本格ミステリ

東野圭吾「マスカレード・ホテル」のネタバレ解説と感想!

前回は小説のあらすじ・ネタバレをストーリー順にお届けしたのですが、「あれもこれも外せない…」と思っているうちにかなり長い記事になってしまいました。

小説「マスカレードホテル」あらすじネタバレ!犯人や結末は?「やっぱり東野圭吾ってすごいんだな…」とため息をついてしまうほど緻密で鮮やかなトリックと伏線回収。魅力的なキャラクターと、いろん...

そこで今回は物語の核となる部分にのみ焦点を当てて、簡潔に物語の構造についてネタバレ解説していきたいと思います。

また、後半では小説「マスカレード・ホテル」を読んだ感想や作中に登場するホテルのモデル紹介などもお届けします!

では、まずはネタバレ解説からスタートです!

 

 

ネタバレ解説

「マスカレード・ホテル」の醍醐味といえば、地層を掘り返すように少しずつ明らかになっていく事件構造!

まずは、その点について簡単にまとめてみました。

 

【第一段階】

都内で発生中の連続殺人事件。

不可解なのは、これまでに起きた3つの事件にまるで共通性がないことだ。

被害者も犯行方法もバラバラ。

一見すると別個の事件のようにしか見えない。

では、なぜ一連の事件が同一犯によるものだと想定されているのか?

それは、犯行現場に必ず犯人からの『メッセージ』が残されていたからだ。

一見しただけでは意味不明な数字の羅列。

その暗号が示していたのは「次の犯行場所」だった。

第四の事件が起こる場所は一流ホテル「コルテシア東京」

若き刑事・新田浩介はホテルのフロントクラークに化けて潜入することに。

彼の指導・サポートを担当するのはベテランのフロントクラーク山岸尚美。

ホテルでの業務に従事しながら、新田は事件の真相へと迫っていく。

 

 

【第二段階】

捜査が進展したことで、新たな事実関係が判明した。

結論から言えば、一連の事件は同一犯によるものではなかったのだ。

犯人はそれぞれ別に存在していて、ネットの闇サイトを通じてやりとりを交わしていた。

現場に残された暗号は、各犯人が容疑者として疑われないための偽装工作だったのだ。

※1つの事件で有力な容疑者であっても、他の事件とのつながりがないため犯人だとは思われない、という思惑だった。

すでに第一の事件、第二の事件については犯人の目星がついている。

しかし、問題はコルテシア東京で起こる次の事件だ。

これまでの事件との関連性がないと判明したことにより、いよいよ犯人像がわからなくなってしまった。

しかも、『X4』と呼ばれる次の事件の犯人こそが、一連の偽装工作を発案した黒幕なのだ。

絶対に逃がすわけにはいかない。

そのためには『X4』に警察が警戒していると悟られないよう、この事実を隠匿しておかなければならない。

ところが、うっかり新田はこのことを尚美に漏らしてしまう。

ホテルマンの鑑である尚美のことだ。

ホテルの利益を守るため、このことを支配人に報告するに違いない。

新田は現在警察が『X4』ではないかと警戒しているストーカー男が現れるであろう、土曜日の結婚式まで報告を待ってくれるよう懇願する。

「…わかりました。でも忘れないでください。もし何かあったら私はホテルで働くこと自体を辞めます」

「その時は、俺も警察官を辞める」

果たして、『X4』は現れるのだろうか?

 

 

【第三段階】

事件構造には更なる裏があった。

別個の事件を同一犯によるものだと錯覚させた偽装工作…それさえも『X4』の偽装工作だったのだ。

どういうことか?

『X4』にはもともと標的が2人いた。

だが、そのまま2人を始末すれば、被害者の共通性から自分が有力な容疑者になってしまう。

そこで『X4』は片方の殺人を別の事件とセットにしてしまおうと考えた。

そうすれば警察は「別々の犯人による4つの事件(の中の1つの事件)」と「もう片方の標的の事件」をセットにして考えることができなくなるはずだ。

…。

捜査が進み『X4』がすでに片方の標的を始末していることが発覚する。

被害者の男について調べたところ、その元彼女である女がどうも怪しい。

そしてついに新田は真犯人の正体を見抜いた。

「この人物は…!」

と同時に、新田は尚美の姿を探した。

…いない。

手近なスタッフに尋ねたところ、案の定、尚美は客室で真犯人の接客をしているのだという。

やはり、第四の事件のターゲットは山岸尚美だったのだ!

 

 

【結末】

真犯人の名前は長倉麻貴。

彼女こそ『X4』であり、山岸尚美と元カレである男を亡き者にしようと計画した人物。

しかし、犯人はなぜ尚美を標的に選んだのだろうか?

事の発端は1年前の冬。

長倉は自分の前から姿を消した彼氏(松岡)を追って、コルテシア東京に来ていた。

というのも、長倉は松岡の子供を妊娠していたのだ。

逃げた松岡に責任を取らせるため、長倉は嘘の理由をでっちあげ、フロントクラークから松岡の部屋番号を聞き出そうとした。

ところが、その様子はストーカー女のようにしか見えない。

長倉を対応した尚美はお客様である松岡を守るため、しつこく粘る長倉を丁寧に追い返した。

宿泊すら断られた長倉はホテルの前で松岡を待つことにしたが…季節は冬。

寒さに身体が耐え切れず、長倉は倒れてしまった。

結果、長倉の子供は流産。

長倉は尚美に憎しみを抱いた、という経緯だった。

 

