ラストに驚き 記事内にPRを含む場合があります

乾くるみ「リピート」ネタバレ解説!ドラマと原作は全然違う!

今回は、乾くるみ「リピート」のネタバレ解説!

ドラマでは原作小説と比べて設定が変わっている部分も多いので、その点についても解説していきたいと思います。

ネタバレ解説

あらすじ

すべての始まりは一本の電話からだった。

地震予知をピタリと的中させた男は未来から来たのだと語る。

『リピート』

それは現在の記憶を保持したまま、精神だけ過去の自分の肉体の中に戻る時間旅行(タイムリープ)

その経験者である風間は9人の同行者(ゲスト)を勧誘し、再び『リピート』を実行する。

ほとんどのゲストは半信半疑だったが、果たして『リピート』は成功した。

辿りついた先は10カ月前の1月13日。

トラブルを回避するもよし、競馬で大儲けするもよし。

「人生のやり直し」に大喜びするゲストたちだったが、次第に雲行きが怪しくなってくる。

1人、また1人と『リピーター』が亡くなっていくのだ。

これは何者かによる犯行なのか、それとも超常現象を利用した者に科せられた罰なのか。

『リピート』の裏に隠された驚きの真実とは…!?

 


 

解説1:『リピート』について

使用方法:特定の空中に出現する『次元の裂け目(黒いオーロラ)に入ることで過去へと戻れる。風間が操縦するヘリコプターで乗り込む。

日時:『次元の裂け目』が出現するのは10月30日。行き先は同じ年の1月13日。リピート後も10月30日になれば、また1月に戻ることが可能。

注意事項:持っていけるのは「未来の記憶」だけ。モノは過去に持っていけない。

回数:風間にとって、今回は10回目のリピート。この世界を「R10(アール10)」と呼ぶ。前の世界は「R9」。リピートを繰り返すことで事実上の不老不死が実現する。ただし、風間は同じ人物を複数回リピートさせる気はないと宣言している。

 

【バタフライ効果】

リピート後の世界では、基本的に前の世界と同じことが起こる。

ただし、そのすべてが同じというわけではない。

リピーターの行動が変わるためだ。

リピーターが前の世界と大きく違う行動をとれば、身の回りで起こる出来事ももちろん大きく変わってくる。

また、あまり行動を変えなかったとしても、極端な話、息づかいが前の世界と変わったというだけで変化は起こる。

まるで湖面に投げ入れた小石が大きな波紋を呼ぶように、小さな変化は大きな結果の違いを生み出す(バタフライ効果)

最悪の場合、ささいな行動の変化が連鎖的に作用して、リピーターの身に危険が及ぶ可能性も十分に考えられる。

 


 

解説2:登場人物とその運命

※ドラマ版では一部設定が変わっています(後述)。この項では原作小説版に準拠します。

 

・毛利圭介…主人公。大学4年生。3月に彼女だった由子と別れた。リピート後は鮎美と付き合い始める。

・篠崎鮎美…23歳の会社員。リピート後の世界で圭介の恋人になる。リピーターの中では唯一の女性。

・天童太郎…シナリオライター。(株)天童企画の代表。長身でいつも真っ黒なスーツに身を包んでいる。ゲストの中で最も頭が切れる男。

・高橋…ヤンキー風のトラックドライバー。リピート時に運転中だったため、交通事故を起こして帰らぬ人に(1人目)

・横沢…小太りの会社員。家が放火され、命を失う(2人目)

・坪井…最年少の浪人生。再受験のためリピートした。部屋で首を吊っているところを発見される(3人目)

・郷原…最年長の上場企業社長。白昼の通り魔の犠牲となり息を引き取る(4人目)

・大森…研究者。リピートに懐疑的。

・池田…ゴルフのレッスンプロ。

・風間…本職はヘリの操縦士。すでに10回も『リピート』を繰り返している。最初に『リピート』を発見したのは偶然から。以来、「幸せのおすそ分け」のために9人のゲストを『リピート』に招待するようになった。9人という人数はヘリの定員。ゲストはランダムな電話番号にかけて選んだと説明した。最初は今のゲストを次の『リピート』には連れていかないと明言していたが、連続してゲストが亡くなり始めたことを受けて前言を撤回した(希望者は次の『リピート』にも参加できるように)

 

・町田由子…圭介の元カノ。わがままな性格で、3月にこっぴどく圭介を振った。リピート後の世界では圭介の方から別れを切り出され、ストーカー化する。

 


 

