ラストに驚き

『護られなかった者たちへ』ネタバレ解説!結末の伏線を見逃すな!

中山七里『護られなかった者たちへ』を読みました!

最初にネタバレすると、結末にはあっと驚くどんでん返しが用意されています。

※中山七里作品だからね

  • 犯人は誰?
  • 犯行動機は?
  • どんでん返しって?

今回は『護られなかった者たちへ』がまるっとわかるネタバレ解説をお届けします!

結末の伏線は記事のなかにもこっそり入れているので、よかったら「あれ?」と怪しみながら読んでみてください。

ぱんだ
ぱんだ
いってみよう!

あらすじ

仙台市某所で発見された餓死死体。

遺体の状況は事件性をうかがわせるものだったが、担当刑事・笘篠誠一郎(とましのせいいちろう)は手がかりを一切つかめずにいた。

一方、その事件の数日前に出所していた利根勝久は過去のある出来事を探っていた。

罪と罰、正義と葛藤、さまざまな思いが交錯した先に導き出されるのは、切なすぎる真実。

(単行本帯のあらすじより)

ネタバレ

まずは事件の概要から見ていきましょう。

第一の事件

最初の被害者は福祉保健事務所の課長・三雲忠勝。

ざっくりいうと生活保護にかかわる仕事をしていた人物です。

発見された三雲の遺体はガムテープで拘束されていて、口も同様にガムテープでふさがれていました。

死因は餓死。

被害者は助けを呼ぶこともできず、ただ迫りくる《終わり》を待つことしかできませんでした。

考えてみれば、こんなに恐ろしい殺害方法はありません。

わざわざこんな方法を選んだくらいですから、犯人はよほど強い憎悪を三雲に対して抱いていたものと思われます。

ところが、です。

三雲は超がつくほどの《善人》でした。

妻の三雲尚美も、部下の円山菅生も、口を揃えて同じ証言をします。

「三雲が誰かから恨まれるはずはない」

第二の事件

二人目の被害者は県議会議員の城之内猛留(じょうのうちたける)

  • ガムテープで拘束された遺体
  • 人目のつかない場所に放置
  • 餓死

手口は前回とまったく同じ。

同一犯による犯行であることがうかがえます。

いや、手口だけではありません。

亡くなった城之内議員は、清廉潔白な議員として信望の厚い人物でした。

これまでスキャンダルは一切なし。

公私ともに真面目で堅物な性格だったといいます。

つまり、誰かから恨まれるはずのない人物だったということです。

笘篠は第一の事件の捜査にあたり「生活保護申請を却下された人間による犯行ではないか?」と考えました。

しかし、課長である三雲は窓口に出ず、書類に名前が載っているわけでもありません。

熱心に生活困窮者を救おうとする円山の仕事ぶりを目の当たりにした笘篠は、ますます三雲が誰にどんな恨みを買っていたのかわからなくなってしまいます。

容疑者・利根勝久

まずはこちら↓をご覧ください。

…………

既に一人目(三雲)は憎悪の犠牲となって飢餓と脱水症状の中で死んだ。

こいつ(城之内)が二人目だ。

この男の行状を考えれば、三雲忠勝よりも悲惨な死がふさわしい。

(中略)

とにかく彼の行動を探らなければ、と思った。

そのために模範囚になってまで刑期を短縮させたのだ。

自分自身の社会復帰など、所詮二の次三の次に過ぎなかった。

…………

これは刑務所を仮出所した利根勝久のモノローグです。

時系列としては第一の事件と第二の事件の間ですね。

わざわざ言うまでもないことですが、めっちゃ怪しいです。

ぱんだ
ぱんだ
いやいや、ミスリードでしょ?

はい。作者の中山七里先生は「どんでん返しの帝王」と呼ばれていて、結末で読者を裏切るストーリーが魅力です。

だから、わたしも思いました。

「こんなあからさまに怪しい利根が犯人なわけがない」と。

ところが、です。

そんな読者の偏見を裏切るかのように、物語は予想外の方向へと進んでいきます。

ぱんだ
ぱんだ
というと?

