しくなって立ち上がろうとすると、早紀子は行かせまいと強く手を握った。
しばらく見つめ合っているうちに、速水は彼女の気持ちを察して戸惑った。
抱いてほしい、ということか。
彼女の頭にあるのは、壊れていく自分か、家庭か、それとも夫婦の絆か。
早紀子は不安で仕方ないのだ。
この状況で、夫としてできることは、寂しさを埋めてやることだろう。
しかし、速水は細い指をそっと解いた。
「途中で抜けて来てて……、行かなくちゃダメなんだ」
両目から涙が溢れる寸前に、早紀子は一切を遮断するように布団をかぶった。
嗚咽が聞こえ、自分もこの場から逃げ出したくなった。
なぜ優しくできないのだろう。
そう思うと同時に、速水は「何を今さら」と自嘲した。訳ならこの胸の内にある。
しばらくして速水は立ち上がった。ドアの前で振り返ったとき、危うく声を上げそうになった。
布団をかぶっているはずの彼女が自分を見ていた。
涙の枯れた目は、氷のように冷たかった。
◆
この日を境に、夫婦の断絶は決定的なものになります。
娘を介さなければ日常会話すらできず、同じ部屋に二人でいることすら耐えられないほど。
しかし、速水は(仕事が忙しかったこともあり)早紀子にはなんのフォローも入れませんでした。
家に帰って娘の顔が見れればそれでいい、と思っていたんです。
しかし、速水はあまりに家の中が見えていませんでした。
「パパ、ママはもう限界だと思う」
両親の仲が冷え切っていることに、聡明な美紀は気づいていました。
気づいていたから、美紀はなんとか両親の仲をとりもとうとしていました。
しかし、速水が早紀子に目を向けることはなく、その間にも早紀子の精神はすり減っていくばかり。
そして……
「私から、ママに離婚したらって言ったの」
「ごめんなさぁい……」と泣きながら繰り返す美紀を前に、速水は愕然としました。
- 娘を苦しめてしまったこと
- 娘を失ってしまうこと
- 娘を父親のいない子どもにしてしまうこと
子どもを育て上げることができなかったという途方もない情けなさに圧し潰されそうになりながら、速水は一言「分かった」と離婚を受け入れたのでした。
ちなみに速水は部下の高野恵と男女の関係にあります。
だからあんまり同情の余地はないかな……。
組織の論理
速水は生粋の小説好きであり、出世よりも一人の編集者として作品を作り上げたいと望むような現場タイプの人間です。
しかし、その立場と能力ゆえに、速水はやがて社内政争に巻き込まれていきます。
これまではのらりくらりと関わらないようにしていましたが、「トリニティ」の存亡を盾に取られては派閥のための仕事でもしなければなりません。
具体的には上司の相沢が(社長派と対立する)専務派の幹部なので、相沢の点数稼ぎのような仕事も押しつけられていたんですね。
ところが、その専務の不祥事が発覚し、免職されてしまったものだからもう大変!
いままでの苦労が水の泡……だけならまだマジでした。
実権を得た社長派は徹底した利益重視の経営方針で、このままでは不採算事業である雑誌が切り捨てられるのは火を見るよりも明らか!
古狸のような編集局長の相沢はくるりと手のひらを返して社長派についたので、まったく頼りになりません。
終盤のクライマックス。
速水は労働組合の臨時中央委員会で、我が身を顧みることなく訴えました。
「雑誌を安易に切り捨ててはダメだ!」
利益も大切だが、出版社には読者におもしろいものを届けるという使命があるはずだ。
速水の熱いスピーチに集まった社員たちは口々に「そうだそうだ!」と声を上げましたが、経営陣(相沢含む)は聞く耳持たず。
結局、臨時中央委員会は何の成果も得られないまま幕を閉じました。
速水(勝負あった、だ。雑誌を守れなかった)
すべてが終わってから、速水は
- 同期のライバルである秋村が社長派のスパイとして暗躍していたこと
- 「トリニティ」の副編集長である柴咲が秋村のスパイだったこと
などを知ります。
作家や読者にとことん寄り添おうとした速水は負け、政治と利益しか目に入っていない秋村(組織)が勝った。
どんなに社員からの人望があったとしても、この結果は覆りません。
速水は細かい根回しや気遣いには長けていましたが、人を陥れるような裏工作だけはしてきませんでした。
敗因を挙げるとすれば、きっとそういうことだったのでしょう。
速水はこの結果を受け止め、まるで「トリニティ」と心中するように薫風社から去りました。
辞表を提出してからは無数の社員が思いなおすよう説得し、相沢すら好待遇のポジションを与えるからと翻意を促しましたが、速水が考えを変えることはありませんでした。
いいえ、ここで物語が終わるわけがありません。
だって、まだ速水の「裏の顔」が出てきていませんからね。
ここから先はエピローグの内容です。
そして、ここからが小説『騙し絵の牙』の真骨頂です。
エピローグ
辞職から約半年後。
速水は起業家として一躍《時の人》になっていました。
速水が設立した「株式会社トリニティ」は作家をサポートし、読者には新しいコンテンツを提供する会社です。
たとえば作家の取材を手配したり、読者向けには作家とのツアーを企画したり……。
作家と読者をつなぐ役割を持つ「トリニティ」は、言ってしまえば出版社の敵です。
単純に仕事を奪われるという意味でもそうですし、作家と交渉するためにいちいち(作家の交渉代理人としての)「トリニティ」を通さなければならなくなるという構図も出版社にとっては苦々しいものです。
とはいえ、出版社は速水の「トリニティ」を表立って無下にすることもできません。
なぜなら、速水は出版社のメシの種である作家を押さえていたからです。
- 大御所作家の二階堂大作
- 恋愛小説家の久谷ありさ
- 女優で小説家の永島咲
速水が雑誌「トリニティ」を黒字化させるために口説き落とした作家たちは、みんな速水の会社のお抱えになっていました。
しかも、それだけではありません。
速水は雑誌「トリニティ」が抱えていた人脈、作品、作家のすべてを自分のものにしていました。
- 雑誌で連載していた小説の版権(百万部のベストセラー!)
- 編集部内でもっとも優秀だった契約社員
- 莫大な利益をもたらす他業種とのつながり
かつて薫風社のものだったそれらは、今や速水と「トリニティ」のものです。
まさに一人勝ち。
逆転サヨナラ満塁ホームランを飛ばし、最後に笑っていたのは速水でした。
速水をいいように使っていた相沢も、一介の雑誌編集長だった速水を軽くあしらっていたテレビマンも、今では速水の機嫌をうかがう立場。
この展開には胸がスッとしました。
もうひとつの顔
エピローグでは、これまでのイメージとは異なる速水の「もうひとつの顔」が浮かび上がりました。
一番わかりやすいのは、秋村が口にしたこのセリフでしょう。
「知り合いの薫風社社員を辛口採点した速水メモってのがあるらしい。血も涙もないこと書いてるって噂だぜ」
要約すると、速水の「裏の顔」とは
- 冷酷で
- 計算高く
- 自分の利益のために動く
というものです。
※実際、起業によって速水の懐には巨額の金が入ってきています
それまでの速水は
- 情に厚く
- アツい使命感を持ち
- 読者や作家や業界のために動く
という感じだったので、このギャップには驚かされましたね。
ただ、ミステリ的な見方をすれば伏線らしきものも実はありました。
たとえば、速水はさりげなくずっと英語を勉強していたのですが、これは日本のエンタメを海外に売り出す構想があったからです。
それはもちろん、ただの雑誌編集長が考える仕事ではありません。
つまり、速水はかなり早い段階から独立を意識していたということになります。
ほかにも人柄ゆえの大抜擢だと思われていた仕事が、実は周到な根回しの結果だったり……。
「あいつは騙し絵みたいなもんや」
そう評したのは、速水と同期入社だった小山内(おさない)です。
「騙し絵?」
「華やかな美人やと思ってても、視点を変えてみたら、牙を剥く悪魔が浮かび上がる、みたいな」
とはいえ、単純に「速水は実は悪人だった」という話でもありません。
小説で印象的だったやり取りを紹介します。
…………
速水「俺が自らの野望のために自分たち(薫風社)を利用していたんではないか、と。作家との人脈を築いていたんも、雑誌のために奔走してたんも、みんな己の会社設立のためにやってたんや、と」
小山内「そう考えると楽やわな。結局、勧善懲悪の枠組みの中で物事を整理した方が、収まりがええわけや。そうやないと混乱するから。でも、それは分かりやすいけど、真実ではない。完璧で華のある速水も、自身の目的のために冷酷になる速水も、どれもほんまもんや」
…………
自分が知っている姿だけが相手のすべてではない、と言われてみれば当たりまえのことです。
速水ほどではないにせよ、誰もが多かれ少なかれ「騙し絵」のように生きているのかもしれませんね。
速水輝也の正体
速水が薫風社を去るきっかけになった労働組合の臨時中央委員会。
このシーンで、速水の胸中にはこんな思いが去来していました。
『なんのために編集者になったのか』
一見、雑誌を守りたい編集マンとして特に違和感のない一文ですが、強調つきで2回も繰り返されていれば「あ、なにかの伏線なんだな」と気づきます。
- 速水はどうして編集者になったのか?