そして今、長倉は片桐瑶子という老婆の変装を解き、尚美の拘束に成功していた。

場所は客室。尚美は両手両足を縛られており、何一つとして抵抗できない。

警察は長倉がでっちあげた「結婚式に現れるストーカー男」の警備で忙しい。

まさに長倉が尚美に毒を注射しようとしたその時だった。

すべては一瞬の出来事。

颯爽と現れた新田が注射器を叩き落とし、長倉の腕をねじりあげる。

続いて手錠をはめて逮捕を宣言。

これにて、一連の事件は完全に幕を閉じたのだった。

「どうして私がいるとわかったんですか?」

「匂いです。あなたがいるとすぐにわかりました。もちろん、いい匂いですよ」

「私の匂いがわかるんですか?」

「それはもう。だって、我々はずっと一緒にいたじゃないですか」

<マスカレードホテル・完>

 

 

感想

真犯人と犯行動機が明かされたとき、私は思わず「おおっ!」と声を出してしまいました。

というのは、物語の前半に登場した2つのエピソードが結末につながる巧妙な伏線だったことに1ミリも気づいていなかったからです。

・盲目の夫のために盲目のふりをしていた老婦人・片桐瑶子

・ニューヨーク帰りの恋人だと偽って宿泊中の男の部屋を調べようとしていたストーカー女

結論から言えば、真犯人はストーカー女(本当はお腹の子供の父親に責任を追及しにきた女)こと長倉であり、実は片桐瑶子という老婦人は劇団員だった長倉の変装で、ターゲットである尚美を始末するための下準備として一度宿泊していたわけですが…うん、全然わかりませんでしたね(笑)

といっても、ミステリのルールとして情報提示はきちんと行われているので、推理力のある方なら結末までに真相にたどり着くことも可能だったはず。

でも、この2つのエピソードはそれぞれ伏線と気づかないくらいに自然に物語に組み込まれていて、なんなら「ああ、このエピソードがあったから捜査がこう進展したのね」と納得できるくらい作中で十分な役割を果たしていたんですよ。

それがまさか、もう一つ結末につながる伏線という役割を担っていたとは…もう東野圭吾に降参!って感じです。

ちなみに作中には他にも複数「怪しい客…犯人か!?」→「違いました」というエピソードが登場しています。

木を隠すなら森の中。まさかその中の2つが犯人と犯行動機を説明するものだったとは…。

 

 

2人の関係性がたまらない!

ミステリとしての完成度が高いことはすでに述べましたが、「マスカレード・ホテル」はキャラクターも魅力的!

W主人公である新田と尚美の関係性が変化していく様子は、見ていて本当に惹きこまれます。

序盤では「人に感謝する者」と「人を疑う者」という仕事の性質の違いから少しギクシャクしていた2人も、中盤になるとお互いの長所を尊敬しあうようになり、最後にはもう目も当てられないほどの(?)信頼関係を築くまでに至る…この流れがたまりません!

クライマックスのシーン、新田が尚美を助けることができた理由は「ずっと一緒にいたから、あなたの匂いはわかる」ですよ!

もうね、たまりませんね(笑)

コンビものにおける「グッとくる台詞ランキング」があったら間違いなく上位にランクインすることでしょう。

「ホテルウーマンと優秀な刑事」という独特な取り合わせも相まって、この2人の関係性は今までにない面白さを生み出しています。

果たして2人の間に芽生えたものは固い信頼関係なのか、それとも信頼を通り越してもはやラブなのか!

そのあたりを明確にせず、いい感じにぼかしている点もニクイところです。

※なんたってラストシーンはホテルの最上階レストランで乾杯する二人。しかも同席していた所轄刑事(能勢)が空気を読んで退席するほどの雰囲気。うーん、怪しい(笑)

普通なら「結末の向こう側は読者の想像におまかせ」となるところですが、この小説はありがたいことにシリーズもの!

2作目の「マスカレード・イブ」は2人が出会う前の前日譚を描く短編集で、3作目の「マスカレード・ナイト」は1作目の続きを描く待望の長編になっています。

 

 

こんなホテルに泊まってみたい!

「マスカレード・ホテル」はある意味、お仕事系小説でもあります。

ホテル業界の裏側や知られざる気配り…尚美の仕事ぶりには思わず「一流ホテルってすごいんだなぁ…」と感心させられました。

読了後、まっさきに思い浮かんだのは「こんなホテルに泊まってみたいなぁ」という気持ち。

じゃあ、どこが「ホテル・マスカレード」気分を味わうのに最適なホテルかというと…やっぱり作品のモデルになったホテルでしょう!

巻末を見てみると、そこにはこんな一文が掲載されていました。

『取材協力 ロイヤルパークホテル』

さっそく公式サイトを見てみると「ああ、確かにここがコルテシア東京だな」と納得。

レストランや客室の高級感は、思い描いていたコルテシア東京そのままのリッチさでした。

気になる料金はというと…ううむ、当たり前ですがいいお値段しますね…。

普段使いはまず無理としても、特別な日にはぜひ利用したい…って感じです。

ちなみにロイヤルパークホテルは東京以外にも仙台、横浜、名古屋、京都、福岡に展開しています。

ちょうど私の住む土地の近くにもあるので、まずはレストランかバーの利用から攻めてみようかと検討中。

たまには非日常空間で極上のサービスを受けてみるというのも、いい経験になりそうですよね。

 

まとめ

今回は東野圭吾「マスカレード・ホテル」のネタバレ解説や小説を読んだ感想などをお届けしました!

ミステリとしてもドラマとしても文句なし!

木村拓哉さん主演の映画も要チェックです!

映画『マスカレード・ホテル』の配信は?

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※配信情報は2020年6月時点のものです。最新の配信状況は各サイトにてご確認ください。



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