三雲忠勝と城之内猛留、二人の被害者には共通点がありました。

二人は八年前、塩釜福祉保健事務所で働いていた同僚(上司と部下)だったんです。

そして利根が刑務所に入っていたのは、三雲と城之内を殴り、塩釜福祉保健事務所に火をつけたからでした。

判決は懲役十年。模範囚だったので八年で仮釈放。放火はとても罪が重い。

では、あらためて整理してみましょう。

  • 利根は三雲と城之内に恨みがある
  • 三雲が犯人に拉致されたのは、利根が出所した直後

ここまで条件がそろってしまった以上、もはや利根が犯人であるとしか思われません。

ぱんだ
ぱんだ
じゃあ、どんでん返しないの?

いいえ。どんでん返しはきちんと用意されていました。

ただし、逆転するのは犯人ではなく《善悪の価値観》です。

利根の過去

まだ利根が刑務所に入る前のことです。

利根には血のつながらない家族がいました。

  • 独居老人の遠島けい
  • けいの近所に住んでいるカンちゃん(中学生)

ヤクザにリンチされそうになっていた利根を、けいが助けたのが出会いでした。

けいは年齢を感じさせないシャンとした老人で、前科のある利根にも分け隔てなく接しました。

怪我の手当てをして、温かい食事も与えて……。

ろくでなしの両親から捨てられた利根にとって、それは初めて感じる《家族の温かさ》でした。

それから、利根はけいの家に出入りするようになります。

カンちゃんと遊んで、けいと食卓を囲んで……。

けいの家は、どこにも居場所のなかった利根がようやく見つけた心安らげる場所でした。

こんなこともありました。

ヤクザに借金という弱みを握られた利根が、八方ふさがりでもう言われるがまま組員になるしかない、という状況でした。

けいはヤクザのいる事務所に乗り込み、言いました。

「息子をヤクザにするのだけは勘弁してください」

最初は土下座。

それでダメだと悟ると、けいは自分の首に刃物を当てて「ここで死んでやる」と脅しさえしました。

血のつながりのない利根のために、です。

最後にはけいの気迫が勝ち、利根は人として道を踏み外さずにすみました。

そんな日々のなか、けいの貯金が底をつきました。

けいは息子夫婦と孫を事故で失っていて、天涯孤独の身です。

年金も受給しておらず、それまでは貯金を切り崩すことで細々と生活していました。

けいの性格上、金銭的な問題で誰かを頼ることなんて考えられません。

満足に食べることのできなくなったけいはみるみるうちにやせ細り、活力に満ちていた顔も栄養失調により紫色になっていきました。

「生活保護を受けろ」

恥ずかしい、申し訳ない、と乗り気ではないけいに、利根は語気を荒げて言いました。

「あんたに死んでほしくないんだよ! 本当の母親みたいに思っているから!

利根の熱意に押し切られるようにして、けいはようやく福祉保健事務所に出向きます。

しかし……

 

窓口で断られたんだよお! そんなに簡単に社会保障に頼るなって」

 

そんな馬鹿な、と利根は思いました。

何かの間違いだろうと思ってけいと一緒にもう一度福祉保健事務所を訪れました。

しかし、結果は同じ。

窓口の三雲忠勝は「けいには大阪に弟がいるから」の一点張りで、申請を受けようとしません。

けいの弟が二十年前から音信不通になっていることも、

けいが最低限の飲み食いすらできていないことも、

すべて知っているのに、です。

国が生活保護の予算を削減した影響で、福祉保健事務所は「生活保護世帯を増やさないこと」に躍起になって取り組んでいました。

理不尽な言いがかりをつけて生活保護申請を通さないことが、彼らの仕事だったのです。

そうして、遠島けいは亡くなりました。

死因は餓死。

けいの胃からは、ひもじさから口に入れたティッシュペーパーが山ほど出てきた、と利根は警察官から聞かされました。

もし、生活保護が受給されていれば……。

利根は塩釜福祉保健事務所の担当者を恨みました。

  • 窓口だった三雲
  • 課長だった城之内

しかし、彼らを罪に問うことはできません。

利根は衝動のままに福祉保健事務所に乗り込み、三雲と城之内を殴りました。

その日の夜には、復讐として建物に火を放ちました。

これが、利根勝久が八年も刑務所で過ごすことになった経緯です。

――罪には罰を。

利根の復讐はもちろん認められるものではありませんが、かといって共感できないものでもありませんでした。

刑事の笘篠は捜査のなかで福祉保健事務所が不条理な理由で支援が必要な申請者を切り捨てている事実を知ります。

周囲の人物評とは裏腹に、切り捨てられた人々はみな三雲のことを血も涙もない冷血漢だと罵っていました。

逮捕

復讐の対象者はもう一人いました。

当時、塩釜福祉保健事務所の所長だった上崎岳大(たけひろ)

フィリピン旅行から帰国する上崎を、利根は仙台空港で待ち構えます。

空港のあちこちに私服警官が紛れ込んでいることには、もちろん気づいていました。

一方、刑事の笘篠は焦っていました。

二百人からなる警官隊を空港に配備しているのに、利根を見つけられずにいたからです。

利根はもう空港の中にいる、と笘篠の勘がささやきます。

なぜ、見つけられない……?

