ラストに驚き 記事内にPRを含む場合があります

今邑彩「情けは人の」あらすじとネタバレ!意外な黒幕の正体とは?

今回注目したいのは、フジの特別ドラマ「ドラマ・ミステリーズ~カリスマ書店員が選んだ珠玉の一冊~」

短編ミステリー3本が豪華キャストでドラマ化されるということで、楽しみにしています。

ラストに放送される短編ミステリーは今邑彩「盗まれて」より「情けは人の…」

ドラマでは向井理さんが主演を務める作品です。

さっそく原作小説を読んでみたところ…意外な黒幕にビックリ!

今回ドラマ化される3本の中で唯一、結末の方向性が違う作品でした。

というわけで今回は、今邑彩「情けは人の…」結末までのあらすじをご紹介したいと思います!

※重大なネタバレを含みます。ご注意ください!

今邑彩「情けは人の…」のあらすじとネタバレ!

北川健史はスナックで働くフリーター。

一度は大学進学を志したものの、今年、二浪目で諦めた。

幸い亡き母が遺産を残してくれているので金には困っていない。

母はいわゆる未婚の母だった。

健史の父親には妻子がいて、一緒になれないと承知したうえで健史を生んだのだという。

実父の名前は塚原幹雄。大会社「ツカハラ産業」の二代目社長だ。

母が入院したとき、父はただの一度も見ないに来なかった。

自分たち母子のことなど、どうでもよかったのだろう…。

 

どうやら店に残った最後の客・赤塚一郎も「ツカハラ産業」に恨みがあるらしい。

リストラされた腹いせに、赤塚は塚原に復讐をするのだという。

赤堀「五百万だす。三日だけ仕事を手伝ってくれないか?」

健史「仕事って、どんなことをするんです」

赤堀「誘拐だよ」

 

赤堀は言う。

塚原と後妻・京子夫人との間には、昌彦という10歳の男の子がいる。

唯一の男児、すなわち後継者を誘拐すれば、塚原はさぞ慌てるはずだ。身代金を用意するに違いない。

赤堀「あいつにも子供を失った苦しみを味わってもらいたいんだよ」

塚原のせいで間接的に赤堀は子供を事故で失い、それがきっかけで妻にも逃げられたのだという。

 

健史は考える。

金など別に欲しくはない。

しかし、目の前の赤堀には自分の境遇と重なるものを感じる。いわば同類だ。

誘拐した子供には絶対に手を出さないというし…。

健史「あんたの話に乗るよ、おれ」

健史は腹違いの弟を誘拐する手助けをすることに決めた。

 


 

誘拐はあっさりと成功した。

赤堀の知人のものだという別荘に昌彦を運び込むと、赤堀は塚原との交渉のためにまた出ていった。

健史の役目は縛られて動けない昌彦を監視することだ。

 

眠らされていた昌彦の目が覚める。

少し会話をすると、昌彦は驚くべきことを口にした。

昌彦「ぼくを誘拐してもパパはお金を払わないと思うよ。ぼく、パパの子じゃないもの」

 

どうやら昌彦は塚原と京子夫人の会話を聞いたらしい。

2人の年齢は30歳も離れている。

昌彦は京子夫人と浮気相手の子どもだったのだ。

 

健史は慌てて赤堀に電話でこのことを告げる。

ところが、赤堀はそのことを知っていて…

赤堀「塚原は金を払うよ。間違いない。塚原がおれに払う金は、子供を生かすための金じゃないからだ」

赤堀は言う。

赤堀「黒幕は俺じゃないよ。しかし、あんたにとっても損な話じゃないはずだ。いずれ、あんたが正当な後継者になるためにはね」

健史「おれのこと知ってたのか」

赤堀「もちろんさ。あんたが塚原さんの血を分けた息子だということは百も承知の上さ。だからこそ、話を持ち掛けたんだ」

一方的に電話が切られる。

なんてことだ。自分が同類だと感じた赤堀の話は全部でたらめだったのか。

 

それにしても、黒幕とは誰だ?

