感動・ヒューマンドラマ

湯本香樹実「岸辺の旅」が映画化!原作小説のネタバレ感想と解釈

湯本香樹実さんの小説「岸辺の旅」が実写映画化!

黒沢清監督作品としてカンヌ国際映画祭「ある視点」部門の監督賞を受賞しました!

主演は浅野忠信さん&深津絵里さん。

この秋話題の映画となりそうです。

というわけで、さっそく原作小説を読んでみました!

今回はその感想や物語の解釈について紹介していきたいと思います!

映画化「岸辺の旅」を読んで

まずは、物語のあらすじを押さえておきましょう。

 

主人公はとある夫婦。

ある夜、妻・瑞希の目の前に3年前に失踪した夫・優介が突然現れた。

「俺、しんだよ」

優介は自分が最期を迎えた場所から歩いて帰ってきたと話し、瑞希をその場所へ再び戻る「旅」に誘う。

こうして、2人は不思議な旅へと出かけることになった。

 

結末は?(ネタバレ有)

※ネタバレ注意!

 

「岸辺の旅」はとにかく抒情的で、誌的で、抽象的な作品です。

「起承転結」がないというか、わかりやすくストーリーが展開していくタイプではなく、「だから結局なんだったのか」という結末でさえ読者にゆだねている節すらあります。

その中でも、一応物語の真相を具体的に説明しようとすればこんな感じでしょうか。

・夫は本当にすでに他界している。最後は自ら海に入って命を絶った。

・物語の最後、夫婦は優介の最後の土地にたどり着き、そこで優介は「幽霊」としての終わりを迎えて消える。

最初は「瑞希の書いた写経を優介最後の地で燃やすこと」が目的だと優介は告げますが、最後には「あれは口実だった」と告げています。

そして優介は瑞希に「ちゃんと、あやまりたかった」と続けて言っているので、この部分を鵜呑みにすれば旅の目的は「謝罪」だったとも言えますね。

ただ「その他に目的があったのか」「何について謝罪しているのか」などはやっぱり行間に隠されているので、このあたりはそれぞれの解釈による部分です。

 

なお「岸辺の旅」では「途中優介の知り合いに出会っては、しばらくその人たちの元で働きながら過ごす」などのエピソードが大きく描かれています。

より詳細な旅の経過を知りたい方は、以下で詳しく物語の内容を追っているのでご参照ください。

関連記事:映画「岸辺の旅」の結末までネタバレ!原作の物語全て

 

解釈は?

※以下、管理人の個人的な感想と解釈です。

 

 

優介自身が述べている「謝りたかった」という点について。

思いつく事項としては

①勝手に失踪(他界)したこと。

②失踪後、瑞希が手を尽くして優介を探した末に、心労がたまって体調を崩したこと。

③失踪以前のこと。優介から強引に瑞希にアピールして付き合ったのになかなか結婚せず、結婚後も十分に関心を持ててなかったこと。

④瑞希に隠れて不倫していたこと(※相手は職場の同僚・朋子さんと営業に来た女性)

などでしょうか。

メインの理由は①やそれに付随する②だと思うのですが、結局は全ての理由を込めての「ちゃんと、あやまりたかった」なのだと思われました。

時間や場所、方向感覚すらも狂っていく不思議な「旅」の途中で優介は今まで知らなかった瑞希の過去について知りたがり、ある意味「本当の夫婦になるための旅」のようでもありました。

旅を通して優介は生前の未練を消し(謝罪)、同時に瑞希がこれから1人で生きていけるように「心の整理」をさせていたんじゃないかと思います。

一方で、「家に帰ろう」「ずっと旅を続けよう」「行かないで」と訴え続ける瑞希の声をずっとスルーして、見知らぬ土地まで連れてきたあげくすっと消えてしまう優介はただ自己中心的な行動をしていただけにも見えるような…。このあたりは受け取り方次第ですね。

物語の最後、優介と寄り添ってコーヒーを飲みながら寝てしまった瑞希が起きると、あたりは夜になっていて優介も消えています。

その後、瑞希は一言も発さず、ただ2人分の荷物ももって歩きはじめる…という描写で物語は締められました。

この後に瑞希がどのような人生を送るのか…それもまた解釈次第です。

 

感想は?

例えが違うと怒られそうですが、まるで村上春樹を読んでいるような気分。

出来事と出来事の境目は曖昧で、何かを表す描写も時にひどく迂遠な印象を受けます。

それでいて「真実」は文と文の間の「行間」に隠されていて、「あれは、こういう意味だった」という種明しはなし。

「岸辺の旅」は好き嫌いがわかれる作品だと思われます。

一方で、その婉曲ながらも「誌的」な風景描写や心理描写は美しくもあり、また旅の中でしっかりと描かれている夫婦の人間性や、旅の中で少しずつ変わっていく夫婦の人間関係などには心打たれました。

「伏線と回収」を楽しむのが好きなタイプには微妙かもしれませんが、結末にこだわらず文章や情景の美しさを楽しめる読み手にはおススメできる一冊です。

また「旅」という題材のせいもあるでしょうが、読み進めていく中で「映像化に向いているな」と個人的には思われました。

映画「岸辺の旅」は実写化することで、より原作の「言葉で表現しない感情」が伝わる良作になっていると期待!

非常に味わい深い映画になっていると思うので、公開が楽しみです。

 

まとめ

映画化する湯本香樹実「岸辺の旅」を読んでの感想や解釈、ネタバレ結末などをお届けしました!

原作小説の持つ良さは、映像化することでより魅力を増す予感!

浅野忠信さん、深津絵里さんというバッチリのキャストにも恵まれ、どのような「旅」が描かれるのか映画公開が楽しみです。

※ちなみに優介(夫)の不倫相手である朋子を演じるのは蒼井優さん

夫の優介はいわば「幽霊」なのですが、髪もヒゲも伸びるし足も心臓の鼓動もまるで生きている人間そのもの。

「岸辺の旅」は他のいわゆる「幽霊モノ」とはかなり異なった作品で、主題はあくまでも「夫婦の関係」にあります。

観終わった後には、いろんなことを考えさせられる…そんな映画になりそうですね。

映画「岸辺の旅」は2015年10月1日全国公開予定!



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