利根は警察の目を欺くため、女装して空港に潜んでいました。

利根の思惑通り、「犯人は男性である」という先入観が多くの警官の目を曇らせました。

ただし、笘篠を除いて。

「まさか女装までしてくるとはな。お陰で全員が見落としていた」

利根勝久、逮捕。

利根は最後まで抵抗をやめませんでした。

「俺が三雲や城之内を殺したっていうブツでもあるのか。令状はあるのか。そうじゃなきゃ違法捜査みたいなもんだ。俺を今すぐ解放しろ。俺は上崎が帰国するまで、空港に張ってなきゃいけないんだ!」

署に戻ると、笘篠はさっそく利根の取り調べにかかりました。

利根「俺はやっていない」

今さらすぎる否認に、笘篠はため息をつきます。

まだ物証こそないものの、科学捜査が決定的な証拠を見つけ出すのは時間の問題でした。

長年刑務所にいた利根は科学捜査の進歩を甘く見ているに違いない。

その程度にしか、思っていませんでした。

しかし……

↓以下、小説より一部抜粋

…………

(上崎を)殺す気なんてない。確かにあの三人はけいさんの仇だ。だけど殺す手前で踏みとどまった。だから人気のなくなった福祉保健事務所も火をつけるだけでやめたんだ」

「嘘を吐け。三人に手を下す前に逮捕され、恨みを抱いたまま収監された。八年間、模範囚として過ごしたのは、一刻も早く仮出所して今度こそ三人を亡き者にするためだったんだろう」

「違う」

「違わないさ。その証拠についさっきまで空港で上崎を待ち構えていたじゃないか。わざわざ女装までしてな。何気なく上崎に近づき、どこかへ拉致して他の二人と同様、飲まず食わずで放置しておくつもりだったんだろう」

「逆だ。俺は上篠を護ろうとしていたんだ」

思わず笘篠は蓮田(部下)と顔を見合わせた。

護る? 今、上崎を護ると言ったのか。

「出所してしばらくして三雲と城之内が殺されたのをニュースで知った。あの二人が殺されたのなら、次は上崎だというのはわかっていた。空港に行ったのだって、あいつを襲うつもりじゃなかった。空港にはあんたたちが張っていると思ったから変装したまでだ」

笘篠が口を開きかけたその時、取調室に別の刑事が飛び込んできた。

「大変です。上崎が姿をくらませました」

(中略)

「上崎を見失ったんだろ」

「お前はこれを予測していたのか」

「そうだよ。空港に行ったのも、こうならないように先手を打つつもりだった」

笘篠は向き直り、利根を直視した。

嘘を言っているような目にはとても見えなかった。

「もう一度訊く。三雲と城之内を殺ったのはお前なのか」

「くどい。俺じゃない。二人の死体が発見された場所はニュースで知ったけど、あそこには一度だって足を踏み入れたことがない。俺の髪の毛や足跡なんて採取されるはずがない」

さも当然と言わんばかりの物言いに引っかかりを覚えた。

「お前、一連の事件の真相に気づいているんだな」

真犯人

というわけで、利根は犯人ではありません。

今回もしっかり「どんでん返し」が用意されていました。

真犯人はすでにこの記事のなかで名前が挙がっている人物です。

ぱんだ
ぱんだ
もしかして……

はい。みなさんも、もうお気づきかと思います。

  • 三雲
  • 城之内
  • 上崎

この三人を狙っている以上、犯人の狙いはやはり遠島けいの復讐だと考えられます。

もし利根が犯人でないのなら、そんな犯行動機を抱く人物は一人しかいません。

そう……

 

真犯人はカンちゃんです。

 