- 速水はどうして雑誌(=作家の発表の場)を守ろうとしていたのか?
- 速水輝也とは一体何者なのか?
小説『騙し絵の牙』のラストに待ち受けていたのは、速水の過去と真意でした。
《速水輝也の過去》
話は速水の少年時代にまでさかのぼります。
速水の実父は殴る蹴る暴れるのクソ親父でした。
速水にとって家庭は安らげる場所ではなく、図書館で本を読む時間だけが癒しでした。
やがて、最低な実父は事故で死亡。
速水の母親は(経済的な安定を求めて)穏やかな男と再婚します。
新しい父親になった男の名前は速水健吉。
健吉は働きながら小説を書いていて、その頃すっかり本が好きになっていた速水とはすぐに意気投合しました。
ふたりは継父と子どもいうより、仲の良い友人同士のよう。
やがて速水は健吉の小説執筆に協力するようになり、編集のおもしろさを知ります。
編集者としての第一歩を踏み出したこの頃、速水は心から幸せでした。
やがて健吉の小説は東京の出版社の目に留まり、連載の話が持ち上がります。
自分たちの仕事が認められたのだと、速水の胸中は誇らしい気持ちでいっぱいでした。
しかし、結局、健吉の小説が世に出ることはありませんでした。
会社からの圧力で違法な汚れ仕事を押しつけられた健吉が逮捕されてしまったからです。
健吉は口止め料として受け取った大金を速水に残し、どんなに厳しい取り調べを受けても口を割りませんでした。
速水は健吉が残した金をすべて学費に使い、やがて《ある目的》を持って薫風社に入社します。
その目的とは……
「おまえが死にもの狂いで雑誌を守ろうとしてきたんは、編集者として速水健吉の原稿を待ってたからや」
※速水の過去を突き止めた小山内のセリフ
速水は今、健吉がどこで何をしているのか知りません。
しかし、薫風社には匿名で、しかし確かに健吉の筆跡で手紙が届いていました。
手紙の内容は雑誌の感想でしたが、そのなかには「いま、物語を書いている」という一文がありました。
速水はいつか健吉の小説を世に出す場所として、雑誌「トリニティ」を守ろうとしていたのです。
「会いたいんや……」
速水は健吉への思いをぽつりとつぶやきましたが、悲しげな表情が見えたのはほんの一瞬だけのことでした。
新しい「トリニティ」は紙の雑誌を発行しません。
健吉を待つ間に、速水をあまりにもいろんなものを失ってしまいました。
だから、速水は未練を断ち切ることにしました。
速水はもう、健吉の小説を待ってはいません。
「結局、過去に囚われてたんやな」
そう口にした速水は、感情の読めない顔をしていました。
<完>
ずっと標準語で話していた速水ですが、本当の出身地は関西でした。
一度のミスもなく関西弁を隠し通していたことからも、速水が尋常ならざる切れ者であることがうかがえます。
塩田武士『騙し絵の牙』
大泉洋の魅力がたっぷり味わえる読むタイプの大泉洋🥴
タイトルの意味がわかる結末にグッときました👍
6月公開の映画も楽しみ❗️https://t.co/C4TZynPsTl
— わかたけ@読んでネタバレ (@wakatake_panda) February 23, 2020
まとめと感想
今回は塩田武士『騙し絵の牙』のネタバレをお届けしました!
