「本格ミステリでありながら警察小説のおもしろさも兼ね合わせている」という前評判に裏切りなし!
読み進めていくと「どんでん返し」の連続に驚き、読み終えたときには伏線の張り巡らせ方や構成の上手さに脱帽!
今回はドラマ化もされた小説「石の繭」のネタバレ解説をお届けします!
真犯人や結末は!?
「石の繭」のネタバレ
主人公・如月塔子は警視庁捜査一課の新人刑事。童顔で身長は152㎝。
刑事だった亡き父の遺志を継ぎ警察に入った。
物語はある「猟奇事件」の発生からスタートする。
廃屋の地下室で発見された遺体は「首から下がモルタル(≒コンクリート)で固められていた」
明らかに異様な状況だ。
直ちに最寄りの警察署に「特捜本部」が設置され、塔子たち「捜査一課11係」も捜査に加わることに。
すると捜査会議中に、なんと事件の犯人から直接電話がかかってきた!
犯人は「トレミー」と名乗り、電話の相手に塔子を指名。
こうして塔子たち「警察組織」と犯人「トレミー」の戦いが始まった。
捜査2日目
特捜本部からほど近い行きつけの居酒屋「大辺屋」で息抜き兼チーム内会議を開いたりしながら、事件の1日目が終わった。
翌朝、2日目の朝の捜査会議。
またしてもトレミーから塔子に電話がかかってきた。
「いいかい、事件はまだ終わらないよ。第2幕がある」――犯行予告!
塔子と、塔子を指導する相方の鷹野はコンビを組み、まずは第一の被害者である伊沢の周辺を探ることに。
伊沢の経営する店からは「トレミー」からの手紙が発見された。同封されていた写真には人骨らしきものが写っている。
「被害者・伊沢は過去に何らかの事件に関与していた?」
第2の被害者についてはまだ何も分からない。
捜査3日目
捜査3日目。朝の捜査会議にはやはりトレミーからの電話がかかってきた。
トレミーはすでに2人目の被害者をつかまえていると言い、情報と引き換えに警察に取引を迫る。
「2人の被害者は過去に重大な事件を起こした犯人だったと公表しろ」
特捜本部はひとまず条件をのみ、第2の被害者の現在地に関するヒントを得る。
現場に急行した塔子と鷹野は、廃屋となった中華料理店の店内で第2の被害者を発見。
今度の被害者は「首から上」がモルタルで固められていた。
被害者の名前は阿部。過去に「略取誘拐事件」の参考人になったことがある人物だ。
昭島母子誘拐事件
「昭島母子誘拐事件」
それが過去に阿部が参考人として調べられた、今もって未解決な事件の名称だった。
17年前に起きたその事件では、身代金目的に母子が誘拐されたものの、警察捜査員が運悪く犯人と接触してしまい取引は失敗。
結局、誘拐された母親はこの世を去り、息子は命こそ助かったものの重傷。
息子は足の骨を折り、2日間飢えと渇きに苦しんだ末に運よく助けられたという。
その後、一家の父親である八木沼孝明は屋上から身を投げて絶命。
当時6歳だった息子・八木沼雅人は伯母夫婦に当たる浜田家に引き取られた。
確認してみたところ、八木沼雅人は現在行方不明。
「トレミーは八木沼雅人だ。伊沢と阿部は誘拐事件の犯人だったのだろう。」
一連の事件の裏が見えてきた。
捜査会議の後、塔子は17年前の事件を知る幹部・神谷に呼び止められた。
「17年前の事件で運悪く犯人と接触した捜査員は、如月功。君のお父さんだ」
神谷は「気にするな」というが、塔子は複雑な心境だった。
捜査4日目
捜査4日目。朝の捜査会議でトレミーは「第3の被害者が出る」と予告し電話を切った。
昭島母子誘拐事件の犯人は2人組だったはずだ!
塔子と鷹野は八木沼雅人の周辺を調べることになった。
…どうやらトレミーは相当前から「復讐」の準備を進めてきたようだ。
雅人は意図的に自らの写真が残らないように工夫し、高校の卒業アルバムでさえ「長髪で人相がわからない」状態で写っていた。
そして、やはり「誘拐事件」には3人目の犯人がいたようだ。
そんな中、塔子と鷹野は「父親・八木沼孝明の投身」に不審な点を発見する。
「もしかして、父親は誰かに突き落とされたのではないか」
…事件の結末が迫っていた。
捜査5日目
捜査5日目。トレミーからの電話に塔子が応答する。
「ゲームをしようか、如月」
トレミーは「八王子署の管轄内に第3の被害者がいる。昼の12時までに見つけ出せば助かる」と言ってきた。
刻限まであと3時間強しかない。
すぐに塔子と鷹野は現場に急行した。途中、トレミーから受けたヒントの1つが解明されたと電話がかかってくる。
「トレミー工法。それが奴の名の由来だ」
トレミー工法とは管を使って水底にセメントを固める工法だという。
第1、第2の被害者が「モルタル」を使って絶命させられていたことを思い出す。
「おそらく、雅人の母親はトレミー工法をつかって遺体を処理されたのだ」
…刻限が迫る中、捜査員たちは第3の被害者を探し当てることが出来ずにいた。
するとトレミーからヒントの電話がかかってくる。
ヒントを元に、現場が「美山採石場」だと推測し急行する塔子と鷹野。
果たしてそこは、トレミーから送られた写真に写っていた場所…雅人と母親が17年前に閉じ込められていた場所だった。
雅人の母親がセメントで水底に固められていた跡もある。
しかし、肝心の被害者の姿がない!