カンちゃんは利根の弟分のような存在であり、いわば彼もけいの「息子(孫?)」でした。

利根のようにトラブルを起こしたわけではないので記録にこそ残っていませんでしたが、その恨みは利根に勝るとも劣らなかったはずです。

わたしもそうですが、メタっぽく読む人はカンちゃんが犯人だとすぐ気づいたはずです。

過去回想にわざわざカンちゃんという登場人物を入れたにしては、その後一切登場しませんでしたからね。

結末

物語のラスト。

カンちゃんが上崎を拉致した場所は、今や無人になった遠島けいの家でした。

縛り上げた上崎に刃物を突きつけるカンちゃんはまさに一触即発といった雰囲気。

うかつに踏み込もうものなら、後先考えずに上崎に刃を突き立てそうな、危険な状況です。

「カンちゃん。俺だ、勝久だ」

「……勝久兄ちゃん」

カンちゃんは利根の言葉に耳を貸すものの、上崎に突きつけた刃を引こうとはしません。

そんな弟分に、利根は……

↓以下、小説より一部抜粋

…………

「寝室の方向にぼろぼろになった襖(ふすま)があるだろ? そこにけいさんの遺言がある。死ぬ間際、擦れたマジックでやっと書いたらしい。明かりがあるなら読んでみろ」

返事が途絶え、やがて呻くような声が聞こえた。

「勝久兄ちゃん……あったよ……これ、本当にけいさんの字だ……」

「読めったら読め!」

「……いい子で……いなさい。ひ、人に、迷惑をかけないように……」

「けいさんの遺言だ。お前なら守れるよな?」

…………

他ならぬけいの遺言であれば、従わないわけにはいきません。

カンちゃんは上崎を解放して自首しました。

さて、ではここで最後の謎です。

この「カンちゃん」とはいったい誰のことだったのでしょうか?

最後のどんでん返し

そもそも「カンちゃん」という表記に違和感を覚えるべきだったんです。

「カンちゃん」とあだ名で書かれていたのは、本名を隠すための伏線でした。

最後の最後に読者を驚かせる「カンちゃん」の正体、それは……

 

円山菅生(まるやますがお)です。

 

ぱんだ
ぱんだ
……誰?

はい。わざとあっさり書いたので印象が薄かったと思います。

円山は「三雲課長が誰かの恨みを買うはずがない」と証言していた福祉保健事務所の人間(部下)です。

作中では

  • まだ経験の浅い新人職員
  • 使命感を持っていて、仕事に熱心

そんな人物として描かれていました。

回想でカンちゃんは「幼く見えるけれど中学生」だと書かれていました。

八年前に中学生だったとすれば、現在は二十代前半。

年齢的にも円山と一致します。

一応補足すると「菅生(すがお)」が転じて「菅(カン)ちゃん」になっていたわけですね。

以下は、逮捕された円山に笘篠が問いかけるシーンです。

↓小説より一部抜粋

…………

「一つ教えてくれ。あなたが福祉保健事務所に就職したのも全部復讐のためだったのか」

「違いますよ。採用された任地に、たまたま三雲がいただけの話です。でも三雲はわたしの顔も名前も知りませんでした」

円山は寂しそうに笑う。

三雲は周囲から善人と親しまれていましたが、以前のままだったんです。わたしが、どうしても生活保護が必要だと判断した申請を、三雲は予算不足のひと言で却下することがよくありました。本当に、何も変わっていなかったんですよ。わたしも福祉行政の仕組みや現状は分かっていますが、三雲たちはあまりにも申請者一人一人の顔を見ていませんでした。復讐を実行しようとしたのはそれがきっかけです。福祉保健事務所の職員ならOBである城之内や上崎の個人情報も割と簡単に入手できましたからね」

円山は少し得意げにしゃべった後、不意に表情を引き締めた。

「でも信じてください。わたしはもう二度とけいさんみたいな、社会保障システムの犠牲者を作りたくなかった。だから懸命に勉強して福祉保健事務所の職員を目指しました。それは本当です」

円山の仕事ぶりはこの目で見ている。

信じない訳にはいかなかった。

護られなかった者たちへ

タイトルの「護られなかった者たちへ」というフレーズは、円山が逮捕前にSNSに投稿していた文章の書き出しでもあります。

原文はちょっと長いので、重要なところを抜き出しながら紹介したいと思います。

…………

護られなかった人たちへ。

わたしは青葉区福祉保健事務所保護第一課に勤める円山菅生という者です。

(中略)