考えるまでもない、父、塚原幹雄だ。

塚原は昌彦が実子でないと知り、怒り狂ったのだろう。

しかし、外面もあるし政略結婚なのだから簡単に離婚もできない。

そこで塚原は赤堀に昌彦を誘拐させ「誘拐犯に子供の命を奪われた」というストーリーをつくることにした。

昌彦を始末した後は、実子である健史を後継者にすればいい。

おそらく、そういう筋書きなのだ。

 


 

突然、昌彦が激しい腹痛を訴えだした。

健史(盲腸炎かもしれない…)

盲腸を放置すれば、最悪の場合は命にかかわる事態になるかもしれない。

今すぐ救急車を呼び、病院に向かわせるべきだ。

しかし、そうすれば当然、計画は失敗。昌彦は健史たちのことを話すだろう。

どうするべきか…。

昌彦はどうせ赤堀に始末される予定だったのだ。助ける必要はないんじゃないか?

そうすれば、後継者の席は健史のものになる。

 

ふと、健史は母の口癖を思い出す。

『情けは人のためならず』

母を悲しませるような真似はできない。

健史は119番を押した。

 

別荘に戻ると、赤堀が帰ってきていた。

健史は事情を説明する。計画は失敗したのだ。健史は帰ろうとするが…

赤堀「待てよ。あんたを帰すわけにはいかないんだよ」

赤堀の手には本物の拳銃が握られていた。

赤堀「肝心な話はまだ何もしてないんだよ。今までおれが話したことは全部でたらめだ。この誘拐計画の黒幕は塚原じゃない」

 

赤堀「この誘拐計画の筋を考え、おれに持ちかけた黒幕は…塚原昌彦だよ」

 

赤堀は昌彦の計画を話し始める。

第一に、昌彦が塚原の実子ではないということは事実だ。

昌彦は健史の存在を知っており、このままでは自分の立場が危ういと考えた。

だから昌彦は邪魔者を消すための誘拐計画を考えたのだ。身代金は二の次の目的に過ぎない。

つまり…

赤堀「おれたちが誘拐したのは、あんただったんだよ

 

赤堀の指が引き金にかかる。ゆっくりと引かれた。

カチッ

赤堀「弾は入ってないよ。あんたは昌彦の命を助けようとした。たぶん、あんなアクシデントがなくても、あんたはあいつを助けようとしただろう。そういう人間を一方的に葬るのは、俺の流儀にあわないんだよ。これでおあいこだ。どこへでも行くがいい」

ハッと健史は気づく。そういえば、昌彦の顔は塚原ではなく、目の前の男に似ている。

赤堀「塚原のせいで子供を失ったというのは、ある意味では本当だ。でも、必ず取り返して見せるよ。塚原にはもう京子も昌彦も必要ないはずだからな。今のあいつに必要なのは、たぶん、あんただ」

赤堀は無理やり引き裂かれた京子の恋人だったのだ。そして昌彦の実の父親でもある。

健史は赤堀に、昌彦が入院している病院を教える。

赤堀「それを教えてくれた礼にあることを教えてやろう。塚原は前妻が亡くなったとき、あんたのおふくろさんを正式に迎えようとしたんだそうだ。だが、その頃には存命だった先代が反対した。それを知ってか、あんたのおふくろさんは塚原の申し出を断った。知っていたか」

健史「いや…」

ここを出たら、塚原に会いに行こう。健史はそう思った。

無性に父に会いたかった。

そして、亡くなった母のことを話そう。母が好きだった言葉のことを。

母の口から子守り歌のように繰り返された、あの一言が、健史の命を救ってくれたということを。

<情けは人の・完>

 


 

感想

「身代金目当ての誘拐」→「塚原が黒幕で、昌彦を亡き者にしようとしている」→「実は昌彦こそが黒幕で、命を狙われていたのは健史自身だった」と二転三転していく展開がとても面白い短編でした。

また、イヤミスな結末を迎える作品が多い中、素敵な終わり方も印象的です。

※ドラマ化される3本の短編ミステリーの中では唯一、ハッピーエンドな作品ですね。

それにしても、まさかわずか10歳の昌彦が真の黒幕だったとは!