では、最後にまとめです。
- 速水は社内政争に負けて辞職するも、起業して大逆転
- 速水には冷酷な裏の顔があった
- 速水はずっと生き別れた継父の小説を待ち続けていた
正直、ミステリ小説のような「予想もしていなかったどんでん返しの結末」というタイプのオチではなく、そういう意味ではラストの驚きは小さかったです。
※タイトルもあらすじもそんな感じですよね
ただ、実際に読んでるときはすっかり速水の人物像が固まっていたので、どこかで「そうなんじゃないかな」と思いつつもラストではしっかりゾクゾクさせられました。
小山内のセリフにこんな一節↓があるのですが、まさにその通りの心境でしたね。
「みんな認めたくないんや。速水輝也に裏の顔があったことを」
(中略)
「表の顔があまりに鮮やかな場合、それ一色であってほしいと願うのは自然なことかもしれん」
もともとモデルが大泉洋ということもあり、話が進んでいくにつれて読者はどんどん速水輝也のことが好きになっていきます。
※きっとわたしだけじゃないはず!
そうして好感度が高くなったぶんだけ「裏の顔」との落差がギャップになって、なんていうかもう、しびれました。
大泉洋による解説
なんと文庫『騙し絵の牙』の解説は大泉洋さんご本人(?)
この作品の魅力がわかりやすく伝えられていたので、一部抜粋してご紹介します。
◆
塩田さんの技量の凄さを感じたのは、僕をイメージして書いていながら、『大泉洋っぽくないところ』を速水に注入していることでした。
物真似であるとか、パブリックイメージにある僕を書くのなら、ある意味、誰にでもできる。
けれどそうではない。僕のなかにある、けっしてわかりやすくないものを掘り出してくださったんだろうなと。
それが主人公に想定された本人にとって、とても興味深いところであり、不思議な感覚を連れてきたところでした。
それは読む方にとっても、同じ現象を起こすものなのではないかと思います。
というのもそもそも小説は、映像作品のノベライズでない限り、誰かを想定して読むという経験のできないものだから。
ただただ『大泉洋』という男をイメージしながら読んでいただく、そこから驚きの渦に巻き込まれていくのが、この作品の面白さ。
バイタリティ溢れる、明るい男だと思っていた速水ですが、ラスト近くで明かされる過去、隠していた一面には僕も騙された!
タイトルの真の意味に気づいた瞬間でもありました。
(巻末解説より)
映画情報
キャスト
『騙し絵の牙』はめちゃくちゃ登場人物が多いです!
そのぶん、映画もキャストがかなり豪華になっています。
- 速水 輝:大泉洋
- 高野 恵:松岡茉優
- 矢沢 聖:宮沢氷魚
- 城島 咲:池田エライザ
- 郡司 一:斎藤工
- 伊庭惟高:中村倫也
- 柴崎真一:坪倉由幸
- 三村洋一:和田聰宏
- 宮藤和生:佐野史郎
- 謎の男:リリー・フランキー
- 高野 民:塚本晋也
- 二階堂大作:國村隼
- 江波百合子:木村佳乃
- 久谷ありさ:小林聡美
- 東松:佐藤浩市
小説と比べると役名がかなり変わっています。
また、(おそらくはキャスト合わせで)年齢などの設定が変わっているキャラも多いです。
公開日
2020年6月19日
※公開延期が発表されました(近日公開)
映画は小説と違う?
塩田さんの作風はエンタメというより社会派で、本作でも出版業界の抱える問題が大きなテーマになっていました。
一方の映画はエンタメを主軸にしているので、同じストーリーでも全体の印象は結構違うものになるだろうな、と予想しています。
『騙し絵の牙』は2018年本屋大賞にもノミネートした作品で、小説としてのおもしろさは折り紙付き。
特に出版や小説関係のリアルな話は本読みさんなら絶対に興味あると思うので、映画だけではなくぜひ原作もチェックしてみてください。
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雑誌でいえば『りぼん』『マーガレット』とかですね。
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