現在の社会保障システムでは生活保護の仕組みが十全とはとても言えません。

人員と予算の不足、そして何より支給される側の意識が成熟していないからです。

不正受給の多発もそれと無関係ではありません。

声の大きい者、強面のする者が生活保護費をかすめ取り、昔かたぎで遠慮や自立が美徳だと教え込まれた人が今日の食費にも事欠いている。

それが今の日本の現状です。

そして不公平を是正するはずの福祉保健事務所職員の力はあまりに微力なのです。

(中略)

護られなかった人たちへ。

どうか声をあげてください。

恥を忍んでおらず、肉親に、近隣に、可能な環境であればネットに向かって辛さを吐き出してください。

(中略)

あなたは決して一人ぼっちではありません。

もう一度、いや何度でも勇気を持って声をあげてください。

不埒な者が上げる声よりも、もっと大きく、もっと図太く。

…………

円山が逮捕されたことにより事件は終結しました。

この「護られなかった人たちへ」と題されたメッセージは広く拡散され、世間に一石を投じる結果になった、というところで物語は締めくくられました。

感想

まずは、ミステリーとして素直におもしろかったです。

終盤まで利根が犯人だと思い込ませてからの、

  • 犯人はカンちゃんだった
  • カンちゃんは円山菅生だった

というダブルのどんでん返し!

さすが《帝王》は期待を裏切りません。

正直、「カンちゃんが怪しいな」とは思っていたのですが、その正体が円山であることにはギリギリまで気づけませんでした。

※隙を生じぬ二段構え!

円山には「使命感を持って現場で働く若者」という役割が与えられていていました。

物語で生活保護の闇を取り上げる以上、

「でも、円山みたいにちゃんとした人もいるんだよ」

という描写も必要であるように思われます。

円山の役割はまさにそれだと思っていたので、まさかさらに真犯人という役割まであるとは予想外でした。

中山七里作品ということで読み始めるときから「結末のどんでん返し」を期待していたのですが、とても満足しました。

ぱんだ
ぱんだ
次!

『護られなかった者たちへ』のテーマは生活保護を巡る社会問題。

物語という親しみやすい形式のおかげで、

  • 今、何が起こっているのか?
  • 何が問題なのか?

といった知識がスッと染み込むように理解できました。

特に登場人物の口から直接語られる言葉にはフィクションとは思えない実感がこもっていて、印象深かったです。

いくつか紹介しましょう。

櫛谷(利根の保護司)のセリフ

「社会貢献なり社会保障は不景気の時ならば余計に機能しなきゃいかん。景気が良くなるときには富裕層から恩恵を受けるが、不景気の時は逆に低所得の人間から割を食う。

景気なんて軽々しく言うが、その影響で下層の人間は冗談でもなんでもなく死んでしまう。

いったい何のための社会保障なのかね。そんな事態に機能しないような社会保障なんぞ、絵に描いた餅にすぎない」

利根のモノローグ

みすみす再犯するような囚人を養うのも、声の小さな貧者に出し渋るのも同じ税金だ。

法律と歪んだ信条が護るに値しない物を護り、護らなければならない者を見て見ぬふりしている』

ぱんだ
ぱんだ
これは……

もちろんこの小説に書かれていることがすべてじゃないし、絶対的に正しいことでもないでしょう。

それでも問題を考えるきっかけになるという点で、啓蒙的な、そして有意義な一冊だと思いました。

ぱんだ
ぱんだ
いいねしてね!

実は同様のテーマを取り上げている小説は少なくありません。

たとえばこれ↓もそうです。

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まとめ

今回は中山七里『護られなかった者たちへ』のネタバレ解説をお届けしました!

では、最後にまとめです。

3行まとめ
  • 利根は犯人ではなかった
  • 真犯人は円山菅生
  • 生活保護を巡る問題がよくわかる一冊

テーマを重く感じるかもしれませんが、ふつうにミステリ小説としておもしろかったです。

 

映画情報

キャスト

キャスト役名
佐藤健利根泰久
阿部寛笘篠誠一郎
清原果耶円山幹子
倍賞美津子遠島けい
吉岡秀隆上崎岳大
林遣都蓮田智彦

利根の名前がちょっと変わっているほか、円山が女性に変更されていますね。

小説だと刑事の笘篠(阿部寛)の出番がいちばん多かったのですが、映画では利根(佐藤健)が主人公ということで、どうなるか楽しみです。

公開日

2020年公開予定

ぱんだ
ぱんだ
またね!


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POSTED COMMENT

  1. Kou より:

    切ない!
    犯罪は許されるモンじゃないが、カンちゃんの言った事、思わず涙が…!!!

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