解説3:圭介に迫る究極の2択

一番重要なネタバレの前にもう一つだけ。

リピート後の世界で、主人公である圭介はかなり追い詰められた状況に陥ってしまいます。

その内容はこちら。

・ストーカー化した由子がリピートの秘密を(一部)知ってしまう。気がつけば圭介は由子の首に手をかけ、息の根を止めていた(亡骸は天童が処理)

・鮎美が妊娠する。子供の存在を消さないために鮎美は「R11」へのリピートを拒否。圭介にも「R10」に残るよう訴えてくる。

つまり、究極の2択とは「もう一度リピートするかどうか」

・「R11」へ行けば由子の件で罪に問われなくなるが、鮎美との関係も白紙になってしまう。

・「R10」に残れば鮎美と一緒にいられるが、いつ由子のことが露見するともわからない。

圭介としては「鮎美のことは愛しているけれども、R11に行くしかない」というのが本音なのですが、まだ迷っているところ。

そんな中、ついにクライマックスが訪れ、『リピート』の全貌が明らかになります。

 

次はいよいよ事件の核心について!

 


 

解説4:『リピート』と連続事件の真実

まず、ひとつ。

実は『リピート』を繰り返していたのは風間だけではありませんでした。

風間と同じく「R0(≒最初)」から『リピート』を繰り返していた人物…その正体は池田。

池田は他のゲストと同じ初心者のふりをして、内側からリピーターの動向を観察していたのです。

では、その目的は?

風間と池田の目的は『退屈しのぎ』

繰り返される10カ月に飽き飽きした2人が退屈しのぎに始めたのが「ゲストを招いてのリピート」だったのです。

もう少し説明を続けますね。

風間と池田が思いついたのは、とある『ゲーム』でした。

名づけるなら『生き残りゲーム』

今回を例にとれば『本来ならR9で命を落とす運命だった人間がR10でどうなるか?』という過程を2人は楽しんでいたのです。

 

【リピートの真実】

つまり、ゲストに選ばれたのは全員「1月13日から10月30日までの間に命を落とす運命だった人間」だったのです。

「R7」でも「R8」でも、(池田と風間を除く)圭介たち8人は何らかの要因によって亡くなっていました。

例えば圭介の場合なら「由子に刺されて死亡」

本来の人生では、圭介は由子から新しく出会った別の女性(アユミ)に乗り換えます(アユミと鮎美は別人)

それを憎んだ由子の手によって圭介の人生は終了するはずだったのです。

ところが、ひとつ前の世界(R9)ではそうならなかった。

風間たちが圭介とアユミが出会わないように手を加えていたからです。

※今の圭介が憶えているのは「R9」での記憶だけ。「R10」でアユミに出会ったときは初対面だと認識しています。

「R10」で圭介はアユミではなく鮎美に乗り換えたわけですが、相手が変わったことは大した問題ではありません。

あの日、由子はバッグに包丁を忍ばせていました。

「R10」でも、圭介は由子に刺されて本来の運命をたどるはずだったのです。

ところが、圭介は偶然にも先に由子の息の根を止めてしまった。

つまり、圭介は気がつかないうちに「生き残りゲーム」の勝者になっていたのです。

高橋の件は偶然の事故だったとして、横沢・坪井・郷原の3人が亡くなったのは「本来、そういう運命だったから」

※ちなみに坪井は自ら首を吊ったのではなく実は他殺。

風間が何度も「みなさんの安全のため、できるだけ前と同じ生活を送るよう心掛けてください」と注意していたのもこのためで、本来の運命をたどる「敗者」の末路を楽しむつもりだったのです。

なお、天童はこのカラクリに気づき風間に申告したため「ゲームの勝者」となっています。

 

【究極の2択の答え】

残るゲストは2人。大森と鮎美だけ。

リピートの謎解きを聞かされたあと、圭介は再び究極の2択を迫られました。

鮎美を見捨てて「R11」に行くか、鮎美を助けて「R10」に残るか

鮎美の寿命は残り20分。

もうすぐ飛び立つヘリが篠崎家に落ち、両親もろとも鮎美の命を奪う未来が訪れます。

今なら簡単に運命を変えられる…でも、そうしたら由子の件の罪をなかったことにはできない。

圭介は時間いっぱいまで悩んだあげく、鮎美の家に電話を入れました。

「鮎美は会社に出ていますよ」

鮎美が自力で運命を変えたと思った圭介は(鮎美をR11に行かせるためにも)鮎美の両親を助けず、事態を静観することに。

事故の瞬間。

運命通りヘリは篠崎家に墜落し、鮎美の両親と…体調不良で会社から帰ってきていた鮎美の命を奪っていきました。

これで圭介に残された道は1つだけ。

何が何でも「R11」に行くしかありません。

 


 

物語の結末

この後、まず大森と風間が命を落として脱落します。

※疑心暗鬼に陥った大森が風間を銃で撃ち、その場に居合わせた池田が高層階マンションから大森を落とした、という事件が発生

これにより、生き残ったリピーターは圭介、天童、池田の3人に。

天童は圭介と組んで池田への復讐を計画。

池田から「次元の裂け目」の位置を聞き出した後、「R10」の世界に置いていくことにしました。

 

そして、リピート当日。

結局、どうなったかというと…

・天童、予定通り「次元の裂け目」の位置を聞き出すと、ピストルで脅して池田をヘリから降ろす(ヘリの操縦は天童)

・天童、池田を撃つ。圭介をヘリに乗せようとする。

・しかし、池田もピストルを持っており、天童と、ヘリに乗り込もうとしていた圭介を撃つ。

・なんとか天童と圭介の2人だけでヘリに乗り込んで飛び立つ。

・池田に胸を撃ち抜かれていた天童が絶命。

・圭介、なんとかヘリを操縦し、次元の裂け目に飛び込む。

というわけで「R11」へのリピートに成功したのは圭介ただ一人だけ!

とはいえ、そのまま圭介の1人勝ちで幕引きになるかというと…そうは問屋が卸しません。

 

ただ1人だけリピートに成功した圭介でしたが、リピート直後に交通事故に遭ってしまいます。

そこで圭介の人生は終了。

まさに「そして、誰もいなくなった」な結末で小説「リピート」の物語は終幕を迎えました。

 


 

まとめ

・黒幕は風間と池田。リピーターが次々に亡くなる連続事件は「ゲスト8人が生き残れるかどうか?」を楽しむためのゲーム(暇つぶし)だった。

・ゲストに選ばれたのは「本来、命を落とす運命にある人々」だった。

・結末は全滅エンド。圭介だけは再リピートに成功するも、リピート直後に車にはねられて絶命した。

乾くるみ「リピート」あらすじネタバレ!犯人や小説の結末は?乾くるみ「リピート」は「タイムリープ(精神だけが過去の自分の中に戻る現象)+謎の連続殺人事件」が物語の軸になっているSFミステリーです。...

 

ドラマと小説の違いは?

私は小説「リピート」読了後にドラマ「リピート」の公式サイトを見たのですが、「えっ!?」とビックリしてしまいました。

職業・年齢・性別…登場人物の設定が原作と違い過ぎていたからです。

その中でも特に大きな変化は以下の3点。

  • 主人公が鮎美になっていること
  • 重要な登場人物である池田がいないこと
  • 新キャラ(鮎美の彼氏である久瀬)がいること

鮎美は彼氏との結婚を考えつつ、(原作通り)圭介に惹かれていくということですが…いや、あなたラストまで生き残ってないですよね?

この時点でドラマの物語が原作とは大きく違うとわかります。

ドラマ化で変わった設定

・鮎美…年齢が23歳から33歳に。職業が会社員から図書館司書に。原作には登場しない彼氏がいる。

・天童…年齢がやや上がった。職業がシナリオライターからカフェオーナーに。性格も真逆に変更。全国の天童ファンを敵に回す謎キャスト(個人の感想です)

・横沢…小太りなおっさんから専業主婦に変更。

・郷原…社長から貧乏サラリーマンに変更。

・大森…男性から女性に変更。ドラマ版では主要人物に格上げ。

 

圭介には大きな変更は見られないものの、主役級の鮎美と天童の設定は大変更!

特に「頼れるミステリアスな伊達男」というイメージだった天童のキャラ変更はショックでした。

もっと…もっと天童はカッコいいのに…!

ディーンフジオカさんあたりで「実写版・天童」が見たかったです…。

 


 

まとめ

乾くるみ「リピート」がドラマ化!

今回は原作小説のネタバレ解説やドラマ版との差異などをお届けしました!

ちなみに小説「リピート」は、乾くるみさんの作品群の中で「タロットシリーズ」と呼ばれているシリーズの中の3作目。

タロットシリーズにはそれぞれモチーフとなるタロットがあり、共通して「天童太郎」という人物が登場します。

「リピート」のモチーフは「運命」

シリーズ2作目である「イニシエーションラブ」のモチーフは「恋人」ですね。

4作目の「セカンド・ラブ(女教皇)」や5作目の「嫉妬事件(女帝)」も面白いのでおススメですよ!

ドラマ『リピート』の配信は?

リピート
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Hulu
FOD×

※配信情報は2020年6月時点のものです。最新の配信状況は各サイトにてご確認ください。

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