続々と応援が到着する中、塔子に電話が入る「雅人はテロ組織から爆薬を購入していたようだ」
爆薬…数日前に、バス会社の倉庫が深夜に爆発した事件を思い出す。
――予行演習!?
「みんな逃げて!」
塔子が叫ぶや否や、爆音が響き渡る!
大勢の捜査員を巻き込んで、廃工場は倒壊した。
第3の被害者は「17年前に事件を解決できなかった無能な警察」だったのだ。
犯人と結末
重軽傷者十数名。幸い塔子も軽傷で済んだが、この日は家に帰って休みように命令が下った。
母親に帰宅する旨をメールで伝達し、頼まれた牛乳を買って帰る塔子。
「ただいま。…お母さんっ!?」
目の前には手足を縛られ転がされている母の姿があった。
「ようこそ、俺のアジトへ」
スタンガンを押し付けられ、塔子は倒れ伏した。
塔子を縛り上げると、トレミー…八木沼雅人は語り始める。
全ては入念に計画されていて、如月功の娘である塔子は最初からトレミーのターゲットだったという。
そのためトレミーは事件を起こすタイミングを計り、特捜本部に泊まり込む塔子の隙をついて塔子の家に潜り込んでいた…。
しかし、どうしてトレミーは警察の捜査状況を把握し続けることができていたのか?
塔子はトレミーこと雅人の真の正体に気付く。
「あなた、大辺屋の横井さんでしょう?」
塔子たちは毎日のように、警察OBが経営する居酒屋「大辺屋」の隠れ座敷で会議をしていた。
しかし、そこで働いていたアルバイトの横井にとっては聞き耳を立てることは容易い。
トレミーがわざわざ新橋周辺で事件を起こしたのは、大辺屋から近い警察署に特捜本部を設置させるため。
事件が決まって深夜に起こり、電話が決まって朝にかかってきていたのは「横井が夜は大辺屋でバイトをしていたから」
…一通りネタバラしを終えたトレミーは宣告する。
「どうしてここまで話したと思う?お前たちはすぐにこの世からいなくなるからだ」
トレミーはリビングから出て、風呂にモルタルを練りに行った。
このままでは2人とも命はない。
塔子は足を固定させられていたが、手の戒めを解き物干しポールを使ってブレイカ―を落とした。
暗闇の中、慌てて戻ってきたトレミーの腕には塔子から巻き上げた父の形見の時計…「暗闇でも見やすい蓄光腕時計」が光っている。
消火器でトレミーに殴りかかる塔子。
揉みあいの末、塔子が絶体絶命かと思われたが、塔子の母や落ちたスタンガンを拾いトレミーに電撃を見舞う。
助かった…!
「大丈夫か、如月!?」自力で真相に到達した鷹野達チームも到着し、事件は結末を迎える。
雅人の真実
八木沼雅人は逮捕された。
明かされなかった謎も次第に解けていく。
「第3の被害者」は「無能な警察」だったわけだが、では、「3人目の誘拐犯」は誰だったのか?
雅人と母親を誘拐した犯人グループの3人目は、なんと八木沼孝明だった。
孝明は金が入用で、妻の父親が資産家だったことから、義父の土門から金を奪う誘拐事件を企てたのだ。
結果として誘拐は失敗。
罪を息子の雅人に告白した孝明だったが、その雅人が第一の復讐として孝明を屋上から突き飛ばし絶命した。
そして、もう1つ。
なぜ八木沼孝明は妻と息子を危険な目に合わせても平気だったのか?
実は雅人は孝明の子ではなかった。
そのため夫婦間は冷え切り、孝明は「仕返し」とばかりに計画を立てたのだ。
…ちなみに雅人自身は知らないが、雅人の父親は「東京出張の際にはよく泊めてもらっていた」と語っていた浜田であった。
まとめ
今回は麻見和史「石の繭」のネタバレ解説をお届けしました!
読み進めていくと半分くらいで「犯人トレミー = 八木沼雅人」と発覚するので「あ、もうわかっちゃうんだ」と拍子抜けしてしまったのですが、まさか結末でさらに「= 大辺屋の横井」というどんでん返しがあるとは!
しかも、小説では途中途中でトレミーが「家に帰るシーン」が挟まるんです。
これがまさか「主人公の家」だとは……本当にビックリしました!
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