よく考えれば推理できたのかもしれませんが、私はすっかり騙されてしまいましたよ。

わずか50ページほどの短編のなかに、これだけのドラマが描けるなんてすごいですよね。

 

物語の分岐点は、昌彦が盲腸を訴えだしたシーンでした。

正直なところ「いやー…、でも、これは昌彦を見捨てるよねー…」と私なんかは思ってしまいましたよ(笑)

しかし、健史は「情けは人の為ならず」という母親の言葉を思い出し、そんな悪魔の誘惑を振り払います。えらい!

結局、タイトル通り健史は命拾いをした上に、わだかまりのあった実父の本当の想いを知ることができました。

一方、冷酷な計画をたくらんだ昌彦は、助かったとはいえ盲腸で苦しむことに。

こう考えると「情けは人の…」のテーマは「勧善懲悪」だったのかもしれませんね。

 


 

※「ドラマ・ミステリーズ」その他の作品

1本目:小池真理子「妻の女友達」のあらすじとネタバレ!(大泉洋)

2本目:北山猛邦「恋煩い」のあらすじとネタバレ!(土屋太鳳)

 

まとめ

今邑彩「情けは人の…」がドラマ化!

向井理主演で「ドラマ・ミステリーズ~カリスマ書店員が選んだ珠玉の一冊~」のラストに放送されるということで、今回は原作小説のあらすじとネタバレをお届けしました!

・誘拐事件の黒幕は実は父親だった!?

からの

・真の黒幕は誘拐された息子だった!!

という展開は、ミステリーとしてとても美しいですよね。

10歳の少年が事件の黒幕という点にも意外性がありました。

ハッピーエンドな結末を迎える作品ということで「ドラマ・ミステリーズ」のトリを飾るにふさわしい作品だと思います。

 

ちなみに、ドラマ版「情けは人の…」では向井理さんが健史を、小澤征悦さんが赤堀を演じます。

うーん、渋い!

2人の緊迫感あるやりとりが楽しみです!

あと、キャストといえば実は黒幕の昌彦を演じる大西利空くん(実年齢も10歳)は、映画「3月のライオン」で桐山零の幼少期を演じているほか、さまざまな作品に出演しているベテラン子役なんですよね。

今回はある意味、かなり重要な役どころですから、ベテラン子役・大西くんの活躍にも注目です。



おすすめ少女漫画アプリ【PR】

マンガPark - 人気マンガが毎日更新 全巻読み放題の漫画アプリ

マンガPark - 人気マンガが毎日更新 全巻読み放題の漫画アプリ

HAKUSENSHA.INC無料posted withアプリーチ

白泉社の少女漫画が読める漫画アプリです。



雑誌でいえば『花とゆめ』『LaLa』とかですね。



オリジナル作品も女性向けが多くてにっこり。



毎日2回もらえるポイントで最低8話ずつ無料で読めますし、初回は30話分の特別ポイントももらえます。



↓人気作も配信中!
  • 『フルーツバスケット』
  • 『三月のライオン』
  • 『桜蘭高校ホスト部』
漫画を見てみる

マンガMee-人気の少女漫画が読めるマンガアプリ

マンガMee-人気の少女漫画が読めるマンガアプリ

SHUEISHA Inc.無料posted withアプリーチ

集英社の少女漫画が読める漫画アプリです。



雑誌でいえば『りぼん』『マーガレット』とかですね。



歴代の名作から最新作までとにかくラインナップが豪華!



少女漫画が好きなら、一度はチェックしておきたいアプリです。



↓配信中タイトル
  • 『ハニーレモンソーダ』
  • 『君に届け』
  • 『NANA-ナナ-』
漫画を見てみる


COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA